フィンツアー掲載エッセイ

「ノルウェー語講師・青木順子さんのエッセイ」として
フィンツアーのサイトに2010.11~2014.8の間、
全46回掲載されたものをまとめました。
【02】


ノルウェーの食事情

先日、ネットで「フィンランド料理研究家」という肩書をお持ちの方がいることを発見しました。そういう肩書が存在するなんて、フィンランド料理ってすごい!と素直に感心しきり。

では、「ノルウェー料理研究家」っていう肩書はありでしょうか?
う~ん、難しそう・・・。そもそも「ノルウェーレストラン」って、日本にないみたいですし、積極的に「ノルウェー料理おいしい!」という雰囲気も伝わってきません。

では、「ノルウェー料理はまずい」か。という問いに対しては、いやぁ~どうでしょう、と言葉をにごしてしまいます。
まず、朝食についてはそれがホテルであれ、個人のお宅であれ、私は楽しみにしています。北欧の朝食はがっつり系。ライ麦パンのオープンサンドイッチがベースですが、様々なトッピングが楽しめます。ノーマルチーズ、ブラウンチーズ(ヤギのお乳のチーズ)、ハムやサラミ、酢漬けのにしん、サバのトマトソース味などなど。ホテルに泊まった場合、「ここのホテルの朝食ビュッフェはどうかしら?」とわくわくします。つい取り過ぎてしまい、日本にいる時よりも朝食は摂取過多になってしまいます。

ホテルの朝食ビュッフェ
ホテルの朝食ビュッフェ

で、昼食。普通の人は朝食のオープンサンドイッチを2、3枚、専用の紙に包んで、学校なり職場に持っていきます。これは「マートパッケ」(matpakke)と言います。私も留学中は、このマートパッケを持参していましたが、日本のお弁当の感覚から言うとあまりにもシンプルで、すぐに小腹がすいてしまいます。
そこでノルウェー人は素晴らしい解決法を見出しました!「夕食の時間を早くすれ」ば、いいんです。留学時代、ノルウェー人たちが4時頃にもう夕食を食べているのに驚きましたが、私も段々、それに倣うようになりました(お陰で、日本に戻った今でも夕食は5時頃に食べています)。

ノルウェーの朝食♪
ノルウェーの朝食♪

夕食のメニューはいわゆる「ワンプレート」で済みます。メインのお魚やお肉、付け合わせのじゃがいも、にんじんなどワンプレートにのっかります。パスタ料理も大人気。あと、冷凍ピザの充実ぶりは、イタリア人もびっくりではないでしょうか?
私がノルウェーに行くといつも部屋を貸してくれる友人は、幸い料理好きなので、たくさん、おいしい料理をご馳走になりました。fiskesuppeフィスケスッペ(お魚のスープ)、fårikålフォリコール(羊とキャベツの煮込み料理)、そして新鮮なmakrellサバを焼いてもらったのが印象に残っています。

フォリコール
フォリコール

ノルウェー料理は、そもそもの素材はお魚にしても、お肉にしても質が良いので、それらを生かしたものになりますね。例えば、タラはノルウェー人がよく食べる魚ですが、ただお湯で茹で、それにバターを載せて食べるのが「一番、おいしい!」と、みんな嬉しそうです。

素材が命!
素材が命!

ただ、全体的な特徴を申せば、「バリエーションに乏しい」でしょうか。日本のように、今日は和食、明日は中華、その次はイタリアン、みたいな多彩さは・・・・普通の人のお宅では難しいかと思います。そこもノルウェー人は素晴らしい解決法を見出しました!「同じものでも飽きない体質になる」です。「え~?またじゃがいもの付け合わせだ。やだ~、こんなの」なんて文句はかの地では許されません。黙々と、じゃがいもの皮を自分のナイフで剥きながら、食べます。彼らにとってのじゃがいもは、日本人にとっての「米飯」のようなものなのです。

ノルウェーの朝食♪♪
ノルウェーの朝食♪♪

さて最後に、外食について。「オスロでおいしいレストラン、教えてください」といった類の質問、これすごく困ってます。というのも、ノルウェーでの外食は高くつくからです。日本はとても安いお店と高いお店、ほどほどのお店と選べますが、ノルウェーではほぼどこに入っても、「え?これがこの値段?」とびっくりすることがほとんどです。ただ、近年、お店の数はすごく増えているので、多彩な味を楽しめるようになりました。もちろん、お勧めのおいしいお店もありますよ♪  旅先でのたまの贅沢を楽しむのも乙でしょう。

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ノルウェー人っておしゃれ?

2000年に「ノルウェー夢ネット」というサイトを立ち上げた際、最初に書いた記事が「衣食住の優先順位は?」というタイトルで、ノルウェー人は衣食より住にお金と時間をかける、と書きました。その印象は今でも変わらないのですが、今回は「衣」について取り上げてみましょう。
 

ノルウェー人が好きなスポーツウェア
ノルウェー人が好きなスポーツウェア

1995年に初めてノルウェーの田舎のカレッジに留学した時は、衝撃がたくさんあったのですが、「アディダスのジャージ着用率高し」という点も含まれていました。地元の人も、学生たちもジーンズ・ジャージにトレーナーやセーターばかりで、日本人女性の大好きな「着まわし」という概念はあまりないみたいでした。そもそも洋服屋自体、あまりありません。

