嬉しかったJulekort(クリスマスカード)♪

Jul=クリスマス、という言葉に食傷気味の方は読まなくていいですよ。って嘘です、ぜひお目通しを!!

Julekort=クリスマスカードは、ノルウェー語を習い始めた最初のころにもらったものが特に思い出深いですね~。
こちらのクリスマスカードは、まだ留学前に通っていた都内ノルウェー語教室のGry先生から送られてきたものです。

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イラストは何を描いているかわかりますか?
これは、クリスマスイブに食べるポリッジでノルウェー語ではrømmetと呼ばれるものです。
ねずみも可愛いですね~。
でもこのカードの中が、も~~~~と可愛いのです♪ Gry先生の赤ちゃんの写真が添えられているのですが・・・うう、反則なまでの可愛さ。
でもこれをもらったのはもう20年近く前なので、赤ちゃんは立派な大人になっているハズ。

今は音信不通になった人でも、懐かしむことができるのがJulekortのいいところですね♪

『アルネ&カルロスのクリスマスボール』出版!

Arne&Carlos(アルネ&カルロス)の名前を知ったのは、この本がきっかけでした。
アルネ&カルロスのクリスマスボール(日本ヴォーグ社、朝田千恵訳)の邦訳出版は、Hurra!ばんざーいという気分です!
もうすでに彼らのファンの方、編み物好きな方だけではなく、ノルウェーや北欧のクリスマスや伝統に興味がある方には最適な本ではないか?とページをめくりながら思いました。
早速、極私的ツボをつづりたいと思いまーす。

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『アルネ&カルロスのクリスマスボール』の全体に流れているのは「クリスマス前のワクワク感」。
現代のクリスマス=Jul(ユール)は、10月からイルミネーションが飾られ、たくさんのプレゼントを用意しないとというストレスを覚えるノルウェー人がいるほどです。
でも本書では、まだクリスマスが商業化される前、長く暗い冬の中で生活しながらクリスマスをひたすら楽しみにしているノルウェー人の姿が浮かんできます。
「はじめに」から引用してみましょう。

11月半ば、この辺りがものすごく寒くなり始めると、僕たちは家中あちこちでろうそくを灯します。そしてクリスマス工房の計画を立て、最初の活動を始めます。(略)
クリスマスの計画自体には、僕たちは1年中取り組んでいます。そこには心待ちにする気持ちがあります。子どものころに抱いていた期待、時に大人になった今でさえ感じる待ち遠しい気持ちです
。」(7ページ)

クリスマスストレスに陥っている人には、まるで「福音の声」?

本書では、アルネ&カルロスが55のクリスマスボールのパターンを紹介しています。
興味深いのは、北欧の伝統的なパターンが、別の国でも存在するという事実に触れている箇所です。「まるでパターン自体があちこち旅してまわったかのようにも思えます」(14ページ)という喩えは「民話」と似ている!と思いました。民話は内容が少し違っていても、似たようなものがいろいろな国にありますよね。

55のパターンそれぞれの編み図紹介とともに、そのパターンがなぜ生まれたのかの解説がじっくりされていて、なるほど~と好奇心をそそります。その解説の合間合間に「深い!」と思える言葉がたくさん散りばめられています。長くなりますが以下引用します!

僕たちはいつもノルウェーの伝統的な手工芸にインスピレーションを得てきました。(略)ファッション業界では「最新のもの」がなにより注目されます。でも僕たちはこう思うんです。「最新のもの」を作り出すためには、時代をさかのぼって自分たちの文化や歴史、伝統を学び、そこから伝統的要素を見つけ、現代風に活かさなくてはならない。そうすることで、「最新のもの」を作り出すだけではなく、自分たちの文化的遺産を次の世代に引き継いでもいるんだ、って。」(34ページ)

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ノルウェー人がアルネ&カルロスのクリスマスボールに惹きつけられたのは、まさしく「伝統的なパターン」の要素が強かったのでは?と想像します。レトロな柄、まるでおばあちゃんの家に行った時の思い出のよう。
そうそう、アルネは「おばあちゃん語り」が好きですよね~。ちゃんと本書には「おばあちゃんのクリスマス」が記されています。ああ、こんなプレゼントを当時はもらっていたんだ、こんな風に過ごしていたんだ、と古きノルウェーのクリスマスに思いを馳せることができます。

