報道ライブINsideOUTに出演しました

*本ブログはOAを見直さずに書いていることをご了承ください。

4/27にBS11の「報道ライブINsideOUT」に出演しました。
「幸せって何?」というタイトルで、幸福度ランキング世界1位に選ばれたノルウェーにスポットが当たりました!

テレビの生放送に出演など今後ないでしょうから、「思い出」を綴ってみましょう。

不安なまま当日を迎え、一緒に出演するノルウェー人のスティーグさんとテレビ局に入る前に、レストランで打ち合わせをしました。
スティーグさんはビールをオーダー。「ええ~~~!!」と思いましたが、ま、ノルウェー人にとってビールは水みたいなものなんだな、と納得します。
放送は20:59からですが、19時半頃に御茶ノ水にあるBS11へ。
「こちらへどうぞ」
まさか個人の楽屋があるなんて・・・呆然としました。事の重大さに。「こんな楽屋じゃいや!」なんていう芸能人や文化人がこの世に存在するなんて、アンビリーバブルです。

人生初の楽屋!

さらにメイク室へ案内されました。
「どの程度、メイクしますか?」との問いに、迷った挙句「テカらないようにお願いします」と答えました。ああ~~~、アホ丸出し。

本番の15分前に、プロデューサー、「幸福学」が専門の慶応大学の前野先生、スティーグさんと台本を見ながら、確認作業。
私が「ノルウェーは高福祉だけど高負担。でも高負担に不満に思っている人は少ない」と言ったら、前野先生が「高負担の国ほど幸福度が高い」と教えて下さり、ほーっと早くも勉強に。

一人には勿体ない楽屋

かなり本番ギリギリでスタジオへ移動します。毎朝、ラジオを聞いている別所哲也さんが近くにいるのは、不思議な感覚でしたね。

本番前!

私とスティーグさんは、最初のCM後からの登場だったので、外のモニターを観ながら待機します。

勉強と言えば・・・幸福度ランキングの順位付けの方法を誤解していたことを知りました。
「生活満足度を0-10で評価してください」と質問した回答の平均値をランク付けした「主観調査」だったとは!それに国連がGDPや健康などの「客観データ」をダブらせてグラフ化していたんですね~。いやいや、驚きでしたね。

さて、CMになってスタジオの中へ。「よろしくお願いしまーす!!」という声がたくさん響きます。
MCの中島さんから「ノルウェー語講師として20年のキャリアを持ち、ノルウェーに関する多数の著作を持つノルウェー夢ネット代表の青木順子さん」と紹介されました。加えて、横のテロップに「ノルウェーの素晴らしさを伝える活動をしている」と書いていただいたようで。
私自身もツッコミを入れたくなる失笑レベルの「底上げ紹介」。しかーし、そうした自虐は封印し「よろしくお願いします」と殊勝に頭を下げました。

笑え

スティーグさんは、日本語がちゃんと話せるか心配されていましたが、さすが在住38年。「人生満足尺度チェック」でも30点とハイスコア。
「ノルウェーに帰ると、自分がノルウェー人で良かったと感じる」というコメントにも説得力があります。

人生に満足なスティーグさん

おおむね台本通り進むのかと思いきや、突然、別所さんや中島さんから予想していない質問が飛ぶことがあり、ああ~~~ドキドキ。

油断タイム

ノルウェー人が前向きである証として「明日死にそうでも”元気”というのがノルウェー人」と言ってしまった記憶があります・・・。
スタッフの「CM入ります」というスケッチを見ては、机につっぷしてましたが、どうも一瞬、映ってしまったようですね~。
OA中のTwitterで「目が泳いでいる」「どこ見ているの」とコメントがありましたが、モニターと左横に出された「あと何分」スケッチを見ていました・・・。

緊張はしながらも、時間はどんどん過ぎていきます。
後半、前野先生の「しあわせはコントロールできる」の解説は横で聞きながら、興味深かったですね。

幸せの四つの因子

番組中のコメント通り、ホントに「ノルウェー人に当てはまる!」と思いました。
「ありがとう因子」は、まさにUnnskyld「すみません」よりTakk「ありがとう」を連発するノルウェー人。
「なんとかなる因子」は、締切ギリギリまでこちらをハラハラさせ、でもちゃんと本番には仕上げて、終わると「良かったね~」と笑っているノルウェー人。
スティーグさんは「日本人は働き方を変えないとダメ」と強調されてましたが、その通りです!

