2014年ノルウェーへの旅~現金よりカード、Takk!~

もう20年近く前に留学した頃から、ノルウェーは日本より「カード社会」、という印象はありました。
スーパーでもキオスク(日本で言うところのコンビニ)でも、ちょっとした買い物でもカードで支払う、という光景は珍しくありません。極端な話、ガム1個でも。
他にも、ネットバンキングの利用率は日本より多いだろうなぁ、と想像します。

3年ほど前でしょうか、オスロ空港(ガルデモーエン空港)の自動販売機でチケットを買おうとしたら、「カードのみ使用可」になっていて驚いた記憶があります。

日本では個人差がありますが、私は昔かたぎでお財布に現金がないと落ち着かない派です。あとカードの明細書を見てショックを受けたくないので、なるべく「現金商い」です。
ノルウェーでもちょっとしたチップを払う時に、小銭が必要だよね、といつも旅行前にノルウェークローネをいくらか用意しています。

今年の旅は外食の機会が多かったのですが、「チップ」も小銭である必要がないことが分かりました。
請求書に、飲食代や税金の下に「Tips」という項目があり、自分で「いくらチップを払うか」申告し、そして「Total」金額を書き入れます。
これならば、カードで払えますので、小銭は必要ありません。

昨日珍しくノルウェーの経済紙「Dagens Næringslivet」(略称:DN)のサイトに目を通していたら、「財布に1クローネもない」という見出しの記事を見つけました。
興味深い内容だったのでご紹介しましょう(DN,2014年6月17日)。

オスロで、カード不可の露店主さんは以下のようにコメントしています。
「うちはカードを受け付けないから、毎日、お客さんが減っていく。もうお金を持って歩くのが面倒なんだ。」

調査会社MMIによると以下の結果がわかりました。
・4人に1人は、財布に現金が全く入っていない。
・ここ数週間のうち、現金を使ったことがない人は28%。

これは他のヨーロッパでも同じ傾向なのかと思いきや、ノルウェーは「ヨーロッパでも現金をもっとも使わない国」と書いてあります。

ノルウェーでカードが使えないといかに不便かは経験済みです。
2011年のノルウェーツアーの時でした。お客さんの1人が、カードの暗証番号(PIN CODE)を覚えていなかったのです。
ノルウェーの店舗は、自分でカード決済機に暗証番号を入力し、支払いができます。
日本でもそうしたお店は増えていますが、店員さんがカードの手続きをして、お客さんはサインのみ、という習慣の方に慣れていますよね。

なので、ノルウェーに旅行へ行かれる方は、「必ずカードの暗証番号を確認しておくこと」を注意してください!

同記事によると、「カード不可のお店はどんどん減り、現金お断りのお店はどんどん増えている」とのこと。
ということで、もう一つの注意は、「ノルウェーで現金のみで旅行は、ほぼムリ」でしょうか。

そのうちノルウェーの紙幣もコインも知らない子どもがでてくるかもしれませんね~。
お金

ヘレンハルメ美穂さんとの爆笑対談~後篇~

先週、ヘレンハルメ美穂さんと「ノルウェーミステリー」を語る対談が「海外ミステリー翻訳大賞シンジケート」のサイトで前篇がUPされました。
ブログでも綴りましたが、もう当人たちは爆笑しながらの対談だったのですが、皆さんのご感想はいかがでしょうか?

今日は後篇がUPされました。こちらのURLからご覧になれます♪

http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20140616/1402873758

後篇では、ミステリーのみならず、他の北欧人の印象など「地雷満載」のテーマに踏み込んでいます。
他の北欧諸国好きの皆さんがムッとされなければいいのですが・・・あくまでも、ノルウェー人の意見を代弁しただけです(←私の主観、入りまくり!)。

特に対スウェーデンへの複雑な感情は、別の媒体でもエッセイを書いていますので、ご興味があればぜひご一読くださいね。対談でも話題に上っている「スウェーデンジョーク」は、わざわざノルウェーのカレッジの講義で習ったほどです・・・。

