ノルウェー人とのコミュニケーション心得

3月になってから、赴任やワーホリでとうとうノルウェーへ渡航される生徒さんたちが増えて、模擬会話(私や他の生徒さんたちが偽ノルウェー人役)の練習が増えています。
それ以前から、ずーーーーーっと気になっている問題がありまして。
ノルウェー語がそこそこ話せる人でも、通じない理由の筆頭はこれじゃないかと。

声が小さい!

そうなんです、これなんです。惜しいですよ~。
日本人の声自体が元々、大きくないのか、さらにノルウェー語で弱気になっているせいもあり、声が小さめになってしまう。
すると、ノルウェー人が”Hæ?”と聞き返してくる。
それに怖気づいて、もっと声が小さくなって、ノルウェー語を使うのが嫌になってしまう。ノルウェー語を使わないと、上達は望めない・・・悪循環ですよね。

マイクを使うのも一案です

強調したいのは「ノルウェー語に自信がなければ、逆に大きな声で話した方がいい」ということ。

タクシー運転手は外国人。ノルウェー、特にオスロでは見慣れた風景です。
「この人の発音、ひ、ひどい・・」と感じるドライバーが中にはいますが、ノルウェー人とちゃんとコミュニケーションできている!横で驚くワタシ。
発音が悪くても臆することなく、大きな声でしゃべっているのが秘訣かな~と推測します。

ノルウェー語の自信を高めるためには「テンプレ会話」を想定することも手段の一つです。
初対面のノルウェー人との会話で、聞かれる質問はほぼ決まっています。そう、笑ってしまうくらいほぼ同じ質問・・・!
なので、自己紹介+想定問答集を完成させ、ノルウェーへ出発して欲しいですね~。

自己紹介のコツは大きな問題なので、また別の機会に書きたいと思いますが、取りあえず覚悟して欲しいのは・・・

Hvorfor? どうして?

で始まる質問=尋問の嵐に耐える心です!

ノルウェーはたくさんの国籍の移民や難民が暮らしているので、外国人は珍しくありません。
でも日本人はまだまだ珍種。しかも「ノルウェーに興味があって」などと言おうものならば、”Hvorfor?”を連発されますね~。
「こんなちっぽけなノルウェーなんて国に、どうして興味があるのか?」

きっかけはオーロラツアー!

私は正直、うんざりした時期がありました。延々と続く「どうしてノルウェーに留学してるの?勉強したいの?」尋問に。
やさぐれた頃には「同じ質問を1000回くらいされて、もう答えるのはうんざり」みたいに返しちゃったことがあるんですよね、ずいぶん前ですが。
やさぐれ感が伝わってしまい、マナーにうるさくないノルウェー人でも、不快に感じたようで、会話が止まりました。今なら言える、反省しています!
答える自分は同じでも、聞いてくる人は別の人です。なので、常にフレッシュな気持ちで、今では答えるようになりました。
そもそも聞いてもらえるだけ、幸せですよ。
興味がなければ、質問さえしてもらえないですからね。

Demokrati=民主主義をこよなく愛するノルウェー人。
そのせいでしょうか、何人かでの会話中に「で、君はどう思う?」と質問を振ってくれるのは・・・!
1対1の会話と違い、ノルウェー人の喧々諤々の会話に入っていくのは、しんどい時があります。
集中力が切れてボーっとしている時に、質問が飛んでくることが何度かありました。
自分が黙ってばかりだと周囲が気を遣って、質問が振られるということもあります。

自分の意見を持つ、発言する

ことが求められる社会かな、と感じますね。
それが慣れていない人は、ちょっと苦労するかもしれません。

うるさいバーでの会話は修行になります

トロールの絵付け教室!