どこにでもあるH&M
どこにでもあるH&M

首都オスロまで遠征した際に、街のあちこちにある「H&M」に入ってみました。当時はもちろん「H&M」は日本展開をしていません。店内には、すごくカラフルでリーズナブルな服がたくさん並んでいました。とりあえず日常着としてトップスとボトムを買ったのですが、ワンシーズン着ただけで、ほつれてきたり摩耗していきました(あくまでも16年も前のノルウェーでのエピソードです。現在はきっと事情が違うと思います)。とりあえず「“H&M”がノルウェーではすごく人気」と刷り込まれたのです。留学中、だんだんおしゃれ感覚がおかしくなった私。帰国後、銀座で友達と会った時には、驚きました。「なんで会社に行くだけでそんなにおしゃれするの?」って。可愛いワンピースに、華奢なヒール靴、ブランドバッグ。ノルウェーでブランドバッグを見たのは、オスロで1回だけでした。対する私は、ジーンズ、リュックサックにぺったんこ靴。田舎っぺ大将の一丁できあがりです。「社会復帰」するまでに、かなり時間がかかったことは言うまでもありません・・・。

今どきの学生
今どきの学生

さて次の留学は1999年~2000年です。場所はオスロ。今度は別の意味で驚きました。「みんなアディダスのジャージ着ていない!」。学生寮のルームメイトは、いつもおしゃれにキメていましたし、キャンパス全体、それほど「だっさ~」という雰囲気ではありません。大学図書館で司書をしている日本人の方は、90年代初頭に留学経験がありましたが、その頃は本当に「みんな小汚かった」と述懐し、「今は本当にみんな、おしゃれになったわよね~」としみじみ。ノルウェー人たちもテレビでアメリカの番組をたくさん見て、外の文化に触れる機会も増えました。ファッションに気とお金を使うようになったのも「グローバリゼーション」の一環なのでしょう。嗚呼。

楽しいショッピング
楽しいショッピング

それからも私は毎年、ノルウェーを訪れる生活が続きましたが、ある年を境にヴィトンのバッグを見る機会が増えました。最初は「ぱちもん?」と疑ったのですが、今ではちゃんとオスロにヴィトンショップがありますよ。他にもブランド品を扱うセレクトショップも増え、「みんなが”H&M”」の時代は過ぎた感があります。

お気にいりブランドOLEANA
お気にいりブランドOLEANA

で、ノルウェー人がおしゃれかどうかなんですが、羨ましいのはやっぱり、あの人たちはプロポーションがいいこと。背は高く、足は長く、小顔で、ヘアスタイルもそれほど凝らなくても自然にきれい。あまりお金のかかっていない大量生産の服でも、着こなせてしまうのがいいですよね~。あとメイクでも、もともと彫りの深い顔なので、アイメイクさえちゃちゃっとやれば、それなりに素敵。若い人は特に、ファンデーションまで塗らずにアイメイクだけって場合が多い気がします。

夏のガーデンパーティ
夏のガーデンパーティ

さて最後に。たとえ今でも普段着は「ジャージ」というノルウェー人でも、あっと驚くパーティ用のフォーマルなお洋服を持っていること。特にクリスマスシーズンなどに合わせて、寒いノルウェーに不似合いな露出の高いドレスを着て驚かせてくれます。「ハレ」の場には、派手にキメてくれるのが、ノルウェー人です(男性もすごい柄のネクタイをしている!)。

結婚式は民族衣装で正装
結婚式は民族衣装で正装
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息を大きく吸って~!

9月からTwitterを始めました。
マイペースでやっていますが、フォロー&フォロワーとも3ケタになりました(あ、でもまだまだ少ないですよ)。北欧関係のtwitterを多くフォローしているので、いろいろ勉強になったり、情報収集になったり役立っています。
私もノルウェーやノルウェー語について、時々、tweetしています。すると、私にとってはすごく基本的なことが、反応があったりして、驚いています。
例えば、ノルウェー語で「yes」に相当する「Ja」(ヤー)と言う時、ノルウェー人は息を吸うことがあります。息を吸いながら「ヤー」っと言ってみてください。これであなたのノルウェー語はネイティブ度がぐっとUPします。
これって、私は語学書にも書きましたし、ノルウェー語のイベントやレッスンでもお話していて、正直、「またこの話題?」と思われるかなぁと心配してtweetしたのですが、意外や意外、「そうなんですか?」的な反応がありました。そこで改めて、「案外、基本的なことが知られていないのかも」と思った次第です。
で、この「息吸いja」なんですが、「どうして息を吸うの?」とノルウェー人に尋ねてみても、答えられる人には会ったことがありません。
昨日もこのエッセイを書くにあたり、もう一度念を入れ、ノルウェー人に確認してみました。でも彼女は、「そんなこと・・・・考えたこともなかった!」。そうなんです、これが一般的な答えです。そもそも息吸いjaが外国人から奇異に思われていることも知らないノルウェー人たち。指摘すると、「あ、そうね、確かに息吸っているけど。でもなぜこんなことしているのか分からない」というのが共通した反応です。

この人たちも息吸う?
この人たちも息吸う?

でもこれを聞いた外国人は一様に、「え?どうしちゃったの?」とびっくり。
私も初めてこれを聞いた時はすごく昔ですが、「え~??なになに?」と理解できませんでした。それ以降、この息吸いjaは興味の対象になっています。

外相でも吸うのかな?
外相でも吸うのかな?

