元気ですか~??

ノルウェー語の挨拶で、こんなフレーズがあります。

Hvordan har du det? 

意味は「元気ですか?」「調子はどう?」といったニュアンスで、直接会った時でもメールでも使うことができます。
以前、サイトの「ノルウェー語をめぐる素朴な疑問」コーナー(ずっと更新をさぼっている)で、この挨拶について取り上げたことがありました。
もし未読の方、お忘れになった方、こちらからどうぞ!

・・・この時、「元気?」と聞かれて、「明日死にそうに具合が悪くても元気=braと答えます」と書いたのはノルウェー人がそう教えてくれたのと、あと、体験的にそういう印象だったからです。
特にお年寄り。咳ゴホゴホ、鼻水チーンでも「Bra!」と執念のように答えます。
「大丈夫?」と気を使っても、「平気、平気」って。メンタリティーの違いを感じる瞬間ですね。

お年寄り

バリバリ元気

あと雪の中、スパルクと呼ばれるソリで、荷物を運びながらスイスイ移動しているお年寄りを見た時も「基礎体力が違う」と感心しました~。

スパルク

あくまでも「元気」と答えるノルウェー人、確かに元気そうなノルウェー人。
先日、ノルウェー語の授業で使っているテキストに興味深い事実が載っていました。日本語に直して、引用します。
「国民のほとんどは自分の健康に満足しています。健康状態が悪いと答えた人は6パーセント、一方、80パーセントの人が自分は健康と答えています。
しかし、健康と答える人が多くても、様々な痛みや症状に苦しんでいる人はいます。」(”Her på Berget”,48ページより)

8割の人が「健康」と答えている・・・!日本人はどうなんでしょうか?
またいろいろ痛みや症状を抱えていながら、自分を「健康」とみなしている。 これは、ノルウェー人の国民性??

私は虚弱ゆえ、調子の悪い時はレッスン前に「ちょっと喉がいたくて」とエクスキューズをしておくタイプです。あと喉を使う仕事なので、「ちょっと風邪気味?」となったら、すぐに内科へ直行!
将来は、病院の待合室で知らないお年寄りと「病気自慢」するタイプですね~。

かたやノルウェーは「かかりつけ医」制度ですが、診察には予約が必要。風邪なんて軽病は優先順位が低いので、3週間とか待たされている間に風邪は自然と治ってます。
なのでノルウェー人は風邪などでは、病院へ行きませんね~。

このノルウェー人の「元気アピール」について、もう少し考察を重ねてみましょう。
私はやはり「小さい頃からの積み重ね」=「元気エリート教育のたまもの」かなぁ~と想像してます。
保育園ではどんなに悪天候でも外に出されて遊び、たくましく育つ子どもたち。小学校、中学校、高校とかなりハードな山登りやスキーツアーを体験し、ハンパなく「元気」なノルウェー人が一丁あがり!

私が何度か通訳をつとめたノルウェー人大学のスタディツアーでも、みんなカラオケを夜中の3時までやってたり、クラブに行ったりと遊んでましたが、問題なく元気でした。60代の先生もです・・・。

大学生

多少の病気や不調も、全て「Bra!」で乗り切るノルウェー人。こうしたポジティブさが、病気になった時のネガティブ思考を振り払ってホントに「Bra!」になってしまうのかも。

今年の5月に「翻訳者セミナー」が開催されたホテル前の海で、カヌーに乗ろうとしているおじいさんがいました。
おじいさんといっても、体つきはたくましく健康そのもの。
もう30年もカヌーを楽しんでいると聞き、「いつまでも自分のやりたいことができるお年寄りになりたい!」と憧れちゃいました。

カヌー

「Bra」=元気と答え続けることによって、「病も気から」を実践できれば・・・とノルウェー人を見習いたいと思います♪

***************************************************************
お盆も終わりました~。楽しいノルウェー語セレクトレッスンのご案内です!
8/31(日)13:30-15:00 「やり直しのノルウェー語」
9/28(日)13:30-15:00 「ネイティブによる発音練習」

です。ご案内は↓からどうぞ。

http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursschedule.htm 

妄想野外ロックフェス

こんにちは~。
早いもので「お盆ウィーク」も終わりですね~。
ということで、今日はお盆とは関係ありませんが、夏ならでは・・・・の写真をUPしましょう。

レインコート

はい、夏ならではのイベント、野外ロックフェスに欲しい一品ですよね~(え?誰ですが、守護霊の写真かと思った?)
私はこれをやはりノルウェーの野外ロックフェス用に買った・・・と書きたいのですが、すみません。日本でも海外でも一度も野外ロックフェスには参加したことありません・・・。
憧れはあるんです・・・。
でも、インドアのライブですらもう「体力的にムリ~」とヘタレなので、とてもじゃないですが、野外ロックフェスは妄想の世界です。

