ノルウェー語をめぐる素朴な疑問
【01】
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 :質問者
 :回答者(ノルウェー夢ネット 青木順子)
ノルウェー語です。よろしくお願いします。


 :そもそもノルウェー語って使われているんですか?
 :はい、もちろん。
   ノルウェーで暮らしているノルウェー人は普通、ノルウェー語を使って生活しています。

 :ノルウェー語って何語と似ていますか?
 :同じスカンジナビアに属するデンマーク語とスウェーデン語とかなり似ています。
   特に書き言葉ではデンマーク語、話し言葉ではスウェーデン語に近いですね。
   ちなみに「私」を意味する jeg は、
    ノルウェー語: jeg (ヤイ)
    デンマーク語: jeg (ヤイ)
    スウェーデン語: jag (ヤー)
   になります。
   フィンランド語は言語グループが違うので、全く違います。
   アイスランド語は、昔のノルウェー語で、似ている単語はありますが、
   普通のノルウェー人は理解不能です。
   あと、ドイツ語と似ている点が多いですし、英語とも非常に近い単語があります。

 :はじめてノルウェー語を耳にした時の印象は?
 :かなり昔のことなのであまり覚えていないのですが・・・。
   ノルウェー語はメロディアスな響きで、音楽的なんですよ。
   そのイントネーションを聞いて、「何か、素朴で人が良さそうに聞こえる」と
   思ったかもしれません。
   ちょっと「田舎くさい」くらいの素朴さですね!
   (実際、ノルウェーの大半は「田舎」ですが。。。)
   だからどんなに強面のブラックメタラーのインタビューでも、あのノルウェー語で話されると、
   「いい人」に聞こえてしまうのがコワいです。
   ちなみにデンマーク在住が長い日本人の方は、ノルウェー語を「可愛い」と表現していました。
   確かに、あのデンマーク語の「熱々のポテトを喉に入れた」響きに比べれば
   そうかもしれませんね。

(初回更新日:2011年11月11日)
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 発音はどんな感じ?


 :ノルウェー語って難しいですか?
 :う~ん、何をもって「難しい」とするかは、個人差がありますね。
   文法に関していえば、ドイツ語やフィンランド語にあるような「格変化」がありません。
   また、フランス語とは違い、動詞は人称によって変化しません。例をご覧ください。
    Jeg spiser. (私は食べます)
    Du spiser. (あなたは食べます)
   つまり主語が違っても、動詞の形 spiser は一緒ですね。これはシンプルだと思います。
   ただし、名詞に性があること(男性、女性、中性)とそれに伴う形容詞の変化は、
   やや複雑です。ま、何度も練習すれば慣れることができますが・・・。

 :ノルウェー語の発音はどんな感じでしょうか?
 :日本人の方が苦手とされるのは、文法よりも「発音」の方かもしれません。
   ノルウェー語の母音は、a, e, i, o, u, y, æ, ø, å と9つもあり、日本語より多いです。
   つまり日本語にはない音があるので、正しい音を発音できるようになるのには苦労される
   かもしれません。
   拙著「ノルウェー語のしくみ」に書きましたが、o, u, y, ø のような音は「ひょっとこ口」を
   作らないと正しく発音できません。この口の形は、結構、恥ずかしいです。
   「恥を捨てる」ことで、正しいノルウェー語の発音へ到達できますね♪

 :その発音なんですが、ノルウェー人によってかなり違う印象がありますが・・・。
 :それは「方言」のせいですね。
   ノルウェーには約430の自治体がありますが、その数だけ方言があると言われています。
   大きく分けて、東、西、南、中央、北ノルウェーの方言があります。
   同じノルウェー人同士でも、「理解できない」と言われる方言があるくらいバリエーションが
   豊富です。
   例えば、私を意味する「jeg」(ヤイ)ですが、je, jei, e, eg, æ, æg, æi, ai, i といったくさんの
   方言が存在するんですよ!
   方言については、たくさん語りたいことがあるので、次回も続きます。お楽しみに☆