ノルウェー夢ネットの「セレクトレッスン」は、テーマ別に各回参加のスタイルのクラスです。
「超!ノルウェー語入門」と「ネイティブによる発音講座」は定番ですが、残りの1回はどうしようかな・・・と迷っていたのが昨年。
生徒さんたちに「どんなテーマがいいでしょうかね?」と相談したら、「ニットカフェ教室」が誕生しました。
そして、彫刻と酪農を専門にされ、毎週、群馬から通って下さっている川浦麻友美さんと雑談している時に、なぜか「トロールの絵付け教室」まで話がふくらんだんですよ~。
「可愛くないだの、お土産にもらっても困るとdisられるトロールを、あなた好みのものにしませんか?」
「ダーラナホースの絵付けに対抗しよう!!!」みたいに、きっと勝手に妄想話が発展したんです。

「トロールの絵付け教室をやりたいです」とサイト管理人に伝えたら「人が来ますか?」と懐疑的な反応。
やっぱり妄想話レベルかしら?と思いつつ、募集をかけてみたら・・・最終的に応募が予想以上にありました!

そして、3/18に「トロールの絵付け教室」が開講されました!

川浦さんがテラコッタでトロールの土台を用意し、4人の参加者がそれぞれに色を塗っていきます。
最初にノルウェーの絵本から、トロールがどんな風に描かれているかお見せしました。

3匹のやぎのがらがらどん』のオリジナルのノルウェー民話”De tre bukkene bruse“で描かれたトロールは、裸にパンツとサスペンダー。ワイルド系。

北欧絵本イベントでも紹介した虫歯トロール兄弟”Karius og Baktus”は、かなり人間に近く描かれています。

川浦さんは「人に教えるのは初めて」とのことでしたが「では下地を塗って行きましょう」と落ち着いた口調で、見本を示しながら塗って行きます。
「普段、絵を描くことはやってません」という方が多かったので、筆や色の選び方も、川浦さんが朴訥とアドバイスします。
きちんと下書きをする人もいれば、「先生、ここが描けないのでお願いします」と川浦さんに託す人もいて、作業の進め方がまちまちで面白かったですね。
雰囲気づくりに、ノルウェーのネットラジオをかけてみます。

「和風に描きたい」という声には「いいと思います」と川浦さん。
「マリウス柄のセーターに挑戦したい」という声にも「いいと思います」と川浦さん。
「緑に赤の組み合わせってダメでしょうか?」という声にも「いいと思います」と川浦さん。

普段のレッスンからわかってましたが、川浦さん、度量が広すぎます!
そもそもトロールは超自然的な生き物であり、想像力をどんどん広げられるオブジェなのだな~と悟りました。

マリウス柄は爪楊枝を使って描きます

ノルウェー国旗♪

と同時に、予定の90分ではとても足りない・・・ということも分かってきました。
最後に完成したトロールを並べて、ノルウェーワッフルをお出ししようと思っていましたが、帰宅を急がれている方がいるので、途中から焼き始めます。

部屋は、新聞紙と画材、トロール、受講者のみなさん、川浦さん、ネコたちとノルウェーワッフルとブラウンチーズ・・・どんどんカオス状態に!

15時半終了予定ですが、最終的には16時40分くらいまで、絵付けに時間がかかった方がいました。
作品を見ながら、川浦さんが「いいと思います」「ステキですね」とコメント。多弁ではない分、一言一言に重みが感じられます。
最後に皆さんに感想を伺ったところ、
「こんなに集中できると思っていなかった」「精神的・肉体的にも集中しすぎて手が震えてきました」など、トロールの絵付けにすごい集中されたことがわかりました。

左:川浦さん作品
右:和風トロール

川浦さんからは「皆さんがとても集中して作業してくれて良かったです。途中、集中が切れたらどうしようかと思ってました」とのこと。

さらにさらに。川浦さんが勤務されている東毛酪農のカマンベールチーズを、受講者みなさんにプレゼント!