このレインコートはノルウェーで急な雨にあった時に買ったのですが、背中には代紋ならぬノルウェー国旗。
どこまでも「ノルウェー国旗」をあしらわないと気が済まない国民性と想像します。
日本で、こんなものに日の丸をプリントしたら・・・やはり縁がないですがその筋の「特攻服」とか思われそう・・・(刺繍ではないですが)。
野外ロックフェスより「氣志團フェス」って感じですかね~。

・・・ということで老後の夢は、野外ロックフェス参戦!!・・・ウソです。

ノルウェー産イチゴ~誰が摘む?~

夏がく~れば思い出すのは、日本では「尾瀬」。ノルウェーでは「イチゴ」と「学生寮不足」のネタです!(ってこの出だしは初期にサイトで書いた記事丸パクリで~す)。

なぜ「イチゴ」と「学生寮不足」なのか。。。。
これは日本のテレビ局が「お盆の帰省客」を何の芸もなく東京駅新幹線ホームで、「帰省したら何をしたい?」「おじいちゃんとおばあちゃんと会いたい」と孫からのコメント映像を流すことと同じ、と思ってください。
夏にニュースが不足するニュースは、ほぼ「イチゴ」と「学生寮不足」の話題をニュースにしているので、それを読むと「ああ、ノルウェーも夏だな」というほっとした気分になれます。

先日の「北欧ぷちとりっぷ」で、私は「ノルウェー人度チェック」というプレゼンを行いましたが、その中に「ノルウェー産イチゴへの執念ハンパない」という項目を入れました。
ノルウェー産の農作物が少ない中、「ノルウェーのイチゴは世界一!」と無邪気に言っちゃうノルウェー人が愛おしいのですが・・・。
しか~し、何事もネガティブなニュースが大好きなノルウェーメディアは、「イチゴ」の「ダークサイド」を毎年、執念のように報道します。
まるで「夏の怪談」のよう・・・。では典型的な記事をご紹介しましょう(NRK、2014年7月5日)。

ノルウェーのイチゴはハウス栽培ではなく、露地栽培です。つまり収穫するためには腰をかがめて、よっこいしょ、という作業が必要です。ま、きつい仕事ですよね。
そしてイチゴ農家は西ノルウェーに多いのですが、ノルウェー農民協会の事務総長Per Skorgeさんは以下のようにコメントしています、

「ノルウェー中のいちご摘みの作業は、移民たちが行っています。ノルウェー人はもはやこうした仕事をやりたがりません。箱詰めや販売はやりますが、イチゴ摘みはやりませんね。だから移民たちにいちご摘みをやってもらうのです」

移民たちの国籍はポーランド人が9割、フィリピン人が残りだそうです。

何年か前はずっと「ポーランド人に頼り切っているはイチゴ摘み。彼らは最低賃金以下で、長時間労働を押しつけられている」といったセンセーショナル(←ノルウェー人の目からすると)が、
しつこいくらい載っていました。手厚い労働権利に守られたノルウェー人からすれば、信じがたい低賃金、そして長時間労働・・・。
そうした報道キャンペーンのおかげでしょうか、今は少なくとも最低賃金は守られているようですね。

「ポーランド人がイチゴ摘みやる前は誰がやっていたんだろう?」と不思議だったのですが、今年5月に参加した「翻訳者セミナー」で答えが見つかりました。
日本に滞在も長いとあるノルウェー人女性は、かなり田舎出身ですが、「小さな頃は、イチゴ摘みをやっていた」と言ってました(30代の女性です)。
ということは、ノルウェー人→ポーランド人と流れができ、ついには、リトアニアやラトビアのイチゴ摘み労働者が増えている、と聞いたことがあります。

いずれにしても、「世界で一番おいしいノルウェーイチゴ」と嬉しそうに出してくれるノルウェー人。食卓に上がるまでには、いろいろなヒストリーがありそうです。

お盆

いつが本当のお盆なのかイマイチ分からないけど、世間は「お盆」ムードです。
あ、今日は「ビジュアル強化デー」ブログですが、「ダジャレ」をタイトルにしてしまった・・・・(基本、ダジャレ苦手です)
では、今日の「こわだりの逸品」はこちらです!

トレイ

こちらは、オスロのナショナル・ギャラリーのミュージアムショップで買いました。
一目見て、「可愛い!!」とお盆ごときに一体いくら使ってしまったんでしょう。まさに「旅先の衝動買い」です。
この商品は、Darling Clementineというブランドで、日本でも販売しているようですね。

サイト:http://www.darlingclementine.jp/index.html

ノルウェーには珍しく日本人ウケするデザインではないでしょうか?商品ラインアップ見ても、やっぱり「可愛い~」と思うものがあります。

・・・ということで「お盆」の季節にノルウェーの「お盆」を紹介しました~♪(せっかくのおしゃれトレイが、ダジャレで台無し感ありあり・・・)