美穂さんはスウェーデン在住なので、日本における最近の「スウェーデンイメージ」について、それほどご存知ありません。
「最近のテレビでは、”スウェーデン=イケメン大国”で売り出していますよ!」と言ったら、美穂さんは心の底から驚いたような声を上げて、「信じられない!」と絶句されていました~。
「少なくとも、私の周りにはいない・・・」とも。
ノルウェーから見るスウェーデン、日本から見るスウェーデン、多少の違いはあるにせよ「ああ、憧れのスウェーデン」であることは違いないようですね。

なんやかんやで、ノルウェーの新聞などで「スウェーデンとの比較」みたいな記事があれば、どれどれ・・・と読んでしまいますし、クロスカントリースキーでスウェーデン人に負けると「く、悔しい!」と思ってしまうワタシ。
ということで、対談ではノルウェーおよびノルウェー人を小馬鹿にしているように「一見」見えますが、深い愛情に基づく「愛のダメだし」だと思ってくださいね~♪
美穂さんも、「ますますノルウェー人が好きになりました!」とおっしゃってくれて、「ノルウェー伝道師」冥利につきます!

・・・ということで、スウェーデンに精通しているヘレンハルメ美穂さんとの対談はとても貴重な体験でした!
次のフィンランド編も、すごく楽しみです。フィンランド人の対スウェーデン観は、もっと複雑なので・・・。

日本でも注目されている「北欧ミステリー」の貴重な翻訳者として、美穂さんのますますの活躍をお祈りいたします♪ 

美穂さん

美穂さん翻訳の「三秒間の死角」

レジ袋への偏愛

さて今日は「ビジュアル強化」ブログで~す。その割に写真がひどいと、disられていますが・・・。
では選びに選んだ1枚はこちらです!

スーパーの袋

すみません・・・しわしわで・・・。これは「ULTRA」というスーパーマーケットの袋です。カラフルですよね~。
ずっと前からノルウェーでは袋は有料。今は1枚=1クローネでしょうか。

何年か前に、日本に旦那さんの赴任で来日されたノルウェー人女性2人と知り合いました。サロンにゲスト講師でお招きし、「日本の印象」などを聞いたら、「日本人、袋を持って歩いていない」と面白い感想をもらしてました。
確かに~。

ノルウェー人の「レジ袋愛」は、ちょいちょい感じます。
大事な書類やファイルを「スーパーの袋」に入れて運ぶ風景、全然、珍しくありません。
オスロ大学留学中、国立劇場にお芝居を観に行きました。一緒に行ったエストニア人の留学生が「ノルウェー人、国立劇場にスーパーの袋を持って来ている。信じられない!」と絶句していました。

TPOを選ばず持ち運べる「スーパーの袋」。
ファッションアイテムとしても、活用できますよ~♪

2014年ノルウェーへの旅~のんびりノルウェー人に変化?~

ノルウェーに行くたびに、自分がいかに「せっかちか」ということを思い知らされます。
レジに長蛇の列ができても、お構いなくマイペースで対応する店員。後ろに並ぶお客さんも、「待つのには慣れている」といった風情でのんびり構えています。
そんな光景にイライラする自分・・・。たまに嫌気がさします。

今から約100年前に、ノルウェーを訪れた英国人たちはこう記しました。
「ノルウェー人たちは、とんでもなくのろまに生まれついた。」(イギリス人、キツいわ~)。

小さなところに、ノルウェー人の「のんびりさ」加減に気づかされることもあります。
それはエレベーターに「開く」ボタンはあっても、「閉じる」ボタンがないこと。
日本では、オフィスやマンションでも、すぐに「閉じる」ボタンを押すのが一種のマナー。
でもノルウェーでは、エレベーターの扉がゆっくり閉じるまで、誰も微動だにしません。

今春、来日した「キュッパのはくぶつかん」の作者オーシルさんも、「日本のエレベーターは動きが早い!」と感想をもらしていました。

・・・しかし、5月のノルウェーの旅で「小さな変化」に気づきました。
オスロで泊まったホテルには、「開く」ボタンと「閉じる」ボタンがあったのです!

