冬休みの由来、秋休みの由来

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日本は、世界でもトップレベルで「祝日」が多い国。「体育の日」、「敬老の日」、「海の日」などノルウェー人に説明しても「なに、それ?」って言われそうです。

休んでばっかりの印象のノルウェーですが、「祝日」自体は日本より圧倒的に少ないです。
Jul(クリスマス)、nyttår(新年)、17.mai(ナショナルデー)、その他、キリスト教に関連した祝日など。
その代わり、「長期の休み」は、大放出!という感じであります。

7月のノルウェー。ほとんどの人が夏休み。1か月近くは休んでいる印象です。
イースター休暇やクリスマス休暇も、それぞれ1週間くらいは取るでしょうか。

そして2月~3月は冬休み(vinterferie)の季節です。
これは小中高の子どもたちの休暇ですが、県によって休みの時期がずれていますね。
今年のカレンダーでみると、
最北のフィンマルクが・・・2/3-7
オスロ, 西、中央ノルウェー・・・2/17-21
ベルゲン、北一部・・・2/24-28
南ノルウェー・・・3/3-7

です。それに週末を加えれば、例えばオスロの場合、2/14-22までお休みです。
子どもが休みなので、それに合わせて親も休みを取る人、取れない人がいますが、大体は家族でスキーというパターンが多いみたいです。

ノルウェーのAftenpostenは、「ところで、どうして冬休みってあるんだろうか?」という特集記事を掲載しました。というのも、そんなことを考えるノルウェー人は、まずいないからです。
分かっているのは、冬休みは1930年代頃に始まっている、とのこと。
「わからないことはお年寄りに聞こう!」とばかり、トロンハイムの学校に通っていたボーディルさんに尋ねてみると・・・

「当時はツベルクリンが流行していたわね。だからスキーを滑れば健康になれる、と思っていた。そして天気が良ければ、校長先生が”休みにしよう”と決めてたのよ。」

なんか、ほのぼのしていて、いいですね~。    スキー

同時期では50年代に、高校生だったビョルンさんも当時の思い出を語ってくれます。
山スキーを楽しむために、当時の様子は・・・

「鉄道でスキーを送る場合、乗客と同じ日に到着する保証がなかったんだ。だから、最低でも3日前にスキーを鉄道で送る必要があったんだよ。今では、そんな決まり事は考えられないだろう?」

何にしても、お年寄りのお話しは「ふむふむ」と興味深いですね!

歴史家たちによると、「冬休みの制度はまず都市部の自治体から始まったようで、オスロの学校がまず先陣を切った」とのこと。
他にも興味深い歴史的事実が語られます。
「昔のクリスマス休暇は、12/21-1/10までと、とても長かった。冬休みを導入することによって、長すぎるクリスマス休暇を短縮することにつながった。」

こうして「冬休み」が始まったわけですが、休みの時期をずらすのは、「たくさんの子どもと親が山スキーができるホテルを利用するので、みんなが利用できるように配慮したため」だそうです。
子どもたちは小さなうちからスキーに親しみ、それがひいては、五輪の厚い選手層につながるのでしょうか?

で、「秋休み」(høstferie)についても触れましょう。
10月の初めに、やはり小中高の子どもたちが1週間ほど休みがあります。
6月半ば~8月半ばまで「夏休み」があり、ようやく学校が始まったと思ったら「秋休み」。
友達のJackに聞いたら、「何だかあんなに長い夏休みがあって、え?また秋休みって感じだったなぁ」と語ってくれました。
当のノルウェー人も「休みすぎ」と思っているようですが、実は「秋休み」の由来を調べてみると・・・

もともと「秋休み」は、「Potetferie」(じゃがいもの休み)と呼ばれていました。
昔の子どもたちは、ノルウェー人のソウルフード=じゃがいもの収穫を手伝うために、いわば働くための「休み」だったのです。

現在では・・・・はい、私の周りで「じゃがいもの収穫、手伝ったよ!」という声は聞きません。労働のための休みは形骸化し、単に「休み」として残りました。
やはり子どもと一緒に休んで、海外旅行へ出かける家族もいれば、ヒュッタで秋のノルウェーを楽しむ家族もいます。

今では当たり前のようにある「冬休み」と「秋休み」。それぞれの由来は、ノルウェーの歴史と深く結びついていて、面白い!と感じました。