仙台へ行ってきました♪ ~前篇~

12/10(水)に、始めて東北地方、仙台で「ノルウェー・ナイト」というイベントで講演&ミニトークをしてきました~。
主催は「せんだい男女共同参画財団」、共催は「ノルウェーに学ぶ会」になります。

実は、「ノルウェーに学ぶ会」の木村さち子さんとは、ずいぶん前からお世話になっていました。サロンの前身「ノルウェーについて学ぼう」(2005年開催)に、仙台から隔週通っていただき、「なんて熱心な方なんだろう~」とひたすら感心していたのですが・・・・。

その木村さんから久しぶりにご連絡を頂き、「サロンでお話しされた”ノルウェーのテロ”のテーマを仙台で講演してほしい」とのメールに驚きました。
確かに、サロンで4月にそのテーマで話をしました。レポートはこちらから
ただ、非常に重いテーマで「これで人が集まるの?」とひやひやしたのも事実です。せっかく仙台まで呼んでいただいたのに、10人くらしか集まらなかったら!!

・・・「せんだい男女共同参画財団」は、ノルウェーが震災復興の一環として立ち上げた「女性リーダーシップ基金」を活用され、非常に活発に活動されています。
ノルウェーへ視察団を派遣されていて、その報告書に感動したことは以前、ブログでも書きました。こちらからご覧になれます。

7月に財団理事長の木須八重子さん、木村さち子さんが東京へいらっしゃった際に、Fuglenでお会いし、私がどうして「ウトヤ島のテロ」にこだわっているかお話ししました。
木須さんのご判断は早く、財団の方と連絡を取りながら、「ノルウェー・ナイト」開催へ向けて動き始めます。

サロンと全く同じ内容でない方がいいのでは??と考えました。同じ話をするのが好きではない悪いクセです。
まず参考にした『En Norsk Tragedie』(ノルウェーの悲劇)以降、たくさんのテロ関連本がノルウェーで出版され、非常に評判になっている『En av oss』(私たちの一人)を購入。
530頁もの大作です!
著者はノルウェー国営放送の戦場ジャーナリストとして著名なÅsne Seierstad(オスネ・サイエルスター)。『ノルウェーの悲劇』で疑問に思っていた点やより詳細なテロに至るまでの軌跡や、精神鑑定、法廷シーンなど、これは読みごたえがありました。
講演資料
ただ・・・論文などと一緒で、「あまりに資料を集めすぎても・・・」という心配があります。
あまりにもテロ本にハマってしまって、一気にダークサイドに落ちていた期間がありました。犠牲者になったクルド人難民の姉妹に感情移入しすぎてしまい「うう・・・(涙)」となってしまうほどです。計1000頁くらい読んだでしょうか・・・。
他にも懸念がありました。ディテールばかりを集めても、「実は根幹的な移民・難民政策が分かってないのでは??」と焦ったのです。
ブレイヴィークは、反イスラム主義でしたがノルウェーの政策はどのように変革していったのか・・・と。

他力本願体質の私は、「日本におけるノルウェーの移民難民専門家の第一人者」の生徒さんに頼ることにしました~。
「初心者でもわかるノルウェー移民・難民対策の歴史」について、他の欧州諸国と比較を交えてレクチャーして頂き、まさに「目からウロコ」。専門家のお話しは貴重です!

・・・そんなこんなで1000頁近い資料を読んで、レクチャーを参考に、サロンで使用したパワーポイントに修正を加えます。特に今回は「テロ後のノルウェー社会」についてをさらに詳しくお話ししようと考えます。

並行して、せんだい男女共同参画財団からイベントのチラシが送付されてきたのですが、その明るいチラシを見て、不安がよぎります・・・。
改めて、このテーマで人が集まるのだろうか??? いつもサロンやイベントで集客を気にしてばかりの性格なので、心配MAX!
ちらし
財団で「ノルウェー・ナイト」の担当者の大羽沢さんに「集客大丈夫ですか??」とメールで思い切って尋ねたのですが、当初の20人くらいから、50名を超えた!と聞いてほっとしました~。
定員は60名なのです。ノルウェー大使館のニューズレターで2回も告知して頂きましたし、財団や夢ネットのサイト、ブログ、TwitterでPRしました。
当日を控えて、メモを見ながら練習する日々が続きます。(続く)

2014/12/15 | Category : イベント | Author : norway-yumenet

Julekort!=クリスマスカード

は~い、良い子の皆さんはもうノルウェーへクリスマスカード=julekortを送りましたか?

今日の1枚はこちらです!

