オススメのノルウェー人論!

遅まきながら「限りなく完璧に近い人々」(マイケル・ブース著)を読みました!
実はノルウェー語版を買ってはいたのですが、読破できず・・・日本語版に飛びついた次第です。

20161218-1

マイケル・ブースさんは奥さんがデンマーク人ということもあって、なかなか「完璧ではない」スカンジナビアを描いていて笑っちゃいました~。フィンランドとアイスランド好きの人には「優しい」本です。

結構ノルウェーも皮肉モード全開で描かれているのですが、著者がノルウェーでインタビューした一人がThomas Hylland Eriksen(トーマス・ヒラン・エリクセン)だったのでテンションUP!
ノルウェーを代表する文化人類学者で、著書は多数。私がオスロ大学に留学していた時に、彼は教授だったのですが、大学新聞で「一番モテる教授」として取り上げられていた記憶があります。大学のサイトにリンクを貼りますね。

今、上級クラスではエリクセンの”Et langt kaldt land, nesten uten mennesker“というテキストを使っています。

ぼろくなっていてすみません

ぼろくなっていてすみません

直訳すると「とっても遠くて寒い、ほとんど人間がいない国」ですが、どこを指しているかはお分かりですよね~。
エリクセンはユーモアと皮肉、そして深い洞察力と愛情をこめて外国人にわかりやすい「ノルウェーとは?ノルウェー人とは?ノルウェー文化とは?」を解説しています。

たくさん取り上げたいトピックはあるのですが、「あ、これがノルウェー人の理想像なんだ」と思ったのが”Allsidighet“という表現です。
直訳すると「包括的な」という意味でしょうか。”allsidige menneske“だと「いろいろな分野をカバーしている人、多趣味な人」のようなニュアンスですね。

エリクセンの文章を引用してみましょう。
「教師や看護師といった職業でも、家のリフォームを自分でこなし、自動車を直し、芝を刈るなどの能力が求められる。著名人のインタビューでは、趣味があることを強調しないとダメ。もし無趣味であれば、ノルウェー語で”fagidiot“(専門バカ)と呼ばれるリスクがあるだろう。(略)それを避けるためにも、allsidighetがノルウェーでは求められ、実際的感覚と豊かな人生が必要となる。」

この箇所をレッスンで読んだ時に「なるほどね~」と納得しました。
日本では、女性著名人に「得意な料理は?」といった質問がいまだに定番で笑えますよね。
ノルウェーではたとえノーベル賞級の人でさえ「趣味がない=専門バカ」と否定されてしまうのだ、と。確かに向こうのインタビュー記事では、男女を問わず家庭の話や趣味の話がよく見かけられます。あと自分一人では電車も乗れないとか発言したら・・・炎上ですかね??

マイケル・ブースによって狂気の沙汰扱いにされたナショナルデー

マイケル・ブースによって狂気の沙汰扱いにされたナショナルデー

北欧Bookの森百合子さんが、マイケル・ブースにインタビューをしました。
その中で、「印象に残ったインタビューした相手」という質問にトマス・ヒラン・エリクセンを挙げていて「わ~い!」と嬉しくなっちゃいました。
インタビューのリンクはこちらからです!

以前、ノルウェー在住30年以上の日本人にお会いする機会がありました。
「ノルウェー人を理解できたのは、つい最近です」という言葉を聞き、驚きます。ノルウェー人を理解するのってそんなに大変なのでしょうか?
答えはわかりません。ただエリクセンの著書は、迷える外国人にとって、とてもよくできたガイド本だと言えるでしょう。
ノルウェー人あるある」がたーくさん含まれた本書は、ノルウェー語学習者にとってもオススメですよ♪

ノルウェーワッフルの魅力♡

ノルウェーについて学ぶサロンでは、2006年から。
ノルウェー夢ネット主催ノルウェー語レッスンでは、おそらく2012年くらいから。
ノルウェーワッフルを焼く機会があります。

小麦粉・砂糖・バター・牛乳・卵・ベーキングパウダーと欠かせないのはカルダモン。これだけの材料でワッフルのもとを作り、vaffeljern(ワッフルマシーン)で焼くだけのシンプルすぎるノルウェーワッフル。
他の北欧諸国でもワッフルは食べますが、上にbrunost(ブラウンチーズ)を乗せるのがノルウェーワッフルのトッピングでしょうね。

