またまた昔話で恐縮です。
1994年にノルウェー語を東京で習い始め、ノルウェー人留学生たちと知り合いになり、いろいろテキストには載っていないことを教えてもらいました。
その中で、興味深い指摘があったのです。
「日本人、会話中にうなずきすぎだよね。」
「ほ?」
「ノルウェー人は会話中に、別にうなずかなくても相手の話を聞いているんだけど、日本人はいちいちうなずくから、うっとうしい感じがする。」
「ほ?」
この指摘は、驚きました。そしてそれから、ノルウェーへ留学し、また仕事を通じたり、いろいろな出会いでたくさ~んのノルウェー人と会話しましたが・・・・。
「あの人たちはうなずかなくて、会話している。」と確認できたのです。
まだ語学力に自信がなかった頃。
こちらが拙いノルウェー語で話しても、相手は黙って、人によってはこわ~い目でこっちを見ている・・・これにはビビりました。
そして本当に私のノルウェー語が伝わっているか自信がないし、何よりも私の話を聞いているのか確信が持てず、ついついセンテンスの語尾に、「…….,ikke sant?」と言うようになってしまったのです。
この「ikke sant」(イッケ サントゥ)は「~だよね?~ですよね?」という相手に確認、同意を求めるフレーズです。
自分の語学力に自信がないから、ついつい多用してしまった・・・と今では分かります。
この「ikke sant?」ですが、ある調べ物をしていて興味深い事実が分かりました。
ノルウェーの大学に留学中、日本語とは違って、「言葉に”性差”が少ない=男言葉、女言葉がほぼない」と思われるノルウェー語について、「それでも男女でコミュニケーション法に違いがあるのか?」をレポートのテーマに選びました。
文献は少なかったのですが、ある論文に「男性に比べて女性の方が、ikke sant?を多用する傾向がある」と書かれていました。
「ほ?なんで?」と思い、論文を読み進めます。
「女性は男性に比べ、円滑なコミュニケーションを心がける。そして、断定調で話す男性に対し、女性は相手からの”確認・同意”を得たいという欲求がある」と分析されていました。
それ以降、この「ikke sant?」をノルウェー人の男性と女性がどれだけ使うかに注目するようになりました。
これはあくまでも私の経験上ですが、女性の方が「ikke sant?」を使う頻度が多いと感じています。もちろん、男性でも使う人はいますが、トータルで見れば、女性>男性と思います。
うなずいてくれないノルウェー人。その中で「ikke sant?」と使ってもらうと、会話全体が少し「柔らかく」なる感覚がありますね。
さて、ノルウェー語習得に向け、今でも努力は続けています。
生徒さんに強要している「息吸いja」はもちろん、自然なノルウェー語を目指しているのですが・・・
でもでも「三つ子の魂、百まで」ではないですが、「うなずかないで会話する」だけは、どーしてもできないのです!
日本人同士はもちろん、ノルウェー人との会話でも、うなずきまくっている私。凝視するノルウェー人。はい、昔と同じです・・・。
首を固定するような装置を作って(まるで大リーグ養成ギブス?)、首を動かさないようにすれば、「よりネイティブに近いノルウェー語」へ到達できるでしょうか??
でも、「うなずかない技術」をマスターしたとしたら、日本人の友達からは「感じ悪~い」と思われ、生徒さんたちに「センセイ、なんか怖い」と怯えられそうです。
・・・ということで、日本で仕事し生活している私は、今日もうなずいていま~す。
*********************************************
フィンツアーHP連載エッセイもUPされました。
オスロ中心に「通りの名前」の意味などをピックアップしました。意味が分かれば、街歩きがもっと楽しくなりますよ~♪
http://aoki-san.finn-tour.com/norway/essay569.html
では「うなづきトリオ」はノルウェーでは絶対売れないですね。イギリス人の先生に「日本人は話す時に微動だにしない」と言われたことがありますが、身振り手振りがないということらしく、ノルウェー人はその辺どうなんでしょう。
彼らも日本人と同じ感じで淡々と話す印象なんですけど。
kagooさま
私もこのブログ書いている時、「うなづきトリオ」を思い出しちゃいました~。懐かしすぎます!
ノルウェー人のBody Languageは、お酒が入っているか/入ってないかで全然変わりますね~。普段はジェスチャーは少ないですけど・・・・お酒が入ると・・・・(書けません)。