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Vol.3

ノルウェートピックス【21】〜




ノルウェートピックス【21】

・Sex & drug!

健全さが売り物の(?)「夢ネット」に似つかわしくないタイトルで、みなさん、引かないで下さい〜!(もしくは、一昔前のロケンローラーに似つかわしいタイトル?)

ノルウェーの皇太子妃が、以前、ドラッグパーティに出入りしたことが、クローズアップされて、「ドラッグ天国」と誤解されがちなノルウェーですが(?)、実状はどんなものなんでしょうか?
...という疑問に答えてくれるような新聞記事が、12月1日付ダグスアヴィーセン紙に載ってましたので、ご紹介しましょう。

今年、オスロの「ハウス系パーティ」(死語?)で、逮捕された若者206人の聞き取り調査の結果を元に、記事は構成されています。
それによると、10人中7人が、日本でも知られている「エクスタシー」「アンフェタミン」を試したことがあるそうです。以前は、「ハシシュ」(ノルウェー語では、hasj)で、「麻薬デビュー」をした若者が多かったのに対し、現代の若者は、化学系で中枢神経を刺激する、エクスタシーやアンフェタミンを、すぐに使用する傾向があるとか。

オスロ警察の関係者によると、幸い、ドラッグが使用されるハウス系パーティは、減少の傾向があるそうですが、代わりに、自宅の自分の部屋でドラッグを体験するケースが報告されているそうです。
そして、ドラッグを体験する若者の理由の69%が、「好奇心から」と答える現状から、「もっと親が注意して、子供の様子を見守って欲しい」と呼びかけています。

留学時、そういったパーティとは無縁だった筆者ですが、寮の隣人たちが、「ドラッグなんて、すごく簡単に手に入る」「経験したことあるよ」と、気軽に話していたことを覚えています。
もっとも、今の日本でも状況は、変わっているのでしょうね。もはや若くはない筆者には、遠い世界ですが...。



12月1日は、「世界エイズデー」ということで、性に関する統計が、1日付アフテンポステン紙に載ってます。

最新の調査(1997年)によると、ノルウェー人の85%以上が、計画していなかった(行きずりの)性行為を行った時、コンドームを使用しないことがわかりました(異性愛のケース)。また、スカンディナビア諸国の中で、ノルウェーが1番、コンドームの売上が少ないそうです。

日本と似ている傾向としては、特に25歳以上で、クラジミアなどの性病患者が増えていますが、統計に上らない人数が多いことも考えられるそうです。

エイズの患者数に関しては、他の国に比べ、ノルウェーは安定傾向。現在、国内の患者数は、1700人〜1800人とされています。
去年、ノルウェーでエイズに感染した人の75%は、外国で感染。その中で、60%は、外国人であり、ノルウェーに来る前から、HIVポジティブだったそうです。

こうした現状を踏まえ、ホイブローテン保健大臣は、HIVおよび性病に取り組む新たな計画案を、先週、提出しました。計画の目的は、感染者を減らすことと、感染者により良いケアを提供することです。
「この計画案は、ノルウェー人全てに向けられたもので、リスクのあるグループにだけ向けられたものではない」と、保健大臣は強調。HIVや性病が、決して「他人事」ではないことを、国民に呼びかけています。

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ノルウェートピックス【22】

・さよなら、フロイ線!

ま、まずいですね。前回の更新が昨年末だったとは! 久しぶりに編集画面を見てひっくり返ってます(←気付くのが遅い!)。
「最近の話題なんて、看板に偽りあり!」と、思われた方、返す言葉もありません、うう。別に、ノルウェーには何もニュースがなく、何も話題がなかった訳では、ないんですけど。
これに懲りず、今後もよろしくお願いします。

さて、気を取りなおしてニュース、ニュース(う〜ん、あんまりない...)。

夏になるとたくさんの観光客が訪れる街、ベルゲン(ノルウェー語発音だと「バルゲン」、アメリカ式発音だと「バーゲン」)。
街の真ん中から、フロイ山のてっぺんまで、えっちらおっちら登っていくのが、フロイ線(Fløibanen)です。
夢ネットの読者の皆様ならば、一度は乗ったことが方が多いでしょう。
私もベルゲンを訪れる度に、のんびりしたフロイ線の旅(というほどの距離ではありませんが)を楽しんでました。

ベルゲン市民からも、観光客からも愛されていたフロイ線ですが、2002年9月26日付のアフテンポステン紙によると、あのレトロな車両がなくなってしまったそうです。
記事には、最後の運行となった9月25日に集まった市民の嘆きの声が、のってます。みんな悲しんでます。

