グレーテルのかまど「スプーンおばさんの”ワッフル”」余話

昨夜のNHK Eテレ「グレーテルのかまど」はご覧になられましたか?
OA中はドキドキでしたが、ちょっと振り返ってみます。

制作スタッフの皆さんが、拙宅に来られた時。
機材とスタッフの多さで、まずびっくりしました~。
皆さん、どんどん収録準備を進めていくので、私は正直「邪魔」。台所で、ワッフルのたねを作っています。

インタビューシーンの収録では、キーワードを紙に書きテーブルに置いていました。つい視線が下にいってしまいます。それがダメなんですよね~。
スタッフの皆さんは優しく「大丈夫ですよ」とおっしゃいますが「ああ~~~、私のせいで撮り直しが続く・・・」と焦りはつのります。これだから素人は・・・!
なので「テレビ映りは?顔テカッてない?」といったことは「二の次、三の次」。考えている余裕、なかったです!
そこから、編集されたインタビュー映像がOAで流れたとおりです・・・。は~~~~。

それから、アネッテさん、イーダさん、ラーシュさんのノルウェー人チームが合流。
聞けばラーシュさんは「ノルウェー帰国前日」とのこと。思いがけず「送別ワッフルパーティ」になりました。

ディレクターからの質問で、みんなのワッフルの思い出を聞いていると「へ~、そうなんだ」と横で聞きながら楽しかったです♪
ワッフルのレシピは無限。みんなとワッフルの思い出もさまざま。
ラーシュさんが「クジラを使ったワッフルレシピを見たことがある」と発言し、え??と驚きました。残念ながらカットされちゃいましたね。

あと嬉しかったのは、ディレクターが「せっかくだからノルウェー語でお話ししてもらいたいです」とおっしゃって下さったこと。
旅番組などでも、ノルウェー人が英語を話す場合が多いですよね。もったいない!あのワッフルパーティの部分は、映像翻訳もお手伝いしました。

OAを観て「カルダモンは北欧のお菓子に欠かせない」といった趣旨のシーンがありました。
アルフ・プリョイセンとともに、ノルウェーのラジオで人気者となったトールビョルン・アイナル(Thorbjørn Egner)。
彼の代表作に”Folk og røvere i Kardemomme by“「カルダモン町の人々と泥棒」というお話があるくらい身近な存在なんですよね。

番組で「カルダモンはパウダーではなくミルで挽いた方が香りがいい」とありましたが、私もパウダーは使いません。
ワッフルの材料を混ぜながら、カルダモンの粒を挽いていると、何ともいえないいい香りがただよってきます。ぜひ、お試しあれ!

おまけ。
瀬戸康史さんやキムラ緑子さんが集まるスタジオ収録には、参加しませんでした。
しかーし。図々しく、”Teskjekjerringa”「スプーンおばさん」のノルウェー語版に、瀬戸さんのサインをお願いしちゃいました~。

ヘンゼルのサイン

さすが第一線で活躍されている方の「人徳」を感じるサイン。「ヘンゼル」と書いてあるのがお茶目です~。

ノルウェー夢ネットでは、ノルウェー語レッスンで、ノルウェーワッフルをbrunost=ブラウンチーズと一緒にお出ししたり、また「ノルウェーについて学ぶサロン」で「ワッフルパーティ」を開催しています(サロンは次回未定です)。

また昨年は、谷中ひるねこBOOKSにて「ノルウェーワッフルを食べながらノルウェー絵本トークショー」もやってみました~。
ノルウェーワッフルも、ブラウンチーズも初めて!という方が多いので、楽しかったですね。
サロンの方は「ワッフルの回には絶対に来る常連さん」が存在します。
しみじみと「ノルウェーワッフルの引きの力」を感じますね。

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2/16発売のノルウェー絵本『うちってやっぱりなんかへん?』(トーリル・コーヴェ著、青木順子訳、偕成社)の紹介をサイトにUPしました!
関連イベントも掲載しましたので、ぜひお申し込みをお待ちしています♪

http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/moulton.htm

グレーテルのかまど「スプーンおばさんの”ワッフル”」放送!

