外国人が受ける洗礼

今でもありますが、ノルウェー人と話していて、「うわ、ヘンなこと言っちゃった!」と後から冷や汗ものってあります。
また、日本に留学しているノルウェー人と話していて、「日本語上手なのに、たまに変な言葉使うな~」と違和感を覚えることも。

毎度おなじみ昔ばなし。
最初に都内語学学校でノルウェー語を習い始めた時、ノルウェー人留学生と日本人の先生が両方いらっしゃいました。
よく授業が終わると居酒屋へ行っていたのですが、その時、ノルウェー人留学生に向かって「トイレのこと日本語では”厠(かわや)”って言うのが正しいんだよ」と教え込んでいたシーンを発見。素直にノルウェー人留学生は「か・わ・や」と覚えていきます・・・。あ~~、ひどいなぁと思いつつ特に訂正しなかったのですが・・・。

あとすごく可愛らしいノルウェー人女性留学生。彼女の名前はUnni(ウンニ)。ノルウェーではごく普通の名前です。
しかし、彼女は上手な日本語で、「私の名前はウンニ。う●こと似ているから間違えないでね」と自己紹介していました。可愛い顔とその単語のギャップに萌え~の人もいるかもしれませんが、私は「そ、その自己紹介やめた方がいいいです」とも言えず・・・。きっと悪い日本人が教えたんでしょうね~。

今度は私が「洗礼」を受ける番でした。
最初のノルウェー留学時、クラスメートのボスニア人から「これが挨拶の言葉だよ」と教わったフレーズを忠実に再現しました。以来、彼らたちと挨拶する時にそのフレーズを言うと、爆笑されました。「どうもこれは、ヘンなフレーズを覚えさせられたのでは?」と気づきました・・・。時すでに遅し。

学生寮で一緒だったノルウェー人たちも似たようなものです。
「トイレ」は、ノルウェー語では”toalett”とか”do”という単語を使いますが、もっと汚い言葉を教えられました(ここでは書かけません!)。
日本人とノルウェー人、いい勝負です。

ノルウェー人

洗礼を受けた後のノルウェー人たち

あと「日本人」の蔑称も習いました。ま、英語の「jap」みたいなものです。それのノルウェー語版があるなんて~とちょっと驚きました。
ま、私もノルウェー人のこと「ノル人」と書くことありますが、別にこれ蔑称じゃないですよね?ね?ね????

また、まだその言葉がそれほどうまくないのに、妙にスラングだけ強い人もいますね~。あれは付き合っている人間のせい??なので、語学学校などではそういう行為を厳しく「やっちゃダメ」と釘をさすようです。
スラングではないのですが、昨年の「北欧ぷちとりっぷ」に出演したJack君は、「ノルウェー人、みんな、インシュ大好き」と大声で言ってしまい・・・はい、ノルウェー人チームはどうも「汚れ役」担当決定となりました。

いずれにしても、「外国人が受ける洗礼」。場面によってはウケるのでついやっちゃいがちですが、それと共に失うものが多いことをキモに銘じましょうね~(心の底からのアピール!)

2014/9/24 | Category : 留学体験 | Author : norway-yumenet

一番大切なことは?

たまにですが、ノルウェー人に「日本人の名前は、意味があるんでしょ? あなたの名前の意味は?」と聞かれることがあります。
最初の頃こそ、「順子」の意味?え~、なんて答えればいいんだ?う~んと悩んでいました。
順=従順のように「従う」という意味だけど、「従う子」なんて意味とは言いたくないし、ノルウェー人に「ウソでしょ?」と反応されそう。
いろいろ考えました。
ほお、「素直」という意味もある! こっちの方がイメージいいし、そもそも全然、「従順」な性格じゃないし・・・と考えたのですが。「素直」という単語からさらに飛躍して(というか曲解して)、今では「ærlig barn」という意味、と答えています。
ærlig=率直な barn=子ども
という意味です。
「ærlig barn」だよ、と答えるとノルウェー人は「へぇー、いい意味だね」という反応がほとんど。

おばあさん

というのも、「ærlig」=率直さ、はノルウェー人がとても大切にしている価値観だからです。
それを最初に教えてもらったのは、1996年のこと。
田舎町Voldaカレッジで、台所を一緒に使っていたノルウェー人学生。彼は、私のクラスメート兼ルームメートのチェコ人留学生の彼氏でした。なんと二人はそのまま結婚しちゃったんですけどね~。
ただ私と彼は互いにちょっと苦手意識があったのですが、もうすぐ学期が終わり、学生寮の親しい人たちとお酒を飲みながら話していた時、彼は多少、酔っぱらっていたけど真顔でこう言ったのです。