詳しい事情を調べるために、ネット検索したところ、「新車両交換プロジェクト」を紹介するサイトがありました。以下、そのサイトを基に続けましょう(http://www.home.no/floibanen)。

なんでも一連の車両交換は、「文化都市ベルゲン2002」(Kulturby Bergen 2002)と呼ばれるプロジェクトの一環だそうです。
車両交換のため、2002年9月25日から11月14日まで、フロイ線は一時運休(ただし、新車両が、11月15日から運転するとは一言も書いてありません...ただ「2002年冬」とのみあるだけ...Typisk norsk!)。

フロイ線は、1918年から運転をしていますが、これまで3回、車両が新しくなってきました。
つい先日まで走っていた車両は、1974年からの「第3世代」。
次の「第4世代」の新車両、モダーンで高性能なのはイラストでわかるのですが、代わりに「味わい」とか「情緒」がなくて寂しいです(江ノ電もそうですね)。
各世代の写真は、http://www.home.no/floibanen/bilder.htm からどうぞ!

ただ、新車両の説明で笑えるのが、「もちろん、車両の色は赤と青です」という箇所。
悲嘆にくれ、怒りに震えているベルゲン市民を慰めるように、「色だけは同じだよ、許してね」と、念押ししているみたいです。

先ほどのアフテンポステン紙に記事に戻って。
フロイ線の乗客のうち、10人に7人は観光客だそうです。
同線の関係者によると、あるデンマークのカップルが、ヴォス(Voss)に行けると思ってフロイ線に乗ったことがあったそうです。
「頂上についた時、二人はとまどっていたよ」...。そりゃそうでしょう!

いつになったら、新車両の運転が始まるのか、夢ネット掲示板上で、みなさんと予想(賭け?)をするのも、面白いかもしれませんね!
私の予想?来年といったところでしょうか。

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ノルウェートピックス【23】

・さよなら?オスロのトリッケン!

古いものが失われしまうことを、悲しく感じるのは年を取った証拠でしょうか?

朝、ネットでノルウェーの新聞で、来年にもオスロのトリッケン(路面電車)の何線かが廃止になってしまう記事を読んで、何ともいえない悲しい気分になってしまいました。ちょっと叫ばせて下さい。

どうして〜!?

トリッケンの代わりには、バスが運行されるそうですが、何か

違う〜!!

と叫びたくなる今日この頃。失礼しました。

でも、記事を読んでちょっと嬉しかったのは、トリッケン廃止反対派がいることです。しかも強力な!(2002年10月12日付アフテンポステン紙参照してます)

以前、「旅のあれこれ」コーナーに、「トリッケンのすすめ」という短文を書いたのですが、その中でも触れた詩人のヤン・エリック・ヴォル(Jan Erik Vold)が、トリッケン廃止計画に「ちょっと待った〜!」と異議を唱えています。

彼によると、トリッケンを廃止しようとするオスロの方針は、他の大都市の傾向と全く、逆行しているとのこと。
「ヨーロッパのトリッケン交通網は、発展中だよ。例えば、私が今、住んでいるストックホルムは、トリッケンの交通網がどんどん、拡張しているんだ。それにサンフランシスコだって、トリッケンがあんなに成功しているだろ?」

彼はとりわけ、自分が詩の題材にした、ブリスケビィー線(Briskebytrikken)も廃止の対象であることが、ショックみたいですね
同線は、観光地としておなじみのフログネル公園も通っています...。1894年から運行がスタートしたそうだとか。さびしいですね。

詩人ヤンさん以外にも、トリッケン廃止に反対している女優のリーセ・フェルスター(Lise Fjeldstad)のコメントも紹介しましょう。
「バスは、ガタガタして気持ちのいいトリッケンの代わりにはなれません。どうして、廃止なんてするんでしょう?少し古めかしくて、ユニークなものが街には必要なのに。
ユニークなものを取り払ってしまったら、みんな似ていて、つまらなくなってしまう」。

確かに、トリッケンには、バスや地下鉄では味わえない「何か」があると思います。
オスロは、どんどん古い店がつぶれて、新しい同じような店ばかりが代わりにできている、と友人は嘆いていました。
この先、廃止計画がそのまま実行されてしまうのか、新オペラ座建設のように何年ももめるのか、注目したいと思います。

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ノルウェートピックス【24】

・今年の人気大学は?