私自身、このプレゼントは想定外だったので、お心遣いに感謝です~。
参加者のうち現在の生徒さんが3人、1人は5年前くらいに通ってくれていた方だったのですが、セレクトレッスンは時に「再会の場」でもあるので、嬉しいですね。

5月からノルウェーへファームステイに行かれる川浦さん。以前「農場をやりながら、彫刻をしたい」という夢を聞かせていただきました。
ノルウェーには、リンゴ農家兼国民的詩人のOlav H. Haugeがいましたから(以前のブログで書きました)、「ステキな夢!」と思います。
渡航費用を捻出するため、彫刻の展示会を開催されるそうです。

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Turning Point (川浦麻友美+佐野美里)
4/1-4/16
F-Ritz Art Center
群馬県前橋市敷島町240-28
URL:http://theplace1985.com/
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マリウス柄セーターの少年、他にも漁師や白くまなどノルウェーをモチーフにした彫刻が楽しめるそうです。どうぞ、川浦ワールドをご堪能ください♪

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来期のセレクトレッスンの予定です!
4/8(土)「超!ノルウェー語入門」残3
5/28(日)「メール・手紙の書き方」
6/10(土)「ネイティブによる発音講座」

内容詳細はこちらから! 各回参加なので、お気軽にお申込みください~♪
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursschedule.htm

まだ日程は決まっていませんが、オスロ大学に正規留学中の方が、一時帰国を利用し、留学までのプロセス・体験談を語ってくれるセレクトレッスンを設ける予定です(6月)。決定次第、SNSなどでお知らせしますね。

ノルウェー絵本トークショー@谷中ひるねこBOOKS

3/9(木)の夜。『うちってやっぱりなんかへん?』(トーリル・コーヴェ著、青木順子訳、偕成社)刊行記念トークショーを、谷中ひるねこBOOKSで行いました。

うちへんパネル!

2/16の発売から、2/19開催のイベント「北欧からの贈り物~絵本とわたし」、2/24からひるねこBOOKSでのパネル展がスタート!
パネル展の最終日前日のトークショーでは、『うちってやっぱりなんかへん?』の作者トーリル・コーヴェさんの絵本を4冊紹介しました。

ひるねこさんのこじんまりとした空間に、10人のお客さんが集まって下さいました~。
思えばパワポを使わないプレゼンは久しぶりでしたね。

簡単にトーリルさんのプロフィールを紹介してから、勝手に名づけた「トーリルさん3部作」の1冊目”Min bestemor strøk kongens skjorter「王様のシャツにアイロンをかけた私のおばあちゃん」(2000年)から紹介します。同作の短編アニメーションは1999年にアカデミー短編アニメーション部門にノミネートされています。

1905年ノルウェーは独立しました。国民投票で「王室を持つこと」を選択しますが、誰を王様に迎えるか?
デンマークのカール王子とマウド王妃が、ノルウェーのホーコン7世として迎えられるエピソードが虚実まじりながら描かれます。
「召使など存在しない」当時のノルウェー。王室一家の悩みは「自分たちでアイロンをかけられないこと」。そのせいで国民の前でとんでもない恥をかく羽目に。。。。

そこへ「アイロンをかける名手」のおばあちゃんが、王様のシャツにアイロンをかけることになりました。
シャツのアイロンがけでつながったおばあちゃんと王様。
しかし、第二次世界大戦でドイツがノルウェーを占領します。イギリスへ逃亡した国王一家はラジオでノルウェー国民に「ドイツへの抵抗」を呼びかけ、王様を愛するおばあちゃんは、まさに「アイロン」でドイツに抵抗します。おばあちゃんの意地悪な顔がたまらないですね~。
他にもごく普通の人々が占領に抵抗し、ドイツ兵は撤退。王様一家はノルウェーへ戻ってきます。

持参したスケッチブックに、実際のホーコン7世一家の写真をプリントアウトしたものを貼りました。イラストと実物のギャップは?? はい、ありましたね。
実際にご興味がある方はこちらから

「戦争もの」「占領もの」にカテゴリーされる本作は、史実とフィクションのさじ加減が巧みです。
トーリルさんが注ぐ初々しい王様とノルウェーへ深い愛情を感じつつ、普通の人々が行った抵抗運動がユーモラスに描かれている面白い絵本です!

