各回のまとめ
ノルウェーについて学ぶサロン・講座レポート


第62回「ノルウェーのモダンデザインと建築」
〜Fuglenの気鋭デザイナーが語る〜

開講日時: 2013年7月20日(土) 13:00〜15:00
参加者数: 19名

●テーマ紹介文
ここ数年、北欧デザインはすっかり市民権を得てきました。
雑誌や書籍、いろいろな媒体で取り上げられています。
ですが、残念ながらノルウェーにスポットが当たる機会は少なかったと思います。

オスロの老舗カフェ・Fuglenはカフェと同時にノルウェーのヴィンテージデザインを紹介するユニークな店舗です。昨年、東京・渋谷に2号店としてオープンしたFuglen Tokyoは、ノルウェー・北欧ファンのみならず、コーヒー好き、デザイン好きの多くの人々を魅了しています。

このような流れを受けて開催が決まったノルウェーモダンデザインの展示会「Norwegian Icons」( 6月21日〜7月7日・代官山ヒルサイドフォーラム)。
今回のサロンでお迎えする福田和貴子さんは、この画期的なイベントのご担当者で、Fuglen Tokyoのインテリア・空間デザインを担う気鋭のデザイナーです。
そんな福田さんに、このイベントを筆頭に、これまでに関わった事柄を通してノルウェーのモダンデザインについて、また展示では語られなかった建築デザインについてなど、お話を伺いたいと思います。

今、まさに今までマイナーだったノルウェーデザインに注目が集まる時です!
ノルウェー語ワンポイントレッスンは「ノルウェー人とデザインの話をする」です。

●講師
青木順子(ノルウェー語翻訳・講師 ノルウェー夢ネット代表)
ゲスト講師 福田和貴子 (ふくだわきこ)さん
        東京都市大学大学院建築学専攻修了。
        オスロ建築デザイン大学へ1年間留学。
        現在Fuglenにてインテリア・空間デザイン分野を担当。

●講演内容
講師紹介/ノルウェーとのかかわり、留学について/フグレンとのかかわり/ノルウェージャンアイコンズ プロジェクト/ノルウェーのモダンデザインについて(建築)/原題の建築家たち/ノルウェーのモダンデザインについて(展覧会より)/今後のこと

●ノルウェー語レッスン
ノルウェー人とデザインの話をする〜 Å snakke om design med nordmenn

●付録
新規参加の方には・・・語学資料「ノルウェー語とは」,
       その他 大使館やフィンツアー提供の資料
       StyleNORWAY 09

●主催者後記
写真をたくさん使って丁寧にお話くださいました
北欧デザインというと、どうしてもノルウェーは「日陰者」扱いです。 しかし昨年、Fuglen Tokyoがオープンしてから、少しずつ状況は変わっているような風を感じます。
6月から7月に開催された「Norwegian Icons」では、まさにノルウェーの「知られざる」デザイン黄金期の作品が出展されました。
今回のゲスト講師、福田さんは若くしてほぼ1人でこの大きなイベントを取り仕切ったという手腕の方です。

福田さんとFuglenのつながりも面白いなぁと感じました。
まだノルウェー留学中に、オスロのFuglenを気に入り、通っていたそうです。そこでFuglenが東京に進出することを聞き、Fuglen Tokyoのオープン前にデザイナーのペッペさんと大工さんの通訳として働いていたとか。
本当に「縁は異なもの味なもの」な〜んて、感心感心。

サロンではNorwegian Iconsのそもそものきっかけを伺うことができました。
何でもロンドンで大規模な「Nordic Design」展が開催された際、ノルウェーデザインが無視された状況に、Fuglen本店のペッペさんが「それならば、自分たちでノルウェーデザインを発信しよう」と考えたそうです。
これって日本の「北欧デザイン特集」と同じ状況ですよね。思いつきから、ここまでの展示会を実現させた行動力に敬意を払います。

また福田さんの専門である「建築」について、ノルウェーの元気あるデザイン集団について触れることができました。
ノルウェーの建築物はルールや縛りが少ない、を伺い納得。
同国は相変わらず景気がいいですから、大規模な建築プロジェクトも多いです。やりがいのある環境ですよね。

Fuglenや福田さんは、さらにNorwegian Iconsの発展を考えているようで、今後は「北欧デザイン」にノルウェーが仲間入りできるよう期待しています。
貴重なお話をありがとうございました!
(Aoki)

青木さんと対談形式でも良かったかもしれませんね。1人で話すよりも質問やコメントを下さった方が話しやすかったです。
みなさんから、質問がたくさん出て嬉しかったです。
(Fukuda)

日本の建築の世界で働いた経験のある私は、福田さんの選ばれた道は、目指そうとしてもなかなか得られるものではないチャンスに満ち溢れていると感じました。
プレゼンテーションの内容も、イベントの直後でご多忙であったにも関わらず、奥深さがあって参加者の皆様も大満足。ノルウェーデザインの将来とともに福田さんの将来もきっと明るいものになると予感させられました。
特に印象的だったのは、フグレンでは、シロップの材料を採るところから全て手づくりにすることで信頼のクオリティを追及しているというお話。
コーヒー豆の選び方や挽き方もそうですが、余計なものは使わず、かといって派手にエコを宣伝することもなく、さりげなく素材を活かすことにこだわり続ける姿勢が、ノルウェーデザインの本質を、Pure(純粋) / simple(シンプル) / honesty(正直であること) と説明づけられたことと重なりました。
私は、木のぬくもりがあってシンプルな中にも温かみを感じるノルウェーの建築や家具が大好きですが、それって、結局のところ、ノルウェー人の生き方そのものがデザインに表現されているのだと妙に納得。
福田さんのお力を借りて、ノルウェーのデザインとノルウェー人のライフスタイルがもっと広く周知され、認められる日が来ることに期待したいと思います♪
(Yoko)


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