各回のまとめ
ノルウェーについて学ぶサロン・講座レポート


第70回「北欧ミステリー祭り!」
〜翻訳家ヘレンハルメ美穂さんをお迎えして〜


開講日時: 2014年11月15日(土) 13:00〜15:00
参加者数: 22名

●テーマ紹介文
秋。読書の秋です。
秋の夜長、ミステリーにどっぷり浸かりたいですね。
ここ数年、世界的に注目されているのが「北欧発のミステリー」。 元々、著名なミステリー作家はいましたが、スウェーデンの「ミレニアムシリーズ」が爆発的な大ヒットとなり、北欧へ向けられる視線はヒートアップする一方。ノルウェーでは、ジョー・ネスボが世界的なヒットメーカーとなりました。
今回は「ノルウェーについて学ぶサロン」で初めて、北欧の中でもノルウェー以外の国のご専門家、翻訳家のヘレンハルメ美穂さんをお招きします!ヘレンハルメさんは数多くのミステリー小説の翻訳に携わっていらっしゃいますが、スウェーデン語から翻訳される貴重な人材です。
ヘレンハルメさんが実際に翻訳に関わったミステリー小説についてはもちろん、翻訳裏話&ご苦労話、北欧ミステリーの魅力、また日本ではまだそれほど知られていないノルウェーミステリーについても、MC役の青木と語りつくします。
北欧ミステリーは、その国の社会背景や風俗などいろいろ垣間見ることができます。
スウェーデン在住のヘレンハルメさんの目に映る「北欧人あるある」話なども語って頂きながら、MC青木と共にスパークしたいと思います♪
ノルウェー語ワンポイントレッスンは「お互いに挨拶する」です。ノルウェー語と一緒にスウェーデン語も覚えましょう!


●講師
青木順子(ノルウェー語翻訳・講師 ノルウェー夢ネット代表)
ゲスト講師 ヘレンハルメ美穂
さん (スウェーデン語翻訳者)
  2006年、スウェーデン南部・マルメに移住。
  訳書にスティーグ・ラーソン『ミレニアム』3部作(共訳)、
  ルースルンド&ヘルストレム『三秒間の死角』、
  ヨート&ローセンフェルト『犯罪心理捜査官セバスチャン』など
  ヘレンハルメさんのサイト:http://mhh.main.jp/

●講演内容
講師紹介/イントロダクション/『ミレニアムシリーズ』について
/北欧ミステリー〜スウェーデンミステリーを中心に〜/スウェーデン・北欧ミステリー、翻訳者あるある/スウェーデンとノルウェー、その他北欧とパリ/最後に

●ノルウェー語レッスン
互いに挨拶する 〜Hilse på hverandre

●付録
新規参加の方には・・・語学資料「ノルウェー語とは」
       その他 大使館やフィンツアー提供の資料、東京創元社さんのチラシ等
※当日は、ヘレンハルメ美穂さんの最新の訳書《犯罪心理捜査官セバスチャン
 (M.ヨート&H.ローセンフェルト著、東京創元社)上下各1188円(税込)を販売。

●主催者後記

ありきたりですが、私がヘレンハルメ美穂さんのお名前を知ったのは「ミレニアム」シリーズです。あの超大作を翻訳された方ってまさに超人・・・と想像していたのですが、翻訳ミステリー大賞シンジケートというサイトの企画で、ヘレンハルメさんとスカイプ対談したのですが・・・。
「こんなに面白い人なんだ〜!!」と感動し、かつ図々しく、「一時帰国の際には、サロンにぜひ!」とお願いしたのが実現して感無量です。(その時の様子はこちら

楽しい対談でした♪ヘレンハルメ美穂さんは、あれだけのお仕事をこなしているのにも関わらず、サロンの準備も完璧に仕上げて下さって、皆さんにお配りしたサマリーはお宝です!
今回は対談形式で進めました。パリに留学されていたのに、なぜ北欧へ?といった素朴な疑問からスタートし、「ミレニアム」の魅力、そしてスウェーデンミステリーと英米ミステリーの比較は、まさに会場にいらっしゃった方だけが得られた貴重な情報でした。
また、ヘレンハルメさんおススメの北欧ミステリーをジャンル別にリストアップして下さったのですが、「リゾート系ミステリー」を「ご当地ミステリー」と言い換えてしまうセンスに爆笑しちゃいました。

スウェーデンのお話を伺いながらもノルウェーと似ている、と感じたのはやはり「移民・難民問題」です。北欧福祉国家が抱える闇の部分と言えるかもしれません。この辺りの問題意識には、日本人読者にはピンとこないかもしれませんね。

スウェーデン人を始め、北欧人の国民性を伺ったのですが、ヘレンハルメさんは常に「一般化するのは難しいのですが」という前提でお話しされることが多く、ともすれば「北欧」でひとくくりにされてしまい、また私自身もしばしば自分の少ない経験値でノルウェーを語ることがあるので、そうした「誠実な姿勢」は見習いたいと感じました。

「ノルウェーおよびノルウェーミステリーについてダメ出しお願いします!」ということで、「もっと商売上手に!」、「いい作品があるのだから頑張ってください!」という叱咤激励をいただきました〜。
ぜひ次回の一時帰国の際も、もっともっと北欧ミステリーの魅力を語っていただきたいと切望しています!
(Aoki)

北欧ミステリーへの関心の高さを感じることができました。
ただそこへの入り口は、「海外ミステリー」ファンだから、「ノルウェーに興味があるから」など、いろいろですね。サロンが70回記念だというのに、スウェーデンの話でいいのかな?と思ってしまいましたが・・・。
ノルウェーはいいものを持っているので、もう少しがんばってください!
(Miho Hellén-Halme)

長くノルウェーに関わっている私ですが、北欧ミステリーについては詳しくないので、企画当初はこの「祭り!」についていけるか、少々不安がありました。でも、そこはヘレンハルメさんの明るく親しみやすいお人柄に救われて、楽しい時間を過ごすことが出来ました!
意識的にノルウェーのお話も入れてくださる心配りも嬉しく拝聴しながら、隣国スウェーデンへの興味も増しました。
参加者の皆さまへのアンケートでも、「楽しかった」とのご感想がたくさん並んでいました。中には、「今日までノルウェーとスウェーデンとデンマークとフィンランドと違いがわかりませんでした・・・」とか、「本のことだけでなく、それぞれの国、国民性の話が大変おもしろかったです。」「ノルウェーにもますます興味がわいたので次にスウェーデンに行く時には立ち寄ってみます。」といった主催者に嬉しいお言葉も。
「おすすめいただいた本をぜひ読んでみたい」とのお声も複数ありましたが、私もその一人。お恥ずかしながら、『ミレニアム』しか読んでいなかったので、まずは当日購入させてもらった『犯罪心理捜査官セバスチャン』から読破します!
翻訳されて日本語で読めることは本当にありがたいことですね。ヘレンハルメさんには、今後もたくさんご活躍いただいて、是非また、機会がありましたらサロンにお招きしてお話を伺えたら嬉しく思います。
最後に、当日はプロジェクターとPCの接続トラブルで、ヘレンハルメさんがご用意くださっていた写真の一部をご覧いただくことが出来ませんでした。この場を借りて、主催者としての不手際を心よりお詫び申し上げます。
(Yoko)



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