2作目は”Den danske dikteren「デンマークの詩人」(2007年)は、アカデミー短編アニメーション賞を見事、受賞しました。
この作品は、あまりにも壮大な物語で、紹介するのは難しいと思いましたね。

ノルウェーの評論でも同じことが指摘されてますが「映像をここまで絵本化できるのか!」という驚きの作品です。
トークショーでは、ページごとに紹介しました。

20世紀初頭のコペンハーゲン。スランプに悩む若いデンマークの詩人、カスパー。
彼は敬愛するノルウェー人作家シグリ・ウンセット(Sigrid Undset)が、実はデンマーク人と知り、一気に親近感が増します。
ウンセットが住むノルウェーのリレハンメルへ訪れようとしますが、途中で長雨にあい、農家に泊めてもらいますが、長雨が続き、農家の娘インゲボルグに恋をします。
しかしインゲボルグには隣の農家の婚約者がいました。
インゲボルグは、ウンセットのノーベル文学賞受賞作”Kristin Lavrandsdatter”「クリスティン・ラヴランの娘」と重ね、婚約者を裏切り、恋の赴くままに進めば、悲惨な晩年が待っていると判断し、カスパーの求婚を断り、婚約者と結婚します。

「再会するまで、髪を切りません」とカスパーに告げるインゲボルグ。
傷心でウンセットを訪ねることもすっかり忘れたカスパーは、コペンハーゲンへ戻ります。インゲボルグは早くも結婚生活に後悔していましたが、夫は「運よく」死んでくれます(素晴らしいご都合主義!)。

さてカスパーとインゲボルグは、再会を果たせるのでしょうか??
偶然がもたらす奇跡・・・・自分がこの世にいることも、偶然の結果であることを思い知り、人生の深淵さに迫る作品です。

3部作のラストは『うちってやっぱりなんかへん?』”Moulton og meg”です。本作もアカデミー賞短編アニメーションにノミネートされました。


お客さんにもお話ししたのですが、関わり過ぎてしまい「客観的に読めない」事態になっていました・・・。
最初は訳文作りに苦労して、ひるねこさんに読んでもらったこと、トーリルさんから「物語の背景」を送ってもらい「そうだったのか!」と分かってから、訳文が自由に書けるようになった経緯をお話しました。

当日、ひるねこさんで本を買って下さった方が多かったのですが、ページごとに好きなイラストやテキスト、ノルウェー的な見どころを紹介しました。
主人公一家のおばあちゃんが「王様のシャツ・・・」のおばあちゃんに似ているので「よもや同一人物?」なのか「トーリルさんの描くおばあちゃんはパターン化されている」のかわかりません・・・。
すでに寄せられた感想も紹介しつつ、みなさんが自由に楽しんでくださいね~、とお願いしました。

建築家あるある?

私見では、トーリルさんの特徴は「アニメーションから絵本化」「ノルウェーへのこだわり」「ユーモアとビジュアルの美しさ」「深いテーマを軽妙に描く」かと思います。

最後にトーリルさんがイラストのみ担当している”Johannnes Jensen”「ヨハンネス・イェンセン」シリーズの1作目を紹介しました。

主人公はクロコダイルのヨハンネス・イェンセン。人と同じような家に住み、歯磨き後にフロスをしたり、税務署で働いているごく普通の暮らしを営んでいます。
でも彼は「ボクはみんなと違っている」という思いにさいなまれ、蝶ネクタイからネクタイに変えたり、しっぽが見えないように背中にグルグル巻きにして、外へ出ますが・・・。

