上野で体感!『キュッパの美術館』@東京都美術館~後篇~

引っ張ってます!

作者オーシルさんのサイン会がある!と聞き、「これは行かないと!」と再び上野の東京都美術館へ。
オーシルさんのサインは、2つとない貴重なプレミアム感満載なのです!
親子連れに混ざって、列に並んでいるとオーシルさんは、一生懸命、スタンプを押していました~。

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キュッパやググラン、そしてオーシルさんの名前が可愛いスタンプになっています。
前に並んでいる親子連れは、ご両親もかなりのキュッパファンの様子。オーシルさんもとても嬉しそうでしたね。
私も、企画展のカタログにたくさんスタンプと直筆のサインももらいました~。後で、生徒さんが早く会場に行き、1番乗りだったとお聞きしました。
素晴らしい「ノルウェー愛」。感動です!

さて、内覧会で見た展示を、実際にお客さんが入るとどんな感じになるのかな~と興味シンシンで「キュッパのびじゅつかん」展に入場します。
日比野克彦さんの「bigdatana-たなはもののすみか」以外は撮影禁止なので、写真が見たい方は前篇をご参照くださいね。
「キュッパの部屋へようこそ」では、「キュッパのはくぶつかん」をアニメーション化した映像が流され、子どもたちは夢中で観ているのが印象的でした。
私は再び「UENO OBJECTS」に目が釘付け・・・。

墨壺コレクション、キノコの標本、タイル博物館、栗田宏一さん、岩田とも子さん、小山田徹さんの展示は、内覧会の時とまた違った発見があり、「2度来て良かった~」と感じました。

そして上から日比野克彦さんのインスタレーションを見下ろします。わ~、人が楽しそうに動いている!

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「参加型」の作品なので、日比野さんからの「指令」が入っている木箱を手に取ります。

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無造作に置かれている様々なモノ。
よくもこんなものが、というモノが並んでいます。それらの中からモノを拾い、木箱に入れて「自分だけの作品」を作るという試みなんです。

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広い会場には、気になるモノがたくさん並んでいて、「う~ん」と悩むいい大人・・・。
モノはカオス状態にいろいろなのですが、きちんと並んでいるので、「リアル・キュッパのはくぶつかん」を体感できます!
気が付けば、ちょっとレトロなものをチョイスしていました。こんな感じでーす。

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ふふ。人の作品も見ることができて面白い!純粋に楽しめましたね。

夏休みがあるようなないような大人生活ですが(大人計画ではない・・・・)、すっかり気分は小学生の夏休み。
帰宅してから、しばし記念品を見ながら余韻にひたります。

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こんなユニークな企画展。
上野で体感できますよ。
まだの方も、1回行ったという人も2回、3回と足を運ばれてみればいかがでしょう?
本企画展のサイトはこちらから⇒http://kubbe.tobikan.jp/
会期は、10/4までなので「まだ時間がある~」と思っていると、ハ!時間がないことが案外ありますので、ぜひお見逃しなく!

『オスロに暮らす』

未だに「ノルウェーは情報が少なくて・・・」と嘆く方が多いのですが、この本の存在はご存知でしょうか?

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初版は1994年。最初に留学したのが1995年なので、本の存在を知った時は文字通り「飛びつき」ました!
JETROが発行した本書は、なぜ「オスロ」を選んでくれたのかナゾです・・・。それほど駐在員が当時、多かったとも思えないですし・・・。

ノルウェーの紹介、出発前の準備、移住後の手続き、生活上の情報などなど、編集された方々の努力には頭が下がる思いです!
もちろん情報は今では古くなってしまったものが多いですけど、国民性や生活上の注意などは、今でも「その通りだな~」と感じる箇所がしばしば。
例えば「おつきあい」の章で、「日本人の家庭に外国人を招いたとき、日本の主婦はサービスのためしばしば席を立ち、つつましく微笑んでいるだけで会話に参加しないことがありますが、これはあまり感心しません」とあります。その通り~。

またこの頃は、今よりもっと日本食材が売っていなかったのでしょう。それでも、日本食や食材に近いものを探そうと情報が載っています。
「魚屋」の紹介ページで、とある店の紹介文に「イカがあります」と書いてあって、うう~~~皆さんの苦労がしのばれますね。

おそらく今は入手困難と思われる本書ですが、時々眺めて、当時の気分に浸るのもまた一興ですよ。

ノルウェー映画『バレエボーイズ』!

ノルウェー映画『バレエボーイズ』のことを聞いた際、元生徒さんのことを思い出しました。
中学卒業後、ノルウェー国立芸術アカデミー(KHiO)のバレエスクールに入学が決まり、3か月間だけノルウェー語を習いに来てくれたのです。2013年にオスロを訪れた際、偶然、彼女と会う機会があり、すっかり大人になった姿に感動したのです(その際のエピソードはここから読めます。)
そういった個人的な思い入れがあり、『バレエボーイズ』の試写会はとても楽しみでした!