55のパターンを見ながら、自分はこれが好き!と選ぶのも楽しいです。私のお気に入りは・・・
「スキーヤー」(33ページ)です。ノルウェー人とは切っても切れないスキー。それもクロスカントリースキー。このパターンの解説には、ノルウェーを代表する「愛すべき皮肉屋じいさん」オッド・ブレッツェンの文章が引用されていて、笑っちゃいました。まさに「わかる奴だけわかればいい」の世界・・・。

写真のインパクトもありますが、「クリスマスのぶた」(76~77ページ)も可愛いです!!
ぷっくりと肥えた豚にハートがあしらわれていて、う~ん、欲しいです~♪(←自分では永遠に編めません・・・)

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55のクリスマスボールに添えられているレトロなオブジェや写真もまた見どころです!
アルネ&カルロスは常にインスプレーションを探し、スクラップブックを作っているようですが、それをこんな形に昇華できるセンスは素晴らしいですね。

クリスマスプレゼントにも最適。
編み物ド下手な私でも、うっとりできる1冊です♪
あ、そうそう。ノルウェー語の勉強にもなりました!”Ut på tur, aldri sur”ということわざが本書に書いてあるのですが、今までしっくりくる訳がなかったんです。朝田さんの訳は「外に出れば、気分も爽快・・・・」でした。おお、この訳がどんぴしゃり!まさに気分爽快です♪

P.S.2013年に開催したアルネ&カルロスファンミーティングの様子はこちらからご覧になれます!

懐かしのノルウェークリスマスフェア

ここ数年、たくさんのデパートで当たり前のように「北欧クリスマスフェア」を開催していますよね~。
あまりに多くて、周り切れないほど。こんな世の中になるなんて、想像していなかったです!
・・・とは言え、「ノルウェーのクリスマス」にだけフォーカスしたイベントは、まぁ少ないですよね。
しかーし! 当時の赤坂プリンスホテルは「ノルウェークリスマスフェア」を開催してくれていたことで覚えています。

もう10年くらい前でしょうか。
かのホテルの「ノルウェークリスマスフェア」に、Yoko管理人といそいそと出かけた記憶があります。
赤いものが集まっているエリアがありました!おお、たくさんのユーレニッセ(Julenisse=ノルウェーのサンタ)が!!
ノルウェー物に飢えていたので、がっついた記憶が・・・。そこで買ったものの一部がこちらです!

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このユーレニッセは、女の子(おばさん?)なのが珍しくてチョイス。
あとお皿は、ノルウェーのPorsgrund(ポッシュグルン)のもの。ニッセがシュールにあしらわれています。
「在庫全部下さい!」と喰い気味にお願いし、3枚ゲットしました~。同じ模様のマグカップも買ったのですが、行方不明・・・。え~ん、お気に入りだったのに。

今では当たり前の「北欧クリスマスフェア」ですが、こんな時代もあったんですよ~と歴史の生き証人は語ります。
でもこの「当たり前」はいつまで続くのでしょうか??(ちょっと考えるのがコワイ・・・)

オスロ図書館の新プロジェクト、求職者が殺到!

「5人のポストをめぐって、約700人の応募」というセンセーショナルな新聞の見出しを見つけました。ノルウェーの人口は510万人です!
どこの大企業かな?と思って読んでみると・・・え?図書館に応募ですか?
・・・ということで、全く個人的な興味でこちらのニュースをピックアップします!(Aftenposten紙、2015年11月29日)

オスロの図書館は、Deichmannske Bibliotek(ダイクマンスケ・ビブリオテーク)が名称です。
「Deichmann」=「ダイクマン」という愛称で親しまれ、官庁街にある中央図書館やオスロ各地に図書館があります。

中央図書館

中央図書館

ムンク美術館があるTøyen(トイエン)に図書館を建設することとなり、ユニークなプロジェクトに挑戦することになったとか。それは・・・

「大人立入禁止ゾーン」

はい、10歳~15歳の子ども・ヤングアダルト(YA)に特化したセクションが作られることになり、このセクションスタッフとして「5人」のポストが公募され、約700人の応募があったのです。
具体的にどんなセクションを意図しているのでしょうか?トイエン図書館館長のコメントから引用してみましょう。
「30人の若者を集めたワークショップを開催し、図書館に何を求めているかを尋ねました。答えは、食べ物・ゲーム・作家のワークショップや登壇などが挙がりました。また、静かな空間も欲しいという意見があり、これらは全て取り入れられます。来年の2月には、屋根にスキーのリフト(???)、壁にはグラフィティで彩られたスペースが完成します。」

このセクションスタッフの条件として、司書であることは求められませんでした。代わりに、創造力、IT知識、ハンドクラフト能力、さらに文学イベントや子どもやYAに関わる活動をした経験が要求されたのです。この時点でハードル高し!

