そもそものきっかけ ~ノルウェーの絵本を訪ねる旅 1~

一番最初に、ノルウェー語の本を買ったのは絵本=bildebokです。学習を始めて半年くらいで「ノルウェー語の本を読んでみたい!」と購入しました。
絵本のテキストは予想以上に難しかったけれども、ノルウェーらしさ満載のイラストを眺めて楽しみました!(実はスウェーデン原作の絵本だったのですが・・・。顛末はこちら

それ以降もポチポチと絵本を買ったりもらったりしていました。「ノルウェーについて学ぶサロン」で「ノルウェーの絵本」について2回、お話ししていますね~。最初のレポート2回目のレポートがご覧になれます。

そんな感じでノルウェーの絵本とは、「つかず離れず」状態だったのですが、運命的!と思える出逢いがありました~。
NORLA(Norwegian Litterature Abroad)「ノルウェー海外文学普及協会」が主催した「翻訳者セミナー」が2009年に開催された時、ラッキーなことに参加できました。その時のレポートはこちらに記していますが、グロー・ダーレさんとスヴァイン・ニーフースさんの『Sinna Mann』に衝撃を受け、その後、紆余曲折を経てパパと怒り鬼』となり邦訳出版に至ることができました。

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2014年にもNORLA主催の「翻訳者セミナー」が開催されたのですが、「これいい!」と一目惚れした絵本がありました!
タイトルは『Slapsefjell』。60年代頃のノルウェーのスキー場での1日がノスタルチックかつシュールに描かれています。イラストはレトロ調で「これぞノルウェー!!」てんこ盛り絵本です。

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出版社の人に聞いたら「ノルウェー語のサンプルはこの1冊しかない」とのことでしたが、半ば強奪した次第です。こちらから中身をちょっと覗くことができますよ~。
他にも、絵本作家やイラストレーターたちのプレゼンテーションや聞くことができ、大いに刺激を受けることができました(キュッパシリーズの作者、オーシルさんもお話しされていたのですが、”Big in Japan”と紹介されていて本人も照れてましたね・・・)。
まだ邦訳はされていませんが、ノルウェーやヨーロッパで評価が高いStian Hole(スティーアン・ホーレ)さんのワークショップでは、作品の芸術性の高さに感銘しました!

Annas Himmel(アンナの空)より

Annas Himmel(アンナの空)より

帰国後、持ち帰ったり送ってもらった絵本を見ながら、2013年に来日講演してくれたグロー・ダーレさんの言葉を思い出しました。
「ノルウェーには、とても素晴らしい絵本作家やイラストレーターがいるんです。」
グロー・ダーレさんはご自身のお気に入りの絵本を持って来てくれて、その中で気になった1冊がØyvind Torseter(オイヴィン・トールシェーテル)さんの『Hullet』でした。本の真ん中に開いた穴をめぐる絵本なのですが、セリフはごくわずか。まるで上質なコメディー映画を観ているような感覚になれます。

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ノルウェー語レッスンの部屋に置いていたら、デザイナーの生徒さんが「これ、貸してください」とおっしゃったので、やはりデザイン系の人には刺さる絵本なのだな~と実感。
こちらは『穴』というタイトルで邦訳されています(ワールドライブラリー社、ひだにれいこ訳)。

個々の絵本に触れながら、「もっと絵本と取り巻く環境を知りたい!」とテンションUP!
9月のオスロ訪問に合わせて、自分が行ってみたい!と思う「絵本をめぐる場所や人」を訪ねることにしました。さらに幸運なことに・・・オスロで初めて「Barnebokfestival」(子どもの本フェスティバル)が滞在中に開催されることが分かり、テンションMAX!! 

・・・いつも前置きが長くなるのは悪い癖ですが、これから不定期にユルユルと「ノルウェーの絵本を訪ねる旅」と書いていきたいと思います~(オスロ旅行記も終わってません・・・)。

つづく(ハズ)

Juletre=クリスマスツリー♪

北欧好きの方々は、IKEAの生のツリーを買っている人が多いかと思います。
そして生のモミの木の匂いを感じながら、北欧風のデコレーションをあしらってクリスマスムード満載ですよね~。

そんなにマメではない私のクリスマスツリーは・・・10年間同じです!
2005年の冬。日本橋のとあるデパートのチラシに「北欧のクリスマスフェア」という文字が躍っていました。
今でこそ「当たり前のような」北欧フェアですが、当時は稀少だったんですよね。
そしてチラシに「デンマークのクリスマスツリー」(エストニア製)とクレジットとともに、可愛いツリーの写真が載っていたのです。
一目惚れしました・・・!そしてフェアが始まるとすぐに日本橋へGo!

目指す売り場へ行き、ギラついた目でツリーを探しますがありません。。。数量限定と書いてあったので「もしや売り切れ?」と焦り、店員さんにすがるように「チラシでこういう感じのツリーを見たのですが・・・」と尋ねました。
私の負の迫力に圧倒されたのか、「実は本日分は売れてしまったのですが、明日の分をお出ししましょう!」と親切に売ってくれたのです、きゃほー!!