「ノルウェー人が大切にしてることってなんだかわかる?率直さなんだ。」

ふ~ん、率直さね。言われてみれば、お世辞なんてほぼ言われたことないし、Ja/Neiははっきりしているし、何よりも裏表がない。
たまにそれで、軽く傷ついたり、ええ~、なんでこう「取り繕う」とかできないのかな?とイラつくことはありました。
だから私もノルウェー人と接する時は、思いっきり「本音上等!」モードでいっちゃいます。

ただ、これをあまり日本で実践しちゃうと、ヒンシュクなんですけどね~。

よっこらしょ

余談:くだんの彼は、昔はブロンドヘアーでなかなかのイケメンでしたが、Facebookの写真で、「薄毛+出っ腹」になっていて、時の流れを感じました~。

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時々、「ノルウェーについて学ぶサロン」についてご質問を受けます。
「初めてですけど大丈夫ですか?」「ノルウェーのことは全然知りません。大丈夫ですか?」
「参加者は固定していますか?」などなど・・・。
大体、半数は初参加の方々ですので、どうぞご安心ください!
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次回サロンは・・・
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2014/8/27 | Category : 留学体験 | Author : norway-yumenet

今年の大学人気志願先は?

ノルウェーの新学期は8月中旬ころから始まります。
そしてこの時期、多くのノルウェー人が長~い夏休みを満喫していますが、忙しくしている人もいます。
はい、大学入学志願者を志望先に入学できるかどうかを決定する機関ですね~。

日本では個々の大学ごとに入試が行われますが、ノルウェーの大学(総合大学、カレッジともに)は主に高校卒業試験の結果を提出し、自分の行きたい大学名と専攻学科をリストに挙げていきます。

先週の金曜日(7/18)にその第1回目のいわば「どこの大学・学部の志願者が多いか」が発表されました。以下、Aftenpostenの記事から引用します(2014年7月18日)。

まず全体の志願者数は、かつてなく多く119900人。ここ4年ほど毎年、増加傾向になるそうです。
学費が無料で、かつ求人もより高学歴を求めることの結果でしょうか?

で、定員と志願者数の割合で、「一番入るのが難しい大学と学部の組み合わせ」はこのようになっていま~す。

1.オスロ大学   医学部(8月スタート期)
2.オスロ大学   医学部(2015年1月スタート期)
3.ノルウェー工科大学(NTNU) 医学部
4.ベルゲン大学  医学部
5.トロムソ大学  医学部
6.オスロ大学   心理学(8月スタート期)
7.オスロ大学   歯学部
8.トロムソ大学  歯学部
9。オスロ大学   心理学(2015年1月スタート期)
10. ベルゲン大学  歯学部

大学

オスロ大学

ということで、医学部がほぼ独占状態でしょうか??歯学部もやはり「狭き門」です。
定員数が少ないので、こういう結果になったと思いますね。
有名な話ですが、ノルウェーの大学では医学部に入れなくて、東欧(ポーランドなど)の大学の医学部に留学するノルウェー人は多いです。

全体的に志願者が増えているのは、理科系(エンジニア、情報工学)だそうです。就職で圧倒的に有利なことなどが要因でしょうか?
ノルウェーはエンジニア不足で、外国からの人材もそうした分野ならば就職しやすいと聞いています。

90年代、2000年代初め頃まで人気だった学部で今は人気をなくしてしまったのは・・・・。
「メディア」「ジャーナリスト」系でしょうか。
その当時は、こうしたリストに必ずメディア・ジャーナリズムが入っていたのを覚えています。
ですがインターネットの普及により、紙の新聞を買う人は減り、かつては100万部の売り上げを誇ったタブロイド紙なども今では「スタッフ大量解雇」とか「つぶれるのでは?」というちょっと悲しい状況です。
就職口がない→志願する学生は減る、ということで「メディア学」志願者は8パーセント減になっているそうです。