(更新日:2011年12月14日)
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方言の神秘


 :では方言について教えてください。
 :語学書では、方言を「共通の古ノルド語を起源とする話し言葉」と表現しています。
   前にもノルウェー語の方言はバリエーションが豊富というお話をしましたが、ノルウェーの
   方言でユニークなのは、「方言に権威がある」という点ですね。
   1970年代はノルウェーで学生運動や女性運動、環境運動などが盛り上がりましたが、
   一種の「方言運動」も起こりました。人々の文化として「方言」がクローズアップされ、
   方言で歌うロックバンドが誕生しました。
   それまでの「方言は恥ずかしい」から、「方言に誇りを持つ」に人々の考え方が変わって
   いったようです。


 :それでは今でもノルウェー人は方言を使っているのですか?
 :はい。若干、個人差はありますが、ほとんどのノルウェー人は自分が慣れ親しんでいる
   方言を使うケースが多いですね。
   メッテ・マリット皇太子は南ノルウェー出身ですから、そちらの方言を使っていますし、
   元首相のボンネヴィーク氏は西ノルウェーの方言を使っていました。
   というように、かなり「公的な人」であっても、方言を使っている点が面白いです。
   私はたまに通訳の仕事をするのですが、毎回、「次はどんな方言の人が来るだろう?」
   とドキドキします。
   以前、あまりにも方言がきつい北ノルウェー出身の人の通訳が大変でした・・・。
   同行の東ノルウェー出身の方はもっと分かりやすいノルウェー語だったので、
   その方が私たちの間に入って「通訳の通訳」をして下さったので、何とかなりましたが・・・。
   外国人がノルウェー語を学習する際、最も難しいアイテムは、「方言」だと断定できます!

(更新日:2012年1月24日)

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ノルウェー語「萌え」ポイント


 :青木さんにとってノルウェー語の「萌え」ポイントは?
 :個人の「性癖」がばれてしまうので、お答えするのが怖いのですが・・・。
   そうですね、前にも書きましたが、ノルウェー語の「メロディアスな響き」でしょうか。
   個々の単語に Tonem トネーム「音調」と呼ばれる音の上げ下げがあります。
   これがあるために、文章を読んでも、まるでノルウェーのアップダウンが多い地形の
   ように、上がったり、下がったりします。
   このイントネーションは、学習を始めた当初はなかなかできずに、フラットなノルウェー語に
   なってしまいました。
   なので、先生やCDのノルウェー語を「マネ」して、自分なりにイントネーションをつける
   努力をしました。そう気分は「モノマネタレント」です!
   留学してさらにイントネーションに磨きをかける努力をしました。
   今では、話すノルウェー人に合わせてイントネーションを変えるように心がけています。
   いわゆる「あなた色に染めて」気分ですね(恥)。
   デンマーク語にはノルウェー語みたいなイントネーションがありません。
   デンマーク人はノルウェー人の真似をする時にわざとイントネーションを誇張して、
   「田舎くさいよね?」と小馬鹿にします。でもノルウェー人もデンマーク語の独特な発音
   「熱々のポテトを喉に詰まらせる」を、誇張してやるのでお互いさまです。
   「北欧兄弟愛」を感じますね~♪

   その他の「萌え」ポイントは、ゲルマン語特有の「合成語」(Sammensattord)です。
   合成語は、単語と単語をくっつけるもので、日本語の「熟語」に似ています。
   合成名詞の作り方は3種類あります。
   ダイレクトにくっつけるタイプ: ord(単語)+ bok(本)=ordbok(辞書)
   間に s をつけるタイプ: samfunn(社会)+ s + fag(科目)=samfunnsfag(社会科)
   間に e をつけるタイプ: barn(子ども)+ e + klær(服)=barneklær(子供服)

   合成語で辞書を引いても載っていないことがあり、単語を分解してようやく意味がわかる、
   ということが多いです。ですから学習初期の段階では、長いし、発音しにくいし、意味は
   分からないし、と苦手意識が強かったのですが、今はなんか好きですね(ポッ)。
   とりわけ意味が、「え?こうなるの?」という意外性のある合成語が面白いです。
   例えば、こんな合成語があります。
   hybel(アパート)+ kanin(うさぎ)=hybelkanin(家のほこり)
   画像で見ると、こんな感じです。
   
(Wikipediaより)
   一瞬、なんで「”家のうさぎ”がほこりなの?」と不思議ですが、実物をみると
    「なるほどね~」と納得しちゃいます。
   こんな感じで合成語の奥は深いですよ~。

(更新日:2012年2月27日)

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 文法で簡単なところは?