この息吸いjaを聞くと、「あ~ノルウェーに来たなぁ」と目を細める私。
すでにオスロへの乗り換え飛行機で「ja!」(息吸い)を耳にして、「やってるやってる」とこっそり笑い。そしてノルウェー人と話す時は、私も無意識のうちに、息を吸って「ja」と言っています。

普通に息吸ってます!
普通に息吸ってます!

この息吸いjaは、最初は抵抗あるかもしれませんが、一度慣れてしまうと実は、簡単。特に相槌だけで大きな意味を持たない場合は、ただ息を吸っていればいいので、楽ちんですよ。

録音中につき息は吸わないで!
録音中につき息は吸わないで!

10月にノルウェー人のアテンドをしましたが、1日一緒にいて段々、疲労がたまってくると会話も、「ja(息吸い)、ja(息吸い)」とほぼこれだけで乗り切れました。まるで倦怠期の夫婦の会話のような・・・。
もとい、耳を澄ませれば、デンマーク、スウェーデン、アイスランドでも息吸いjaは耳にしました。情報によれば、フィンランドでもあるそうです。
決してあちらの語学書には、「息を吸いながらjaと言う」とは書いてありません。
それだけ余計に神秘さをまとい、探究心はあおられます。
さぁあなたも、まずは息を大きく吸って、「ヤー」と言ってみて下さい。はい、これがネイティブへの道です。簡単ですよね?

言語学者ですが、何か?
言語学者ですが、何か?

9月からTwitterを始めました。

マイペースでやっていますが、フォロー&フォロワーとも3ケタになりました(あ、でもまだまだ少ないですよ)。北欧関係のtwitterを多くフォローしているので、いろいろ勉強になったり、情報収集になったり役立っています。

私もノルウェーやノルウェー語について、時々、tweetしています。すると、私にとってはすごく基本的なことが、反応があったりして、驚いています。

例えば、ノルウェー語で「yes」に相当する「Ja」(ヤー)と言う時、ノルウェー人は息を吸うことがあります。息を吸いながら「ヤー」っと言ってみてください。これであなたのノルウェー語はネイティブ度がぐっとUPします。

これって、私は語学書にも書きましたし、ノルウェー語のイベントやレッスンでもお話していて、正直、「またこの話題?」と思われるかなぁと心配してtweetしたのですが、意外や意外、「そうなんですか?」的な反応がありました。そこで改めて、「案外、基本的なことが知られていないのかも」と思った次第です。

で、この「息吸いja」なんですが、「どうして息を吸うの?」とノルウェー人に尋ねてみても、答えられる人には会ったことがありません。

昨日もこのエッセイを書くにあたり、もう一度念を入れ、ノルウェー人に確認してみました。でも彼女は、「そんなこと・・・・考えたこともなかった!」。そうなんです、これが一般的な答えです。そもそも息吸いjaが外国人から奇異に思われていることも知らないノルウェー人たち。指摘すると、「あ、そうね、確かに息吸っているけど。でもなぜこんなことしているのか分からない」というのが共通した反応です。

でもこれを聞いた外国人は一様に、「え?どうしちゃったの?」とびっくり。

私も初めてこれを聞いた時はすごく昔ですが、「え~??なになに?」と理解できませんでした。それ以降、この息吸いjaは興味の対象になっています。

この息吸いjaを聞くと、「あ~ノルウェーに来たなぁ」と目を細める私。

すでにオスロへの乗り換え飛行機で「ja!」(息吸い)を耳にして、「やってるやってる」とこっそり笑い。そしてノルウェー人と話す時は、私も無意識のうちに、息を吸って「ja」と言っています。

この息吸いjaは、最初は抵抗あるかもしれませんが、一度慣れてしまうと実は、簡単。特に相槌だけで大きな意味を持たない場合は、ただ息を吸っていればいいので、楽ちんですよ。

10月にノルウェー人のアテンドをしましたが、1日一緒にいて段々、疲労がたまってくると会話も、「ja(息吸い)、ja(息吸い)」とほぼこれだけで乗り切れました。まるで倦怠期の夫婦の会話のような・・・。

もとい、耳を澄ませれば、デンマーク、スウェーデン、アイスランドでも息吸いjaは耳にしました。情報によれば、フィンランドでもあるそうです。

決してあちらの語学書には、「息を吸いながらjaと言う」とは書いてありません。

それだけ余計に神秘さをまとい、探究心はあおられます。

さぁあなたも、まずは息を大きく吸って、「ヤー」と言ってみて下さい。はい、これがネイティブへの道です。簡単ですよね?