前述の「医学部人気」に際して、AftenpostenのFacebookで「成績さえ良ければ、志願先に入学できるというシステムはいかがなもの?」という問いかけを行っていました。
「ワシにも言わせろ!」「アタシの意見、聴きなさい!」とばかりにコメントがごっちゃりついてました。
いかにもノルウェー人らしいなぁと思ったコメントは・・・
「将来、医師になる学生は成績よりも”人間性”が大事」
「私がかかっているセラピストはコミュニケーション能力に欠けている。成績だけで決めるのは反対」
・・・と成績が良ければいいという訳ではない、というのが「物申す」人々の主張の大半を占めてました。

今は第1回目の結果発表ですが、そのうち「この大学のこの学部なら入れる」といった類の記事がこれからどんどん出てきます。
ノルウェー夏の風物詩の一つですね。

人は簡単に死なない~Ø君の場合~

最初に留学した西ノルウェーの田舎町、Volda(ヴォルダ)では学生寮の共同キッチンを通じて、ノルウェー人たちと仲良くなれました(もちろん、紆余曲折ありましたよ~。ご興味のある方は拙著「私のノルウェー留学」にたっぷり書いてあります。)

共同キッチンは、留学生2人(私とチェコの女の子)とノルウェー人男子学生4人で使っていました。
そこで私が学んだことは、「人は簡単に死なないんだなぁ~」ということ。

ノルウェー人学生たちの料理は、学生だから簡単なものがほとんどでした。
しかし、Ø君の食事はその中でも群を抜いて、「シンプル」なものでした。
彼は、冷凍ピザと冷凍ハンバーグを1日ごとに交互に食べていたのです!すごい・・・メニュー2つ。しかも両方とも冷凍・・・。

何度もサイトや他の媒体で書いていますが、ノルウェー人の国民食は「冷凍ピザ」と揶揄されるほどの人気です。
スーパーを覗けば、その冷凍ピザのバリエーションに圧倒されるでしょう!

冷凍ピザ

冷凍ピザコーナー

冷凍ピザ用は、ただオーブンに入れればいいだけのシンプルなもの。でもカロリー、すごいと思います。
またØ君は、冷凍ハンバーグの場合はフライパンで焼くだけ。
付け合せは冷凍ポテトフライのみ。
徹底した「調理時間の手間と時間」を省くことに専心していました。

食べている姿を見て、「こんなメニューばかりで飽きないの?」と聞いて記憶がありますが、Ø君はグルメとは程遠い人種だったので、全然気にしていないようでした。
サラダを食べるとか、そんな工夫もなかったですね~。極端に栄養バランスは偏っていたと思いますし、彼が魚を食べている姿は、見ていません・・・。

あとØ君がすごかったのは、食器の洗い方でした。
食洗機がついてなかったので、学生たちは自分たちのやり方で、食器を洗っていたのですが・・・。
ま、私はそれほど食器を溜めずに洗ってました。
ノルウェー人学生たちは試験前などになると、溜めこむことがありましたが、許容範囲です。

Ø君は、たくさん古い食器を実家から持ち込んでいて、それを毎日洗わずに使っていきます。
そして、ついに洗わないと食器が足りない、という段階になって、ようやく大量の食器をすご~く面倒くさそうに洗うのですが・・・。
大きなシンクに大量のお湯を溜めて、洗剤を流し込みます。
そして食器をそこに沈めて、ちょっとブラシで洗って、洗剤をすすがないで、水切りバスケットに置いていくのです。

洗剤、すすがない!!

最初に見たときは、「ええ~~、体に悪いよ~」と思ったのですが、本人、全く意に介さず。
洗剤には様々な化学成分が含まれているハズ。

とんでもなく偏った食事。
洗剤はすすがない食器。

それでもØ君は健康そのものでした~。
そして「健康ヲタク日本」からやってきた私は悟ったのです。「人って案外、丈夫にできてる!」と。

もうØ君とはコンタクトは切れてしまいましたが、彼がどんな生活を送っているのか、興味ありますね~。
関係ありませんが、Ø君は若いのに、ノルウェー人なのに、英語がすごく苦手でした。
みなさん、「ノルウェー人&北欧人は英語が誰でも話せる」と思っているでしょうが、「例外もあること」をØ君が身を持って示してくれました。

留学は、勉強だけでなく、「生態観察」も盛りだくさん。好奇心旺盛な方にオススメです♪

2014/5/1 | Category : 留学体験 | Author : norway-yumenet

ノルウェー高校留学!