20160228-6

私とノルウェーワッフルの出会いは、1992年のこと。初めてノルウェーへ旅行した際、ホテルの朝食ビュッフェにワッフルマシーンがあったのです。

使用後のワッフルマシーン

使用後のワッフルマシーン

最初はよくわからなくて手出しをしませんでしたが、焼いてみて「おいしい!」とすぐに魅力に取りつかれました~。

1995年から留学したカレッジでは、学内でワッフルを売っている女子学生がいました。ワッフルマシーンを持ち込み、焼いて販売していたのです。おそらく誰の許可も取っていなかったと思いますが。1枚10クローネくらいでしたかね。
小腹がすいた時などに、何度か買った思い出があります。
他にも、大きな公園の入り口だったり、人が集まる場所にノルウェーワッフルの屋台が出ている印象でしょうか。

ヴィーゲラン公園の入り口のワッフル屋台

ヴィーゲラン公園の入り口のワッフル屋台

他にも、誰かの家を訪ねて「お茶を飲みながらワッフルでもいかが?」というスタイルは、もう慣れっこです。
作るのも簡単なので迎える方も手軽。お客の側も気軽な気分で楽しめますね。

20140811

日本は、まずベルギーワッフルが流行りましたよね~。あの時の「狂騒」ぶりは覚えています!なんであんなにベルギーワッフルに行列したのか・・・。パンケーキ人気の時もそうですが「粉ものの魔力」を感じます。

ベルギーワッフルに比べて、ノルウェーのワッフルは薄くてクリスピー。形もかわいいハート型です。

20161209-4

上にブラウンチーズ、ジャム、rømmeと呼ばれるノルウェーのサワークリームを乗せたり、他にもたーーーくさんのトッピングが可能みたいですね。
ノルウェー語レッスンの時に、1つのクラスで最低1回は出すようにしているので、私はレシピを少し変えたりします。
ちょっとヨーグルトを混ぜてみたり、はちみつを加えてみたり、薄力粉と強力粉を混ぜてみたり。小さなアレンジですが・・・。

こんなシンプルなワッフルでも、カルダモンの香りとともに焼き立てのものは、ほぼみなさん喜んで下さるので嬉しいですね。
ラウンチーズの魅力にはまる方もいらっしゃいます。

20161209-6

そういえば、ノルウェー語レッスンでワッフルを出しているという話をノルウェー人の友達にしたら「ノルウェーワッフルといえばSjømannskirken(海員教会)というイメージ」と言われました。元々、海員として海外に出ることが多かったノルウェー人を支えてきた海員教会は「ノルウェーの味=をワッフル」を各国の教会で提供して、もう150年になるそう。
サイトを見ると「世界で一番のワッフルレシピ」を毎年、募集していま~す。

https://www.sjomannskirken.no/vaffel/

明日のノルウェーについて学ぶサロンでは、ワッフルパーティをやりますが、応募の出足が早かった~!!
今までのワッフルパーティでは「ワッフルが食べたかった」というそれしかない!という受講動機の方が多くて、改めてこのノルウェーワッフルの魅力について考えちゃいますね。

さて明日のワッフルパーティはどうなるのか?
何回もやっていますが、いまだに緊張します!

実用的だけど間抜けなノルウェーの鼻洗浄器!

とある朝、とあるTweetに目が留まりました。
フィンランド語のシルック先生が「風邪予防にはこれ!」と鼻洗浄が簡単にできる不思議な道具をUPされていたのです(RTしてくれたフィンランド大使館に感謝~!)。
ほほ~、この「鼻洗浄をするのに便利な道具はノルウェー産??」。
確かにこの形、ノルウェー人の家で見覚えが・・・。まさかあれがこれだったとは!!

このTweetは深く心に刻まれました。
私自身、ノルウェー語レッスンをしているので「喉は大事な商売道具」。ちょっとの外出でもイソジンうがいと手洗いは欠かせません。
ただ、以前から「鼻洗浄」には興味がありました。
ノルウェー語講師よりさらに仕事に穴があけられない芸能人の何人かがテレビで「やっぱり風邪予防には鼻洗浄。痛いけど、慣れれば平気」と発言するのを何度か見ていたのです。

心惹かれますが、痛いのはカンベン。と何年も放置してました。
そんな際にシルック先生から「福音の声」。これはもうノルウェーの鼻洗浄器を入手すべし!と行動にうつります。
そもそもこの道具は何という名前なのか・・・Google Norwayで検索を始めました。

鼻がneseだから・・・いろいろneseで単語を入れて「あった!」と見つけたのが、neseskyllerという単語。画像検索すると、こんな感じのトレビアンな写真が続々と見つかります~。お宝を見つけた気分でした。

近い時期にノルウェーへ行く知人に、薬局のサイトに載っているサイトを送って「買ってください」とお願いします。
そして先日、このnesesskyllerをいただきました~(お土産でいただいちゃって恐縮です)。