ノルウェーの大学は、そろそろ試験の時期。2ヶ月あまりの夏休み後、新学期は8月末からスタートです。
その前に決めなきゃいけないのが、自分の学籍。日本のような「受験地獄」はありませんが、人気のある大学や学部とそうでないところは、差ができます。

2003年5月9日、10日付の「アフテンポステン紙」に、今年の人気大学と学部が記事になっていましたので、ご紹介しましょう。

今年の大きな傾向は、都市の大学に人気が集中していること。
90年代半ばから毎年、志願者数を減らしていたオスロ大学ですが、今年は昨年に比べて、3割強も志願者が増えました。その他、ベルゲン大学も約2割、志願者を増やしています。
「夢ネット」ヘビーユーザーの皆様には、解説の必要がないかもしれませんが、オスロはノルウェーの首都、ベルゲンは第2の都市(人口はこの際、忘れましょう)。

ウハウハ状態のオスロとベルゲンに対して、トロンハイムの工科大学は0.5パーセント減、トロムソ大学は3.4パーセント減に甘んじました。
さらに落ち込みがひどいのは、地方の短期大学。一番志願者が少なかったのは、北ノルウェーのフィンマルク・カレッジです。

どうやって、オスロ大学は志願者減少傾向を食い止め、増加に転じたのでしょうか?
お金を使ったようですね、はい。
「マーケティング費用」として、同大学は500万クローネ(=8千5百万円)を投じ、映画館用のCMを制作したようです。しかも内容は、アカデミックなものとは程遠く、かなりお馬鹿なものらしい...。話題性はあったようです。観たいな〜。
学生数の減少は、そのまま大学に与えられる予算が削られてしまうことを意味します。オスロ大学、腹括りましたね〜。

次に、学部別の志願者状況をみてみましょう。
最も目立った増加は、社会学部系。なんと5割増し。
その他、文学・歴史系法律の2割増。獣医学の増加も2割弱。オスロにある「ノルウェー獣医大学」は、学籍数が少ないこともあり、難関校の1つです。

逆に志願者数を減らした学部は、経済・経営学部系で3割減。
また常に高い人気をキープしてきた「ジャーナリスト学科」ですが、2割弱志願者を減らしました。
教職系の学科も、1割減となっています。

さらに。
ノルウェーが誇る(!)ユニークな成人教育の制度として、「リアル・コンピタンス」(realkompetanse)があります。簡単に解説すると...
通常、大学入学に必要な学歴を持たない成人でも、豊かな職業経験があれば、それを評価し、入学資格を与える制度です。
ここ数年、国レベルで大いに力を入れ、国民に啓蒙活動をし、海外の成人教育機関・生涯学習機関にも盛んにPRを行っています。
その「リアル・コンピタンス」制度を利用して、大学や短大に志願した人は4800人。昨年の5300人から減ってます...。もっとPRが必要ですね!

この制度を利用するのは、女性が多く、特に看護師や保育士、介護士といった職業グループの人たちが目立っています。
若い頃、教育を受ける時間や余裕がなかった人が、再び、アカデミックな場で自分の職業について学べる試みとして、まだ施行錯誤の段階ですが、制度の改善と定着が期待されます。

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ノルウェートピックス【25】

「話題」コーナーも、「ミニミニ方式」です!
(意味は、「文化紹介」コーナーの前説参照してください)


・SV党首クリスチャン・ハルヴォルセンの魅力

来日経験もある左派社会党(SV)の党首K.ハルヴォルセンは、高い人気と支持を誇ってます。
彼女の人気を分析した記事によると、政治的な有能さと共にユーモアのセンスわかりやすい話し方もその大きな理由とか。
SVの高い支持率は、党首の人気に大きく起因していると言えるでしょう。
(2003年6月26日「Aftenposten」紙より)

・支持政党を決める上で大事なことは?

2003年秋には、地方選が行われるノルウェー。
Aftenposten紙が、「支持政党を決める上で重要視するテーマは?」という世論調査を行いました。
その結果、1位)保健医療・老人福祉、2位)教育問題、3位)子ども・家族政策、4位)住居・雇用問題、5位)税金問題、となりました。
EU加盟問題は6位となっており、人々の関心は政治家たちが気にするほど高くないですね。
(2003年6月29日「Aftenposten」紙より)

・レジ袋でぼったくり

ノルウェーのスーパーでは、レジ袋が有料制。レジでお金を払う際に、Pose?(「ポーセ」)と聞かれたら、「袋要りますか?」という意味です。
レジ袋の平均単価は70オーレですが、最近、スーパー側はその半値以下の安い外国製品を仕入れて、密かな収入源としているそうです。
人々がもっと袋を持参し、袋を買うのを控えれば、地球環境にもいいですよ、と消費者オンブットはコメントしています。
(2003年6月29日「Dagsavisen」紙より)

・スタヴァンゲルのビール戦争

ノルウェーを代表するビールを供給するRingnes社が、スタヴァンゲルから工場を移転したことに怒った市民たちは、Ringnesビールをボイコット中
「雨が降ったら桶屋がもうかる」を地で行くHansaビールが、同地方で記録的な売上増を記録。400パーセントって数字、本当?
Ringnes社は、最初にボイコットを始めた国会議員たちのせいだ、とかなり怒っています。
(2003年7月4日「Aftenposten」紙より)

