子どもの本フェスティバル!~オスロ絵本を訪ねる旅7~

昨年のオスロ訪問は本当にラッキーでした。滞在中に”Barnebokfestival i Oslo“「オスロ子どもの本フェスティバル」が開催とちょうど合ったのです!
子どもの本フェスティバルがオスロで開催されるのは、2015年が初めて。期待は高まります!

かなり遅れて発表された3日間のプログラムを見ると、複数の出版社が協力し、会場もいくつか分かれています。
「う~ん、どれを見に行こう?」と迷いましたが、2014年のNORLA(ノルウェー文学普及協会)主催の「翻訳者セミナー」でちょっとご挨拶したKari Stai(カーリ・スタイ)さんの読み聞かせに参加することに決めました。

会場のGrafillに到着すると、たくさんの絵本をモチーフにしたデコレーションが施されていてテンションUP!

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Grafillは、ビジュアルアーティストたちの組織によって運営されている場所ですが、カールヨハン通りから近くて羨ましい環境です。

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カーリ・スタイさんには当日行きます!と連絡していました。
ちょっとお澄ましポーズで写真を撮ります。

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手に持っている絵本は、代表作の”Jakob og Neikob”(ヤーコブ オ ナイコブ)です。
何に対しても”Ja”「はい」と言うJakobと、何に対しても”Nei”「いいえ」しか言わないNeikobの2人組が繰り広げる珍道中は、もう4冊目まで出版されている人気シリーズ。
さてどんな読み聞かせになるのかな・・・と外を伺うと、お、小雨の中でたくさんの子どもたちが列を作っています。

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会場スタッフに尋ねたところ、小学校2年生のグループだとか。
ようやく中に入ってくると、阿鼻叫喚・・・ま、元気いっぱいですよね。
私は写真が自由に撮れるように後ろで見ていました。

カーリ・スタイさんが話を始めると、先ほどの喧噪が嘘のように子どもたちは静かになります。
スクリーンに絵本を映しながら、読み聞かせは進んでいきます。
後ろに立っていながら、子どもたちが夢中になって物語の世界に入っていくのが伝わってきます。
Jakobがワニに「食べてもいい?」と聞かれて「Ja」と答えてしまい、Jakobたちがワニに食べられていくシーンでは、笑いが起こりました!

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読み聞かせが終わって、カーリ・スタイさんが物語を生み出すきっかけをわかりやすく説明しますが、その間も子どもたちは質問したり、感想を言いたいのか熱心に手を挙げています。女の子、男の子は関係なかったですね。あまりの「挙手率」にびっくりしてしまいました・・・。

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カーリ・スタイさんは子どもたちと接することに慣れているようで、一つ一つの質問を丁寧に真面目に、そしてユーモラスに答えていきます。

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実はこの読み聞かせイベントの後、オスロ中央図書館に行きました(こちらのブログをご参照ください)。その時、児童書部門のアニッケさんに「ノルウェーの子どもたちがとても積極的に手を挙げていて驚いた」と話したら、「でしょ?でもね、私が小さかった頃、今のように気軽に質問なんてできる雰囲気ではなかったのよ。ずいぶん変わったと思う。」と教えてくれました。

ということは、ノルウェーの子どもが元々、積極的というよりも、学校や様々な場面で、積極的に質問や意見を言うことが後押しをしてきたのかな~と想像しました。
大事なのは、子どもたちが安心して発言できる雰囲気を作ること。そしてそれは大人の役割だよね、とぼーんやり考えます。

楽しかった読み聞かせイベントは終わりになり、子どもたちは賑やかに帰り支度を始めます。
カーリ・スタイさんと話したい子どもたちが寄ってきて、うーん、こういう心理は日本もノルウェーも一緒だ、と写真をぱちり。

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子どもの本フェスティバルは、まだ書きたいことがあるので続きまーす。
さて来月のノルウェー出発までに間に合うか???

つづく
(書けばいいんです、書けば・・・)

ノルウェー相互扶助♪

ノルウェー夢ネットは2000年にスタートしている「老舗」=「古いだけ」なので、「ノルウェー」という検索ワードでうちのサイトに引っかかる確率は高いです。
今まで様々な依頼(悲鳴に近いものも含め)がありましたが、やはり形に残ると嬉しいものです。
例えばこちらの本『世界をめぐるかわいい紙もの』(2012年、誠光堂新光社)をご覧くださ~い。

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表紙の国旗がスウェーデン、デンマーク、アイスランド、フィンランド・・・・ノルウェーがない!とお嘆きの方。
ご安心を。きちんと中には「ノルウェー」のページもあります。

世界の様々な可愛かったり、きれいだったり、ユニークな紙ものを集めた本書は、楽しめること間違いなし。
で、このノルウェーのページに掲載された紙ものはノルウェー夢ネットがたくさん協力しています。
編集者の方から「紙ものがありませんか?」と依頼がサイトに来まして、私とYoko管理人のコレクションを比べると、圧倒的にYoko管理人の方が多いんですよ。
私は結構、物を捨てる方なのですが、Yoko管理人はきちんと保管するタイプ。
なのでページに採用されたのは、ほぼほぼ彼女のコレクションです。

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ということで、ノルウェー相互扶助の一例をご紹介しました♪