20161204-1

箱を見て感動!中身を見て感動!帰宅後、箱にプリントされた利用法イラストを参照して実際に、鼻洗浄をしてみました。

20161204-2

水に付属のスプーン一杯の塩を入れて、片方の鼻の穴に先端を押し当てて、水を流します。洗面台の鏡に映る私の姿は・・・・間抜けでした~。
痛くはないです。水泳した時、鼻に水が入った感覚を思い出しました。
チョロチョロチョロ・・・・水はローマの噴水のように優雅に鼻の穴から鼻の穴へ流れていきます。

事前にYoutubeで使い方の映像を見ていたので、「これで大丈夫!」と確信はありました。
Youtubeの映像は役立ちますが、間抜け感はぬぐえません・・・。ご機嫌なBGMも効果的です。

https://www.youtube.com/watch?v=fhkYhLbO29I

使用後は、まさに鼻がスッキリ!
私は鼻炎、アレルギー、花粉症などに悩んでいませんが、でも「汚れていたものが洗浄された」感はありました。

これでさらにノルウェージャンマイレージを貯めた気分です!
素敵な北欧風ライフスタイルの小道具としても、いかがでしょう?

補足:鼻炎に悩む生徒さんに使ってもらいました。詰まったところが途中から水が流れ落ちるようになり「痛くなくてスッキリしました!」と喜んでいました。効果はあります!

*****************************************************
2017年ノルウェー語レッスン絶賛募集中です!「初心者クラス」は土曜16時と月曜19時の枠で待機者がいらっしゃいます。
他のレベルの方、プライベートやスカイプもお気軽にお申込み・お問合せをお待ちしています!

ノルウェー語レッスン告知・お申込みページ
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursannai.htm

セレクトレッスンですが、「超!ノルウェー語入門」(1/15)は、90分でノルウェー語の基礎の基礎がわかるお得なレッスン!
「ネイティブによる発音練習」(3/5)は、日本人が苦手なノルウェー語の発音をアーレン先生がリラックスしたムードで教えてくれるレッスン!
トロール!~人形の絵付教室から絵本の世界まで」(3/18)は、自分だけのトロールづくりにトライするレッスンです。

セレクトレッスン告知・スケジュールページ
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursschedule.htm

ノルウェーの方が進んでいる??

ノルウェー語やノルウェーを生業にしてるのに「ホント、ノルウェーって○○ですよね」とおちょくることが多いです。
しかーし、ここ数年「日本の方がいろいろガラパゴス化してないかい?」とノルウェーに行ったり、ノルウェー人と話す度に感じることが増えました。

以前、ブログで登場してくれた留学生のMarino君も「日本はテクノロジーが進んでいるイメージなのに、いろいろ古臭かったり不便が多くて驚いた」と話してましたね。
現在、オスロ大学に留学中のYさんも「こちらでは、講義に使ったパワーポイントや講義の予定がポータルサイトから確認できるので、予習や復習に便利です」と教えてくれました。

ほぼ現金を使わないカード社会ネットバンキングの普及、フリーWifi環境の充実などは、その筆頭でしょうか。
「日本では、ネットバンキングでハッキングや詐欺事件があって、私は怖くて使っていない」と言ったら、スマホすら持っていない80歳のアウドさんに「こんな便利なものを使わないの?」と化石を見るかのような反応でした・・・。カードしか使えない自動販売機を見たのも、ノルウェーの方が早かったです(日本にあります?)。
現金を持ち運ぶのは不便とばかり、スマホケースにカードを何枚か入れて行動するノルウェー人。お金を呼び込む長財布信仰は当然ながらありません・・・!

あと空港の自動チェックインは、ノルウェーの方で先に使いました。最初は「こんなのできな~い」と抵抗感ありましたが、慣れれば簡単ですね。長蛇の列に並ぶこともなくなりました。9月にオスロ空港を使った際、LCCのNorwegianは荷物のドロップインもセルフサービスになっていてびっくり!もうどんどん「効率化」していくな~と感慨深いです。日本のLCCもそうなんでしょうか??