「クロコダイルだから変わっていて当然」なのですが、本人の悩みは切実。
テーマでいえば『うちってやっぱりなんかへん?』の「わたし」と似ていますね。
ヨハンネス・イェンセンは、怪我で運ばれた緊急病院で、象のドクターと出会います。
ドクターは「自分の大きな耳はこんな風に役立っているよ」と諭し、ヨハンネス・イェンセンも「自分のしっぽも、役に立っているかも」と恥ずかしかったしっぽを前向きにとらえるようになります。

ちなみにシリーズのテキストは、ヘンリク・ホーヴラン(Henrik Hovland)というノルウェー人が書いています。
彼は木こりの教育を受けて、現在も広大な森を所有しているそうです。グアテマラの国連人権監視団や南米諸国の選挙管理人、イラクからの戦場レポーターを務めるなど異色の経歴を持っていて「こういうバッググランドの人が、こんな作品を作るんだ~」と、感慨深かったです。

トークショーの下調べでノルウェーの児童文学研究者が「ノルウェーや北欧の絵本はイギリスに比べて、テーマが先進的で読者年齢層にこだわらない」という指摘しているのを見つけて、大いに納得しました。
『うちってやっぱりなんかへん?』を始め、トーリルさんの絵本は子どもから大人まで楽しめるのでは?と想像します。

90分のトークショーは瞬く間に終わり、絵本の「スタンプ会」をやりました~♪
参加者の皆さまはもちろん、ひるねこBOOKSさんには感謝感謝です~~~。

ノルウェー語4月期クラス募集中です!

私の後ろで、猫ちゃんがかまって姿勢で凝視しています。

いつキーボードに乗っかられるか緊張しながらもお伝えしたいことは・・・

ノルウェー語4月期クラス、絶賛、募集中でーす!!!

「初心者クラス」は土曜午前の枠で、待機者がいらっしゃいます。
他の曜日でも、お申し込みはもちろん大歓迎です!
嬉しいことに、学習を中断されて復帰したい方からも、複数、お申し込みがありました~。
様々な事情でノルウェー語を続けられない。ありますよね~。
でも、学び直しは可能です。私自身、ノルウェー語をきちんとやっていなかったブランク時期がありました。
たくさん読んで、話して、書いてをやり直し、そしてレッスンをして経験を積んで、以前よりもノルウェー人とのコミュニケーション力はUPしたような気がします。

経験・・・これは本当に大事だなと実感しています。
ノルウェー人との会話やメールなどでのやり取りを通じて「こういう風に伝えればいい、ダメ」と、テキストには載っていないルールを学んできました。
レッスンはノルウェーで出版されたテキストを使用しますが、
「実際は、こちらの単語を使うことが多いです」
「最近は、こういう表現の方がよく使われますね」
などと補足を加えるようにしています。

ノルウェー語テキスト例

「もっと話せるようになりたい」・・・受講者の方々に共通した願いです。
昨年から会話力に重点さらに置き、少人数クラスならではの利点を生かし、一人一人がノルウェー語で話したり、他の人に質問するように時間を設けています。
そうした会話タイムの時に皆さんから、よく出るセリフが・・・

「単語、忘れちゃいました。」

テキストで出てきた単語を、使えるレベルにまで持っていくのにはコツが必要です。これをお手伝いするのは、楽しいですよ!
最初の段階では、私がノルウェー人の設定で、お互いに自己紹介をする練習をします。
初対面のノルウェー人が質問する内容は「ほぼ一緒」なので、シミュレーション会話(時に妄想会話まで・・・)をやります。
段階が進むと、もっと幅広いテーマで、会話力を磨く練習をしています。

あとは、講師と受講者の距離が近いのも特徴ですね~。
例えば、受講者の方から「会話に特化したクラスが欲しい」とリクエストがありました。
そこで皆さんからリクエストを募り、”Språkkafé“(言葉のカフェ)をスタートすることにしました!
少人数、レベルは不問、毎回テーマを決めて各回募集をかける形式です。受講者に限定、気軽に参加してほしいので、料金はリーズナブルに設定しています。
1回目は「旅で使えるノルウェー語」にしました。
この日は、在ノルウェーの知人でもあるジャーナリストが取材に来てくれるようなので、さてどうなるのか・・・楽しみです!

