ノルウェー夢ネット企画・テーマ別講座・ノルウェー語入門コース |
●日時:【第78回】 2018年4月22日(日) 12:00~14:00 ●場所:日本映像翻訳アカデミー ●講師:青木 順子 (ノルウェー語講師・通訳・翻訳 ノルウェー夢ネット代表) ゲスト講師: Marit B. Frogner (マーリット B. フログネル) [プロフィール] オスロ大学 法学士 Cand.jur. (Universitetet i Oslo) 労働裁判所 裁判官 Dommer i Arbeidsretten ビジネスカレッジ 講師 Høyskolelektor II, Handelshøyskolen BI 欧州社会権委員会メンバー Medlem av Den europeiske sosialrettskomiteen 夫は現・駐日ノルウェー大使、一女・二男の母 |
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●参加者数: 41名 |
●講演内容:はじめに-裁判所、ノルウェーについて、組織化(組合化)することの自由、組合加入率、前提として、テーマ、給与、労働時間(一般的な労働時間/労働協約vs法律)、休暇(年次休暇/休暇日数と休暇手当/休暇取得時期)、休業(休業の例/妊娠、出産・養子、育児/両親の出産育児休業/子どもや近親者)、パートタイム-差別禁止など(パートタイムまたは短期雇用者/パートタイムの労働権利/パートタイムからフルタイムへの登用)、男女平等と差別禁止の権利(差別の定義、労働環境法・男女平等差別禁止法/直接・間接差別/性別・妊娠・出産・養子時の休業や育児/妊娠・両親の育児休業など/同一賃金/上場企業の代表について/法律の管理は?)、マーリットさんご自身について、ノルウェーの働く人々の写真から(ノルウェー夢ネット)、質疑応答 ●ノルウェー語レッスン:あなたの仕事は? Hva jobber du med? ●配布資料:サマリー、ノルウェー語について、ノルウェー語&セレクトレッスン、著書のチラシ ●参加者の感想から(抜粋): |
・久しぶりに参加させていただきました。日本とノルウェーでの働き方を改めて知ることができて、大変参考になりました。いつかノルウェーにいきたいと、改めて強く感じています。(東京都H様) ・日本と比較しながら興味深くききました。とにかく法律がしっかりしている・・・というのが印象的でした。またノルウェーでも「まだまだ」とおっしゃっていたのもとても印象的です。(神奈川県Y様) ・ありがとうございました。難しい内容で大変だったと思いますが、とても勉強になりました。日本のオンブスマンが公的な機関でないのが問題なのかもしれません。あとunionの力が日本は弱い?(埼玉県H様) ・未知の国であり、興味深い国であるノルウェーについて働き方を通じて知ることが出来ました。一度訪れてみたいです。(東京都H様) ・今回は少し難しかったのですが最後の写真が面白かったです。(東京都H様) ・労働法について説明が分かりやすかったです。QAの時間がもう少しほしかったです。とても有意義な時間でした。(神奈川県K様) ・とても勉強になったと同時に、日本の労働環境と比べて少し悲しくなってきました・・・笑(まだ新入社員ですが) 久しぶりにノルウェー語をきけて、耳が楽しかったです!勉強を再開したいな・・・と思いました。(東京都K様) ・法律という視点から労働について、学ぶことができた。(宮城県T様) ・また企画があったら参加させて頂きます。(東京都K様) ・日本の国家公務員については少なくとも制度上は休暇の日数、労働時間などノルウェイと比べて、そんなにひどく遅れているという感じはなかった。問題はそれをどうやって現実のもとのして実現していくかだと思った。(神奈川県N様) ・働く環境づくりに対し、日本は後進国であると確信しました。企業の「上層部」に立つのは日本では男性が多いものであるにも関わらず、男性の参加者が少ない。意識が低い(無い)。アンテナを立てない。現状に甘んじている。と感じました。(東京都H様) ・ノルウェーの仕事について知るだけでなく生きたノルウェー語にもふれる機会にもなってとても有意義な時間をすごせた。(東京都N様) ・大学の講義のような内容に感じました。客観的情報が多かったことは良かったです。時間的に足りないけれども付加情報としての16時に退社したり、母はパートタイマーを選ぶことが多いなど聞けてよかったです。(東京都I様) ●主催者後記: こんなにたくさんの熱心な方々が集まって下さり、皆さんの関心の高さと有意義な質問の数々に感嘆しました!日本でノルウェー語で話すことも新鮮で、あらゆる面で刺激的かつ楽しい体験となりました。 サロンで話す機会をいただけて本当に良かったです。ありがとうございました。 (Maritさん) 78回目のサロンの実現には2年がかかっています。そのあたりの経緯はこちらのインフォメーションに書きました。超ご多忙なMaritさんが当日、会場に来て下さることが悲願でした! 通訳をしながら実感したのは「横につながること」と「透明性」が大事、ということ。組合の力は日本に比べてはるかに強いですし、「労働協約」と訳したTariffは例えばこちらのサイトに一覧で公開されていて誰でもアクセスできます(NHO=ノルウェー雇用主組織で公開されている労働協約)。労働条件や権利、義務などが事細かに明文化され、さらにそれを監視する人や機能がきちんと機能していますよね。 Maritさんが語った「休みを取らせる・取る権利」「休み明けに日焼けして職場に戻ってくる楽しさ」そして極め付きは「多くの研究によって働きすぎは良くない」という短くも力強いメッセージが残っています。 そうなんです、私もノルウェーに旅行で行くと「とても健全な社会だな」と毎度感心していました。 とてもお忙しい中、サロン出講を快諾してくださったMaritさん、そしてたくさんの参加者の皆さま、ありがとうございました! 自分は何ができるか?考えるきっかけになれば幸いです。 (Aoki) 今回お招きしたMaritさんは、日本人の感覚からしたら恐らく、スーパーキャリアウーマンと呼ばれるタイプの働く女性です。そんな方が私たちのサロンでどのようなお話をしてくださるのか、実は主催者としては小さな不安を感じていました。でも当日、初めてご挨拶した瞬間に、Maritさんは特別な方ではなく、ごく普通のノルウェー人であることを感じてほっとしました。 皆さんの感想にも見受けられたように、一般的に日本人は労働法をちゃんと学んで活用する術を身に着けていないので、ましてやノルウェーの基準のお話になると、少し難しく感じられた方も多かったことと思います。 私も企画段階では、実はMaritさんの個人的な時間の使い方やキャリアの重ね方について興味を持ち、聞いてみたいと思っていました。結果的に、あまりお話しになりたくない方だとわかったのですが、よくよく考えてみたらノルウェーでは、そんなありふれたことを専門家が講演で話すという習慣があるはずがなく・・・・長年、ノルウェー人を見てきた私の中にもまだまだ、職業や地位によって人を判断してしまう癖があるのではないかと、気づかされました。 そうでした、私の知っているノルウェーは、街や山を歩けば、有名なスポーツ選手や市長さんや王様にだってすれ違うことがあるような、格差を感じない小さな国です。効率的に働き、休み、不具合があればスピード感を持って、皆で改革を進める。日本とはあまりに土台が違うと嘆くことも多いですが、間違いなく言えるのはノルウェー人の方が幸せを感じているということ。その実現には一人一人の価値観のあり方と、子どもたちへの教育が重要な鍵となっていると思います。 今回ご参加くださった皆さまの意識改革に、少しでもお役に立てたなら嬉しいです♪ (ただし、「ノルウェー流」を強行して周囲から冷たい視線を浴びることになっても当方は責任を負いかねます・・・) (Yoko) |
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Maritさんが講師を務めるカレッジ(BI) |
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