各回のまとめ
ノルウェーについて学ぶサロン・講座レポート


第28回 「ノルウェーの音楽療法」
〜ノルウェー公認音楽療法士 井上勢津さんを迎えて

開講日時: 2008年7月19日(土) 13:00〜15:00
参加者数: 21名

●テーマ紹介文
今回のサロンのテーマは「音楽療法」。一般的にはあまり馴染みがないかもしれませんが、音楽を用いて人の可能性を広げていく活動のことです。そして一般的にはほとんど知られていないと思いますが、今、世界でノルウェーの音楽療法が注目をされているそうです!
今回講師にお迎えする井上勢津さんは、まさにノルウェーの音楽療法のスペシャリスト。ノルウェー政府認定の音楽療法士(ミュージックセラピスト)です。これまで、幾度とノルウェーに渡り見識を深めてこられた井上さんの講演は大変貴重なものです。以下、井上さんからお伺いしたお話の概要です。
ノルウェーで行なわれている音楽療法の多くは 『コミュニティ音楽療法』『文化中心音楽療法』『エコロジカル音楽療法』といわれ、今、世界の音楽療法界で注目を集めています。
 《コミュニティ》《文化中心》《エコロジカル》と言葉は違いますが、従来の音楽療法が問題を抱える個人や集団をその対象としてきたのに対し、これらの音楽療法ではコミュニティ全体をクライエントと考え、社会に変革をもたらすことを目的としています。
ノルウェーの音楽療法士B.スティーゲは「コミュテニィ音楽療法は、少しかもしれないが、世界を変えるかもしれない」とその可能性を語っています。
今回はノルウェーでの『コミュニティ音楽療法』や『エコロジカル音楽療法』の実践例を ご紹介しながら、ノルウェーの音楽療法についてお話したいと思います。
専門的なことを知りたい方はもちろんですが、音楽療法を通じてノルウェー社会の一端を学んでみたいという方に特におすすめのサロンです。実践もなさってくださるそうなので、難しく考える必要はありません。是非一緒にノルウェーの音楽療法を体験してみましょう♪
ノルウェー語ワンポイントレッスンは「楽器を演奏する」です。


●講演内容

講師紹介・井上勢津さんのプロフィール/ノルウェーの音楽療法〜音楽療法は誰のために?/はじめに/教育の場での音楽療法/研究重視/コミュニティへの広がり/環境療法的な視点/音楽療法は誰のために?/おわりに/ご紹介したヴィデオ、ご紹介した歌、関連サイト、ノルウェーの音楽療法教育機関
●ノルウェー語レッスン
楽器を演奏する Spille instrument
●付録
新規参加の方には・・・語学資料「ノルウェー語とは」
       その他 ノルウェー大使館、フィンツアー、スカンジナビア政府観光局
            提供の資料多数
●主催者後記
とてもわかりやすくお話いただきました
今回ほど前知識のないテーマについて、伺うことはなかったと思います。
ノルウェーにおいても、いわんや日本においても、「音楽療法とは何か?」と考える機会は今までありませんでしたが、井上勢津さんは初心者にも大変わかりやすく、お話をしてくれました。
ノルウェーにおける音楽療法とは、自分が漠然と抱いていたイメージとは異なるものでした。よりアクティブで、より広がりがあり、様々な可能性があるもの・・・という印象でしょうか。講演中、ノルウェー語の歌の紹介があり、また実際のコンサートの様子などをビデオで見ることができ、内容は盛りだくさんでした。ノルウェーびいきの私としては、ノルウェーの音楽療法は世界で先進的ということがわかり、嬉しい限りです。
言葉の壁などがありますが、これから日本でも「ノルウェーの音楽療法」が注目を集め、取り入れられればいいと思いました。がそのためには、ノルウェーのように音楽療法士をきちんと雇用する体制があることが前提でしょう。
勢津さん、本日はとても素晴らしい講演をありがとうございました。
(Aoki)

多くのみなさまとお会いでき、楽しい、あっという間の2時間でした。
拙い話で、しかもまだまだお話できなかったこともあるのですが、少しでもノルウェーの音楽療法について、そしてノルウェー人の音楽観や人間観について考えていただく場になったのであれば幸いです。
みなさまのノルウェーへの熱い思いを感じ、同じくノルウェーにかかわる者として、とても心強く思いました。ありがとうございました。
(Inoue)

今回のサロンで、私が一番印象的に感じたのは、講師の井上勢津さんの優しくにこやかなお話のなさり方です。その美しい歌声を披露してくださったときには、サロンであることをすっかり忘れて、勢津さんの世界に癒されていました♪
ノルウェーの音楽療法とは?の答えを学術的にどうのというのは私には難しすぎますが、体験的に感じ得るものがあったことは確かです。そしてまた、ノルウェーについて学ぶとき、どんな分野においても、その特徴は自然環境や国民性といった土台の上に築かれていることを改めて思い知らされました。
(Yoko)



第27回 第29回
参加者募集ページへ