各回のまとめ
ノルウェーについて学ぶサロン・講座レポート


第43回「世界の中のノルウェー」〜ジャーナリスト・ヒリデさんに
     聞くメディアを通じて見えること〜   

開講日時: 2010年4月17日(土) 13:00〜15:00
参加者数: 17名

●テーマ紹介文
ノルウェー人は日本人と同じように、読むことが大好きです。
ノルウェーのラッシュの電車には、新聞で顔を覆っている男性と女性でいっぱいになります。
日本とノルウェーは、統計によると、人口ひとり当たりのメディア消費量は共にトップです。しかしながらそのこと以外に、私たちのメディア間にはあまり類似点がないかもしれません。
大多数のノルウェー人は毎日、ローカル新聞と、全国紙、さらにタブロイド紙を読んでいます。しかし総数500万人にも満たない国民は、たった一つの意見に大きな影響を受けてしまう傾向があります。

今日、ノルウェーのメディア世界はどうなっているのでしょう?
地元と国際的な世界のニュースはどのように紹介されているのでしょう?
ジャーナリストはどんな日常生活を送っていて、メディアは、デジタルな日常にどのように適応しているでしょう?
今回のサロンではそんな、日本人の知らない、日本とは違う、ノルウェーのマスメディアについて、ヒリデさんにあれこれ伺ってみる企画です。日本のことをもっともっと本国ノルウェーにきちんと伝えたいと願っている彼女の熱い想いを、一緒に聞いてみませんか?
講演はノルウェー語ですが、通訳しますので、どなたも安心してご参加いただけます。
ノルウェー語ワンポイントレッスンのテーマは「何か面白いテレビ番組はありますか?」です。

●ゲスト講師プロフィール
Hilde Haugen Kallevig (ヒリデ・ハウゲン・カレビグ)さん
東京在住のフリージャーナリスト。
約4年間の日本在住中に、国際的なPR事務所でインフォメーション・アドバイザーとしても活躍。
オスロ大学で言語と文化史で学位を取得。
ロンドン大学のゴールドスミスカレッジでジャーナリズムの修士を取得。

●講演内容

講師プロフィール/講演/朝食、コーヒーそして新聞/ノルウェーのメディア/ノルウェーのジャーナリズム/ノルウェーのメディアから見た世界/日本におけるノルウェーのジャーナリスト
●ノルウェー語レッスン
何か面白いテレビ番組はありますか? Er det noe morsomt På TV?
●付録
新規参加の方には・・・語学資料「ノルウェー語とは」
       その他 ノルウェー大使館、フィンツアー、スカンジナビア政府観光局
            提供の資料多数

●主催者後記
熱心に語ってくれたHildeさんとLivさん
今回のサロンでは、日本にただ一人という貴重なノルウェー人ジャーナリストのヒリデさんと、たまたま来日中のお母様のリーヴさんをお迎えしました。
ヒリデさんのお話を聞き通訳をしながら、「そうだよね〜」とうなずくことしきり。例えば、ノルウェーの新聞で日本の特集記事を組む際、そのほとんどが「マスクをした日本人の写真」を載せたがるというもの。そう、ノルウェー人はマスクが珍しいらしく、しょっちゅうそんな写真を見た覚えがあります。
また、ヒリデさんのお話で、ノルウェーのメディアですばらしいと感じた点。
それは、社会を監視するメディアのために国が様々な経済的なバックアップをしている、 という事実です。国にとってはマスメディは時にやっかいな存在のはずなのですが民主主義の根幹として、いろいろな意見を発表する機会を与える重要さを国が支えていることは理想的だと感じました。
ただ残念なことは、ヒリデさんが6月に帰国されてしまうことですね。貴重なノルウェー人ジャーナリストを失うことは、本当に残念です。
誰か別のノルウェー人ジャーナリスト求む!の心境です。
今回も多数のご参加がありましたことを、心よりお礼申し上げます。
(Aoki)

とても楽しかったです!
皆さんがどうしてノルウェーに興味を持ったか聞くのが興味深かったです。ノルウェーの文化やメディアについて皆さんが少しでもわかって、ノルウェーへの理解も増して下さったら幸いです。
(Hilde)

ヒリデさんのお話は、さすが職業柄もあってか物事の着眼点が奥深いと感じました。
特に、現代のノルウェーで問題になっているテーマとして挙げられた1.ノルウェー人とイスラム圏の人々、2.鉄道、3.男女の賃金格差、4.病院と健康、5.教会、6.保育園のそれぞれのお話は興味深く、日本の状況と比較しながら聞いていました。平等意識の高いノルウェーだからこそ議論されているテーマが多く、小国ながらも日本より先を進んでいるイメージを再認識しました。
またヒリデさんは、日本の鉄道の運行システムに代表する正確さや、礼儀正しさ、食事、”おもてなし”の心をノルウェー人に見習ってほしいと言い、一方で日本人はノルウェーから男女平等について学ぶべきとアドバイスくださったことは、大変説得力がありました。
微力ながら日本とノルウェーを繋ぐ活動をしている私たちにとっても、パワーをいただけた気がします。
ご帰国前に素晴らしい講演をしてくださったヒリデさんに、改めて感謝したいと思います。
(Yoko)

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