オスロとトラ

まだ猫ロス真っ最中です・・・。て事情を知らない人は分からないですよね。要するに猫がいなくなって引きずっていま~す。
そんな私を慰めてくれているのは、トラと少年の彫刻。「オスロ」というタイトルです。

どうしてトラがオスロなの?と不思議がっている人~~~。まだまだノルウェークイズ王にはなれませんね。
オスロ中央駅の階段下に、大きなトラの彫刻があるのはご存知ですか?たくさんの観光客が写真を撮っていますが「なぜここにトラが?」と理由を知っている人は少ないかも。
実は、オスロは「トラの町」=Tigerstadenと呼ばれているから、あの彫刻が置かれているのです。

オスロといえばトラ!

でもでも。なぜオスロがトラの町なのか?結びつかないですよね~。
あるノルウェー人留学生に「どうしてオスロはトラの町なのか知ってる?」と聞いたら「知らない」との返事でした。案外、知らない人が多いのかもしれませんね。

国語審議会(Språkrådet)のサイトに答えが書いてあります。
イプセンと並びノルウェーを代表する19世紀の作家・文化人のB.Bjørnsonビョルンソンが「クリスチャニア(当時のオスロの呼称)は見知らぬ者に対して、憎悪と冷淡さに満ちた町」と表現したそうです。
当時、職を求めて地方からたくさんの人々が首都に移住しました。ですが待っていたのは、劣悪な労働条件の工場や女中の仕事。冷酷な町で、搾取され血の涙を流した地方出身の労働者たちの歴史を鑑みると、なるほどね~と思っちゃいます(←その場にいたのか!とツッコミ入れたくなります・・・)。

オスロ中央駅前です

しかーし、そんな恐ろしい意味を持つ表現を、わざわざ彫刻にして外国人もたくさんやってくるオスロ中央駅に鎮座させているか??
今では「国際的でダイナミックな町」と肯定的な意味を持つようになったと解説しているサイトが散見されます。
まさに物は言いようですね。

・・・解説が長くなりました。この「オスロ」は、ノルウェー語レッスンを受講している川浦麻友美(かわうら・あゆみ)さんの作品です!「トロールの絵付け教室」の講師も務めて下さいました。
4月に前橋で川浦さんの2人展を見にいきまして、素朴さと静謐さ、あとちょっぴりユーモアも感じられる作品の数々を鑑賞しました。
ノルウェー好きには特にたまらないラインアップでしたね。

マリウス柄!

漁師!

ノルウェー民話のモチーフ

もうすぐノルウェーへファームステイに旅立つ川浦さん。
猫ロスを癒し、そして部屋にオスロを感じる彫刻をありがとうございます♪ Lykke til!

***************************************************************************************
ノルウェー語7月期募集がスタートしました! 
初心者はもちろん学習経験のある方も、既存クラスへの合流はご相談・お申込みください♪
詳細・お申し込みは以下のリンクをご参照くださいね。

http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursannai.htm

各回参加のセレクトレッスンのスケジュールは以下の通りです。
7/9(日)「超!ノルウェー語入門」簡単な挨拶・よく使うフレーズを学びます。
7/27(木)「ビジュアルで学ぶ初めてのノルウェー旅」ノルウェーの写真をタブレットPCでお見せしながら、使えるフレーズを学びます。
8/6(日)「ネイティブによる発音講座」アルファベットの発音から、日本人が特に苦手な単語や音をアーレン先生が丁寧に教えます。
こちらのリンクをご参照くださいね。

http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursschedule.htm

皆さまのご応募をお待ちしていまーす!!!

トロールの絵付け教室!

ノルウェー夢ネットの「セレクトレッスン」は、テーマ別に各回参加のスタイルのクラスです。
「超!ノルウェー語入門」と「ネイティブによる発音講座」は定番ですが、残りの1回はどうしようかな・・・と迷っていたのが昨年。
生徒さんたちに「どんなテーマがいいでしょうかね?」と相談したら、「ニットカフェ教室」が誕生しました。
そして、彫刻と酪農を専門にされ、毎週、群馬から通って下さっている川浦麻友美さんと雑談している時に、なぜか「トロールの絵付け教室」まで話がふくらんだんですよ~。
「可愛くないだの、お土産にもらっても困るとdisられるトロールを、あなた好みのものにしませんか?」
「ダーラナホースの絵付けに対抗しよう!!!」みたいに、きっと勝手に妄想話が発展したんです。

「トロールの絵付け教室をやりたいです」とサイト管理人に伝えたら「人が来ますか?」と懐疑的な反応。
やっぱり妄想話レベルかしら?と思いつつ、募集をかけてみたら・・・最終的に応募が予想以上にありました!

