デキる美人は嫉妬される?~ノルウェーの小説から検証~

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何度か「夢ネットサイト」で取り上げたことがある、ノルウェーの言語学者Helene Uri(ヘレーネ・ウーリ)さんがいます。
彼女は、オスロ大学で教鞭をとる傍ら、邦訳もされた「金曜日のアンナ」などいろいろ著書も出し、またマスコミにもしばしば登場し、有名人でした。

しかもヘレーネさんは美人です。

ヘレーネ

そんな順風満帆に見えた彼女ですが、オスロ大学を辞めてしまいます。2005年くらいでしょうか?
そして翌年「De beste blant oss」(私たちの中で最良のものたち)という分厚い小説を出版しました。

本

この小説はその内容から出版前より評判になっていて、私もすぐに購入。400ページ以上の大作ですが、一気に読みました。
ジャンルとしては、一種の「暴露小説」でしょうか。

小説の舞台はノルウェーのオスロ大学言語学科。研究者同士の足の引っ張り合い、また教員同士の悪口と嫉妬、優秀な研究をした男性講師を誘惑し、研究内容を盗んでしまう女性研究員・・・。
また男子学生と肉体関係を持ち、それで落第から救ってあげる女性教授など・・・。ミステリー小説ではないのに、最後まで読ませる筆力はさすがです。

一読して驚きました! 「え???ノルウェーの大学でもこんな日本みたいなことあるの?」って。
ノルウェーの大学で先生をしていたノルウェー人に聞いたら、ごく軽く「そんなのあるよ。別にノルウェーだけが例外ってことない」って・・・。えええ???あんなに淡泊で人のこと気にしなそうな人たちなのに。

作者が実際にオスロ大学でどんな体験をしたのかは分かりません。彼女自身、「特定のモデルはいない」とコメントしていました。
ただあり得るかなと思うのは、彼女は「美人で有能、しかもマスコミ露出が高い」という点から同僚たちから妬まれたのかなぁ~と想像します。

では今のヘレーネ・ウーニさんはどうでしょうか?アカデミック界から怒りを買い、「言語学会永久追放」になったのでしょうか?

答えはNeiです。ヘレーネさんは大学を辞めてからさらに生き生きと活動し、小説や言語関係の本の出版はもちろん、講演会やマスコミの露出も相変わらず高いです。
私が2008年に参加したノルウェーの「翻訳者セミナー」でも講演をされていました。その時の様子はこちらからご覧になれます。
・・・ということで、ヘレーネさんが「つぶされなかった」現状は、「ま、ノルウェー人はそこまで気にしないかもね」というところでしょうか。もちろん、ご本人の有能さも大きいです。