 :ノルウェー語の文法で、とっつきやすい点を教えてください。
 :何と言っても面倒でないのは、動詞の変化の「シンプル」なところです。
   フランス語などとは違い、主語が変わっても動詞は変化しません。
   ちょっと例 を見てみましょう。

例) Jeg spiser.  「私は食べます」 spiser = 食べる
   Du spiser.  「あなたは食べます」
   Han spiser.  「彼は食べます」
   Hun spiser.  「彼女は食べます」
   Vi spiser.  「私たちは食べます」
   Dere spiser.  「あなたたちは食べます」
   De spiser.  「彼ら・彼女らは食べます」

   フランス語などの長い文法活用表を知っている人ならば、このシンプルさは
   嬉しいことですね。
   また言語によっては動詞の変化が複雑すぎて、「辞書も引けない!」という
   事態に陥ることがあります。ノルウェー語の場合はどうでしょうか?

   ノルウェー語の動詞は不定形(原型)があり、こちらが辞書の見出し語に
   あた ります。前述のspiser の場合で見てみましょう。
例) 不定形:spise
   これを現在形にするには、r を付ければOKです。
例) 不定形:spise + r → spiser (現在形)

   どうですか?これならば辞書を引くのも簡単ですよね?
   ほぼ99パーセントの動詞がこのように不定形に r を付ければ現在形が作れますが、
   たった5つだけ「不規則変化」の動詞があります。
   早速、見てみましょう。

 <不規則変化の動詞>
   不定形    現在形     意味
    være       er    ~である(be動詞)
    gjøre      gjør     する
    spørre     spør     尋ねる
    vite       vet     知っている
    si        sier     言う

   よく使う動詞ばかりなので、覚えるのは難しくありません。
   私も最初にノルウェー語を習い始めた時、「おお、これはシンプルだ!」と
   感動した記憶があります。
   1人でも多くの方と感動を共有したいですね♪

(更新日:2012年3月27日)

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お気に入りの単語


 :ずばり、お気に入りの単語は?
 :いろいろあって1つに選ぶのは難しいですが・・・。
   でも成り立ちがとても興味深い単語があります。

   ノルウェー人は安いお酒やたばこ、食料品を買うために、わざわざスウェーデン
   国境沿いまでショッピングに出かけます。
   その行為を grensehandel (国境の買い物)というのですが、別の表現で
   harryhandel (ハリーの買い物)があります。
   もともと harry = Harry は英語圏の男性の名前です。ですが、ノルウェーの1900年代の
   初め頃から労働者階級を中心に、この名前を子どもにつけるのが流行りました。
   私には、退職した小学校の先生の知り合いがオスロにいるのですが、彼女はクラスに
   そうした「アメリカかぶれ」した子どもの名前を内心、軽蔑していたそうです。
   ということで Harry もまた、「下品な、庶民的な、頭が悪い」的な意味を持つネガティブな
   スラングになってしまいました。

   そうした背景を頭に入れて、これから書くエピソードを読んでください。
   2002年、当時の農業大臣Lars Sponheim がスウェーデン国境沿いに買い物に出かける
   行為は「harry だ」とうっかり発言をしてしまいました。ニュースの少ないノルウェーでは
   大騒ぎになります。つまり、国境沿いに安物を求める人々はバカで下品だ、と間接的に
   皮肉ったことになりますから。
   以来、スウェーデンの国境沿いに買い物へ行く行為を harryhandel
   または harrytur (ハリーツアー)と表現するのが一般的になりました。
   自虐的なノルウェー人の極みが、この単語の一つかと思います。

(更新日:2012年4月25日)

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「平等な」言葉?


 :ノルウェーというと「平等な国」というイメージですが、
   言葉では「目上の 人」に気をつけなければならないことはありますか?