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散歩の達人

・・・という雑誌がありますね。最近、街歩きなど流行っているようで、うちの近所ですら地図を片手に歩いている集団に出くわすことがあります。

日曜は散歩ラッシュ
日曜は散歩ラッシュ

ノルウェーに最初に留学したのは、山と海、森に囲まれた田舎町だったのですが、段々、気づいたことがありました。
「ジャージで散歩している人が多い!」という事実。
何人かで歩いているグループもあれば、一人黙々と歩く人もいる。特に土曜日や日曜日は、ひたすら歩いている人たちを多く見かけ、こう結論づけました。
「ノルウェーでは散歩が娯楽である」と。はい、立派なレジャーです。しかもお金がかかりません。いいじゃないですか~!
特に私が留学したのは西ノルウェー。アップダウンの起伏があり、森もあり、湖もあり飽きない眺めです。学生寮の住人たちも、段々、仲が良くなるにつれ、一緒に散歩へ出かけるようになりました。私はチェコからの留学生と一緒に湖一周サイクリングの方が多かったのですが、たまに歩くと、キノコやベリー類がふんだんにあって、時々、摘んでは自然の恵みを感じました。
で、オスロに留学した際は、学生寮の近くにやはり森と湖がありました。「これはもう歩くしかないでしょ!」と少しノルウェー人に同化しつつあった私は、学生寮の部屋が近くのノルウェー人の女の子と毎日曜日朝、歩くことにしました。
散歩をしていると会話も自然と流れていきます。この散歩習慣で、私のノルウェー語も少しはうまくなったような・・・気がします。
雨が降ると私は「今日は、散歩やめるね」と言いました。すると友達が不思議そうな顔で、「え?どうして?」という反応だったのです。彼女は雨の中、傘もささず散歩に出かけ、ずぶ濡れで帰ってきました。「大丈夫?」と私が尋ねると、「シャワーを浴びればいいだけだから」と事もなげに言うのです。これには驚きました。
どんな悪天候でも物ともせずに散歩を続けるノルウェー人。こんなことわざがあります。
”Det fins ikke dårlig vær, men bare dårlige klær”.(悪い天気は存在しない、悪い洋服だけがある)。
これを説明すると、様々な天候に対応した服装・装備をすれば、どんな悪天気でも大丈夫、みたいなニュアンスでしょうか。だから、あのシャリシャリしたスポーツウェアをしょっちゅう、着ているのだなぁ~と感心。保育園の子どもたちは汚れてもいいツナギですものね。
今では旅行でしかノルウェーに行きませんが、オスロで居候させてもらっているノルウェー人の友達と、やはり近くの森を散歩します。彼女曰く、「1日中、家にいると良心の呵責をおぼえる」とのこと。どこまでも、frisk luft(新鮮な空気)を求めるノルウェー人の姿がそこにあります。そういえばこんなことわざもありました。
”Ut på tur、aldri sur.“(散歩に出れば、不機嫌にはならないよ)
ここまでくれば「娯楽」の域を超えて、人生訓のように聞こえます。
不思議なのは、ノルウェーではあんなに歩いて大丈夫だし、楽しいのですが、日本に帰って来ると、そういう気分が消えてしまうことです。歩くのは用事があるからで、わざわざ散歩は楽しみません。ノルウェー旅行から帰って来た数日は、「よし、歩こう」という気分になるのですが、どんどん尻つぼみに。そして元の「歩かない」生活に逆戻りです。
仕事が終わるのも早いし、たくさん歩くし、ノルウェーって本当に健康な生活ができるなぁと、今日もPC前に座り、部屋の中から雨を見ている次第です。

かなり街中を歩きます
かなり街中を歩きます
散歩中にばったり知り合いと
散歩中にばったり知り合いと
ネコも散歩
ネコも散歩

もうかなり寒いですが・・・・

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トロールは存在する?映画「トロール・ハンター」の衝撃!

旅にお土産はつきものです。
しかし、ノルウェーを旅された方々は口ぐちに「適当な土産がない」とお嘆きの様子。確かに、土産物に入ると、日本人受けしない異形の人形が数多く並んでいます。その人形の名は「トロール」。
トロールはノルウェーの民話で、森や山に住む「超自然生物」として、不動の地位を築いています。でもこの人形、ホント、可愛くないし、値段は高いし、お土産には不向きなんですよね。それでも土産物屋にはたくさん並ぶトロール人形。実はムーミンもトロールなんですが、さすがフィンランド人、誰からも愛されるトロールを生みだしました。

トロール人形!
トロール人形!

トロールと遊ぼう♪
トロールと遊ぼう♪

で、そのトロールなんですが、実は昨年、ノルウェーで大きな注目を集めました。「トロール・ハンター」(原題Trolljegeren)という映画が大ヒット。私もネットのニュースでその存在を知り、また、ノルウェー人の友達から今年のクリスマスプレゼントにDVDをもらいました。
と同時進行で、Twitterでこの「トロール・ハンター」が3月に日本でも上映することを知り、「おお~!」と盛り上がりました。
そして年の瀬もせまった12月末に「トロール・ハンター」の試写会に足を運ぶ機会を得ました。

映画はセミ・ドキュメンタリータッチで撮られています。西ノルウェーのヴォルダ・カレッジの学生たちが、謎の男性を追っていく様子から映画は始まります。
余談ですが、このヴォルダ・カレッジは私が最初に留学したところで、またまた「おお~」と親近感UP。映画の舞台として、ヴォルダやSogn og Fjordane(ソグン・オ・フィヨルダーネ)地方が映し出されて、懐かしさに涙。
さて謎の男を追う学生たちは、夜の森で不可解な生命体に遭遇します。謎の男は「トロールだ!」と叫び、学生たちは「まさかトロールが実在するのか?」と謎の男を詰め寄ります。
民話の世界を越えて、本当にトロールは存在するのでしょうか?

