あいさつの作法~ノルウェーの場合~

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ノルウェー語レッスンの「初心者コース」初回では、アルファベットを学ぶよりも、まずこちらの単語の紹介からスタートします。

Hei!

発音は日本語の「はい」と一緒です。意味は、ノルウェー好きな皆さんならば分かりますよね~。
知り合いに会った時の挨拶なのですが、朝昼晩いつでも使える便利な単語。さらにメールの出だしもHei!が多いです。

Hei!の使用範囲はもっと広くて、「知らない人」にも使えるケースがあります。
最近は、スーパーのレジ係から「Hei!」と挨拶されることが増えました。その場合はもちろん、「Hei!」と挨拶を返した方が感じはいいですよね。
また専門店に入った時でも、店員さんと目が合ったら「Hei!」と挨拶することもよくあります。
他にも、例えばツーリストインフォメーションのような窓口で、いきなり話しかけるより、まずは「Hei!」と声をかけて間合いを取った方が、好感度はグンとUPします♪

あと繰り返しになりますが、メールの出だしは「Hei!」がほぼ99%という印象ですね~。

さて、ちょっと前の記事ですが、この「Hei!」について面白い考察がありましたので、ご紹介したいと思います。(Aftenposten紙、2015年4月1日)
記事のテーマは、 「どうして人は山で会った時は他人でもHei!と挨拶するのに、町で同じことをすると変わり者扱いされるのか?」です。

ノルウェーで登山したことがないのですが、光景は目に浮かぶよう。日本の山でも「こんにちは」とか挨拶するのがマナー??(←インドア派の限界)
オスロ郊外の湖まわりを散歩した時では、やはり知らない人にはHei!と挨拶しないし、されませんでした。「山」がポイント??

ノルウェーの大学でコミュケーション/文化専門の先生たちは、「ノルウェーは、”みんなが知り合い”という村社会だった時代を経て、今では”みんなは知り合いではない”という都市化社会になった」と分析。
さらに「知らない人とどう挨拶するかは、はっきりとしたルールは未だかつて存在しない」とコメント。
こうした背景を踏まえて、いきなり知らない人にHei!とは挨拶せずに、無言で通り過ぎるのがルールとなっています。

ただ今はどうなのか分かりませんが、1996年にスウェーデンのスコーネ地方の田舎を旅していた時、知らない人とすれ違うときに「Hej!」(ヘイ)と挨拶されてびっくりしました。
もうこういう風習はないのでしょうか? でも気分は良かったですよ。「スウェーデン人いい人~」って単純に思いました!

・・・とこれとは逆のエピソードが前述の記事に引用されています。
2年前、ノルウェーに移住してきたアメリカ人女性(16歳)がこんな体験をしました。
「すれ違う人に挨拶をしても、ノルウェー人は無言か冷たい反応だった。ノルウェー人はお高くとまっている」・・・この言葉は、ベルゲンの地元紙に掲載されたのです。
こういう話を読むと、「異文化体験ってつらいこともあるけど、面白い!」と思いますね。フレンドリーなアメリカ人の女の子はショックだったのだろうな~。(でもアメリカの都市部でもこんな習慣ないですよね?)

ノルウェー人専門家は分析します。
「知らない人とちょっとしたおしゃべりが礼儀にかなっているという文化圏においては、アメリカ人の女の子がした行為は自然でしょう。
でもノルウェーにおける”礼儀正しさ”とは、”他人の邪魔をしない、平穏を乱さない”なのです。だから、道でも”平和的に”歩き、バスでも”静かに座っている”のです。」

地下鉄でも沈黙

地下鉄でも沈黙

なるほど~。これは納得です!日本人はノルウェー人と同じマナーではないでしょうか? 知らない人にいきなり挨拶されたり、バスで話しかけられたら身構えちゃいますよね。

さて記事のテーマ、「山では挨拶をする」。この傾向は、「より人が少なくなればなるほど、人は知らない人と挨拶をする」という専門家のコメントから説明がつきますね。
山でなくても、北極横断中に誰かとすれ違ったら「無視」はしないと思います!

・・・ということでHei!という一語も、短い単語ですが、使い方には要注意。
用法・容量を守って上手にご利用くださいね~。

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“あいさつの作法~ノルウェーの場合~” への2件のフィードバック

  1. Yoko@管理人 より:

    Hei!
    珍しくお邪魔します~

    ええと、ノルウェーで裏山を散歩するときには確かに挨拶していた気がしますが、日本の山でも挨拶はマナーですよ。
    登山中にすれ違う時、追い越すとき、私は必ず「こんにちは!」と言っています。
    Heiのように短くないので、混雑している週末の登山とかで集団で来られちゃうと、全員には挨拶しきれなくて3人に一人くらいでごまかしたり。。
    あと、登ってる最中であまりに息が切れていると、言いたくても言えなかったり。。
    感覚的には8割くらいの人はちゃんと挨拶しあってるんじゃないかしら。

    都会に近い、高尾山辺りの様子は存じません。
    出来れば、言いやすいHeiを世界共通用語にしてほしいくらいです!!

    余談ですが、家の近所をランニングしていても、ランナーとすれ違うとたまに挨拶してくれる人がいます。反射が鈍いと、返そうと思った時にはもう時遅し、間に合いません。。。
    昨日は近所の小学生が、私が息を切らしてぜいはあしている最中に「こんにちは」って声をかけてくれて、日本も捨てたものではないなあ、と心が温かくなりました。
    (え?さいたまは田舎で、人がいないせいですか??)

  2. Aoki より:

    Yoko管理人さま

    Hei!コメントをありがとうございます!やはり日本の山も挨拶がマナーなんですね。想像通りです。

    たしかに「こんにちは」よりHeiの方が、連続で来られたときに「HeiHei」と繰り返せばいいから楽でいいですよね~。

    いやいや、近所の小学生は心根が優しいんです。いい子なんですよ、きっと。