そして、3/18に「トロールの絵付け教室」が開講されました!

川浦さんがテラコッタでトロールの土台を用意し、4人の参加者がそれぞれに色を塗っていきます。
最初にノルウェーの絵本から、トロールがどんな風に描かれているかお見せしました。

3匹のやぎのがらがらどん』のオリジナルのノルウェー民話”De tre bukkene bruse“で描かれたトロールは、裸にパンツとサスペンダー。ワイルド系。

北欧絵本イベントでも紹介した虫歯トロール兄弟”Karius og Baktus”は、かなり人間に近く描かれています。

川浦さんは「人に教えるのは初めて」とのことでしたが「では下地を塗って行きましょう」と落ち着いた口調で、見本を示しながら塗って行きます。
「普段、絵を描くことはやってません」という方が多かったので、筆や色の選び方も、川浦さんが朴訥とアドバイスします。
きちんと下書きをする人もいれば、「先生、ここが描けないのでお願いします」と川浦さんに託す人もいて、作業の進め方がまちまちで面白かったですね。
雰囲気づくりに、ノルウェーのネットラジオをかけてみます。

「和風に描きたい」という声には「いいと思います」と川浦さん。
「マリウス柄のセーターに挑戦したい」という声にも「いいと思います」と川浦さん。
「緑に赤の組み合わせってダメでしょうか?」という声にも「いいと思います」と川浦さん。

普段のレッスンからわかってましたが、川浦さん、度量が広すぎます!
そもそもトロールは超自然的な生き物であり、想像力をどんどん広げられるオブジェなのだな~と悟りました。

マリウス柄は爪楊枝を使って描きます

ノルウェー国旗♪

と同時に、予定の90分ではとても足りない・・・ということも分かってきました。
最後に完成したトロールを並べて、ノルウェーワッフルをお出ししようと思っていましたが、帰宅を急がれている方がいるので、途中から焼き始めます。

部屋は、新聞紙と画材、トロール、受講者のみなさん、川浦さん、ネコたちとノルウェーワッフルとブラウンチーズ・・・どんどんカオス状態に!

15時半終了予定ですが、最終的には16時40分くらいまで、絵付けに時間がかかった方がいました。
作品を見ながら、川浦さんが「いいと思います」「ステキですね」とコメント。多弁ではない分、一言一言に重みが感じられます。
最後に皆さんに感想を伺ったところ、
「こんなに集中できると思っていなかった」「精神的・肉体的にも集中しすぎて手が震えてきました」など、トロールの絵付けにすごい集中されたことがわかりました。

左:川浦さん作品
右:和風トロール

川浦さんからは「皆さんがとても集中して作業してくれて良かったです。途中、集中が切れたらどうしようかと思ってました」とのこと。

さらにさらに。川浦さんが勤務されている東毛酪農のカマンベールチーズを、受講者みなさんにプレゼント!

私自身、このプレゼントは想定外だったので、お心遣いに感謝です~。
参加者のうち現在の生徒さんが3人、1人は5年前くらいに通ってくれていた方だったのですが、セレクトレッスンは時に「再会の場」でもあるので、嬉しいですね。

5月からノルウェーへファームステイに行かれる川浦さん。以前「農場をやりながら、彫刻をしたい」という夢を聞かせていただきました。
ノルウェーには、リンゴ農家兼国民的詩人のOlav H. Haugeがいましたから(以前のブログで書きました)、「ステキな夢!」と思います。
渡航費用を捻出するため、彫刻の展示会を開催されるそうです。

********************************************************
Turning Point (川浦麻友美+佐野美里)
4/1-4/16
F-Ritz Art Center
群馬県前橋市敷島町240-28
URL:http://theplace1985.com/
******************************************************
マリウス柄セーターの少年、他にも漁師や白くまなどノルウェーをモチーフにした彫刻が楽しめるそうです。どうぞ、川浦ワールドをご堪能ください♪

***************************************
来期のセレクトレッスンの予定です!
4/8(土)「超!ノルウェー語入門」残3
5/28(日)「メール・手紙の書き方」
6/10(土)「ネイティブによる発音講座」

内容詳細はこちらから! 各回参加なので、お気軽にお申込みください~♪
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursschedule.htm

まだ日程は決まっていませんが、オスロ大学に正規留学中の方が、一時帰国を利用し、留学までのプロセス・体験談を語ってくれるセレクトレッスンを設ける予定です(6月)。決定次第、SNSなどでお知らせしますね。