各回のまとめ
ノルウェーについて学ぶサロン・講座レポート


第69回「ノルウェー人とお金の話」
〜経営学を日本で学ぶペーテルさんの考察から〜


開講日時: 2014年9月20日(土) 13:00〜15:00
参加者数: 17名

●テーマ紹介文
ノルウェーは、世界でもトップクラスの裕福な国です。
日本ではあまり話題にされませんが、EUにもユーロにも加わらず、独自の道を歩んでいます。
物価が高いことで、海外からの旅行者には敬遠されがちなノルウェーですが、個々のノルウェー人たちの暮らしぶりを見ても、それほど派手にお金を使っている印象はありません。
そんな、ちょっと気になるけどよくわからない「ノルウェー人とお金」の関係。
今回のサロンではゲスト講師に、ノルウェー屈指の経済大学ご出身で現在は日本に留学中のペーテルさんをお迎えして、あれこれ聞いてみることにしました!
一例を挙げてみましょう。
・家庭教育とお金〜お小遣いってあるの?日本のお年玉に代わるものはある?
・学生生活とお金〜アルバイトは?どこまで親に出してもらえる?
・仕事とお金〜職種間の格差はある?起業する人は多いの?
・個人の資産〜貯金はするの?住宅ローンは?家計は誰がにぎる?
・社会システム〜どうして裕福な国になれた?年金制度はどうなっているの?
・日本のこと〜日本人の働き方ってどう?日本とノルウェーはどんなビジネスができそう?
などなど、ノルウェーと日本で学び、将来の社会を担う若いペーテルさんならではの視点で、率直に語っていただきましょう。
ノルウェー語ワンポイントレッスンは「お金持ちとの会話」です。

●講師
青木順子(ノルウェー語翻訳・講師 ノルウェー夢ネット代表)
ゲスト講師 Peter Kristian Kværner
ペーテル・クリスティアン・クバーナー)さん
  立教大学 経営学経営科国際経営学専攻。
  ノルウェー・イェッスハイム出身。サンネフィヨルドやベルゲンにも在住経験あり。
  ノルウェー商業大学(ベルゲン)で経済および経営学学士を取得し、
  ファイナン ス分野でキャリアを積むことに専心。
  日本での滞在はトータルで2年。うち半年はノルウェー商業大学の
  交換学部留学生として過ごした。
  現在は大学の合気道クラ ブに参加、カラオケ好き。
  余暇は、ほぼ勉強に費やしているが、友達と過ごすこと、ギターを弾くこと、
  コンピューターゲームやトレーニングも行っている。

●講演内容
講師紹介/ノルウェー経済/仕事とお金/家族の家計/小さい時からのお金に関する教育/学生とお金/ノルウェー人と貯金/日本について/ノルウェーの将来的な経済の可能性

●ノルウェー語レッスン
お金持ちとの会話 〜Samtale med de rike

●付録
新規参加の方には・・・語学資料「ノルウェー語とは」
       その他 大使館やフィンツアー提供の資料

●主催者後記

毎回サロンでは、受講者のみなさんに「お越しくださった動機」を聞いているのですが、今回は特に「テーマに興味がある」という方が圧倒的でした。
世界的にもリッチな国ノルウェー、旅行で行って物価が高いと驚かれることが多いノルウェーですが、当のノルウェー人の金銭感覚などゲスト講師のPeterさんと、対談形式でお話しをしました。
やはり高校から経営学専門だったPeterさんのお話を伺っていて、いろいろな発見がありました。

・60年代に石油が発見されるまでノルウェーは貧しい国だったという認識はあやまり。海運業や重工業が成熟していた。
・やはり外食は高いので、一番安い夕食は学食で65クローネ(1100円)かな?学生はせいぜい1か月に1回が限度。
・若い人たちが家を持てるように「若者のための住宅貯金」(BSU)という制度があり、住宅購入目的で貯金+利息20%がプラスされる仕組み!20%・・・涙目です。
・リーマンショック前は頭金ゼロでも不動産は購入できたが、今は15%の自己資金が必要。
・大きくなった子どもに誕生日プレゼントにお金をあげることは割りとある。→直接口座振り込みもあり!

笑顔もさわやかなPeterさんです最後にいろいろな質問が出たのですが、「ノルウェーから石油が枯渇するのはいつ頃でしょうか?」と悲鳴を上げたくなる質問の答えは・・・あの会場の中にいた人たちの心の中にとどめておきましょう。私もその年から逆算して人生設計しないと!!
いずれにしても、何事もクリアに答えてくれるPeterさん。日本で働いてみたいという彼ですが、ぜひ日本の財政も立て直してほしいです。
(Aoki)

とても興味深い体験でした。
ただ「お金」「経済」がテーマだったので、みなさんが理解して頂けたか少し心配でしたが・・・。
いずれにしても、みなさんがノルウェーのことに興味を持っていただけるよう願っています。楽しかったです!
(Peter)

Peterさんとはサロンでが初対面でしたが、きっちりスーツを着こなして現れたその姿に、「お?これまで会ったことのあるノルウェー人学生とは何か違う。」と感じました。
そしていろいろお話を伺ってみるとやっぱり・・・・経済に関する知識の豊富さ、将来をしっかり見据えた堅実な人生計画、そして冷静で国際的な視点からの社会分析。
「こんな人に日本を任せたい。」と思わず言ってしまった私ですが、実は本音だったりします。
私自身、かれこれ15年以上もノルウェーに関わってきて、日本と比較する度に味わう羨望と「もやもや感」。好景気で、将来の年金の不安もなく、わが道を進むノルウェーですが、その国を動かしているのはこんな立派な意志を持った国民一人ひとりだと理解しました。
私を含め、文句や不安ばっかり言って行動できないのは日本人の悪い癖ですね。
少しはノルウェー人を見習って、10年後、20年後、さらに先を見据えた行動をし、もやもや感を払拭しなくては・・と真面目に考えてしまいました。
でも、「すき家」がお気に入りと答えてくださった、Peterさんの若者っぽい一面も忘れずに、将来のご活躍を楽しみにしたいと思います。
(Yoko)



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