・・・あっという間に出演時間は終わり、スティーグさん、前野先生、私は「ありがとうございました~」とスタジオを後にします。そして無事に(?)番組は終わりました。
楽屋前で、別所さん、前野先生と混じって立ち話をちょこっと。
別所さん「僕も朝のラジオとこの番組があって、働きすぎなんですよね。」
前野先生「好きなことだとついつい働きすぎても、辛くない側面はあります。」
私はそこまでハードに働いていませんが、フリーランスゆえ「あ、今週は休みがなかった」ということもあります。

スティーグさんのように私も毎年、ノルウェーへ訪れます。感じることは「なんて健康的な暮らし!」これに尽きますかね。
16時には仕事を切り上げ、”Ut på tur, aldri sur“「散歩をすれば、気分も上々」と雨が降っても散歩をしているノルウェー人。

お散歩大好き

日本のように娯楽はないけれども、経済的余裕によってもたらされる「ゆとり」をあちこちで感じます。

自分には勿体なすぎる帰宅用タクシーに乗りながら「これでまた冥土の土産ができたな~」としみじみ。
放送日から2週間限定で、以下のURLから見逃し配信がご覧になれます(←小心者なので観てません・・・)。

https://www.youtube.com/watch?v=urlJNp2n9SQ&t=8s

そうそう。番組終了後、前野先生が「ノルウェーへ行ってみたいですね」とおっしゃって下さり嬉しかったですね。
まだまだ普通の日本人にとっては、遠い国ノルウェー。
番組をきっかけに、興味を持って下さる方が増えて欲しいなぁ~と思います。

数字から見るノルウェー

ほとんどの人が意識にも上らない国、ノルウェー。
そんなノルウェーを説明する際に「統計の数字」は比較しやすいので役に立ちます。
ある仕事で、この手の基本的な数字をまとめることになりました。
「あ、ブログにも書けば、情報がシェアできるし一石二鳥!手抜きばんざーい」と思い、今から羅列します。
レイアウトも工夫してませんし、写真もなし。備忘録なので恐縮です~。
あとソースがノルウェー語サイトがメイン、他に日本語、英語もあります。そのあたりもご容赦を~。なるべく新しい統計の数字を拾いました(1NOK=14円で計算しています)。

面積…38.6万㎢ (日本とほぼ同じ)
人口…約520万人
平均寿命…女性84歳、男性80歳
女性の生涯出生率…1.71人
https://www.ssb.no/befolkning/nokkeltall/befolkning (2017年3月)

オスロの平均最低気温と最高気温
1月:-7°/-2°
7月:13/22°
http://reiseplaneten.no/reiseguider/oslo/klima.html

大学など高等教育修了者の割合…約32パーセント(男性:28.8%、女性35.6%、2015年)
https://www.ssb.no/utdanning/statistikker/utniv
学生ローン制度について:過去ブログ参照
http://norwayyumenet.noor.jp/2016/03/08/10007/

失業率…4.2% ((2017年3月、スウェーデンは7.4%)
https://www.ssb.no/akumnd 
国民一人あたりの総所得(GNI)…世界1位(2017年)103603USドル 日本は世界21位
http://www.worldatlas.com/articles/the-highest-incomes-in-the-world.html
政府年金基金…7兆5100億クローネ=約95兆円(2016年12月)、政府系投資ファンドとしての規模は世界最大。国民一人あたり約1800万円に相当。
石油や天然ガスの天然資源は「いつかはなくなるもの」。枯渇した時に備えるため基金が設立された。
https://www.nrk.no/norge/oljefondet-gikk-447-milliarder-i-pluss-1.13401634

男女平均月収…43300クローネ(2016年)約60万円
https://www.ssb.no/arbeid-og-lonn/statistikker/lonnansatt
日本語ソースによる平均年収は世界2位、約970万円
http://america-kabu.com/2015/11/24/wage-by-countries/

消費税…25%、食品・飲料は15%
https://www.altinn.no/no/Starte-og-drive-bedrift/Drive/Skatt-og-avgift/Innberetning-av-mva/Hvordan-beregnes-mva/
ビッグマック指数…世界2位(2017年)
http://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html

休暇…有給で年5週間を取る権利。60歳以上は1週間がプラスされる。
https://www.finansforbundet.no/rettigheter-og-arbeidsvilkar/ferie-og-feriepenger/
「高い給料より休みが欲しい」と答えたノルウェー人44パーセント。高賃金を選ぶ人は35パーセント。(2016年)
http://www.dn.no/nyheter/politikkSamfunn/2016/04/01/1801/foretrekker-mer-fritid-foran-hyere-lnn
ヒュッタ(セカンドハウス)…国民の55%がヒュッタを所有 (2008年)。デンマーク、スウェーデンに比べて所有率が高い。
https://www.regjeringen.no/globalassets/upload/krd/vedlegg/rega/fritidsboligfenomenet-i-norge—rapport.pdf