クリスマスカード

こちらのカードは、何でも「伝統的なノルウェーのクリスマスカード模様」なのだそうです。
木と、そしてdompapと呼ばれる鳥のモチーフ。このdompapという鳥は日本語でなんというのかな~と調べたら、「ウソ」とwikiに載ってました~。

そして「God jul」=メリー・クリスマスと書いてありますね~。

さ、今年はどんなクリスマスカードがもらえるかな~と楽しみにしつつ・・・。

『おやすみなさいを言いたくて』もうすぐ公開!

ノルウェー人監督エーリック・ポッペが監督した『おやすみなさいを言いたくて』 (原題:”Tusen ganger god natt”)は、ノルウェーのメディアで大絶賛。
加えて、モントリオール世界映画祭審査員特別賞など数々を受賞。記事を読みながら、「う~ん、これ観たい!」と思ってたら・・・

観れちゃったんです! ノルウェー大使館にて開催されたスノーフリッド参事官のトークショー付きの試写会に馳せ参じました~。

冒頭から一気にその世界に引き込まれる緊迫したシーンが続きます。中東、何か儀式のようなものを受けた若い女性は、体中に爆弾を装着されます。
そのシーンをずっとカメラで映し続ける主人公レベッカ(フランス女優のジュリエット・ピノシュ)。

自爆テロの直前までレベッカはシャッターを押し続けますが、彼女自身、爆風に飛ばされ重傷を負います。

ずっと「家庭か?仕事か?」という葛藤や問題は存在してきました。そして今でもそれで悩んでいる人はたくさんいるでしょう。
主人公レベッカも、その一人。彼女には海洋学者の夫マーカスと娘が2人います。
ただレベッカの仕事は、「戦場カメラマン」。フツーの仕事と比べて、あまりにもリスクが高すぎます。

理解ある夫マーカスでしたが、ついにレベッカに「いつも待っている身にもなってくれ!」と悲鳴にも近い叫びをあげます。
レベッカは「妻」としての負い目を感じてしまう。
娘たち、とくに長女ステフは母親に対し、反発するような、でも同時に愛を求めるような表情を浮かべています。
レベッカは、「母親」としての負い目を感じてしまう。

レベッカは、家族が崩壊することを恐れ、ついに「紛争地にはいかない」と決断しますが・・・。

映画の中で、家族たちは何度もレベッカに「なぜ、あんな見捨てられた土地へ行くの?」「写真をどうして撮らないといけないの?」と問いかけます。
レベッカは、娘ステフとの会話で、 「怒り」「本能」というキーワードで答えます。
見捨てられた人々を撮ることで、世界へ発信し、事実を多くの人に知ってほしいという使命。
そして本能のまま、恐怖すら感じずに死体にもシャッターを押し続けるレベッカ。

あらすじを書きすぎると、これからご覧になる方の楽しみが減ってしまうので、印象的なポイントを挙げていきましょう。

ジュリエット・ピノシュの演技
正直、苦手な女優でしたが、本作ではほぼノーメークで、危険な戦場カメラマンの役と妻・母親の役を、何の違和感もなく演じています。
年齢を重ねたシワに美しさ、崇高さまで感じました!

美しく抑制された音楽と映像
紛争地のシーンは終始、抑え気味の音楽と映像で表現され、人の命のはかなさ、暴力が「宿命」のように映し出されます。

またレベッカたちの住むアイルランドの風景。荒涼とした海、強い風、自然の中で家族のドラマが展開していきます。紛争地とは違う家族内の「紛争」が、美しい映像で描き出されます。

悪い人は出てこない
「家族か、仕事か」を責める夫も娘も、みなレベッカを愛しているし、レベッカもまた家族を愛しています。
夫マーカスは、世間一般の水準からすれば「十分すぎるほど理解ある夫」であり「父親」です。娘たちもまた母レベッカの生き方や仕事を理解しようともがいています。

対するレベッカは、「普通の生活の方が難しい」と言ってしまう人間ですが、大いなる使命と家族への愛で葛藤します。
そう、みんな愛すべき人々。程度はあるでしょうか、それぞれの登場人物へ感情移入できるでしょうね。

・・・そしてラストシーン。いろいろな解釈が可能でしょう。
いや~、私自身まだ「ええ??」と悩んでいます。

長々と書き連ねましたが、心からオススメできる映画です。
映画の詳細情報は公式サイトから→  http://oyasumi-movie.jp/

12/13から公開ですので、映画館へGo!

(c)paradox/newgrange pictures/zentropa international sweden 2013

アイドル!

は~い。「ビジュアル強化ブログ」の日がやってきました~。
今日の1枚はこちらです!

アイドル!