・・・そこまでして手に入れたデンマークのクリスマスツリー(エストニア製)は、お手軽かつミニサイズで身の丈に合っています。

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北欧の人のように1月7日くらいまで出しておきたいのですが、日本には「お正月」があるので、年内くらいでしまいまーす。

若者たちと選挙 in ノルウェー

在日ノルウェー人が驚くことの一つに「選挙カー」があります。お約束のように「あのうるさい車は何なの?」と聞かれますが、日本人としても答えに窮しますね。
しかし、あれだけ違和感を覚える理由が分かりました!

9月の渡ノル時。オスロ随一のメインストリート、カールヨハンをぶらぶら歩いていると、若い子たちがたくさんいるのが目につきました。そして通りには、小屋?オープンスペース?みたいなものが置かれています。そこにはノルウェーの政党名が書かれて、若者たちは立っている人と会話をしていました。

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ちょうどノルウェーの地方選挙投票日を数日に控えた日だったので、「ああ、これか~」とピンときました。
ノルウェーでは18歳から選挙権があるのですが、若いうちから政治意識を持たせようと、学内・学外で活動を行っています(20の自治体では、16歳から選挙権あり)。
学校選挙」はその代表的なものですね。高校で、本番の選挙(国政、地方、国民投票)前に選挙を行うのですが、結果は大体的に報道され、実際の選挙に影響を与える力があります。政治家たちは学校を訪れ、生徒たちとディベートを行うのも「普通のこと」。

そして、私が実際に目にした光景は「Skoletur」=学校のツアーと呼ばれる活動です。
・・・って知ったかぶりで書いちゃいましたが、実は私も若い子たちに紛れて、各政党の小屋を周って「あの子たちは?」と質問して教えてもらったのです。
てっきり高校生かと思いきや中学生!!ほ~、エリート教育にあまり縁がないノルウェーですが、政治参加に関しては「早期エリート教育」を行っているのですね!

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中学生たちはノートを持ち、いろいろと質問をしていました。その姿を見ていると、質問する側も答える側もいろいろな肌の人が、改めてノルウェーとって移民系の存在は、ごく日常に溶け込んでいるのだな~と実感します。
置いてある政党のパンフレットは、ノルウェー語・英語以外の言語にも対応していました。お金はかかるけど、必要なことですよね。

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私も若い子たちに交じって、政党の人たちにHei!と近寄ります。すると「どこの地区で投票するの?」と聞かれるのですが、「実は観光客で、投票はできない」と説明しました。それでも「質問したいことがあるんだけど・・・」と続けると、快く応じてくれるノルウェー人たち!
例えば移民に厳しい進歩党(Frp)では「シリア難民について」、緑の党では「同じく環境政策を訴える自由党との違い」などもっともらしく質問をしましたが、投票権もない私に熱く政策を語る、語る!!

移民に厳しい進歩党のキャンディー。EU圏外国籍なので怖くて手が出せません

移民に厳しい進歩党のキャンディー。アジア人は遠慮しました・・・

説明する側は、大人も若い人もいます。特に印象的だったのが、労働党(Ap)のスペース。質問に答えてくれた女の子で、労働党青年部(AUF)のメンバーとのこと。
2011年の大量テロでAUFのメンバーは多数、犠牲となりましたが、どんどん新しい人が活躍しているのだな~と感慨深かったです。
説明する側も若い人だと、中学生や高校生の質問や問題意識を理解し、共感できるのではないでしょうか。

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投票日前の土曜日に、やはりカールヨハン通りを歩いていたら、テレビ局の仮設スタジオが出没し、ソールバルグ首相とストーレ労働党党首がいてびっくりしました!あまりに、距離が近くて写真をパチリ!

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政党のスペースも、首相もストーレ党首も、私が歩いている道と同じ高さ、同じ目線に存在していました。
このスタイルの政治活動だと、気軽に質問を投げかけたり、意見を求めることができますね。ノルウェー人の「民主主義」という言葉への強いこだわりが「バリアフリー」の政治活動スタイルとして実践されている、と感じました。

来夏から日本でも18歳から選挙権を持つようになりますが、主権者教育の在り方などどうなっていくのでしょうか?
カールヨハンを歩きながら、たくさんの刺激をもらいながら考えちゃいました。

北欧愛マグカップ♪

今、キーボードを打ちながら「愛~、愛~、愛~」と頭の中でリフレインしています!
「ノルウェーバカ一代」の私ですが、もっと広く「北欧」を意識するようになったのは、もちろんそれぞれの国を旅行したことがあること、さらに「北欧ぷちとりっぷ」というイベントに参加できた影響も大きいかなと思いますね~。
・・・ということで「北欧愛」に目覚めた私は、北欧5カ国の国旗をあしらったマグカップをインディーレーベルから自主制作したのですが・・・

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何回目かの「北欧ぷちとりっぷ」でサンプル展示もしたり・・・
ブログで「注文しませんか?」と呼びかけもしたり・・・

