子どもからのプレゼント♪

毎年、ノルウェーに行っていて「会いたいね~」と言い合いながら、なかなか会えなかった人はたくさんいます。
チェコ人のアンドレアもその一人。
1995年にVoldaカレッジに留学した際、ルームメートかつクラスメートだったのです。
アンドレアはノルウェーの大学で勉強を続け、なんと同じ学生寮の共同キッチンを使っていたノルウェー人と結婚しました。今ではオスロ郊外に住んでフルタイムで働き、2人の子どもがいるのです。

ようやく今年、会うことができました!しかも嬉しいことに、Jonas(ヨーナス=9歳)とJulie(ユリエ=7歳)と子どもも一緒に連れてきてくれるということに。
待ち合わせ場所のフログネル公園で、ドキドキしながら待っています。多分、もう15年ぶりくらい?の再会になるハズ・・・。

おお~、アンドレアは可愛い子どもたちと一緒に来て、感動の再会!!になりました~。JonasとJulieはかわいい~~!!
みんなで公園を歩いたりした後、公園内のカフェに落ち着きました。アンドレアが慣れた手つきで、スケッチブックを出します。
JonasとJulieは、絵を描くのが大好きということで、すごい集中力でイラストを描き始めました~。

私が気まぐれに「詩は書ける?」と尋ねたら、賢いJonasはさらさらと書き始めます。
冗談で言ったのに、ちゃんと韻を踏んだ詩を2つも書いてくれました~。
そのうちの1つを引用しますね。

Godteri er godt, 
Godteri er flott,
Godteri det er så godt at
jeg har et slott.

お菓子はおいしい
お菓子はすばらしい、
お菓子はとてもおいしいから
僕はお城を持っているよ

ノルウェーの学校って、9歳児でも即興で詩が書ける教育をしているのでしょうか??
もうおばあちゃんの気分で感動しちゃいました!!

・・・ということで、2人からもらったイラストや詩は、殺伐とした仕事部屋の壁に飾って大事にしていまーす。とっても嬉しいプレゼントでした~。
Julieが描いてくれた私のイラストは・・・もう感涙ですぅ~~♡ 

20151011

ノルウェーに留学したことも、自分が年を取ったことにも、友情にも感謝した1日でした!

ノルウェー映画『1001グラム ハカリしれない愛のこと』♡

邦題って難しいですよね。「え?」と違和感をおぼえた邦題は数知れません・・・。
そんな中、ノルウェーを代表するベント・ハーメル監督の最新作の邦題はなかなか意欲的。
原題は『1001gram』ですが、邦題は『1001グラム ハカリしれない愛のこと』です。
観終わった後に「なるほど~」と膝を打つような見事な邦題だと思いました~。

その作品のほとんどが日本で公開されてきた「愛され監督」のベント・ハーメル。
監督のデビュー作『卵の番人』、『キッチン・ストーリー』、『ホルテンさんのはじめての冒険』、『クリスマスのその夜に』など、抑制されたセリフや表情のおじさんキャラが、くすっと笑わせてくれる映画が特徴です。
彼らの多くは、決まりきった日常生活を送っていますが、思えば、フツーの人の生活だって同じようなもの。
「何かいいことは起きないかな?」と願いつつも、日々は過ぎていきます。
でも無理のない展開で、ちょこっと日常生活を「脱線」=「好転」させてくれる監督の最新作を試写会で観てきました。

今回の主人公は女性です!ベント・ハーメル監督=おじさんのイメージを破る配役にまずは驚きます。
ノルウェー国立計量研究所に勤務するマリエは、青い小さな電気自動車で走る周る姿が印象的。
他の作品と同じく、マリエのセリフは少なく表情豊かとは言えません。
青い電気自動車以外にも、研究所の青い柱、病院の青い配色、青の傘、青のタオルなどなどマリエの周りは「青」で占められています。
マリエの淡々とした日常と青が、マッチしています。