こちらはノルウェーが誇る「アイドル」のKurt Nilsen (クルト・ニルセン)。
2003年頃、「American Idol」を模した「Idol」(ノルウェー語の発音では「イドール」)というアイドル発掘番組が始まりました。
彼は初代チャンピオン。
このCDジャケではあまり分からないかもしれませんが、全然、イケメンじゃありません。前歯がスキッ歯です。
でも歌は上手です。

決勝で、クルト君とイケメン君の対決だったのですが、結果、クルト君が優勝~。
ネットでニュースを知った私は、「え?え?なんでアイドルがこんなにイケメンじゃなくていいの?」と悩み、ノルウェー人に聞いたところ・・・。

「人はルックスじゃなくて、中身だよ」
確かに正論です。でもアイドルでしょ! 人に夢を与える仕事でしょ!

ノルウェー人の感覚が良くわからなくなった瞬間でした・・・。

北へ行くほど無口になる?伊仏VS諾威

 

ローマ・パリ旅行から帰ってきてもう1週間がすぎ、すっかり「現実」モードです。
久しぶりの北欧以外の海外ということで、以前とは違った目でイタリア人、フランス人を観察しちゃいました。一言でいうと・・・

イタリア人、フランス人、しゃべりすぎ~!!

よく「ノルウェー人/北欧人と日本人は似ているところがある」と言う人に対して、そうかな??と100%同意はできないでいました。
ですが、今回の旅で思い知りました・・・。確かに、あの饒舌さ加減でいうと、北欧人と日本人チームは、伊仏チームに負ける、と。

11月のサロンで、ゲスト講師のヘレンハルメ美穂さんが、フランス留学中の体験として「フランスは”しゃべらないと死ぬ”といった文化で、ともかく話題がなくてもしゃべっている。そんな中で、北欧からの留学生の方がより親しみを覚えた」といった由の発言をされていました。

しゃべらないと死ぬ・・・。これはおおごとです!

何となく「異変」に気づいたのはエールフランスのCAたち。
SASのCAたちもよくおしゃべりをしていますが、ともかくずっとしゃべっています。
パリーローマ間でトラブルがあり、なかなかローマに到着できなかった時も、CAたちはカーテンの裏では楽しそうに笑い合っていて、事態の成り行きが心配だった私も最後は、つられて「あはは~」と笑っちゃいました。

そしてようやくローマに到着。遅れに遅れた深夜の空港。やっとの思いでタクシーをつかまえたら、運転手はほぼずっとスマホで誰かとおしゃべりしていました。
あちらでは、運転中のスマホ利用が許されているんですね~。

翌日からの観光でも、街角に立っているガードマン(ホテル近くに公共施設が多かったせい)たちも、ずっとしゃべっています。
美術館の中でも監視員たちは、2,3人でしゃべっているか、1人の場合はずっとスマホをいじってました。

しゃべる人

ローマから近郊の街に出かけた際は、路上でみんなが知り合いのようで、立ち止まっては、ずーーーーーーとしゃべってます。
バールでは、年金生活者らしきおじいさまたちがずーーーーーーーーーーーーーーーーとしゃべってます。

しゃべる人-3

パリに移動してからも、タクシーの運転手はやはりスマホで会話。
美術館の監視員たちも、ローマと同じスタイル。

困ったのは、飲食店などで「ここで食べたい!」と思った店がすでにお客さんがいっぱいだった時です。
お客さんたちは、当然、ひたすらしゃべっているので(メニューも決めずに)、おそろしく客の回転率が悪い・・・。カフェの中には、座り心地が悪そうなパイプ椅子のところもあったのですが、お構いなし。ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーとしゃべっています。
イタリアやフランスの飲食店経営者の重要課題は「いかに回転率を上げるか」ではないかと勝手に類推しました~。

さて、ノルウェーの新聞やテキストなどに、「ノルウェーにやってきた移民たちは、ノルウェー人が冷たいと感じる」と書いてあることがあります。
私自身は、あの人たちのあまり他人を気にしない、ほっといてくれる感じが心地いいのですが、「冷たい」と思う移民もいるのね~と思ってました。

ノルウェーでは、人々が集まっても「沈黙」はそれほど珍しくありません。
しゃべりたい人が話す、聞く、そして黙る。別に苦痛ではありません。

東京のノルウェー大使館で、去年、ちょっとおしゃべりしたフランス人留学生のことを思い出しました。
彼は、ノルウェーの大学に4年ほど在籍していたそうですが、なんとノルウェー人の友達が一人もできなかったそうです!
その時、彼は「ノルウェー人はホント、冷たい」とこぼしていました。
ふ~ん、まぁ、ノルウェー人は別に外国人だからといって、積極的に近づいてくる訳ではないからね~、とその時は思いました。
今になって考えてくると、フランス人の饒舌さにノルウェー人はびびったのかも?? 何かと距離感を保ちたがりますからね~。

いずれにしても、ノルウェーに慣れていた私には、イタリアとフランスでの体験は、とても興味深かったです♪

しゃべる人-2