労働時間…37,5時間/週が法定労働時間。労使協定に基づく残業時間の上限は20時間/週、300時間/年
http://www.arbeidslivet.no/Arbeid1/Arbeidstid/Fakta-Regler-for-arbeidstid-i-Norge/
子どもの病欠休暇…片親ずつ年に10日。シングルマザー、ファザーの場合は20日。
有給の育児休暇…100%賃金で46週、80%賃金で56週、父親育児休暇は10週
https://www.nav.no/no/Person/Familie/Venter+du+barn/foreldrepenger–347653#chapter-3
10週またはそれ以上の父親育児休暇取得者の割合・・・70%(2015年)
https://www.ssb.no/befolkning/nokkeltall/likestilling

世界幸福度ランキング(国連)…世界1位(2017年)
http://www.csr-communicate.com/global/20170410/csr-31321
世界一暮らしやすい国(OECD)…世界1位(2017年)
https://www.businessinsider.jp/post-70
お母さんに優しい国ランキング(セーブ・ザ・チルドレン)…世界1位(2015年)
http://www.savechildren.or.jp/scjcms/press.php?d=1956
報道の自由度ランキング(NGO国境なき記者団)・・・世界3位(2016年)
http://ecodb.net/ranking/pfi.html

あなたのノルウェー語が通じない理由は?

いつになく「ビジネス書」チックなタイトルに酔いしれています・・・。「超ニッチな分野でしぶとく生息する!」みたいなビジネス書の依頼、来ませんかね??

もとい、本題にいきましょう~。
ノルウェー語が通じない理由の原因に「声が小さいこと」と以前のブログに書きましたが、他に考えると、これがありました。

母音の長さが間違ってる!

うう~~ん、非学習者には全く響かない指摘。
幾つか例を挙げてみましょう。以下のノルウェー人の名前はどう発音しますか?

Ola
Kari
Nora

Gro

映画の字幕や、英語などの他言語から重訳されたテキストだとしばしば

Ola=オラ
Kari=カリ
Nora=ノラ
Gro=グロ

と表記されますが、「伸ばせ―!!!!」と叫びたくなる学習者。
オーラ、カーリ、ノーラ、グローの方が原音に近い発音です。Ola、Kari、Nora、Groといった母音を伸ばして発音しますね。

ノルウェー語の母音ですが切れててすみません

すごーく昔、日本語学習中のノルウェー人留学生に「”しゅじん”と”しゅじん”では意味が全く変わります」と言われ、絶妙な例に笑ってしまいました。
そうなんです、やっぱり伸ばすか伸ばさないかで意味が全く変わってしまうのは、日本語も一緒。
しかし、日本語は「あー」と表記したり、または「しゅじん」と””などを入れて「ここは伸ばします」と分かりやすいですね。

翻ってノルウェー語。
Kaféなどのéは、ごく一部の外来語にしか使いません。ちなみに「カフェー」と伸ばしますね。
他には「この音は伸ばしますよ」と明らかにわかる記号はありません。ではどうやって、Kaariと発音するのを見分けるのか。その答えは、拙著『ニューエクスプレスノルウェー語』に書いておりますので、お買い求めくださいね~。

・・・で終わっちゃいけないんですよね、きっと。
答えは「アクセントのある母音のあとの子音の数」です!(響かなーい!!)

いつも同じ例で恐縮ですが・・・aが母音です。

Ta  ター    母音で終わっている→長母音
Tak  ターク      母音+子音1つ→長母音
Takk タック        母音+子音2つ→短母音

似ている3つの単語ですが、このようなルールに基づいて、母音を伸ばしたり短く発音します(例外はあります!)。

短く発音する母音も要注意です。
「親切な」を意味するsnillという単語。留学初期の頃、通じないことが多くてどうしてかな~と思ってました。
きっと「スニール」とiの母音を伸ばしていたのかな~と推測。snillでは、iのあとに子音のlが2つ続くので、短く発音しないとダメです。

ということで、「伸ばすか、伸ばさないか」を正確にすると、通じる確率はUPします!お試しあれ~♪

ノルウェー人の授業参観

日本とノルウェー。関わっている人が少ないので、その分、楽しい経験があります。

日本に留学していた頃に、ノルウェーについて学ぶサロンでゲスト講師を務めてくれたSynnøve Nyheim(シノーベ・ニーハイム)さん。「3月末から4月上旬に来日するので、ノルウェー夢ネットのレッスン風景を取材したい」と連絡があり、「おお~」とびっくりしました。サロンのレポートはこちらからどうぞ!
シノーベさんはノルウェー帰国後、私も勉強したノルウェーのHøgskulen i Volda=ヴォルダカレッジでジャーナリズムを専攻。その時に知り合ったパートナーのSondre(ソンドレ)さんと共に来日したのです。

