各回のまとめ
ノルウェーについて学ぶサロン・講座レポート


第61回「ノルウェーをビジネスに」
〜音楽療法士から会社代表へ井上勢津さんの挑戦〜

開講日時: 2013年4月20日(土) 13:00〜15:00
参加者数: 12名

●テーマ紹介文
今回ゲストにお迎えする井上勢津さんは、実はサロンの講師は2回目です。
前回は、「ノルウェーの音楽療法」をテーマにスペシャリストとして実演付きでお話しくださいました。
あれから早、4年半の月日が流れ、今や井上さんは起業され、ノルウェー・北欧を軸に活動する会社の代表として日々、ご活躍なさっています。

長年、ノルウェーに関わっていると、「とにかくノルウェーが好きなんです。」とか、「ノルウェーに関係する仕事に就きたいんです。」とか、漠然とした夢を耳にすることがしばしばありますが、実際にビジネスとして行動を起こす人は希少で、そう簡単なことではありません。
今回のサロンでは、井上さんがその一歩を踏み出された経緯や、日本とノルウェーに対する思い、今後の方向性など、いろいろと伺ってみたいと思います。
以下のような講演内容を予定しています。

 1 音楽療法士の私が会社を作ったわけ〜日本とノルウェーの間の「私」
 2 ビジネスのキーワードは「Samspill(共奏・共創、そして共生)」
 3 アルネ&カルロスとの出会い
 4 ノルウェーから北欧へ

ノルウェー語ワンポイントレッスンは、「ノルウェー人にお願いごと〜ビジネス編〜」です。

●講師
青木順子(ノルウェー語翻訳・講師 ノルウェー夢ネット代表)
ゲスト講師 井上 勢津 (いのうえ せつ)さん
     学習院大学文学部哲学科卒業。東京音楽大学[声楽専攻]を経て、
     ノルウェー国立音楽大学に留学し、北欧歌曲の研究を行なう。
     ソグン・フィヨルダーネ大学音楽療法コース及びベルゲン大学修士課程修了。
     現在、ノルウェー政府認定音楽療法士として日本で活動を行う一方、
     株式会社ノルディックカルチャージャパンの代表として、日本とノルウェー・
     北欧で数多くの文化プロジェクトに関わっている。
     共訳書に「文化中心音楽療法(2008年・音楽之友社)」、
     訳書に「わたしだって、できるもん!(2009年・新評論)」がある。
     東京音楽大学、東邦大学非常勤講師。

●講演内容
講師紹介/音楽療法士の私が会社を作ったわけ〜日本とノルウェーの間の「私」/ビジネスのキーワードは「SAMSPILL(共奏、共創、そして共生)」/アルネ&カルロスとの出会い/ノルウェーから北欧へ

●ノルウェー語レッスン
ノルウェー人にお願いごと〜ビジネス編〜 Å be noe nordmenn 〜nærlingskivet〜

●付録
新規参加の方には・・・語学資料「ノルウェー語とは」,
       その他 大使館やフィンツアー提供の資料
       StyleNORWAY 08

2013年ノルウェーツアーのチラシ
ノルウェー案内人青木順子さんと行く
ベストシーズンのフィヨルドとオスロ暮らしを感じる旅8日間」


●主催者後記

今回のゲスト、井上勢津さんとはもう本当に長いお付き合いです。
1997年のオスロ大学のサマースクールでご一緒しました。
まさか二人ともここまでノルウェーにどっぷりはまるとは・・・ですね!

ただ私と違って井上さんは、大変な勉強家。留学生活も比較にならないほど長いです。
そして「ノルウェー政府認定音楽療法士」という資格を得て、日本で活躍を始めました。
ですが、2011年に会社「ノルディックカルチャージャパン」を設立された時は驚きました。
井上さんと会社代表という組み合わせは、何となくピンとこなかったのです。

サロンでは、会社設立に至るまでの葛藤を率直に語って下さいました。
ノルウェーでは安定した「音楽療法士」が日本ではボランティアで求められてしまうこと、ノルウェーの素晴らしい音楽や文化を仕事にできないか、と考えられたことはごく自然なプロセスだと感じました。
そして、自分は逃げない、という相当な覚悟を持たれて会社を設立されたという言葉を聞き、感銘を受けました。
優しい語り口調でしっかり伝える素晴らしいプレゼンでした
井上さんはノルウェーや北欧の思想・文化・社会に精通され、一過性の北欧ブームにあやかろうとしている人たちとは異なる深い考えを持って、活動をされています。
そして、昨年、ノルウェーの人気ニット・デュオのアルネ&カルロスの招聘を成功させ、今年の夏には彼らの本の翻訳出版を実現される、という結果を生むことにつなげることになるのです。
その実現の裏には、相当なご苦労があったと思います。ただ、井上さんの努力と粘り、諦めない心は伝わってきました。
ともすれば楽な方に流されそうになる私ですが、志の高い井上さんのお話を伺い、襟を正したい気持ちになりました。

今後も井上さんとノルディックカルチャージャパンの活動に注目です。
ありがとうございました。
(Aoki)

私の拙い話に熱心に耳を傾けてくださり、誠にありがとうございました。
実は自分のビジネスをお話しするのは簡単ではありませんでした。
起業する際には強い想いを持ってはいても日々の雑務に追われ、ため息をつくこともしばしばです。
今回、このお話をいただき、自分の行動の一つ一つのことがどう意味を思っているのかを見直すきっかけとなりました。
事業が軌道に乗ったら、再度、このサロンへご報告に伺おう…新たな目標ができました。
(Inoue)

起業をテーマにお話しいただいた今回のサロンには、関東圏だけでなく、大分、愛知、岩手から参加してくださる方がいらして、主催者を驚かせました。おそらく、サロン史上初といっていい広範囲だと思います。それだけ、講師の井上さんには、人を惹きつける魅力があったのだと、ご講演を聴いて、納得いたしました。
私が特に印象的だったのは、井上さんが「伝えるだけでなく、新しい発想で創る人になりたい。」とおっしゃったことです。
私もこれまで10年以上の月日を、ノルウェーのことを伝えるべく活動をして参りましたが、その先は、伝えた相手が自身で感じて活かしてくれればいいと他人任せにしてきたので、創ることがどんなに大変なことか想像に難くありません。
井上さんの描く将来像の実現には更なるパワーが必要なことでしょう。でも、井上さんならきっとやり遂げられるのではないかと感じました。
今後の益々のご活躍に期待し、微力ながら私も応援していきたいと思いました。
(Yoko)



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