映画「トロール・ハンター」から
映画「トロール・ハンター」から

「トロール・ハンター」はノルウェーの民話を知っていると、より楽しんで観ることができます。
例えば、「三匹のやぎのがらがらどん」(原題:De tre Bukkene Bruse)を思い出させるシーンがありました。民話では、三匹のやぎが橋の下にいるトロールに「お前を食べてやる!」と脅かされますが、機転を利かせてトロールをやっつけてしまいます(基本的にトロールはおバカさんです)。
映画では、橋の上に3匹のやぎが囮として置かれて、そこにトロールが・・・!というシーンがあります。

民話だけではなく、ノルウェーの現代社会問題も映画は反映しています。自然が美しいことで知られるハルダンゲル地方に、景観を台無しにするような高い電送線を建設することの是非がノルウェーで議論になっています。でも、実はこの電送線は暴れまわるトロールの防御対策のためだとしたら・・・?映画の結末は怖いです!

ノルウェーについて知識が全くない方でも楽しめる映画です。
この映画を見たら、お土産屋に並んでいるトロール人形を今までとは違う目で見るようになりそうです・・・。
とりあえず春になったら、映画館へGo!

街の中にもトロールが
街の中にもトロールが
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ノルウェーの冬

冬の日本に来たノルウェー人によく言われます。
「日本、意外と寒いね。特に家の中」と。
地球の北の果ての人たちにそんなことを言われると、「え~!」と反発したくなります。
ノルウェーは日本よりずっと北に位置していますが、メキシコ湾流のおかげで、とりわけ沿岸部は、想像よりも寒くはありません。ずっと寒いのは、内陸部。中でも、世界遺産で知られるローロス(Røros)は、マイナス30度、40度にもなるとか。はい、凍ったバナナで釘を打てる世界です(たとえが古い・・・)。

ローロスの景色
ローロスの景色

で、ノルウェー人が日本の家を「寒い」と言うのは、一理あります。ノルウェーの家は、パネルヒーターや暖炉、薪ストーブなど各種、暖房装置がそろっていますし、窓も寒さに強いタイプ。ですから家の中はいたるところ暖かく、思いのほか、薄着で過ごしているのです(極端な人はTシャツ1枚とか)。

リビングには暖炉♪
リビングには暖炉♪

こんなエピソードを聞きました。私の知人(日本人)がノルウェーに滞在中、旦那さんが現地のノルウェー企業に勤めていました。旦那さんがオフィスに最後まで残ったので、暖房を切って帰宅したところ、翌日、「暖房切っちゃダメでしょ!」と注意されたそうです。何でも暖房を切ってしまうと配管が凍ってしまうとか。この辺りは伝聞なので諸説あると思いますが、ノルウェーでは「暖房つけっぱなし」が許されるのは、アリですね(私自身、学生寮のパネルヒーターは1日入れっぱなしでした)。
ところで、こんなに電気を使って、電気代大丈夫?と心配になりますが・・・。
ノルウェーは、水力発電で国内の電気をまかなっているので、意外と電気代は安価みたいですね。
もうずいぶん前に参加したオーロラツアーで現地ガイドさんが、「日本に赴任したノルウェー人が、ノルウェーと同じ感覚で電気を使っていたら、20万くらいの請求が来てびっくりした」という逸話を今でも覚えています。

クリスマスの窓辺
クリスマスの窓辺

あとノルウェーの家で印象的なのは、家の外に温度計を設置していること。窓を開けながら、「今日は何度ね~」と確認します。みんな、「今日は何度だ」と話題にするのが好きなのね、という印象があります。
その割に、天気予報で発表される気温が13時の気温のみで、日本のように最低最高気温は教えてくれません。最低気温を発表すると、国民の労働意欲が削がれるから、わざと秘密にしているのかなぁと邪推しています。

幻想的な冬景色
幻想的な冬景色

冬につきものなのは、雪ですね。ノルウェー語ではsnø(スヌー)と言います。
留学中、雪にはずいぶんお世話になりました。年によって大きく違いますが、私が住んでいた時にはすでに10月に雪が降ったのです。
除雪作業は、市町村の仕事。除雪車が雪かきをして、道路に砂利をまくのです。転倒防止のためですね。
雪に慣れない私は、もう何度も滑りました、転びました(受験シーズンに禁句?)。その結果、足のいたるところに青あざだらけ。凍結した道は恐怖以外のなにものでも、ありませんでした。
それでも雪にはいいところもあります。
ノルウェーは冬に日照時間が短くなりますが、雪があると明るくみえます。そして、ノルウェーの家の窓辺は、キャンドルなどで可愛く飾っていますが、それと雪景色がマッチするんですよね。
そして冬至を過ぎると、だんだん、日が長くなって気持ちがUPしていきます。「生きていて良かった~」としみじみ。あの何とも言えない幸福感は、長くて暗い冬があって初めて体験できるものでしょう。
寒い時に、寒い国も乙なものです。

これなら滑ってOK!
これなら滑ってOK!

雪上でにゃ~
雪上でにゃ~

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ノルウェー人の「取扱い説明書」

ノルウェー人は人口が少ないこともあって、いわゆる「ノルウェー人論」というジャンルは活況とは言えません。ましてやノルウェー人を風刺した「ノルウェー人論」となると、さらに数は限られます。

ですが、このある意味「ニッチな」ジャンルに果敢に挑戦し、国民から愛されているのが、オッド・ブッレッツェン(Odd Børretzen)というノルウェー人。現在、85歳の彼は、作家、ラジオパーソナリティー、ボーカリストなど多方面で活躍してきました。

この本です!(擦り切れてます)
この本です!(擦り切れてます)

私が彼の有名なエッセイ集「どのようにノルウェー人を理解し、使用するのか?」(1991年、”Hvordan forstå og bruke en Nordmann”)を知ったのは、在ノルウェー日本大使館の外交官が講演会で紹介して下さったからです。「面白そうな本!」と思った私は早速、原書を買い求め読んだのですが・・・。

文句なく面白い!!

