素敵な 年の重ね方~アウドさんの場合~

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「ノルウェー人は仲良くなるのに時間はかかるけれども、友達になるととても親切だよ」。
その言葉通りなのが、もう20年近くのおつき合いになるアウドさんです。
アウド・ランボーさんの著書『男女平等の本』で翻訳と来日講演の通訳に関わったことがきっかけで知り合ったのですが、まさかこんなに長いお付き合いになるとは思ってませんでした。

アウドさんの家は、rekkehus(レッケフース)と呼ばれるテラスハウス。いつもノルウェーに行くときは、居候させてもらっています。

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オスロの中心地からバスで20分くらいですが、前には大きな公園と湖があり、とても静か。鳥のさえずりで目が覚めるなんて・・・至福です!

アウドさんの一日は、規則正しいです。
朝。いい香りのコーヒーを飲みながら、たくさんの新聞をリビングで読んでいます。
私が起きてくると、「この記事は面白いから読んでみて」と勧めてきます。本音で意見を言ってくれるので、多くのことを学ぶことができたなぁっと。

いつも見習いたいな~と思っている点はたくさんあるのですが・・・例えば。
台所の棚には、ぴしっとアイロンがかかったランチョンマットや、たくさんのきれいなふきんが常備されています。
向こうの家では珍しく食洗機がないのですが、洗い物もマメ。夜寝る前に使ったグラスやカップは、ちゃんと洗ってから気が済まないようですね。
新聞や本、クッション、全てのものは「あるべき場所」におさめられています。

料理上手なアウドさんのお蔭で、ノルウェーのさまざまな家庭料理をご馳走になりました。
初夏に居候した時、旬のサバ(makrell)をさばいて、軽く小麦粉をまぶして焼いただけの一品は・・・おいしかった!

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器用にサバをおろしながら、「魚をさばく」のはrenseという単語なのね、と会話しながら教わりました。

アウドさんは「好奇心旺盛」です。
とりわけジェンダーの問題に関心を持たれていますが、ノルウェーだけではなく海外事例もたくさんの読書で知識を重ねている姿は・・・尊敬の一言です。
さらに、「読書会」に参加され、同じ本を読み意見を活発に交わしているさまを以前、拝見しました。みんな元気です!

読書会

他にも「コーラスグループ」に参加し、男性女性、いろいろな年齢層で様々な仕事の人たちと交流しています。

コーラスグループ

「もうずっと新しい服は買ってない」と出かける前に口癖のように言っていますが・・・。
白いブラウスや紺のドレスワンピースなどベーシックな服を、きれいに着こなされています。
私がいいな~と思っているのは、出かける前に、昔風なやり方で髪の毛にカールを付ける習慣でしょうか?
80歳を過ぎても、きれいなヘアスタイルやペティキュアなどを忘れない姿にも・・・尊敬の一言です!

150平方メートルもの家を一人で維持し、身の回りのことをこなされているのは大変だろうな、と想像します。掃除、洗濯、アイロン掛け、庭仕事などなどキリがないですよね・・・。
そこはノルウェー人。底知れぬ基礎体力と精神力!を感じます。
アウドさんの暮らしぶりはつつましく、贅沢ではないですが、でも豊かな暮らしだな、と憧れています。
「働かなくてもお金がもらえるなんて幸せ!」と年金生活を満喫。老後に年金がもらるの?と心配な日本人からすれば、夢のようですね~。
もちろん、アウドさんは何十年も教師として働いた「ご褒美」として年金をもらっているのですが・・・。

でもこんなに長くお付き合いが続いているのは、お互い「ユーモアのセンス」が似ているのも多いかな?のも一因かもしれません。アウドさんは社会意識が高くて真面目な人ですが、「ユーモアが大事」が口癖です。

たくさんの心に残る言葉がありますが、特にお気に入りは・・・
「女性が生きやすい社会は、男性にとっても生きやすい社会です。」
本当にそう思います。

偶然からできたご縁ですが、いつまでも大切にしたいですね~。
(写真嫌いなので、アウドさんの写真は載せませんでした。見つかったら怒られそうなので・・)