ディズニーと北欧のコラボ~「アナと雪の女王」~

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ノルウェー人や北欧人はディズニーが好きです。
クリスマスには、なぜかディズニー映画がたくさんテレビで放送され、それはもう日本人と「紅白歌合戦」と同じくらい「自然なこと」となっています。

昨年末くらいから、「ディズニーが、ノルウェーの自然からインスピレーションを受けた映画を作る」というニュースが、いろいろなノルウェーのメディアで報道され、「はしゃいでいる」様子が伝わってきました。
「ふ~ん?」ということで、ちょっと懐疑的だった私。
例えばこんな記事です。
「”Frost”(ノルウェー語タイトル)は、ノルウェーのフィヨルドや山といった自然からインスピレーションを受けた映画である。アメリカの旅行業界によれば、”Frozen”(オリジナルタイトル)の公開後、アメリカからノルウェーへ飛行機の予約が、2013年11月28日~2014年1月31日の期間、前年比より153パーセント増加していることが分かった。」(VGより)

え?このディズニー映画を見ただけでノルウェーへ行きたくなるんですか?
私はFrost=「アナと雪の女王」が日本で公開される前から、日本語公式HPなどでチェックしたのですが・・・

「ノルウェー」の「ノ」の字もHPには載っていません・・・!
またノルウェー人だけが喜んでいるの?と半ば、映画に興味を失いかけていたところ、「アナと雪の女王がすごく良かったです」と生徒さんが映画のパンフレットを持ってきてくれました。
そこにはちゃんと、ディズニーのスタッフがノルウェーのリサーチを行い、スターヴ教会の写真が載っています。教会

これは「ノルウェー伝道師として行かないと!」と思い立った翌日に、最近オープンした「TOHOシネマズ日本橋」に見に行ってきました~。

確かに!この映画は北欧、ノルウェーファンならばついつい「あ!ノルウェーっぽい」と思える要素がふんだんに盛り込まれています。
オープニングにかかる音楽はサーメ人のヨイク。その独特な節回しは、私たちを物語の世界にいざなってくれます。

まず登場人物の名前が、エルサ(Elsa)、アナ(Anna)、クリストフ(Kristoff)、ハンス(Hans)、トナカイのスヴェン(Sven)、雪だるまのオラフ(Olaf)。なんと北欧チック!
そして自然は、フィヨルドや険しい山々はもちろん、スターヴ教会が登場します。
前述のVGの記事によると、ディズニーチームはベルゲン、フロム、ガイランゲル、オスロで8日間のリサーチを行ったとか。
物語の中で、女王エルサがフィヨルドを凍らせてしまうシーンがあるのですが、「凍らないはずのフィヨルドが凍った」という衝撃は、物語の登場人物たちに強いショックを与えているのです。

他にも夜空を美しく彩るオーロラや人々の着ているブーナッド(民族衣装)も、ノルウェーファンなら「あ!」と気づくことでしょう。
小さいシーンですが、「ルーテフィスク」が出てくるシーンもあります。はい、乾燥ダラを煮込んだノルウェー独特の料理ですね。アナが雪の中をさまよい、小さなお店を訪れた時、店主が「魚の瓶もあるよ」と字幕には書いてありますが、英語では「ルーテフィスク」と言っていて、くすっと笑ってしまいました。

あと強調したいのは、「ディズニーの手にかかると、トロールが愛らしくなる!」という事実!
あれだけ、「可愛くないのに、高いだけ」とバカにされちゃうトロールが、何とも言えない愛嬌を持って、映画に北欧的要素をプラスしています。
トロールは、最初、大きな石の状態ですが、これは「トロールは日を浴びると石・岩になる」という伝承を忠実に再現しているのか、単なる偶然かはわかりません。
それにしても、あのトロールをキャラクター化できるディズニーの底力に、畏怖の念を覚えました。

こうした北欧的要素を抜きにしても、ストーリー、音楽、とても楽しめる映画でした。
ノルウェー、北欧ファンでまだ未見の方、ぜひ映画館で「ノルウェーを体感」してくださいね♪

“ディズニーと北欧のコラボ~「アナと雪の女王」~” への4件のフィードバック

  1. 佐々木 和由 より:

    「アナと雪の女王」を見ました。他人の為に尽くす「真実の愛」が分かり易く描かれていました。絶賛する若い観客が多い事がうなずけます。このような映画が大成功する事に、明るさを感じます。
    ノルウェーに由来している所は、私は殆んど分かりませんでした。が、貴ブログを読んで、ノルウェーへの親しみが増しました。
    かつてノルウェーでは、クリスマスに“トナカイに乗ったニッセ”の器にお粥をさし上げる習慣が有り、その“ニッセ”がサンタクロースの原型説もあると聞きました。私は次のように、勝手に想像しています。お粥をさし上げる事で、『今年も良い事をした』(困っている人に手を差し延べる事が出来た)との『幸せ』な思いで新年を迎えられていた。その精神が今に息づいていて、一人ひとりが活き活きと暮らす、素晴らしい国を築いて来たのではないか、と。
     また、ノルウェーがEUに加盟しない理由は、「一部に不利益を受ける人が出るから」と聞いた時には、そこまで人を大切にするのか!とビックリしました。日本ならば国益優先です。
     ディズニーのスタッフもノルウェーの人々と親しくする中で感化されて、ノルウェー色が濃い映画に仕上がったのではないでしょうか。
     私がこの映画を見に行ったのは、6月のノルウェー行きで、少しでも多くの高齢者と話をしたいので、英語を聞く機会を増やそう、と思ったからです。しかし現実は、現地の人と話すには、ノルウェー語は勿論無理、英語でもとても無理そう。でも、この程度で諦めていたら「アナと雪の女王」のアナから叱られそう。もしかしたら、青木さんからも。

    • Aoki より:

      佐々木さま

      コメントありがとうございます!映画は本当に素晴らしかったですね~。
      ニッセとクリスマスのおかゆのエピソードはその通りです。心温まるノルウェーらしい伝統です。
      ノルウェー旅行の際にはぜひコミュニケーションにトライしてみてください!

  2. hal より:

    二回目に字幕版で見たらたしかにルーテフィスクって言っててわたしもクスッとしてしまいました。
    トロールのところはレッスンでやったトロールのお話を思い出しました。ディズニーのことだからそこまで調べて、あの石の形になったのでは…と考えていました。
    ノルウェーがこんな形で素敵な作品になって嬉しいですね!

    • Aoki より:

      halさま

      映画のパンフレットを見せて下さってありがとうございました!
      お蔭で映画を見に行こう!という気になりましたよ~。
      そうなんです、ルーテフィスクって言っているんですよね。一瞬ですけど。トロールもディズニーの力で愛らしいキャラクターでしたね♪