20161016-3

ノルウェーの郵便局は、ポストに届かないものは配達してくれないので自分で取りに行かないといけません。
留学中はずーーーーーーっと不便!と思ってましたが、スーパーに郵便局が入ったり、または地下鉄の駅に荷物を受け取るロッカーを発見し、昔よりは利便性は改善しているようです。

20161016-4

日本では、宅急便や郵便局の再配がドライバーにとってかなりの負担で問題になっていますよね。
当初のサービスが低かったノルウェーなので、今では便利に感じてしまいます。

あとはよくお世話になっているノルウェー中央統計局(SSB)のサイトでも思うところはあります。トップページはこんな感じです。

20161016-2

よりじっくり眺めたい方のために、こちらからトップへリンクを貼ります。
まず上に、人口、国民一人あたりのGDP、失業率、消費指数、移出民・移民の差異数というキーとなる数字がイラストとともに目立っています。
あとは検索キーワードA-Åがやはり上段に配置され、こちらもわかりやすいです。
すっきりしていて、目的にたどり着きやすくできている~と感心。
翻って日本の統計局のサイトのトップページは・・・まずはごっちゃり感にびっくり!
こちらからトップページをご覧ください。

う~ん、人口など基本的データはトップからわかりますが、あまりに情報量が多くて、わかりにくいです(夢ネットHPのトップもごっちゃりしてますけどね~)。
でも、かなりの時間をかけた労作には違いないので、問題は「アウトプットの方法」でしょうか(それともセンス?)

さらにさらに・・・ノルウェー語を教えたり、または勉強途中の身としては、ノルウェーのテレビが全部ではないですが、ネットでかつ無料で観られるのはありがたいです♪(Youtubeに非ず)
NRK SUPER(こども番組専用チェンネル)は、たくさんの番組が見放題!こちらのURLです⇒http://nrksuper.no/
ノルウェー語レッスンでは「なるべくラジオとかテレビに触れるようにしてください」と生徒さんたちに言っています。
こちらのチャンネルでは「ポケモンGOの攻略法」番組だったり、「ニュース番組」を分かりやすいノルウェー語で説明してくれるので、学習者には嬉しいですね。
せっかく制作した番組なんだから、より多くの人(奇特な日本人だったり)に届けたいという工夫は、随所に感じられます。

ネットの利便性やオープン性を活用しているのは、やはり以前のブログで紹介した「刑務所のネットショップ」も忘れられません!
Halden(ハルデン)刑務所の受刑者たちが作った製品のネットショップは、健在です~。こちらからどうぞ

jobbe effektivt=「効率的に働く」を自負するノルウェー人。
以前は「それって単に残業しないでとっとと帰るだけでしょ?」思ってましたが、結果を見ると「うーむ」と感心することが増えましたね。
もちろん、日本の方が進んでいる・便利なところはたっくさんありますが、仕事量の割にアウトプットが残念・・・というものが存在するのも事実。
「マイナンバー制度」など、かなりの時間とお金を使った「力作」なのかもしれませんが、どんなメリットがあるのか私、分かっていません・・・(汗)。
・・・と9月の旅行の後、さらに「ノルウェー、侮るべからず」の感を深くした次第です!

詩が身近にある暮らし

ノルウェーで1年の高校留学を終えた生徒さんが、レッスンに遊びに来てくれました。
向こうでの授業について質問したのですが「詩を作りなさい、という課題があって苦労しました」と聞き、なんとなく腑に落ちる感があります。

私もノルウェーの大学に留学中、詩の創作はなかったけど「詩の分析」は結構やりました。
日本ではあまり詩に親しんでこなかったので、「ノルウェー人、意外と詩が好き?」と想像したのです。

昨年、留学時代の友達とすごく久しぶりにオスロで再会した時、彼女は子どもたちを連れてきてくれました。その時、子どもたちがサラサラと私のために詩を書いてくれたことに感嘆した体験をブログで書きました。
こちらからご覧になれます。

前述の生徒さんが、ノルウェーのチョコレートをたくさん持って来てくれました。
そして「Melkehjerter」ミルクハートチョコレートを別のクラスで配っていたら、箱に書かれた文字に注目された生徒さんがいたんですよね。
今まで何度となく見てきた箱だけど、どんなことが書いてあるのか気にしたことはなかったのです。

「何が書いてあるのですか?」と聞かれ、読んでみました。こんなテキストです。

20160822

「チョコレートは幸せ。幸せはハートに宿っている。
ハートはチョコレートでできている。1枚はあなたに、そして1枚はわたしに。
みんなのハートは喜び、甘いかけらを友達にあげよう。
みんなで分けると、幸せはふくらむからね。」

ここにも詩を発見!
こうやって詩心を培っているのか、とまたもや腑に落ちた次第です。

*********************************************
10月スタート「ノルウェー語レッスン」受講者を募集中です!
ゼロから始める「初心者クラス」以外にも、様々なレベルのクラスがありますので
お気軽にお申込み・お問合せをお待ちしています!
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursannai.htm

各回参加のセレクトレッスンのスケジュールは以下をご参照ください♪
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursschedule.htm