シャイもしくは薄い人

ノルウェー人はシャイですが・・・」という前置きをよく耳にしますし、私も使っています。
シャイ・・・ノルウェー人以外の外国人との交友は限られているので、よくわからないのですが、ずばり“Sjenanse”「シャイ、内気」というタイトルの絵本があります(Anna Fiske著)。

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この絵本の表紙を見せると、生徒さんたちは「ちょっとコワいです」と反応しちゃいますね~。
確かに、シャイや内気よりも「怨念」とか「怨恨」とかよりディープなタイトルを連想してしまいます。

ノルウェー人の「シャイ」のイメージがこういう感じなのかは、ちょっと置いておいて、改めて「ノルウェー人シャイ説」を考えてみたいと思います。

シャイと言えばシャイ。
だけど、「感情の表現が薄い」(注:髪の毛の量に非ず)という表現の方が近いかもしれないな~と思っています。
特に若い女の子同士はハグをしょっちゅうしていますが、ヨーロッパの他の国のように頬にキスまではしないですね~。

J-waveの滝川クリステルがナビゲーターをしている日曜の番組では、ブラジルや南米の音楽を紹介しています。
その歌詞をよくクリステルさんが朗読してくれるのですが、「愛がないと生きている意味がない~」のオンパレード。
ラテン民族の「濃さ」を感じます。

さらに、ペルシャ語をお仕事にされている生徒さんから「イラン人は性格が濃くて、なのでノルウェーの薄さに癒されます」と聞くと、「なるほど~!」と納得しちゃいます。

感情がないわけではないんです、もちろん。
だけど、そんなに強い言葉や表現方法をしないと思うんですよね~。
寒い国で生きているせいか、感情表現用のエネルギー放出を抑えている・・・という学説は存在しませんが。

ただ、「薄い人」って得だな~と感じます。
例えば、そんなシャイな人からちょっと優しい言葉や、愛情を示してもらうと、より効果や信頼性があると思いませんか?
あと「薄い人」たちなので、うざったいと感じることはほぼ皆無。楽チンです~。

「薄い人」が好きな人には、ノルウェーは快適だと思います♪
塩系の次は「薄味系」が流行る!!(←影響力ゼロ。。。)

オスロのユニークな書店~ノルウェーの絵本を訪ねる旅 2~

・・・すっかり間が空いてしまいましたが、続いてます!!

オスロ行の前に、ユニークな絵本に出会える書店を訪ねようと考えました。
まず思い浮かんだのは、Tronsmo(トロンスモ)。チェーン店が多いノルウェーの書店で「独立」を貫き、他店とは違うこだわりの書棚は、お客さんはもちろん、多くの作家からも愛されている書店です。なので、以前に倒産危機に陥った時も、作家たちが中心に「Tronsmoを守る!」運動が盛り上がり、お店は存続できました~。
早速、書店にメールを書き「児童書コーナー担当の人と連絡したい」とお願いしたら、「最近、お店が引っ越したばかりでバタバタだけど、いいわよ」とあっさりOK。より中心地での広い場所に移ったそうです!期待でワクワク!

・・・ということで、ナショナルギャラリー前に引っ越したTronsmo。まだ外観は工事中でしたが、中は「おお~」と感動の広さ、そして美しさ、明るさ!!

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児童書コーナーは入口右にあり、担当者のMette(メッテ)さんが明るく迎えてくれました~。

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そのコーナーは、大人でもテンションUPになる空間で、子どもだったらどんなに楽しいだろう、と思い写真を何枚も撮りました。やり取りを抜粋しますね。

ーどんな書棚を心がけている?
「ノルウェーの作家をできるだけ多く紹介するようにしています。もちろんアストリッド・リンドグレーンやトーヴェ・ヤンソンなどはノルウェーでも人気ですが、ノルウェーにはとても素晴らしい絵本作家やイラストレーターがいるんですよ。」(具体名を挙げながら説明してくれました)

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ーこのよく分からないオブジェは??
「これ面白いでしょ? 店を新装するにあたって、いろいろな作家やアーティストが協力してくれたんです。このオブジェは子どもたちに大人気だし、あと絵本作家のAnna Fiske(アンナ・フィスケ)もお店のために絵を描いてくれたのよ。」