でも反応はなかったので、今ではノルウェー語のレッスンで生徒さん用のマグカップに使っています!(ブログの画面からも削除しました~)

ということで、「北欧愛」を実感できるイベント「北欧ぷちとりっぷVol.6~ノルウェーってこんなに可愛いかったんだ!の巻」(1/31開催)は絶賛、前売り販売中です♪

街歩きが楽しくなる♪~目からウロコのノルウェー語~

2000年、オスロ大学に留学中。オスロ中央駅で地下鉄を待っていました。
暗いホームで前の看板を何となく眺めていると、こんな文字が書かれていました。

Uønsket graviditet

ほ~、こういう問題はノルウェーでも存在するんだ、なるほどね~と納得しました。
で、肝心の意味は”Uønsket”(ウーウンスケット)「望まない」+”graviditet(グラヴィディテートゥ)「妊娠」で「望まない妊娠」です。

というように、看板の文字が読めると街歩きの妙味が増すということが、お分かりいただけましたでしょうか?(例が良くない?でもすごく印象的だったんです!!!)

こう感じるのは私だけではないようで、旅行に行かれたノルウェー語レッスンの生徒さんたちが「看板の意味が分かるようになって嬉しかったです」と何度か教えてくれて、
「ですよね~」と共感するノルウェー語愛♪ 

10月、アネッテさんのお宅で開催した「ワッフルパーティ」で、ノルウェー旅行で撮った看板や標識、もろもろの文字の写真をパワポで見せながら解説しました。
今まで「ノルウェー語」にターゲットを絞ったプレゼンは何度かしてますが、このプレゼンの準備はとても楽しかったです!旅行中に撮った写真を見直してみると、意外にも多い文字、文字、文字。意味がわからなければ単なる記号ですが、意味がわかっちゃうとニンマリできちゃうというしくみです(知らない方が良かった・・・と言う場合もあります)。

・・・と文字で書いてもイメージがわかない!という方のために例を出してみますね。

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実はこの建物の存在は知ってました。でも9月にオスロで居候させてもらった友達の家の近所に発見してビックリ!
Øl=「ビール」+akademiet「アカデミー」=「ビールアカデミー」という意味です。ビールのテイスティングや、ビールとチョコの試食会などやっているところですが、ølとakademietを組み合わせるなんて面白いですよね。

次行きまーす!

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これは、ブログで取り上げたMatstreif「食の祭典」で見かけた文字です。イロイロ深読みできる文字に、思わずパチリ!と写真を撮りました。
Norsk「ノルウェーの」+drikke「飲む」+kultur「文化」=Norsk drikkekultur「ノルウェーの飲酒文化」!
ちなみに、たくさんのクラフトビールがここで買うことができました~。ノルウェーの飲酒文化ね、ふふ・・・(以下、自主規制)。

はいお次は・・・

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これはな~んとなく雰囲気から意味がわかりますか?
rydde「片づける」+salg「セール」=「在庫一掃セール」という意味ですね~。Salgはノルウェー語が分からなくても意味が伝わると思います。

どんどん行きますよ、そろそろノルウェー語が分かってきましたね?(←そんなに簡単にわかっちゃったら、私の仕事なくなる・・・)
これはオスロ随一のメインストリート、カール・ヨハン通りで見つけました。

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冒頭のUønsket graviditet「望まない妊娠」と同じように、やっぱりこういう問題はノルウェーでもあるんだな~、と思いました。
Født「生まれる」+i「中に」+feil「間違った」+kropp「体」=「間違った体に生まれた?」という意味になります。性同一性障害の人に向けたメッセージでしょうか。紙一枚から、ノルウェー社会の一端が覗ける気分になれます(←あくまでも気分です、気分・・・)。

次は・・・「おお、やっぱりノルウェーでもこれのニーズがあるんだ!」と思った看板です。

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英語でRemoveとありますが、じっくり読むと・・・Fjern「取り除く」+tatoveringen「タトゥー」=「タトゥー除去」という文字が読めますね。日本に比べて、国民一人あたりのタトゥー率は高いノルウェー。カジュアル感覚で入れている人が多い印象です。でも、やっぱり除去したい時があるの?ノリで入れちゃった元カノ&元カレの名前?いろいろ妄想が広がり、ノルウェーの風俗の一端が覗ける気分になれます(←これも気分です!)。

可愛い看板もありますよ~。

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Varm「暖かい」+sjokolade「チョコレート」=「ホットココア」です♪
とっても甘くて、体が温まるココアは、ノルウェー留学中によく飲みましたね。看板を目にした瞬間、思い出がよみがえりました。

・・・てな感じで、ノルウェー語が解読できると「怪しい東洋人、なぜここで写真を撮っているのか」モードが発動することがお分かりいただけたでしょうか?
日本に来る外国人観光客が増えているようですが、やっぱり看板が読めると面白いと思うんですよね~。例えば・・・

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「ドッケン!」ドイツ人もビックリ!!

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