シノーベ&ソンドレ

互いに日程調整をして、初めて開講する”Språkkafe”「ノルウェー語カフェ」のレッスン見学となりました。
ノルウェー語レッスン受講者の方々を対象にした各回参加スタイルのレッスンです。
会話、コミュニケーションに特化」が特徴で、初回のテーマは「旅で使えるノルウェー語」に決定~。
さてどんな内容にしよう・・・と猫に邪魔されながらの毎日、うーむと考えてました。

3/30の夜。約束通り、シノーベとソンドレさんが来てくれて、まずは”Takk for sist!“「この前はありがとね~」と挨拶。
レッスン前に、私が45分くらいのインタビューを受けました。
最初にノルウェーに行ったのいつ頃?どうしてノルウェーに興味をもったのか?
などなど質問された後は、ノルウェー語で「我、如何にしてノルウェー伝道師となったか」を語りました。
自分が話しすぎたせいか、あまりシノーベから質問はなかったのですが、「学生寮に住んでたの?」と聞かれましたね。
待ってました、とばかりに学生寮で体験したstudentfest(学生パーティ)がいかにクレージーだったかを力説しました。
帰国後、ノルウェー語の仕事と会社生活を兼業していた時期がありました。とうとう体調を崩して会社を辞めたエピソードには「でしょうね~」と納得するノルウェーチーム。

そろそろレッスンが始まる19時ちかくとなり、レッスンに申し込んでくださった3名がやって来ます。
「もしかしたらノルウェー人が来るかも」程度にしかお伝えしていなかったので、実際にノルウェー人2名を前にして生徒さんたちはやや緊張しながらも、大事なワードである・・・

Hyggelig!

「お会いできて嬉しいです」が言えたので、拍手~~。

Hyggelig!

慣れないインタビューだけでもいっぱいいっぱいだったのですが、さらに初めての”Språkkafe”「ノルウェー語カフェ」が続き、猫たちは隙あらば玄関ドアの外に出ようとしているので、平常心を保つのが大変でした・・・。

ちょこんと座っている猫ちゃん

テキストを使わないレッスンを目指したので、思いついたのが「タブレットPCの活用」です。
毎年、ノルウェーに行っては、たーくさんの写真を撮ってます。
旅行で想定されるシーン(ホテルのレセプション、コンビニ、スーパー、ショップ、公共交通機関)などの写真を見せながら、

「レセプションではまずなんと挨拶?どう切り出すか?」
「コンビニで店員に頼まないと買えない物は、どう伝えるか?」
「洋服の試着はどう切り出す?」
「このトラムが自分の目的地に行くかどうかは、どう確認する?」

などなど質問をして、皆さんがノルウェー語のセンテンスを考えていきます。
足りない部分や大事な単語、表現はホワイトボードに書き、覚えるように練習しました。さらに現地情報もちょこちょこ織り交ぜます。

そうそう!せっかく部屋にはノルウェー人がいるから、二人にも質問しました。例えば、SNUSと書かれた文字の写真の場面で、「SNUSってなに?」と聞き、ノルウェー語で答えてくれました。生徒さんたちはヒアリングに挑戦します!SNUSは、日本ではまず見かけないので、説明が難しい・・・。

途中、猫たちは部屋の中をぐるぐる歩いたり、走ったり、そしてノルウェーチームは写真を撮ったり・・・でもレッスンに集中!
そして「困った時のノルウェーワッフル」♪

ノルウェーワッフルを焼き始めたら、シノーベがとっても大きなbrunost(ブラウンチーズ)をお土産よ、とくれました~~~!!!
生徒さんたちにも、ノルウェーを代表するチョコレートKvikk Lunsjをくれて、みんなで声をそろえて

Tusen takk!

お互いに記念撮影などしながら、カオスなままインタビューとレッスンは終わりました~。

受講者の皆さんは「楽しかった」とおっしゃって下さり、安堵~。
最後の試練は・・・玄関ドアに出たがる猫をいかに室内に留めるか・・・ネコ先輩生徒さんが上手くあしらってくれてホッとします。

みんなが家を出た後、ボーゼンとしてしまいました。多分、目は虚ろだったと思います。
これからも、Språkkafeを少しずつでも続けていきたいですね~。
またノルウェーからの取材もVelkomenn!です。