BulBul Film, Pandora Film Produktion, Slot Machine © 2014

BulBul Film, Pandora Film Produktion, Slot Machine © 2014

仕事でパリに行くことになったマリエは、ある男性との出逢いがきっかけで、青の世界から色彩が豊かな世界へとゆっくり移っていきます。
それに伴い、硬かった表情が人間味のある表情へと変化していきます。
自由、愛情そして解放感に溢れたマリエ。
ベント・ハーメル監督らしい派手ではないけど、心が温まるほんのりとしたラストシーンが印象的です。

ベント・ハーメル監督の作品を見る度に思うのですが、人を笑わせるためには、おふざけよりも真面目な姿を映した方が効果的なのではないか?という点です。
本作では、みなが真面目であるがゆえに「くす」と笑えるシーンがいくつもあるので、ぜひ皆さんなりの「ツボ」を見つけてくださ~い。

・・・ここで「ノルウェー伝道師」からの『1001グラム ハカリしれない愛のこと』トリビアです!!
まず「電気自動車」。
税金もろもろの優遇や人々の環境意識の高さなどから、ノルウェーでの普及率はハンパないです~。

そして主役マリエを演じたアーネ・ダール・トルプ(Ane Dahl Torp)のお父さんは、ノルウェーを代表する言語学者Arne Torpです。
オスロ大学留学中には、Arne Torpの著書がテキストとして使われていました。また昨年、ノルウェーで開催された「翻訳者セミナー」で、Torpさんが登壇されたのですが、ユーモアあふれるプレゼンテーションで、会場を沸かせてくれました。
そんな関係もあり、アーネ・ダール・トルプの活躍ぶりを見ると、「ああ、あのお父さんの娘なのね~」とシンパシーを覚えていました。

・・・とトリビアはこのくらいにして・・・

ベント・ハーメル監督は、大げさなシーンやセリフを使わずに、人生の妙味を表現できる稀有な人ではないでしょうか?
普通の人たち、普通よりも不器用な人たちへ注ぐ監督の深い愛情を感じました。

本作は、10/31(土)よりBunkamuraル・シネマ他全国順次公開が決定しています!
ぜひスクリーンで、ベント・ハーメル監督の世界を体感してください♪

公式サイト:http://1001grams-movie.com/

BulBul Film, Pandora Film Produktion, Slot Machine © 2014

BulBul Film, Pandora Film Produktion, Slot Machine © 2014

ご当地絵本♪

ノルウェー人は「愛国心」が強いという印象ですが(自虐は自虐に過ぎず、本音では「世界一の国」と思っている?)、自分の町に対する愛情もあるのかな~と思います。
というのも、こんなシリーズ本がノルウェーでたくさん売られているんですよ~。

20151004

真ん中の絵本は「Jeg ♡ Oslo」(オスロを愛してる)
左側が「Æ ♡ Trondheim」(トロンハイムを愛してる)
右側が「Eg ♡ Bergen」(ベルゲンを愛してる)

です。
実はもう1冊「Stavanger」(スタヴァンゲル)バージョンもあるのですが、コンプリートできませんでした・・・。

9月の旅行では、オスロばかり滞在していましたが、ほとんどの本屋さんに「オスロLOVE」本が並んでいました~。
きっとベルゲンではベルゲンLOVE、トロンハイムではトロンハイムLOVE本であふれていると思います。

細かいことを言うと、「私」を意味する”Jeg”ですが、ベルゲンの方言では”Eg”、そしてトロンハイムの方言では”Æ”になってますね。
きっとこう書かないと地元民は納得しないだろうな~と納得。

ちなみにベルゲン本は、『キュッパ』シリーズのオーシル・カンスタ・ヨンセンさんが描かれているのですが、街並みのディテールから愛情が伝わってくるようです。
それぞれ思い入れのある町の絵本はいかがですか?