ノルウェーの「葬儀告知」

ネットで読める新聞をわざわざ週1購読を続けているのは、ネットでは読めないものが紙にはあるからです(すんごい高くつくけど・・・)。
例えば、ノルウェーの新聞には「葬儀告知」が1ページを占めています(全国紙の場合)。地方紙だともっと地域密着なので、ページ数は多いと想像。
その内容なのですが、日本とノルウェーでは大きく違います。

あまり感情を出さない、シャイと言われるノルウェー人。でも「葬儀告知」では、愛情たっぷり、感情たっぷりの文章が並んでいます。
例)
もっとも親愛なるママ・義理のママ・おばあちゃん・曾祖母・おばさん・いとこの

Dagrunn Ohnstad

1929年11月1日、Steinで生まれ
本日、永眠いたしました
Lillestrøm 9月10日にて

そして、親族の人の名前が多い人だと20人近く記載され、ようやく葬儀の場所・何日・何時に行われます、という情報が記されています。
なので私のような「葬儀告知」素人は、肝心の情報を見落としそうです。

葬儀告知

「もっとも親愛なる」という出だしが多いようですが、「私の離れがたい愛おしい夫・賢くて思いやりのあるパパ」、「私たちの思いやりあふれて律儀だったママ・おばあちゃん・曾祖母」など、紙面が許す限り、遺族の思いは伝えることができる様相です。曾祖母などと書かれている人は「大往生」という言葉が浮かびますね。

この例にとったAftenpostenは全国紙ですが、オスロ圏が中心なので、よく友人のアウドさんは、新聞を見ながら「あら、知り合いが載っている」と何回かおっしゃってました。
さすが人口50万の首都です。

で、今回のブログを書くにあたり、日本の葬儀告知をチェックしようと、最近の新聞をめくってみたのですが・・・。全然ありません!
時折は載っている印象ですが、年々減っているのではないでしょうか?個人情報や新聞という媒体を使う必要がなくなった、など要因を想像しますが・・・。いずれにしても、日本の葬儀告知はもっと情報重視で遺族の思いは、掲載しないのが通例でしょう。

ただノルウェーと日本で共通しているのは、「お花は送らないでください」という姿勢。新聞に「葬儀告知」を出すような人はきっと関係者が多いので、そう書くのでしょうか?

幸いにも、私はノルウェーでお葬式を体験していません。
なので、家族の思いがつまった「葬儀告知」を通じて、ふむふむと思いを巡らします。