気軽に参加ということでは、セレクトレッスンもお得です♪
各回参加で、テーマ別に選べます。
4/8(土)「超!ノルウェー語入門」(ブログ参照ください
5/28(日)「メール・手紙の書き方」
6/10(土)「ネイティブによる発音講座」
Facebook参照ください

アーレン先生の発音講座!

というスケジュールです。満席になることが多いので、お早めにお申し込みをお待ちしています!内容詳細・お申し込みは・・・
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursschedule.htm

他にも、私とスケジュールを相談して決めて開講するプライベートレッスン、遠隔地の方や小さいお子さんがいらっしゃる方などにお勧めなスカイプレッスンがあります。
総合的なレッスンの詳細・お申込み・お問合せページはこちらをご参照ください~。

http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursannai.htm

さらにさらにアピールしたい点としては・・・
「ネットワーク作り」のお手伝いです。
ワーホリ、留学、赴任、移住の方は特にノルウェーとのコネクションを持つことが、とても大切です。
昨日、オスロへワーキングホリデーで出発された受講者の方がいました。
出発間際のレッスンでは、不動産の物件探しと内覧申込みのメール作成お手伝い、模擬就職面接の練習などなど。
他にも、在ノルウェーの知人とその方をつなぐお手伝いをしました。

元生徒さんと会ったオスロ大学の食堂

そうした元生徒さんたちと、ノルウェーへ旅行した時に会うことができることも楽しみです~。
ネットがこれだけ普及し、情報収集がたやすくなったとはいえ、まだまだノルウェーの情報は少ないですよね・・・。
私が持っているネットワークを活かして、どんどん皆さんがノルウェーで活躍していただければこんなに嬉しいことはありません~。

そうそう、受講動機がノルウェーに好きなアーティストがいる方がいます。
クリスマスカードや、メールでのやり取りの文章も一緒に考えたり・・・こうした作業も、少人数レッスンならでは実現できるのかな~と思います。

・・・ということで結論は・・・お申し込みをお待ちしています!

人と違うってノルウェーでも難しい?

ノルウェーは個性重視の国だと思ったので、意外でしたね
ノルウェー絵本『うちってやっぱりなんかへん?』(トーリル・コーヴェ著、青木順子訳、偕成社)の寄せられた感想で、これが目立ちました。
主人公「わたし」は、60年代のノルウェーの小さな町で「おしゃれすぎた」両親やインテリア、服などに悩み「普通の暮らし」に憧れています。

2/19開催のイベント「北欧からの贈り物~絵本とわたし~」で作者トーリル・コーヴェさんのビデオメッセージでも「目立ちたくなかった、周囲と溶け込みたかった」と小さな頃の心境を語っていました。

「他者との違いに寛容」なイメージのノルウェー。
しかし、ノルウェーの文学作品には「人と違うこと」に悩む登場人物が存在します。
『スプーンおばさん』のアルフ・プリョイセンと同時代に活躍した「ノルウェーのおばあちゃん」ことアンネ・カット・ベストリー(Anne-Cath.Vestly)。
Aurola i Blokk Z“「Z棟のオーロラ」(1966年)シリーズでは、「家事育児をする学生パパ、外で働くママ」を持つヒロインのオーロラが、大人たちの偏見や心ない言葉に傷つく姿が描かれています。今でこそこうした夫婦もノルウェーではアリかな、と思いますが、60年代ではまだまだ専業主婦が当たり前でした。

『うちってやっぱりなんかへん?』の主人公「わたし」のお母さんは、建築家として働いていました。
お隣のお母さんは専業主婦。わたしは「いつも家にいてくれるなんていいな」と羨ましがっています。やはり60年代ですね。

