2月イベント情報~北欧からの贈り物 絵本とわたし~(Updateしました!)

とりあえず、2017年2月19日(日) は空けておいてください!
(翌週の26日も空けて下さると嬉しいです~。北欧ぷちとりっぷ開催!)

何も言わず、チケットを買ってくださいね~。テロップはこちらです!
・・・なんて「殿様商法」は通じないので、来年の2月19日になぜ「万難を排し、渋谷に行かなくてはいけないのか」説明をいたしましょう。

ノルウェーをはじめ北欧を愛する皆さまは、「トーキョーノーザンライツフェスティバル」(TNLF)の名前を聞いただけで「あ~、また渋谷が北欧になる季節!」と感慨深いでしょう。来年はどんな北欧映画に出遭えるのか楽しみですよね。

映画祭とともに、TNLF主催のイベントがあるのですが、来年は不肖・青木がイベントの1つに関わることになりました~!!
で、それが2/19なんです。

イベント情報は、TNLFのFacebookできれいにまとめて下さっていmるので、大部分を借用いたしま~す(おい!)。

イベント名:北欧からの贈り物~絵本とわたし~
日時:2017年2月19日(日) OPEN12:00 / START 13:00 (CLOSE16:30)
場所:LOFT9 Shibuya (ユーロスペース1階です)
チケット:前売券1,500円(ドリンク代別途) 当日券2,000円(ドリンク代別途)
*2017年1月7日10:00より イープラスにて前売券販売開始!

*本イベントは大人向けの内容となります。中学生以上は有料となりますこと、ご了承ください。

ノルウェー出身のアニメーション作家トーリル・コーヴェ(Torill Kove)。
米アカデミー賞の短編アニメーション部門に全作品がノミネートされ、TNLF2011で上映した『デンマークの詩人』は見事オスカーに輝きました。そのコーヴェ監督の最新作『わたしとモールトン自転車』が絵本になり、日本でも 『うちって やっぱり なんかへん?』 偕成社、青木順子訳)のタイトルで出版が決定!
TNLF2017ではアニメーション上映と共に、北欧の絵本の魅力を堪能するイベントを開催します!ノルウェーの愛されキャラクター・キュッパも登場しますよ~。

★短編アニメーション『わたしとモールトン自転車』上映
★トーリル・コーヴェ監督ビデオメッセージ上映
★ノルウェーの人気者!キュッパのアニメーション上映
★「うちって やっぱり なんかへん?」翻訳の青木順子のトークショー⇒作品解説やトーリルさんの他作品を紹介します!
★ゲストによる絵本愛あふれるトークセッション
☆スペシャルゲスト☆
稲垣美晴さん(猫の言葉社代表)
森百合子さん(北欧Book主宰) Continue reading

レトロでユーモラスな短編アニメーション映画&絵本!

ノルウェー出身でカナダ在住のTorill Kove(トリル・コーヴェ)は、アニメーション監督、絵本作家、イラストレーターです。

彼女のアニメーション作品を始めてみたのは、NHKで放送されていた時です。タイトルは、『わたしのおばあちゃんは王様のシャツにアイロンをかけた』(Min bestemor strøk kongens skjørter、2000年)。この映画はアカデミー賞最優秀短編アニメーション映画部門にノミネートされました。オリジナルあふれるストーリー、飄々としてユーモラスの語り口とスタイリッシュな画風。作風は一度見たら忘れられないです。以来、Torill Koveの作品は気になる存在となりました~。

Torill Koveがついにアカデミー賞を手にしたのは『デンマークの詩人』(Den danske dikteren、2007年)です。ノルウェーが誇るノーベル文学賞作家シグリ・ウンセットをモチーフに使った作品は、実は絵本にもなっています。絵本から読んだのですが、オリジナルティー溢れる見事な作品です(絵本を取り上げたブログはこちらから)。

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・・・前置きが長くなりましたが、Torill Koveが昨年のアカデミー賞最優秀短編アニメーション映画部門にノミネートされた作品は、『モールトンとわたし』(Moulton og meg、2014年)です。みなさんは「モールトン」と聞いてピンときますか? (ピンとこなかったワタシ・・・)
実は「モールトン自転車」というと、マニア垂涎の高級自転車なのです。モデルはユニークですよ!参考リンクを貼りますね~。

今回も絵本から入りました。主人公は3姉妹の真ん中の「わたし」。7歳の女の子です。時代は1960年代、ノルウェーの小さな町が舞台です。
「わたし」の語りで物語は進むのですが、彼女の悩みを読んでいると「子どもの時には、あんな些細なことをどうして気にしていたのだろう?」と懐かしい感じがします。

「わたし」の両親は建築家であり、独特な美意識を持つことから「わたし」の悩みはつきません。
ぜひ映画で確認していただきたいのですが、ダイニングの椅子はデンマークデザインだったり、マリメッコの洋服が登場します。
今の大人の目からすれば「いいな~、おしゃれ」と感じますが、「わたし」にとってはヘンなものでしかありません。60年代のノルウェーでは「先進的」すぎたのですね・・・。

物語は隣に住む「普通の一家」との対比で進みます。「わたし」の親友ベネディクテのお母さんは専業主婦。レースのついたワンピースを買い与え、お父さんはスポーティ。立派な犬もいます(名前もFlink=優秀という意味です。ナンセンの犬から名付けられたようですが・・・)。
それらのこと全ての「普通さ」を「わたし」は「うらやましいな~」と感じてしまいます。
マリメッコの生地でワンピースを縫う母や、町でただ一人、口髭を生やしている父とついつい比較し、ついにはお腹が痛くなってしまいます・・・。

ところで「モールトン自転車」。
3姉妹はみんなが乗っているような「普通の自転車」を欲しがっています。
そして父は自転車をイギリスから注文するのですが、この自転車こそが「モールトン自転車」でした。
前述したように「マニア垂涎の自転車」ですが、7歳の「わたし」にとっては「へんてこりんな自転車」にしか映りません。
でもラストシーンは、ほんのり明るいハッピーエンドです。

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実はとっても深いテーマを、Torill Koveはいつもの軽妙な語り口とスタイリッシュなイラストで描くことに成功した作品だと思います。
ノルウェー人の映画&絵本レビューを読むと、「レトロ」「ノスタルジック」という文字が目立ちます。
ファッションや風俗からもそれはうかがえますし、専業主婦が当たり前だった時代・・・まさに今のノルウェー人からすれば「懐かしい」な作品なのだなぁと納得しました。

こんなにあらすじを書いてしまいましたが、下のURLからぜひ映画をご堪能ください!。英語なので大丈夫ですよ~(多分・・・)。
この短編アニメーション映画はぜひ日本でも上映してほしいです!!トーキョーノーザンライツさん!短編映画祭さん!よろしくお願いしまーす!!

https://www.youtube.com/watch?v=G9zRYJb34sM

追伸:Torill Koveがイラストレーターとして手がけた絵本、Johannes Jensenも大のお気に入りです!サイトで紹介したページがあるので、ぜひご覧くださいね~。