短いけど深い「あいづち」

以前、こちらのブログ(「話、聞いている?」)で、ノルウェー人は会話中にうなづかないので、日本人、怖い思いしま~すと書きました。未読の方はこちらから

日々、ノルウェー人とのコミュニケーションに頭を悩ましているワタシ(←誇大表示です)。
いつものように、ノルウェーの新聞サイトを眺めていたら、興味深い記事を発見したのでご紹介しましょう~。(Aftenposten紙、2014年4月23日)

うなづかないノルウェー人&北欧人たち。
でも、「あいづち」くらいはあります。
その「あいづち」について研究したスウェーデン人がいるとか。へぇ~。
様々な人たちが30分間に行う会話中、「mhm」というあいづちを、いつ、どんな場合に使うか、そして誰がしゃべる順番かを決める様子を調査したそうです。
結論としては、こうしたほとんど意味のないあいづちでも、誰に話し手が移るかという点を決める要素になったとか。

ストックホルム大学の発音学教授Heldnerさんは、こうコメントします。
「あいづちは、特に電話での会話で重要ですね。また喜びや悲しみを表現する時にも、意味があります。」
ちなみにスウェーデン語の典型的なあいづちは、「aa-a」、「mm」、「jaa」そして「jaha」だそうです。

スウェーデン語と似ているノルウェー語のあいづちについても、触れてみましょう。
オスロ大学言語コミュニケーション科教授Svennevigさんは、こう解説します。
「mhmというあいづちは、会話相手がもっと話し続けていいよというサインのために発する意味合いがあります。」

ところで、私はかなりし~~つこく、サイトや著書、レッスンやノルウェー語イベントで、ノルウェー人の息を吸いながら発する「jah」(ヤー)について触れています。
レッスン中には、この息吸いjahはやらないのですが、ノルウェー人と話していると自然と出てきます。
Svennnevig教授は、この「息吸いjah」にも言及しています。
「息吸いjahは、多くの人が思っているほど特に”ノルウェー的”ではありません。北欧全体に存在します。フィンランド人がおそらく最も使っているでしょう。とはいえ、この息吸いjahは特別でしょうね。こんな風に息を吸いながら話す言語は、世界でもそう多くはないですから。これは普通のjaに比べて、力を使わずに発することができる音です。」

納得!!
私もノルウェー人と会話し続けているうち、段々、疲れてくると、この「息吸いjah」が増えます!省エネのあいづちですね~。
Svennning教授に、解説をしてもらいましょう。
「息吸いjahは、相手に”同意している”というシグナルを送っていますが、より弱いニュアンスになります。だから、”結婚してくれませんか?”という問いに対しては、使わないでしょう」

おお!!
息吸いjahを専門的に解説してくれた文章を読むのは初めてなので、かなりコーフンしています!

・・・と勝手に盛り上がっていたら、前述のスウェーデンのHelder教授がコワいことを言ってました・・・
「あいづちの”mhm”を、適切でない時に、しかも間違ったイントネーションで発してしまうと、会話は台無しです。」
ひぇ~~~!!

えっと・・・ちょっと気を取り直して、話をまとめると・・・
まず北欧人は、いちいち相手にうなづかない、なので話を聞いてくれているのか確信が持てない外国人。
さらに、唯一、会話を「聞いているよ、同意しているよ」といったシグナルを出してくれるあいづちは、短い単語だけど、入れるタイミングやイントネーション次第で、会話をぶちこわしていまう。

北欧人とのコミュニケーションは、もちろん基本となる語学力が必要なのはもちろん、こうした「あいづち」にも細かくて、深~いルールがあるんですね。
いちいちリアクションが大きいアメリカ人に比べて、テンション低めの方にオススメの「北欧型コミュニケーション」!

・・・ブームになる日は・・・・ま、いずれのそのうち・・・・?