ノルウェー人気ドラマで知る若者言葉

いつ頃からでしょうか。ノルウェーのサイトに、”SKAM“=「恥」という単語をよく見かけるようになったのは・・・。
NRK(ノルウェー国営放送)のドラマのタイトルだとわかりましたが、「私には関係ないもんね」と特に注意を払いませんでした。

しかーし、あまりにも”SKAM SKAM SKAM SKAM・・・・とまるで呪いの言葉のようにネットに溢れている。
NRKのドラマ通の生徒さんに伺ったところ「すごく面白いですよ」と教えてもらい、「じゃあ、ちょっと見てみるか~」とNRKのネット配信で”SKAM”のシーズン1を見始めたのですが・・・。
いい年のおばさんがノルウェーの高校生たちのドラマにハマり、シーズン2もあっという間に見ちゃいました。ノルウェーでも80代のおばあちゃんが楽しみにしているというのも納得です!

見学した高校

見学した高校

ドラマの内容や解説については、またいずれ別の回に。
今回はドラマでかなりショックを受けた「高校生が話すノルウェー語」について書きたいと思います。
実は「なに?この言葉や単語?」と理解できなかったものが幾つかあり、それが気になっちゃったんですよね。

それらは「若者言葉」または「スラング」だったのですが、一番の特徴は「英語から影響を受けた単語」です。
(注:内容上、「癒しのブログ」にふさわしくない単語がピックアップされることをあらかじめご容赦ください!)

NRK SKAM公式サイトより

NRK SKAM公式サイトより

問題でーす。
Føkkという単語は英語の何からできたものでしょう??簡単すぎましたかね~。英語のFuckです。
この単語の頻出具合はハンパなかったです!これの派生形で、føkkboyという単語も聞きました。イケメンのチャラ男を指して使われていました。
この単語と次の単語は、中学生が登場人物のYA小説(ヤングアダルト)にも出てきました。

er keen på ~

英語もノルウェー語も得意な方はすぐにお分かりでしょうか?
「~が好き、~に関心がある」という意味ですね。英語とノルウェー語がミックスされた表現です。
Jeg er keen på deg“は、「君が好きだ」という意味になります。

さらに英語のスラングとしては、”hooking”が挙げられます。これは意味がよくわからなかったので調べたら、ちゃんとノルウェーのサイトで解説してくれるものを発見!
それによると以前はずばり「性行為」を意味したようですが、今では「キスする、いちゃつく」になっているとか・・・。でもこの手の単語は出てきては消え、意味が変わることもあるので分かりませんね。
hookingの変形として、hooker med~がありました。”Hvem hooker du med?”「誰とキスするの?いちゃつくの?」みたいな意味になりますかね。

NRK SKAM 公式サイトより

NRK SKAM 公式サイトより

ここまでは英語からの影響を受けた言葉づかいでしたが、ノルウェー語で発見した点を挙げていきますね!

最初、serrという単語がわかりませんでした。
登場人物たちが頻繁に使っているのですが、もしかしてseriøs「シリアスな」の省略形?と推測したら、当たりだったようです。
日本語に直すと、「マジ?」が近いでしょうか。

他によく出てくる単語でkødderがあるのですが、これもわかりませーん。
でもちゃんと辞書に載っている単語で「冗談を言う」の意味です。
同じ意味ならば、私はtullerという単語を使っています。気になったのでkødderという単語をGoogle検索してみると、2012年のものですが「私がkødderを使うとネガティブな反応の人がいるのはなぜ?」というスレットが立っていました。複数の人が「きれいじゃない」「子どもっぽい」「下品」「元の意味知ってるの?」とカキコミしています。
こちらのサイトをご参照ください⇒http://forum.kvinneguiden.no/topic/645371-hva-er-galt-med-ordet-k%C3%B8ddak%C3%B8dder/sykt

あと”SKAM”ファンの別の生徒さんは、「よくsyktが出てきますよね」と指摘してくれました。これは「病気の」という意味ですが・・・
“sykt”と「心地いい」を意味する” koselig”を組み合わせて”sykt koselig“なんて表現が出てきました。
もうこれは、誇張の表現で「とても」という意味なのね、と納得。
「チョー、いい感じ~」が近いでしょうか?

違和感を覚えた表現は他にもあって、それは”unnskyld”「すみません」です。
Unnskyld”はあくまでも「すみません」程度の意味で私は使っているのですが、ドラマの登場人物たちは、かなり他人を傷つけた時でも”Unnskyld”だけで済ませちゃってます。
ノルウェー語には「ごめんなさい」を意味する”Beklager”という単語があるのに・・・・
なんで~~~???という疑問を40代ノルウェー人の友達(ノル友)に聞いてみたら、「自分も、若い子たちがbeklagerを使うべき場面で、Unnskyldしか言わないことは気づいていた」と教えてくれました。

NRK SKAM公式サイトより

NRK SKAM公式サイトより

実はこのドラマを観終わってから「私の使っているノルウェー語って、とんでもなく古臭いの?」と心配になったのですが、前述のノル友は「こうしたスラングや若者言葉は大人は使わないし、もし使うとしてもかなり親しい間柄でしか許されない」と説明してくれてほっとしました~。
日本語でも、いい年のおばさん・おじさんが無理して若い子の言葉づかいをまねても「イタい」だけ。それと同じなのでしょう。

・・・・とはいえ、せっかく覚えた「新語」。使ってみたいな~という誘惑もあります・・・。あくまでも用法容量に気を付けなくてはいませんけどね。

肝心のドラマですが、こちらのリンクから見ることができます。
左側にsesong 1とsesong 2と選べるようになっています。お試しあれ!