もちろん20年以上も前の作品なので、今では少し「違うかな」と思える箇所もあります。

しかし、ちょっとでもノルウェー人や北欧人を知っている人ならば、笑えること確実です。これから彼らを知りたい人にも、絶好の入門書なので内容をご紹介しましょう。

本書は、電気製品などの「取扱い説明書」=「取説」の体裁を取っています。「ノルウェー人も海外へ出かけ、外国人とコンタクトを取るようになり、ノルウェー人の“取扱い説明書”が必要になった」と冒頭、宣言されています。何か、説得力ありますね~。

「取扱い説明書」では、ブッレッツェン独自のノルウェー人論が展開します。
彼によると、古代ノルウェー人は8000年もの間、穴倉で孤独に暮らしてきた結果、様々な人格・行動に影響を与えました(多弁を嫌う、酒の保存方法を知らないので、そこにある酒は一気に飲み干してしまう、etc)。
またノルウェー人は世界的に人口が少ないので、自分は「意味があり、価値のある」人間だと思いこみ、「みんなが自分を見ている」とある種、”自意識過剰気味”と断じています。「ええ?そうだったの?」と思って読み進めると、不思議なオチが・・・。

祖先は穴倉で8000年暮らしていました
祖先は穴倉で8000年暮らしていました

ノルウェー人は「みんなが見ている」ので、レストランなどで自分の立ち居振る舞いに緊張してしまいます。特に手がすごく大きいので、やり場に困ってしまいます。困ったノルウェー人は、その大きな手をポケットに入れるしかありません。ですから、彼らはポケットの付いた洋服を愛用しています、と、煙に巻かれたような「三段論法」です。

確かにノルウェー人はポケットの付いた上着、好きだよね、と妙に納得する私。う~ん、いいのでしょうか?

他にも、ノルウェー人は自尊心が強く、率直な物言いで知られていますが、ある注意が必要だそうです。彼らはよく「ノルウェーの政治家、自動車修理工、ウェイター、夏、スキージャンパーは世界でも最悪」と言いますが、これを外国人は額面通りに受け取って、うかつに同意するとノルウェー人の機嫌を損ねてしまうそうです。ノルウェー人の本音はその逆で「ノルウェーの政治家や自動車修理工、ウェイター、夏、スキージャンパーは世界で最高」なのだとか。とほほ。

ノルウェー人がいっぱい
ノルウェー人がいっぱい

さらにグローバル化が進んだ現在、どうやってノルウェー人を他の外国人と見分けるか、という難問についてのくだりがあります。
昔だったらば、ノルウェー人はOla(オーラ)かKari(カーリ)という名前で、頭にニット帽をかぶり、魚の臭いがして、足にはスキー板を履いていたので区別が簡単でした(って、私の説ではないですよ!)。でも現代では・・・?こう質問すればいいそうです。「あなたはスウェーデン人ですか?」
すると、ノルウェー人は怒り狂って、「スウェーデン人だと?俺はノルウェー人だ!」と答えるので、簡単に分かりますよ、というアドバイスでした(良い子のみなさん、これはあくまでユーモアです!)。
そう、本書ではスウェーデン人への微妙な対抗意識が散見されて、それもクスクス笑えます。

「あなたはスウェーデン人ですか?」
「あなたはスウェーデン人ですか?」

本書は英語、ドイツ語、フランス語にも翻訳されているので、ノルウェー人に「お困りの方」はぜひご活用をオススメします♪

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オスロへ強烈に行きたくなる!~「北欧のおいしい時間」の魅力~

ノルウェーがグルメな国、というイメージをお持ちの方はあまりいないと思います。
当のノルウェー人自身が「ノルウェー料理?う~ん・・・別に」と積極的にPRしてきません。
ですから、私もノルウェーへ行く人に「オススメのレストラン、教えて下さい!」と頼まれても、「え~っと・・・」と少ない知識から絞り出すように、対応してきたのです。

・・・という「ノルウェーの食」を巡るお寒い状況に、救世主が現れました!
今年3月に出版された「北欧のおいしい時間」(森百合子著、P-Vine Books)。背表紙に、「デンマークのカフェから、ノルウェーの食堂まで」と書かれています。

「北欧のおいしい時間」
「北欧のおいしい時間」

そうなんです、よくありがちな1冊で「北欧本」ではなく、1冊でコペンハーゲン、ノルウェー、そしてマルメのレストランやカフェだけを取り上げた贅沢本なのです。
従来の「北欧おしゃれ本」では、ノルウェーのページだけ薄っ!てことがあり、ノルウェー愛好者は涙にくれていたのですが、「北欧のおいしい時間」は違います。ちゃんとノルウェーにページ割いてくれています。
ノルウェー語の監修をやったので、出版前に見本を頂きました。早速、本をノルウェー語の生徒さんたちに見せると、「こんなおしゃれ本にノルウェーが載るなんて・・・」とその時点で皆さん、カンゲキ!どんだけ虐げられてきたんだ・・・とつい目が遠くなってしまいます。

肝心の中身ですが、きれいで素敵な写真がまず目を引きます。
オスロのカフェ、レストラン、庶民派食堂、そしてスーパーやパンの紹介、個人のお宅訪問のページがあるのですが、「え?ノルウェー、こんなにおしゃれだったっけ?」と、「ノルウェー伝道師」を自認する私がビックリ!
実際、取り上げられたお店は知らないところの方が多かったです。

スーパーも楽しい!
スーパーも楽しい!