詩が身近にある暮らし

ノルウェーで1年の高校留学を終えた生徒さんが、レッスンに遊びに来てくれました。
向こうでの授業について質問したのですが「詩を作りなさい、という課題があって苦労しました」と聞き、なんとなく腑に落ちる感があります。

私もノルウェーの大学に留学中、詩の創作はなかったけど「詩の分析」は結構やりました。
日本ではあまり詩に親しんでこなかったので、「ノルウェー人、意外と詩が好き?」と想像したのです。

昨年、留学時代の友達とすごく久しぶりにオスロで再会した時、彼女は子どもたちを連れてきてくれました。その時、子どもたちがサラサラと私のために詩を書いてくれたことに感嘆した体験をブログで書きました。
こちらからご覧になれます。

前述の生徒さんが、ノルウェーのチョコレートをたくさん持って来てくれました。
そして「Melkehjerter」ミルクハートチョコレートを別のクラスで配っていたら、箱に書かれた文字に注目された生徒さんがいたんですよね。
今まで何度となく見てきた箱だけど、どんなことが書いてあるのか気にしたことはなかったのです。

「何が書いてあるのですか?」と聞かれ、読んでみました。こんなテキストです。

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「チョコレートは幸せ。幸せはハートに宿っている。
ハートはチョコレートでできている。1枚はあなたに、そして1枚はわたしに。
みんなのハートは喜び、甘いかけらを友達にあげよう。
みんなで分けると、幸せはふくらむからね。」

ここにも詩を発見!
こうやって詩心を培っているのか、とまたもや腑に落ちた次第です。

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ノルウェーの秋の食べ物

日本で8月といえば「夏、まっさかり」。
ノルウェーで”august”(アウグストゥ)=8月は新学期が始まるシーズン。”høstsemester“=「秋学期」と呼ばれることからも、「ああ、夏は終わって秋になるのね~」という気分です。

秋の食べ物・・・と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、fårikål(フォリコール)です。
får(羊)+ i(~に)+ kål(キャベツ)と分かりやすい料理の名前ですが、大きな鍋、大量の羊肉、キャベツ、塩、こしょう、水だけでできるシンプルな料理。
こちらのレシピによると2時間くらい煮込むと書いてありますが、それぞれのお宅のレシピがあるだろうな、と想像します。

2010年、秋にオスロへ遊びに行ったとき、いつもお世話になっているアウドさんが、「fårikålを作る!」と張り切ってました。
で、こんな感じに煮込み終わった鍋を水で冷やし・・・

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お皿に盛って、いただきまーす!

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日本ではあまり羊を食べないのですが、このフォリコールは大好物です!
北欧やノルウェーの料理は、よく言えばシンプル、ありたいていに言えば「地味」なものが多い気がしますが・・・でも素材の良さに助けられているのでしょうね。
このシンプル尽くしのお料理は、何度もおかわりしつつ「ああ、秋になったんだなぁ~」としみじみ。

煮込みやスープ料理の付け合せで、一緒に出てくるのは・・・まずはこちらの袋に見覚えはありますか?

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袋に書かれた文字の”flatbrød“(フラトブロー)が正解です~。flat「平らな」+brød「パン」=「平らなパン」ですが中身はどんな感じでしょう?
ごそごそときちんと整理されていない写真フォルダーを探したのですが、見つかりませーん!!
なので、こちらのレシピサイトから、実物を見てくださーい。

flatbrødはノルウェー語テキストにも載っているのですが、説明が難しいんです。
全然味のないパリパリとしたクラッカー。パンよりクラッカーの表現が合っているでしょう。

Norge -portrett av en nasjon」という本によれば、flatbrødがノルウェーで作られ始めたのは13、14世紀頃。
そうなんです、結構な歴史ある食べ物なんですね。brød(パン)といえば、こちらのflatbrødを指していた時代が長く続いていたようです。

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この写真は前述の本からパチリと撮りました。
1912年の写真だそうですが、flatbrødを作っている様子がうかがえます。

まだまだ秋の気配などみじんも感じない日本ですが、ノルウェーの秋を少し感じてくださいね~♪

トロールとバブル期の思い出

実家に帰る度に、ごそごそと「ノルウェーの変なものないかな~」とあさる癖がついてしまいました・・・。
先月の帰宅時に発掘したのは、こちらです!

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いつもながら保存状態がひどく写真の撮り方もお粗末なのでスミマセン・・・。
このビニール袋を見て「あ、これは!」と思いついた人はなかなか。
ベルゲンのブリッゲン地区にあるセーターショップの袋ですね~。

ヤケクソ気味(?)にでかく描いたトロール。
背景には世界遺産のブリッゲン。
観光客を表しているののでしょうか、いくつかの国旗・・・。
右下の方に日の丸が描かれているのがわかります?

このセーターショップでノルウェーセーターを買ったのは1994年くらいでしょうかね。
まだバブル期の余韻で景気が今よりも良かった時代です。
日本人観光客対策に、日本語ができる定員をおいているお土産さんがありましたね~(遠い目)。
1着3万円くらいのセーターを、10枚くらい買っちゃう「太い日本人客」がいると聞いたことがあります。

今だったら中国国旗に代わっているでしょうか?