東北の大学生たちが体験したノルウェー~その2~

さて視察団はオスロからノルウェー第3の都市トロンハイムへ移動します。

NTNU

NTNU

トロンハイムのNTNU・男女平等研究所で、学生たちはジェンダー教育の教授や准教授から包括的な「ノルウェーの歩み」を学びます。
経験則で申し上げると、こうしたジェンダー研究に取り組んでいる方ほど「危機感」が強いのがノルウェーです。「あのノルウェーで?」はい、あのノルウェーでです。
例えば、学生たちとの対話の中で「ノルウェーが抱える課題」として、「ある程度お金のある夫婦共働きの家庭では、ベビーシッター(移民たちがほとんど)を雇って子育てや家事をさせ、自分たちは仕事と家庭を両立させている現状があります」との指摘がありました。
どんぴしゃり当てはまるノルウェー人夫妻+フィリピン人メイドのご家庭を知っているので、「なるほど」と納得した次第です。

現在の日本は、こうした移民による家事サポートはいいじゃないか、という方向に向かっているようですね。もちろん、家事のアウトソーシングは利点があると思いますが、
「男女平等を推し進めるために移民が犠牲になっている」という観点はほぼ議論されていない感があります。いろいろな意見があって欲しいですよね。

さらに同研究所での意見交換で、日本の学生たちの「モテにまつわる質問」が、日ノルの違いを鮮明に打ち出しています。
-「日本では男性が”放っておけないな、俺が守ってあげたいな”と思うような女性がモテるのですが、ノルウェーではどのような女性がモテるのでしょうか?」
「好みは人それぞれでしょう。レズビアンの人だっていますからね。ただノルウェー人は小さい頃から自分で物事を決めるのに慣れているので、自立していない女性を探す方が難しいと思います。」
言い切りましたね。さすがです。

女性

視察自体がとても「充実して濃い」と感じるのは、現地通訳が守口恵子さんだった点が大きな要因と思いました。
守口さんは、「ノルウェーについて学ぶサロン」にも参加して下さったり(こちらからレポートが読めます)、また2回のノルウェーツアーでは、オスロの高齢者施設訪問のコーディネーターと通訳をお願いしました。

ツアー

報告書には、守口さんの「優しいサポート」や「印象深い言葉」が散見されます。
守口さんは日本の大学で勉強したいと考えているノルウェー人学生と視察団を自宅に招いて、カジュアルな懇談の機会を設けたそうです。
お料理はノルウェーの名物料理、フォリコール(ラムとキャベツの煮込み料理)をご用意されたとか。う~ん、素晴らしい!

フォリコール

フォリコール

私も知らなかったことですが、コーヒーカップなどを積み重ねて、ケーキやお菓子も「どうぞ好きなだけお取りください」というノルウェー式は「自分でできることを他人がやってあげるのは失礼なこと」という考え方があると守口さんが教えてくれたそうです。
私はいつも取り皿も回さないノルウェー人を「気が利かないな~」と見ていましたが(←心が狭い)、そういうことだったんですね!!!
お酒も手酌が当たり前だし、納得しました。

報告書には「守口さんからのメッセージ」が掲載されています。印象的な部分を引用しましょう。
「常日頃、日本の男女平等は100年費やしてもノルウェーに近づくのは難しいのではないだろうかと感じましたが、日本の若い世代の女子学生たちと交流し、そのエネルギーに触れて”希望がもてる”気がしてきました。(略)誰もが自分の意見を主張するノルウェーの社会には、様々な考えを持った人がいますが、同時に社会が”寛容”であるとつくづく感じます。」
私も「寛容」という言葉にうなずきます。

視察団の当事者たちの学生たちの新鮮な「驚き、戸惑い、疑問、共感、そして理解しようと試みる姿勢」は報告書に貫かれていました。
「参加学生の感想」というページもあったのですが、みなさんの真摯な姿勢に「どーせ、日本は無理でしょ」と諦めがちな大人は、もう一度、覚醒させられた感があります。

中でも「ノルウェーは”男女平等”というよりも”一人一人が平等な国”という印象に変わった」という一文が、心に残りました。そうです、そうなんです。

子ども

先日の「北欧ぷちとりっぷ」でデンマーク人のイェンスさんがノルウェー人を「真面目」と表現しましたが、ノルウェー流の復興支援方法も「真面目」の一言に尽きます。
視察団派遣は計3回行われるそうですが、若い学生たちにノルウェーを体験してもらう、という息の長い「支援」ですよね。
震災復興と日本の男女平等に、微かな、でも明るい希望を感じるノルウェーからの支援を微力ながら「フレーフレー!」と応援したい気持ちになりました♪

~拙ブログを読んで、「報告書を読んでみたい!」と思われた方へ~
報告書は無料配付しているそうですので、「せんだい男女共同参画財団」にお問い合わせいただければお送りすることが可能だそうです。
ですが在庫が50部しかないとのこと。急いでくださ~い!!
また、送付ご希望の方には送料を実費負担(クロネコヤマトのメール便で82円)をしていただくことになります。
【財団の連絡先】
公益財団法人せんだい男女共同参画財団 総務企画課
TEL 022-212-1627 FAX 022-212-1628
メール sola3@sendai-l.jp
ホームページ http://www.sendai-l.jp/