これはベルゲンのレストランです
これはベルゲンのレストランです

旅に食は欠かせません
旅に食は欠かせません

森さんにどうやってお店のセレクトをしたか伺ったところ、事前にノルウェーの飲食店評価ガイドサイトなどを参考にしたそうです。そして、昨年の夏と秋にそれぞれ2週間くらいご夫妻で取材旅行。よくテレビのグルメ番組みたいな強行スケジュールではなく、ちゃんと「おいしい」と思える余裕のある取材だったそうです。
特筆したいのは、ありがちな「ゴチになります」企画ではなく、森さんが身銭を切ってちゃんと本を書いていること。
これは内容の信ぴょう性にも関わってきますよね~。

数少ない知っているお店は「Pascal」です。
ここはフランス式のケーキがきれいにディスプレイされたお店です。日本では珍しくないかもしれませんが、ず~とマジパンのケーキばかりを見たり、食べたりしていた留学時代、初めてPascalを訪れた時の感動は今でも覚えています。

「Pascal」のカフェ
「Pascal」のカフェ

1998年、オスロ大学のサマースクール参加中、日本人の知人から「素敵なお店を見つけましたよ」と連れて行ってもらったのが、Pascal1号店。「おお~ノルウェーにこんな店が!」とテンションUPして、繊細な味覚のケーキを食べました。1999年に当時のクリントン大統領がノルウェー訪問した際にも、「おしのび」でPascalに立ち寄り、ノルウェー中大騒ぎになりましたっけ。

あと私が本書を読んでしみじみ思ったのは、「コーヒーが飲めないと話にならない!」ということです。
もちろんノルウェーは、紅茶よりも圧倒的にコーヒー文化圏の国です。
あいにく私はコーヒーのおいしさが分からず、いつも紅茶オンリー。
でも森さんの本には、世界バリスタチャンピオンのカフェなど載っていて、「これは行かずしてどうする!」という気分になりました。
今、コーヒーが分からないお子ちゃま味覚を克服すべく、機会があればコーヒーを飲んで鍛練中。

旅に、カフェやレストランの存在は欠かせません。
そういう意味では、その点にテーマを絞った「北欧のおいしい時間」は、頼りがいのある旅のお供です。
早くオスロに行きたいぞ~!!ノルウェーツアー催行したいぞ~!!

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ノルウェー人 in Tokyo

スティングが歌った「Englishman in New York」。
そのうち、誰か「Norwegian in Tokyo」を作ってくれないかなぁと夢想しながら、このエッセイを綴ります。

一般的なノルウェー人にとって、日本や東京へ来るというのは、まだまだ「お~~!!」という感じの一大事。
今まで何度か仕事やプライベートで、来日したノルウェー人のアテンドや通訳を行いましたが、ノルウェー人の
「ウキウキぶり」には微笑ましくなるものがあります。

東京に来られてご満悦!
東京に来られてご満悦!

特に、仕事で、つまり誰かが旅費をもってくれて来日するノルウェー人の、はしゃぎぶりようといったら・・・。
ホント、「地球に生まれて良かった~!!」を地で行ってますね。

こんな「うきうき」ノルウェー人と一緒に東京を歩くと、見慣れた景色、見慣れた風景が新しい視点で見ることができます。
例えば、新宿の高層ビル街をノルウェー人ゲストと歩いていた時。普通に、枯葉掃除をしている清掃員がいました。
彼曰く、「ノルウェーでは枯葉を掃除する人なんていないよ!」といたく感動。

私も何だか、掃除をしてくれる人に、たとえそれが仕事であっても感謝したくなる気持になります。

東京湾クルーズご一行様
東京湾クルーズご一行様

こんなこともありました。
普通に都内でタクシーに乗った時、シートにかけられたレースカバーに感動するノルウェー人。
「ノルウェーのタクシーはこんな工夫しないよ!」
かたや、レースカバーなど全くもって感動しない日本人。でも「そういえば、そうだったね」と
日本のタクシーに感謝したくなる気分に。

また、駅やバス停できちんと行列している乗客や、そして電車やバスが所定の位置に
ちゃんと停まることも、感動ポイントみたいです。

確かにノルウェーでは、乗客の数も東京に比べれば圧倒的に少ないですから、列をきちんと作るという
感じではなく、電車やバスが停まるとそこにわっと人が集まり、がしがし乗車していきます。
また当然、駅に「ここに乗車します」ポイントはありませんし、バスの停車位置も結構、いい加減。
なので、ノルウェー人からすれば、あれだけの混雑電車でも静かに理路整然と乗っている日本人が、
感嘆!なのです。

ティーセレモニーは神秘!
ティーセレモニーは神秘!

あとアテンドする時に、いろいろ悩むのが食事処ですが・・・・。

ことノルウェー人の場合、それほど悩まなくても大丈夫なのは、嬉しい限りです。
というのも、大抵の場合、「おいしい!」「安い!」を連発してくれるので、助かりますね。
学生グループのアテンドでは、なるべく安い居酒屋さんへ。そこで「ここには飲み放題という
システムがあって・・・」と説明すると、「え?そうなの?」とみんなのテンションはMAXになります。
そして案の定、思いっきり飲みの限界に挑戦するのがノルウェー流。安い居酒屋さんのお料理でも、
みんなきれいに平らげてくれます。

ノルウェー人の好きなSake!
ノルウェー人の好きなSake!