「え?スプーンおばさんってノルウェーの作品なんですか?」
何度、聞かれたかわかりません・・・。日本ではNHKが放送したアニメーションでおなじみですよね。

Teskjekerringa“『スプーンおばさん』は、ノルウェーの児童作家・シンガーAlf Prøysen(アルフ・プリョイセン)を国際的にメジャーにした作品と言われています。

絵本で描かれたプリョイセン

NHK Eテレの「グレーテルのかまど」制作スタッフから「スプーンおばさんとノルウェーワッフルを取り上げるので、取材に協力してほしい」と連絡があったのは昨年でした。
おお!大好きなノルウェーワッフルとスプーンおばさんがセットでやってきた~と嬉しかったですね。しかも「グレーテルのかまど」。テンションUP!

「ノルウェーに関する情報は少ないです」と苦労されているスタッフの方々に「ノルウェー伝道師としてサポートせねば!」と使命感を(勝手に)感じて、改めて『スプーンおばさん』を読み直してみました。
強く感じたのは「ノルウェー民話とのつながり」です。

19世紀。ドイツのグリム兄弟のように、ノルウェーではAsbjørn og Moe(アースビョルンとモー)がノルウェーの各地を旅して、土地の人々が話す「お話」を聞き取り「ノルウェー民話」として本にしました。『3びきのやぎのがらがらどん』もその一つです。
民話には、たくさんのkjerringa=おばさんが登場します。kjerringaは、おばさん、既婚女性、妻といった意味があります。
日本語でも「おばさん」の使い方は要注意ですが、kjerringaも言い方次第では「このババア!」みたいなニュアンスになりますよ~。

ノルウェー民話で描かれるkjerringaは・・・・強い!たくましい!まさにノルウェー女性です。
ダンナと壮絶な喧嘩をするkjerringa。こんなイメージです。

スプーンおばさんは、そこまでバイオレンスなおばさんではありません。
でも、よーく読むと「強い」ですよね。スプーンくらいの大きさになっても、動物や子どもを助けるおばさん。人のいい旦那さんを、上手く言いくるめちゃうおばさん。硬軟あわせもった強さを感じます。

他に民話とのつながりを感じたのは「耳になじむお話」であることでしょうか。
そもそも民話は本で読むものではなく、おじいちゃん・おばあちゃん、お父さん・お母さんが子どもたちに聞かせた「耳で伝わったお話」です。「口承文学」ですね。
戦後、アルフ・プリョイセンはラジオで人気者になりました。
まだテレビがなかった時代、ラジオから流れてくる彼の面白いお話と楽しい音楽は、熱狂的に愛されました。
『スプーンおばさん』は、耳に心地よい「歌うような物語」だと感じます。実際、たくさんの歌が挿入されていますね~。

リサーチ中に気づいたのですが、ノルウェーのサイトで”Teskjekjerringa”の紹介には「ノルウェーではなく、まずスウェーデンで出版された」というフレーズが必ず入っているので笑っちゃいました。
スウェーデンでも人気!と強調したいのでしょうね。あと日本のアニメーション化も言及されてますよ。

あ~~~、ノルウェーワッフルへの愛を語るスペースがなくなってしまいました~。
ノルウェーワッフルの魅力」というブログを以前、書きましたので、ぜひご一読ください!(今は骨折中でワッフルが焼けないのが悲しいです・・・)
ハート型のワッフルは、ノルウェーにどっぷりつかっている身としては、当たり前なんです。でも、初めての人は「可愛いですね~」と反応してくれるのが嬉しいですね。

http://norwayyumenet.noor.jp/2016/12/09/11844/

さらに、北欧ビンテージショップFukuyaの三田さんが、番組へ食器やワッフルアイロンを貸出された顛末をブログに書かれてます。
以前、三田さんのワッフルアイロンを見て「これ、絵になるしおいしく焼ける!」と思っていたんです。
普通の電気式マシーンにはない味わい。なので番組スタッフへ推薦しちゃいました~。

http://www.fuku-ya.jp/blog/2017/01/27/9479/

肝心の「グレーテルのかまど」放送情報はこちらから~。2/6(月)です!

http://www4.nhk.or.jp/kamado/x/2017-02-06/31/7814/1440401/

予告編を見ただけで具合が悪くなるほど小心者です。
参考映像の収録は拙宅だったのですが、不慣れかつ「収録ってこんなに大変なんだ!」と思うほど長い時間がかかりました。
運が良ければ、ちょっとだけインタビュー映像が流れるかと・・・。あとノルウェー人のアネッテさん、イーダさん、ラーシュさんも収録に参加してくれました、Takk!

放送をきっかけに、ノルウェーワッフルとスプーンおばさんへの興味が高まりますように♪