やんごとなき生まれではない私は、「飛行機はエコノミーシート」と運命づけられています。
そして行先は、常に「ノルウェー」。直行便はなく、コペンハーゲンで乗換て、ヘロヘロになってたどり着きます。
以前にも書きましたが、飛行機では眠れない「特異体質」なので、コペンまでの11時間(くらいでしたっけ?)、苦痛で仕方ありません。
狭いシート、乾燥はするし、足はむくむし、隣のシートにでかい北欧人が来た日には・・・・(涙)。
と、「飛行機に乗るだけで楽しい!」という人が羨ましいのですが、私の「飛行機、面倒~」くらいでは収まらない人がいることが、ある著名なノルウェー人を通じて知りました。
flyskrekk=「飛行機恐怖症」
「飛行機恐怖症」については、日本語のwikiに解説が載っています。
これを読むと、「飛行機に乗るのは、嫌い、面倒」レベルではなく、「恐怖」を感じる人がいるということが分かります。
私がこのflyskrekkという言葉を知ったのは、ノルウェーのメッテ・マーリット皇太子妃がきっかけです。
メッテ・マーリット皇太子妃は、過去にシングルマザーだったり、その相手の男性が麻薬の前科ありなどで、ホーコン皇太子と交際発覚した当初、マスコミの好奇の目にさらされていました。
そんな二人がいろいろな障害を乗り越えて、結婚することになったのですが、メッテ・マーリット皇太子妃は「飛行機恐怖症」だと大きく報道されました。
皇太子妃という身分になれば、公務で数えきれないほど、たくさんの飛行機に乗らないといけません。
そして彼女は、「飛行機恐怖症」克服のため、「飛行機恐怖症克服講座」を受けたと聞き、「へ~、そんな講座があるんだ」と思いました。
皇太子妃は、講座を受けた後も、完全に克服できた訳ではなく、時には飛行機の代わりに電車に乗る方を選ぶこともありました。
しかし、こういう人に限って、運命の皮肉でしょうか。
2012年、コペンハーゲンの王室行事に参加し、オスロに戻るため、皇太子夫妻が乗った飛行機がエンジントラブルを起こしてしまい、乗っていた飛行機から避難しました。
当然、皇太子妃は強いショックを受けます。VG紙によると、皇太子妃は別便で「コクピット」に座ることを許され、パイロットと会話することで恐怖心が抑えられたと報道されています。こちらから。
仕事とはいえ、飛行機は避けられない皇太子妃がお気の毒ですね~。
どんなところが講座を開催しているのか、調べてみたら、スカンジナビア航空で「飛行機恐怖症克服講座」を開催しています。
http://www.sas.no/alt-om-reisen/annet/flyskrekk/info/
他にも、専門で講座を開催している会社があり、セラピストや看護師が同乗し、恐怖症を持つ人の不安や恐怖、嫌悪感を和らげる助けをするようです。
そういえば、同じ北欧つながりで、デンマークの映画監督、ラーシュ・フォン・トリアーも「飛行機恐怖症」を理由に、絶対にアメリカなどへ行かないですね~。
では日本の状況はどうなんでしょ?とGoogle先生に「教えて~」と尋ねたところ、ノルウェーのように専門の講座は、それほどたくさん見つけられませんでした。
ちなみにJALのHPで「飛行機恐怖症」で検索しても、ヒットしませんでした。日本では航空会社が「飛行機恐怖症克服講座」などは行ってないのでしょうか?
そうそう。メッテ・マーリットが「飛行機恐怖症」という事実を国民が知った時、ノルウェー人の友達はこう言いました。
「変よね~。メッテ・マーリットのお兄さんはパイロットなのよ。」
う~ん、人生は皮肉ですなぁ。
私は「恐怖症」まではないので、せめて「飛行機安眠講座」を開講してほしい!と願っていま~す。