「ノルウェー語ってどんな人が習いに来るのですか?」という質問はよく受けます。

以前にも書いたかもしれません。動機は皆さんバラバラなのですが、ここ最近の傾向で、「ノルウェーの高校へ留学するから」という生徒さんが増えています。
大手のAFSという団体の方ばかりで、向こうの家庭にホームステイしながら現地の学校に通うというスタイルの留学です。

残念ですが、今まで「第一志望がノルウェーだったです」という生徒さんにはお会いしたことがなく、人気のアメリカやフランス、ドイツから外れて「ノルウェー」なる国になってしまった・・・。
「ノルウェー?」(絶句)
とおそらく殆どの方が親御さんも含めて、慌ててネット検索し、「ノルウェー夢ネット」なる真面目なんだか、怪しいんだかよくわからないサイトにたどりつき、気づけばうちの生徒さんになっていた、というパターンかと思われます。

私は、ノルウェーの高校に過去に留学していたという方を何人か知り合いがいますが、みなさん例外なく「発音がきれい」「その土地の方言を話す」といった特徴があります。
やはり若いうちに留学すると、それだけ現地に溶け込むんだなぁ~と、27歳でようやくノルウェーの大学へ留学した私は、羨望の気持ちがありますね。

・・・で、昨年戻ってこられた生徒さんたちが、うちに遊びに来てくれました!
ようやく大学受験を終えられたAさん、まだ高校生のM君、二人に会えたのは久しぶりだったので、それだけでカンゲキです。
せっかくなので、アクアビットジャパンさんで買った甘えびで、毎度おなじみ「シュリンプパーティ」でお・も・て・な・しだったのですが、若い人の食欲をなめてました・・・。
普段、甘えびが余ることが多いので、1袋しか解凍しなかったのですが、かなり早い時間で終わってしまいましたね~。ホント、計算が甘かったです。

Aさんはオスロ郊外に、M君は北ノルウェーの田舎という違いもあり、二人の経験は「同じノルウェー?」とは思えない感がありました。
ただやっぱり嬉しかったのは、二人とも「ノルウェーに留学してよかった」と口をそろえて言ってくれたことでした。
Aさんは比較的、都会のライフスタイルで、好奇心旺盛にいろいろな体験をされたようです。Aさんは「私もみんなと一緒にやってみよう!」というもっとも留学に合っている性格かもしれません。日本へ帰るのがイヤだったほどだそうです。
M君は、北ノルウェーの素朴なライフスタイルで、クラスメイトからサプライズの誕生パーティを開いてもらい、とても感動したそうです!(先生から、「キミ、XXなの?」という恐ろしい質問を受けたそうですが)。

あと食に無関心と思われるノルウェー人ですが、やはり「Sushi」の持つパワーは大きいらしく、二人ともノルウェーでSushiを何度か作って、「パンダ外交」ならぬ「Sushi外交」で、地元の人と交流ができたみたいですね。

自分が高校生の時には留学なんて考えてもいなかったので、AさんもM君も改めて、すごいなぁ~の一言です。
若いうちからそういう思い切った決断をし、異文化体験を経て、視野が広がった様子を拝見し、二人の親くらいの年齢の私は「うるうる」しちゃいましたね。
もちろん二人は辛い・大変な体験もされたようですが、大人が思っている以上に「高校生って大人なんだぁ~」と感心する忍耐力と適応力があるんだなぁ・・・。また「うるうる」です~。
二人は14時にいらっしゃって、ずっとお話しが途切れずに19時半まで楽しいひとときを過ごせました。
ここには書けないお話しもたくさん伺えて、またノルウェー人ネタ増えました!でもちょっとだけ書いちゃうと、Aさんの学校にはXXX(←NGワード)グループの女の子たちがいたそうで、笑っちゃいました。

留学はその人の数だけの体験があります。
今頃になっても、自分の留学時代に「もっとあれもすればよかった」と後悔することはありますが、でも自分だけが感じ、得た体験はまさに「プライスレス」。
そして今は、自分の生徒さんたちが巣立っていって、活躍されている姿を見ては、「よかったなぁ~」としみじみお茶をすすります。
そうした生徒さんの貴重な体験のお話しが伺えるのも、私自身も「ノルウェー留学」をしたからなんですよね。
というわけで、私も声を大にして言います。
「ノルウェーに留学してよかった~!!」

元生徒さん

AさんとM君