さてトイエン図書館の方は、まさかこんなに応募が来るとは予想しておらず、「選考過程は非常に大変だった」とのこと。
書類審査を経て、1次面接にこぎつけたのは43人!でも面接時間は、たったの10分!そこで志望動機を語ってもらい、同時に一人一人を写真撮影したそうです。
選考会議室のボードに貼られた写真を見ながら、各人の印象などを思い出し、誰がポストに適しているかを話し合うのに役立ちました。

その中から何人が最終面接に選ばれたのは記事には載っていませんが、1次面接より時間をかけ、事前に通知した課題とプロジェクトに関するプレゼンテーションを行ってもらう内容だったそうです。その結果、館長は「贅沢な悩み」に陥ります。

「問題は、みんながとても優秀だったことです。もっと多くの応募者を採用できたら・・・と思いました。残念ながら選ばれなかった人たちへ手紙を書き、みんなの資質を誉めました。手紙を受け取った人から”今までもらった不採用通知の手紙で一番、素晴らしいものでした”という返事をもらったんです。」

では、この超高倍率のポストを手に入れた人はどんな人なのでしょうか?
記事では、2人が紹介されています。1人は俳優、1人はグラフィックデザイナーで、子どもやYAに関わる仕事をした経験がありました。求人広告を見て、「これは!」と思い応募したそうですが、応募者総数を聞いた途端・・・

「このポストに選ばれるのは、演劇カレッジ入学か外務省のインターンに選ばれるより難しいと感じました。」

ほ~、外務省のインターンも大変なんですね。調べたところ、2015年は448人(女性243人、男性205人)応募があり、選ばれたのは15人。ちなみに期間は3年です。

ここまで人気があった新プロジェクトですが、こんな希望が込められているそうです。
「子どもやYAたちの図書館離れを防ぐのが目標です。この年齢層に、成長や新しい発想をしてもらいたいのです。」
いいな~、オスロの子どもたち!

9月にオスロへ旅行した時、ダイクマン中央図書館の児童書部門長とお話しする機会がありました。

中央図書館の児童書コーナー

中央図書館の児童書コーナー

また別の機会に、その時のことを書く予定ですが、図書館が「子どもの読書離れ」を食い止めるために様々な工夫をし、成功していることが分かりました。
そのためには、もちろん「お金」が必要です。トイエン図書館は「5人を雇用する予算がもらえて良かった」とコメントしています。

中央図書館まったりスペース

中央図書館まったりスペース

実は今、ダイクマンは移転問題で揺れています。オペラ座がある地区に移転し、立派な図書館建設計画がありました。が、予算オーバーでとん挫する可能性があります。そうした最中、このニュースは久々に明るい話題でした。
次回、来ノルした際には、何とか子どもの扮装をしてでも「大人立入禁止ゾーン」に入りたいと思います!(ピッピのコスプレとか逆効果でしょうか??)

Norgeバッグ♡

よく「ノルウェー語なんて、どんな人が習いに来るのですか?」という質問がありますが、答えに詰まります・・・。みなさん、いろいろなんです!
生徒さんのお一人が、以前からノルウェーや北欧にちなんだ可愛いポストカードや雑貨を作っていらっしゃるのを知っていたので、5回目の「北欧ぷちとりっぷ」に、「出店してみませんか?」とお誘いしたら、ご快諾いただきました。その時、販売して私も一目惚れしたNorgeバッグはこちらで~す♪

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ところでみなさん、Norge(ノルゲ)の意味はわかります?
ノルウェー語で「ノルウェー」という意味です。もうそれだけで感涙もの。ちゃんと国旗もあしらっているし、ノルウェーでもこういう気の効いた可愛いお土産を売ればいいのに・・・!

このエコバッグのいいところは素材と持ち手がしっかりしていて、エコバッグ特有の「頼りなさ感」とは無縁です!
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