2008年ノルウェーへの旅


その3~Volda(ヴォルダ)って知ってますか?~

世の中、まめにメールをくれる人もいれば、こちらも驚くほどの稀なペースでしかメールをくれない人もいます。

もう13年前に、ヴォルダカレッジでノルウェー語を教えてくれたReidun(ライドゥン)先生は後者のタイプ。全然音沙汰がない時が数年続いたかと思えば、突然、メールを送ってくれます。

今回の旅行中、はるばる西ノルウェーの小さな町、Voldaを旅程に加えたのは、彼女がくれた気まぐれなメールのせい。私が10月にノルウェーを旅行すると返信で書くと、軽い調子で「ヴォルダに来ない?」と誘ってくれました。まるでオスロの隣町であるかのごとく・・・。最初はこう思いました。「あんな小さなプロペラ機に乗って行くわけないでしょ!」って。でも年のせいでしょうか。妙にセンチメンタルになってしまい、「この機会を逃せば、もう二度と、あの思い出いっぱいのヴォルダを見ることもないんだ」という思いが強まったのです。

最初の留学地ヴォルダという土地。拙著「わたしのノルウェー留学」でもしつこく書きましたが、楽しい体験もあったけど、その倍以上、たーくさんの辛酸をなめた場所でもあります。でも月日が経つと、きれいな景色や楽しい思い出の方が記憶に蘇ってきます。記憶っていい加減なものですよね。

「よし、行くぞ!」と決意し、オスロからヴォルダまでのエアチケットをネットで予約しました。

プロペラ機 そうなんです。西ノルウェーには鉄道が通ってない場所が結構あるんです。ヴォルダまでは、Widerø社のプロペラ機が飛んでいます。
ガルデモーエン空港でチェックイン後、カウンターへ。やはりローカル線のためでしょうか。空港のいっちばん端っこの方まで歩かないとカウンターには到達できません。
ようやく飛行機に乗り込む時が来ました。懐かしのDASH-8・・・。
13年前に初めて見た時は、我が目を疑いました。これ、ちっちゃい。本当に飛ぶの?って感じで。全部で20人乗りくらいでしょうか。当然、全席自由席です。
ノルウェーはいろいろと変化を遂げてきましたが、DASH―8は変わってませんでした。
空からの風景1 空からの風景2プロペラ機は落っこちそうで怖いです。
飛行中、音もうるさいです。
でもいい点もあります。そんなに飛行高度が高くないので、眼下の景色がよく見えます。
西ノルウェー特有のダイナミックな景観が楽しめました。
空港
途中一箇所の経由をはさみ、2時間ほどでヴォルダに到着します。

世に空港は数多く存在しますが、ヴォルダの空港は、地方の鉄道駅のようなたたずまい。とってもこじんまりしています。空港にタクシーなんて止まっていません。

ライドゥン先生が迎えに来てくれていました。
先生が運転する車に乗って、空港からヴォルダの街中へ向かいます。窓の外には懐かしい景色。そして先生の話す懐かしい方言・・・。ってあまりしみじみできないのが、ノルウェーの方言のつらいところ。油断していると何を話しているのか分からなくなるので、がんばってヒアリングします。

先生のお宅1先生のお宅2先生のお宅3先生のお宅に到着。街の中心地から近くです。この辺では全然珍しくない無駄にでっかい家。先生がお茶を用意している間、勝手に何枚か撮らせていただきました。
ライドゥン先生
ワッフルを食べながら、日本についてたくさん質問をされました。先生は、数多くの外国人学生と接した経験を生かし、ノルウェー人論も著しています。外国人から見たノルウェー人、が興味の対象なのですね。

夕方になり、旦那様と息子さんが帰宅。16時には家族揃うって、うらやましい限りです。

食堂 リビングこの日は、先生が赤十字のボランティアで、地元の老人ホームを訪ねることになっていました。私も同行です。

ヴォルダは西ノルウェーの土地がそうであるように、アップダウンがきついです。坂を上って、かの老人ホームはありました。自治体が運営するホームです。
訪問先は、90歳を越えた女性です。その年齢が信じられないほど、かくしゃくとした人でした。
ホーム内の食堂、リビングの写真を撮りました。
コンサート
1階の玄関ホールでは、おじさんバンドが出張コンサートをやっていました。
広々とした空間、趣味の良いインテリアが印象的な場所です。

帰宅する途中、ヴォルダの街中を散策したのですが、グローバル経済の影響でしょうか。昔はなかったレストランが幾つかあって、「ヴォルダも変わったのね~」としみじみしました。当時は本当に、外食なんて考えられないような土地だったのに・・・。

料理をする旦那様
帰宅後、先生の旦那様がおいしそうなサーモン料理を作ってくれました。

ディナーには、カレッジで日本語・日本文化を教えているTengyoさん(リレーエッセイご参照ください)が参加。ヴォルダが相当気に入っているらしく、流暢な英語でいろいろと楽しくおしゃべりをしてくれました。いいな・・・英語ができるって。

ヴォルダカレッジ
さて翌日。いよいよヴォルダカレッジを訪れます。
「どうしてヴォルダで勉強したのですが?」とよくノルウェー人に聞かれるのですが、外国人学生にノルウェー語と社会科を教えてくれるコースは、こことテレマルクカレッジが有名なのです。
13年前、アジア人留学生は私だけでした。ここ3年ほどは、中国人学生が急増しており、現在26人のクラスの半分が中国人だと先生に聞き、これまた驚きです。
昔よりも、棟が増えていて中はモダンでおしゃれでした。ヴォルダカレッジのおしゃれな看板です。
教室
今のクラスを見学。椅子が以前に比べておしゃれになっていました。
1脚何万円もしそうな椅子がこんなにたくさん・・・・。持って帰りたくなりました。

図書館
図書館もいい感じになってました。学生は、ipodを耳に、パソコンで作業をする姿が多かったです。

食堂
食堂も、うらめしいほど素敵になってました。
前に比べると4倍くらいの広さでしょうか・・・。こんな田舎におしゃれがあふれていて、もったいないです。でもノルウェー自体がそういう国なんですよね。

パンケーキ
昔、ほぼ毎日食べていたスヴェラという西ノルウェー名物のパンケーキを食べました。中に山羊のチーズが入っていて、私が当時、劇太りした要因です。
懐かしい味がしました。


もう午後にはオスロへの帰路に着くため、再びDASH-8へ。

来年も来たいな~と思っている自分がコワイです。先生、どうもありがとうございました!




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その2~オスロ街中散歩~

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