現代ノルウェーを代表する国民的作家ラーシュ・ソービエ・クリステンセン(Lars Saabye Christensen)。
昨年、日本でも公開された映画「イエスタディ」の原作者です(オリジナルタイトルは”Beatles”)。
88年に出版した”Herman”「ハルマン」という小説では、小学生の主人公ハルマンの生活が描かれています。ここでもやっぱり「違っている」ことで傷つく子どもが登場するんですよね。

赤毛っていじめられちゃうんだ~とこの作品で驚きました。赤毛の女の子は、しょっちゅう髪の毛のことでいじめられます。
髪の毛つながりでいくと・・・主人公ハルマンは、段々、髪の毛が抜けていく原因不明の症状に陥ります。その過程で「いかに他の子どもと同じように見せるか」に腐心する両親と、そうした態度に傷つくハルマンの繊細な心情が描かれています。親は「良かれ」と思ってカツラを作ってあげますが、ハルマンの心は複雑です。

もっと現代の作品では「ノルウェーにもあるスクールカースト」が描かれています。
ブロンドできれいな女の子たちがクラスのトップ、メガネで地味な女の子はしょっちゅういじめられたり、からかわれている姿を学校生活を描いた”Kampen mot superbitchene“「スーパービッチたちとの闘い」(A. Sighild Solberg著、2014年)というヤングアダルト小説があります。

ブロンドでなければ、ロングヘアーでもない、しかもメガネのヒロインは「変わり者」の烙印を押されて、意地悪なブロンド女子軍団と立ち向かうストーリーですね。

・・・・とここまで紹介しましたが、いずれの作品も「自分や周囲に不満な主人公が、悩みながらも自分を受け入れ、そして次のステップに上がっていく」点が共通しています。

今までは本のお話しですが、ブログでもご紹介したノルウェーのテレビドラマ”SKAM”のシーズン3でも同じような展開が見られます。
同性愛の高校生Isak。男子高生に恋をしますが、同性愛である自分を否定し、かつ同性愛者であることが周囲にばれてしまうことに怯えます。
ですが”SKAM”では、予定調和を崩してくれました~。

https://tv.nrk.no/serie/skam

様々な悩みに押しつぶされそうなIsakは、友達に男性に恋している事実をとうとう打ち明けるシーン。
相手の反応が不安になるIsakと視聴者。でも友達はケバブを食べながら、まるで好きな女の子の話を聞いているように会話を続けます。
このシーンは白眉でした!

働くママが珍しかった60年代から、友達が同性愛者であることに動揺しない2016年。
感慨深いです。
本人たちにとっては、切実な問題なことには変わりありませんが。

そうそう。トーリル・コーヴェさんがイラストを描いている”Johannes Jensen“「ヨハンネス・イェンセン」という絵本シリーズでは、税務職員のクロコダイルが「自分は人と違っている」と悩んでいます・・・。ツッコミどころ満載の絵本シリーズですが、ひるねこBOOKSさんでのトークショーでお話ししますね~。

同店では、3/10まで『うちってやっぱりなんかへん?』のパネル展を開催しています!
あと1週間、ぜひステキなビジュアルと、巨大パネルで楽しんでくださいね~♪

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ありがたいことに『うちってやっぱりなんかへん?』は、いろいろなブログで書いていただきました!
未読の方、ぜひご覧になってくださいね~。取り上げて下さったの皆さまには感謝を申し上げます♪ 

Fukuya(北欧ビンテージショップ)

北欧区(北欧総合情報サイト)

リオタデザイン(建築事務所)

ひるねこBOOKS

ねんねんさん(ノルウェーサッカー研究家)

Lillakatten リラ・カッテン (北欧スウェーデン洋菓子&北欧スウェーデン語絵本)

Z会総合情報サイト