・・・映画鑑賞後、いただいた資料を読んでいると「Director’s note」のある箇所に目が留まりました。引用しますね。
「バレエに打ち込む少年たちは偏見にさらされている。ビールが大好きなサッカーのサポーターたちは、バレエを女性的だと考え、女性やゲイがやるものだと思っているが真実は違う。」(ケネス・ネルヴェバック監督)

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確かに映画の最初の方でも、「バレエは女の子がやるというイメージがあるけど・・・」というセリフはありました。
でも本作を観てしまったら、そんな「偏見」は全く消えます!映画の中の男子ダンサーたちは、ただひたむきにバレエと向き合っています。そこには男性も女性も関係ありません。

さて『バレエボーイズ』の主な舞台は、オスロのオペラ座です!(パチパチ)
オペラ座の正式名称は、Den Norske Opera & Ballett。つまり「オペラとバレエ」の両方が上演されます。オペラ座でバレエの練習ができるなんて贅沢!と思ってしまうほど。

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主人公のルーカスを中心に同じくダンサーを目指すシーヴェルト、トルゲールたちは映画冒頭では14歳。
まだまだ遊びたい年頃ですが、友達づきあいやパーティなどは全て犠牲にして、バレエ三昧の日々を送っています。

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と同時に「プロのダンサーになれなかったら?」という葛藤や不安とも闘っています。
ルーカスたちが通っている中学の先生との進路相談で、「ダンサーで成功できる人はほんの一握り。もしなれなかったらどうする?ケガだってあり得る。他の選択肢も考えておくべきでは?」と先生は諭します。このシーンはすごーくノルウェーらしいな、と思いました。先生と生徒が対等に率直に、かつ現実的な話し合いをしています。
先生は老婆心(?)なのか、「NAVという相談機関もある」と紹介していて、苦笑・・・。NAVは、日本で言うところのハローワークです。先生、現実的すぎます!
他にも、バレエスクールの入団試験の身体検査のシーンで、「ノルウェーらしいな」と感じることができました(あまり書くとネタバレになるのでやめます)。
こうして、プロのダンサーになるリスクを周囲の大人たちが支えている姿を映している点が、映画に厚みをもたらします。

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さて普通に『バレエボーイズ』がどんなに素晴らしい映画は、他の専門家の方々が書いていると思うので、私はもっと「ノルウェー」に特化した映画の楽しみ方をつづりたいと思います。まずは・・・ルーカスのノルウェー語!
彼が14歳の時に話すノルウェー語は典型的な「若い子のノルウェー語」で、ちょいモニョモニョしています。徐々に彼の顔つき、肉体ともに大人になっていきますが、話し方も聞き取りやすいノルウェー語になっていくのが聞きどころでーす。もちろん、彼の美しすぎるルックスも見ごたえあります♪(ノルウェー映画には珍しい!)。

他には・・・・「歯の矯正」!
「歯が命」のノルウェー人。登場人物の中には、矯正ブリッジをつけていますが、「ノルウェーらしい」と思っちゃいました。

優雅でハードなバレエの練習シーン、舞台でのパフォーマンス、更衣室での3人のリラックスした姿、友や家族との別れ、そして彼らの決断は?
青春&成長の詰まった成長物語です。別にノルウェーや北欧に思い入れがない方でも、楽しめる作品であることは間違えありません。

そうそう。NHK-BSでテレビ用に編集された『バレエボーイズ』をご覧になっている方も多いかと思います。私もそうです。
「だから映画は別にいいや~」とは思わないでください!テレビ版ではカットされた部分がたくさんあり、またそれらが面白いのです!

映画の公式ホームページはこちらです!
8/29(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリング他全国順次公開。ぜひ映画館のスクリーンで堪能してください♪

味わい

以前もノルウェーの切手をご紹介しましたが、今回も切手袋をあさっていたら、この1枚が目を引きました。

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よくノルウェーの新聞に、「こんな大きな魚を釣った!」という写真が掲載されます(といっても松方弘樹より枯れた感じの人たちですが・・・)。それを見る度に「平和だな~」と思っていましたが、この切手も同じモチーフですね。

ユーモラスな味わいのイラスト。現物では見えなかったのですが、写真を撮ってみてKaare Espolin Johnson(コーレ・エスポリン・ヨンソン)という名前が読めました。
ちょっと調べてみると、「Espolin」の愛称で知られた人だったようですね。西ノルウェー出身で、2歳で北ノルウェーへ移住。オスロの国立芸術アカデミーで学び、イラストレーターとして活躍します。

北ノルウェーらしい1枚でしょうか。
釣り上げられた魚の表情が、気に入りました~。