予算がたっぷりある大人グループのアテンドでは、回らないお寿司や高級すき焼きが、無難です。
特に、なぜか知らないのですが「神戸牛」を所望するノルウェー人が目立ちますね。なぜ?
こればかりはナゾです。

スシ喰いネ!
スシ喰いネ!

あとノルウェーのテレビでやったのでしょうか、日本には「ビールで育てられた牛がいる」というエピソードを
今までノルウェー人の口から何度も聞きました。ノルウェーのパブではビール1杯1000円くらいしちゃうので、
「そんな牛にあやかりたい」と真面目に思っていそうなノルウェー人が愛おしいです。

そうそう、ノルウェー人のいいところは、基本、「いいね!」と何でも前向きで満足してくれる人が多いこと。
不満ばっかりやすぐに疲れた~を連発するような人と違って、一緒にいてこちらも元気をもらえます。

今月もアテンド・通訳の仕事があるのですが、今度はどんな出会いや発見があるか楽しみです!

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ノルウェー・ジンクス

ノルウェー稼業に関わって、16年。
一番よく聞かれる質問が、「どうしてノルウェーに興味を持ったんですか?」です。
もう定番中の定番で、答えのバリエーションも10通りくらい用意しています(相手に合わせるのがキモです)。

あと、意外に聞かれるのが「何回くらいノルウェーに行ったことがあるんですか?」
実はこの質問、答えるのが難しいのです。というのも、本人もカウントをしていないので。
ともかく「かなり行きました!」でしょうか。

まず1992年の冬に、北ノルウェーのトロムソにオーロラツアーで行ったのが皮切りでした。
1995年~2000年の間に、長期短期で計4回留学をしています。
留学後も、ほぼ毎年、ノルウェーへ行っています。

お気にいりお買い物スポット
お気にいりお買い物スポット

実は、2回ほどノルウェーに行っていない年があるのですが、それらの年は我ながら
「お~、今年は厄年だ!」と驚くような不幸な出来事が起きてしまったのです。
詳細は「個人情報」なので、書けませんが、まぁプライベートでいろいろあったり、
体が絶不調で勤務していた会社を辞めたり・・・。

ともかく不幸度MAXでした!

そこで私は悟ります。
「私がノルウェーに行かない年は、不幸がふりかかる!」
そこでまるで「伊勢神宮参り」ではないですが、「厄落とし」の意味を込めて、
執念のようにノルウェーへ毎年、訪れているのです。
日本広しとはいえ、こんな日本人、他にいるんでしょうか?

留学後、ほぼ毎年、オスロで泊まらせて頂いているのは、かなり年配のノルウェー人の友達宅です。
彼女の本を共訳、そして講演の通訳をしたことをきっかけに、もう14年ものお付き合いです。
年金生活者でひとり暮らしの友達は、オスロ中心地からバスで20分ほどのテラスハウスに住んでいます。

気持ちのいいテラスハウスの庭
気持ちのいいテラスハウスの庭

私用の鍵もあり、個室も当然、用意してくれて、「好きなように使ってね」を何度も繰り返されています。
でも私は日本人。つい「牛乳飲んでもいい?」、「パソコン使ってもいい?」、「電話借りてもいい?」と
律儀に尋ねてしまいます。すると「もう、いちいち聞かないで。したいようにしてよ!」とプチギレ状態・・・。
これはあれですね。逆にノルウェー人を家に泊めたら、何でも自由にしてあげないとダメだという教訓でもあります。

毎年、1人で渡ノルし、オスロを中心に友達や元生徒さん、仕事でお付き合いのある人に会ったり、
とマイペースなノルウェー滞在を楽しんできました。1カ月近くも滞在した年もありました。

懐かしい先生との再会
懐かしい先生との再会

そんな私の「ノルウェー詣」に変化があったのは去年です。なんとフィンツアーさんが太っ腹かつ
大胆な企画を用意してくれました。
その名も「ノルウェー案内人 青木順子さんと行く ベストシーズンのフィヨルドとオスロ暮らしを感じる旅8日間」!
もう当事者が「いや、これ、無理でしょ?」と思っていたら、なんと催行しちゃったんですね。

フィンツアー!
フィンツアー!

少人数のツアーでしたが、久しぶりにベルゲンやフロム、フィヨルド観光も体験できました。
また、オスロでは高齢者施設や、私の友達の家を訪ねたり、と盛りだくさんのプログラムでした。

フロムで農場めぐり
フロムで農場めぐり

1人旅に慣れていた私でしたが、「人と一緒の旅もいいなぁ」としみじみしました。
同じ景色を見て感想を言い合い、食事やお茶を一緒に楽しむ。道に迷った時は、みんなであたふたもありました。

オペラハウスを登ります!
オペラハウスを登ります!

まさに「旅は道連れ」です。

しかも昨年は偶然、私の誕生日が重なったので、みなさんに祝って頂いたことが本当に嬉しかったですね。

お誕生日祝い♪
お誕生日祝い♪

このエッセイが掲載される頃、私は第2回のノルウェーツアーの最中です。
さて今年はどんな出会いが待っているか?期待と責任感でドキドキです。

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