・王室おめでたニュース

何かと過去ネタで話題になるメッテ・マリット皇太子妃の妊娠が、ノルウェーのメディアでは大きな話題。出産まで取材合戦が大変そう。。。
(2003年7月5日ノルウェー各紙より)

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ノルウェートピックス【26】

一応ですね。
ノルウェーの新聞は毎日、ネットでざっと読みはしているのです(Ikke spør meg "hvor"!)。では当然、「なんでもっと更新しないのか?」という疑問が湧きますよね。だって、ただニュースの要約(&歪曲?)をしているだけなのに、自分でもなんでもっと更新しないのか不思議になります。。Hmmmmm


・NRKの海外特派員は何でも知っている?

人はみな、海外にある程度、滞在すると本を書きたくなる傾向があるのでしょうか。

ノルウェー国営放送(以下、NRKと記す)の海外特派員も、その例にもれないようです。
最近では、Åsne Seierstad(オスネ・サイエルスタード)が、アフガニスタンを題材に取った「カブールの書店」を発表し、ベストセラーになりました。
本書は出版後、その内容について、取材先のアフガニスタン人たちなどから、強い非難を浴び、いろいろな意味で話題になっています。

本書が呼び水になり、これまでNRKの海外特派員が駐在国についてつづった本について、その国の専門家たちから、様々な疑問が寄せられるようになりました。

2003年10月21日付、Dagsavisen(ダクスアヴィーセン)では、オスロ大学中国語学科のRune Svarverud(ルーネ・スヴァールヴェルードゥ)助教授が、以下のような苦言を呈しています。
「今まで、NRKの中国特派員が書いた”中国本”が、何らかの貢献につながったことはありません。事実の単純化、神話や偏見を強めているのが特徴です。
大体、中国語もできずに数年しかいなかった人が、どうやって中国について書けるというのでしょう?」

同助教授自身は、中国語が堪能だそうですが、出版社からコンサルタントを依頼されたことは、一度もありません。
「中国では、当局が英語で発表しない事実こそ、重要で面白いのです。中国社会の内側に入り込んでいくためには、中国語は不可欠。
NRKは、フランス語ができない特派員をフランスに派遣することはありません。でも、他の国へは、それが許されるのはおかしい」と、NRKの海外取材姿勢に疑問を投げかけています。

オスロ大学のインド専門家、Arild Engelsen Ruud(アーリル エンゲルセン ルードゥ)も、同じような批判と疑問を抱いています。
「NRKの有名な特派員が書いた本について、出版社がきちんと内容をチェックしているとは思いません」とコメント。
その例として、1999年に出版された”インド本”が、ステレオタイプな描写と事実に反する記述が、ひどかったと挙げています。

日本に比べ、テレビのチャンネルが少なく、長年、ノルウェーのテレビを独占してきたNRK。
それだけに、人々が寄せる信頼と安心が高く、特派員が書く本にも、話題性と引き換えに内容に関する高い信憑性が求められているのでは?
NRKの反論に期待します。


・サンタの人材難

「本当に、クリスマスの商業化にはうんざり!」
と嘆くノルウェー人があんなにいるのに、どうして年々、商業化の度合いはひどくなっていくのでしょう?
不思議です。

日本にも、北欧各国からそれぞれが「本物のサンタだよ」と自認する人たちが、来日するようになりましたね。
「でも来日まで果たすサンタさんは、選ばれし者に違いない」と思わず膝を打ったのが、2003年10月23日付、Aftenposten(アフテンポステン)の記事。
それによると。。。

ノルウェー各地のショッピングセンターやデパートのクリスマス商戦に欠かせないのが、「サンタさん」(ノルウェー語では、Julenisseですね!)。
大事な潜在的顧客である「子ども」を惹きつけるには、やっぱり効果大です。

ところが。
なんとその「サンタさん」が、需要に追いつかず供給が間に合わないとか。
人材派遣会社のマンパワーなどでは、「サンタ求む!」と必死です。
もちろん、誰もが「サンタさん」になれるわけではありません。
人材派遣会社が求めているサンタ像は、伝統的な「ニッセスタイル」ではなく、アメリカナイズされた「サンタクロース」です。
50歳以上、太め、長めの髭。そして、人当たりの良さ!(←髪の量は関係ないようですね)
派遣会社の担当者氏曰く。「もし十分な人数が確保できないと、直接、街頭に出てスカウトしかない」 − 天罰とかないんでしょうか?Hmmmmm

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