エレベーター

すみません、写真が見にくいですよね~。
ただ私は、「そーいえば、こういうエレベーターが増えた気がする」と思い当たったのです。
特にオスロのホテルは、まだ新しく、おそらく「外国のエレベーターでは”閉じる”ボタンがあるから、うちも採用!」ということになったのでしょうか。

ただ、すべての建物のエレベーターが「閉じる」ボタンが付いているわけではありません。
ベルゲンで泊まったホテルは、もっと古い(いい言葉で言えば”クラシック”)なので、エレベーターには「開く」ボタンしかありません。

エレベーター

・・・すみません、もっと見にくい写真で。これでは心霊写真ですよね~。みなさん、「念をこめて」写真を見つめてください・・・。

ということで、段々、ノルウェーでも「閉じる」ボタン搭載のエレベーターが「標準」になるでしょうか?
「のんびり」ノルウェー人に、小さな変化を感じた瞬間でした~。

ヘレンハルメ美穂さんとの爆笑対談

まだ冬の寒さが残る頃、サイト宛に丁寧なメールが届きました。
差出人は、スウェーデン語翻訳家のヘレンハルメ美穂さん。おおおおおお!
あの大作「ミレニアム」シリーズを翻訳された方が、なにゆえ、ワタシにメールを?と驚きながら、読み進めると。。。。

ミレニアム

1がないのは貸し出し中だからです

美穂さんは、有名なミステリーサイト「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で、「エッセイ」の原稿執筆を頼まれ、「北欧ミステリー」をテーマにすることにされた、とのこと。
ついては、北欧諸国の事情を執筆する上で、私と「ノルウェーのミステリーについて、スカイプ対談をしたい」というご依頼でした。
そうなんです、美穂さんはスウェーデン在住なので、気軽に「談話室 滝沢」とかでお会いできません・・・。
特にノルウェーミステリーを読み込んでいる訳ではありませんが、ミーハー心が抑えられず、「ぜひお願いします!」と返事を送りました。

美穂さんからのメールは丁寧なのですが、段々やりとりしているうちに、カジュアルな文章になってきて、いただくメールに笑ってしまうことがしばしば。
ただ笑ってばかりではまずいので、慌てて、昔に買ったノルウェーミステリーを読み直したり、世界的に(日本ではまだまだですが)メジャーになったJo Nesbø(日本語表記ではジョー・ネスボ)の原書と、日本語訳を読んだり、ノルウェーミステリー通の知人(ノルウェー人)にメールで質問したり、来るべき日に備えて、少しずつ準備を始めました。

大体の質問は事前にいただいて、いよいよスカイプ対談の日が来ました!
スカイプ越しに映るヘレンハルメ美穂さんは・・・うわ~、きれい!ショートカットに小さな顔と大きな瞳。しかも若~い。
美人好きの私は、テンションUP。
スカイプでお目にかかるのは初めてなのに、何度かメールをやり取りしているので、初対面という感じがしません。

予定では1時間~1時間半くらいの対談だったのですが、
最初こそミステリーについて語り合っていたのですが、
ノルウェー人が抱く対スウェーデンコンプレックスなどお話ししていくうちに、どんどん脱線気味に・・・。
「北欧あるある」話で盛り上げってしまい、結局、どれくらいお話ししたでしょうか?もう笑いに笑いっぱなしで、お互い「そろそろ」と言いながら、スカイプ切らないし。
2時間半以上(?)お話ししたでしょうか・・・。あまりに話があちこち飛んでしまい、「これ、原稿にできるのかな?」と心配になったのですが・・・。

はい、さすが美穂さんは、きちんとあの脱線おしゃべりを原稿に仕上げて下さいました~。
ノルウェー編は長くなってしまい、2回分に分かれます。
本日、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」でUPされました!まず「前篇」からです。

http://d.hatena.ne.jp/honyakumystery/20140609/1402269536

前篇はこれでも「抑え気味」なんですが、ネスボファンから総スカンが来そうで~す。
しかもタイトルが「ほっこりしない北欧案内」って・・・。すでにケンカ売ってますね~(誰に?)。
美穂さんもワタシも「北欧業界からの永久追放」におびえていますが、美穂さんは翻訳家としてあれだけの実績があるので大丈夫。問題は・・・。
後編はさらにスパークしちゃってるんですよ。きゃ~。
ミステリーに興味ない方、詳しくない方もぜひご一読下さいね♪