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Anna Fiskeのイラスト

Anna Fiskeのイラスト

ーネット書店や大型店は脅威ではないですか?
「それほどライバル視はしてないです。というのも、お客さんたちは”Tronsmo”でしか見つけられない本を期待して足を運んでくれるから。」

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他にも、ノルウェー絵本の特徴(育児放棄や離婚した子どものつらさといった先進的なテーマに挑戦しているなど)や店で開催するイベントの話を伺いました。
さらに、この可愛らしい児童書コーナーには、保育園の子どもたちが先生に連れられて遊びに来ることも珍しくないそうです。
その時には、子どもたちが床に座って、Metteさんが絵本の読み聞かせをするそうです!
またTronsmoは、前述した通り、作家からも人気の書店。出版社側からイベント要請が多く、イベントも頻繁に開催されているとのこと。
お店とお客さん・作家やアーティストの距離の近さを実感しました!

とても元気なMetteさん!

とても元気なMetteさん!

2軒目は、Svovel(スヴォーヴェル)というお店です。NORLA(ノルウェー海外文学普及協会)から「ここは面白いみたいよ!」と教えてもらい、アポを取りました。
住宅地の中にあるお店、しかもお店をやっている人たちの本業はグラフィックデザイナー、カメラマンの3人組です。
グラフィックデザイナーのEllen(エレン)さんにお話しを伺いました。Ellenさん自身、大手紙などのグラフィックデザインの仕事を今でも継続中。

笑顔がキュートなEllenさん

笑顔がキュートなEllenさん

Svovelは、とても小さな事務所兼ショップですが、「おお!!」とまたまたテンションUPな空間です。
絵本はもちろん、可愛いおもちゃやオブジェがディスプレイされていて、半日くらい過ごせそう・・・。Ellenさんは、とっても歓待してくれました!

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以下、やりとりを抜粋します。

ーずばりSvovelのモットーは?
「他の大型書店では扱わない小さな出版社の良質な本を置くこと。新人作家に注目することも大事ですね。あとは、お店の棚や雰囲気、おもちゃなどディスプレイで近所の人がふらっと立ち寄ってくれるお店を目指しています。」

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ーお店のスタッフ3人とも他に仕事がありますが・・・
「お店と事務所の両方で働くのはとても楽しいです。ずっとグラフィックデザインの仕事をするのではなく、可愛いものに囲まれたお店でお客さんとお話しをしたり、近所の人と立ち話するのは刺激を受けますよ。」

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他にもいろいろ興味深いお話しを伺いましたが、長くなりすぎるので割愛しますね・・・。
こんなに小さなお店でも、やはり近所の保育園の子どもたちが先生に連れられて、遊びに来るそうです!そしてEllenさんが読み聞かせにもトライするとか。

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なおSvovelは、森百合子さんの『3日でまわる北欧inオスロ』に「地元っ子に聞いた本音のおすすめ」ページで、私が紹介しているお店です。
ただ、今年からお店が移転して、さらに大きくなったと聞いてます。次回、訪ねるのが楽しみなお店です~。
Facebookの方が最新情報が見れますよ!https://www.facebook.com/svovel.fabrikkbutikk

TronsmoとSvovel、規模と歴史は違いますが、大型書店とは違うユニークな書棚を目指している点、根強い固定客がいることは一緒ですね。
また、「ノルウェーには素晴らしい絵本作家やイラストレーターがいる」と強調していたのが印象的でした。
あと気になったのは、子どもと本屋さんの距離の近さです。
両店とも、保育園の子どもたちが訪ねてきています。

週末は、読書と遊びを忘れないで と書かれてます

週末は、読書と遊びを忘れないで と書かれてます

ノルウェーの保育園児たちは森や野原など町の中でもよく見かけますが、書店訪問もしているんですね。
小さな頃から、絵本の愉しみが身につく環境が羨ましいです!

この2つの書店で体験したことは、もっともっと紹介したいですが、ここまでにしまーす。

つづく(であろう)