 :「ほぼない」が答えです。
   ノルウェーの大学に留学して驚いたのは、先生のことを
   「ファーストネームで呼 び捨てちゃって構わない」でした。
   例えば、「Jens」(イェンス)とかって、学生が呼んじゃうのです。びっくりですよね。
   英語にはMr.やMrs.といった敬称を手紙などで書きますが、ノルウェーでは名前だけです。

例) Jens Stoltenberg (イェンス・ストルテンバルグ)

   一応、ノルウェー語にも Herr = Mr. , Fru = Ms. , Frøken = Miss
   といった表現は存在しますが、現在のノルウェー語でこれらを名前の前に置いて使うのは、
   一般的ではありません。
   1915年のノルウェーを舞台にした映画「孤島の王」を観た時、絶対的な権力を持つ施設長
   が部下に対し、「Herr. と呼べ」と言うセリフは印象深かったですね。
   この当時はそういう時代だったということでしょう。

   あとは普通に、年上や目上の人に「du」(あなた)と呼んでOKです。
   一応、敬称 の「De」があるのですが、現在のノルウェーではほぼ使われません。
   この辺りは フランス語の「vous」と「tu」の方がきっちり分かれていますね。

   歴史的にみれば、イプセンの時代には、これらのDe、Herr などは使われていました。
   また1960年代の推理小説を読んだ時も、こうした敬称は使われていました。
   ノルウェー人の平等意識が高まるにつれ、こうした敬称が姿を消していったのでしょう。
   私もノルウェーの大臣たちとご挨拶したことがありますが、別に気を付けたことは
   ありませんでした。
   ノルウェーの職場では、言葉遣いでも服装でも、「上下」の関係って分かりにくいですよね。

(更新日:2012年5月22日)

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名詞に性について


 :ノルウェー語と日本語。違いはたくさんあると思います。大きな点を挙げて下さい。
 :はい。たくさんあります!
   まずは、文字が違いますね。ノルウェー語はアルファベット文字です。
   英語の文字プラス、 æ, ø, å があります。
   他にも、文法やら単語やら違うことだらけですが、今回は「名詞の性」をピックアップ
   してみましょう。

 :名詞とは何でしょうか?
 :「お父さん」(far)、「お母さん」(mor)、「リンゴ」(eple)といった具体的な人や物、
   または「愛」(kjærlighet) といった抽象的な単語も含まれます。
   ノルウェー語の「名詞」には、「性」があります。

 :「性」??
 :日本人的には、理解し難い概念ですが、名詞に性のある言語は、ノルウェー語だけでは
   ありません。
   ちなみに名詞の性は以下の3つです。

   ・男性名詞 (hankjønn)
   ・女性名詞 (hunkjønn)
   ・中性名詞 (intetkjønn)

   それぞれの名詞の前には、印となる冠詞がつきます。

   ・男性名詞 → en far (お父さん)
   ・女性名詞 → ei mor (お母さん)
   ・中性名詞 → et barn (子ども)

   「お父さん」が男性、「お母さん」は女性、は分かりやすいですが、「子ども」は中性?
   さらに挙げてみると、

   ・男性名詞 :en gruppe(グループ)、en måned(月)、en sjokolade(チョコレート)
   ・女性名詞 :ei hytte(ヒュッテ=セカンドハウス)、ei sol(太陽)、ei avis(新聞)
   ・中性名詞 :et slips(ネクタイ)、et samfunn(社会)、et folk(人々)

   など、もう日本人の頭では整理不能です!
   さらにノルウェー語の名詞の性に関するルールには、他の言語にはあまり例がない
   「奇妙な法則」があります。
   それは次回、ご紹介しましょう♪

(更新日:2012年6月25日)
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外国語学習に必須なこと


 :では、前回の続きで性に関するルールを教えてください。
 :すみません、実は先にどうしてもお話したいテーマが・・・
 :え?
 :黒田龍之助さんの「外国語をはじめる前に」を読んで、引っかかる箇所が・・・
   本書の23ページに書かれているほら、この部分の疑問に、私なりに答えたいのです。
 :もうこのコーナーは、回答者さんの「唯我独尊」状態ですね。
   はい、では改めて伺いましょう。


   「外国語上達法では、外国語が上達するためにはお金と時間が必要だと
   主張しています。ではそのうち1つしか選べないとしたら、あなたはどちらを残し、
   どちらを削りますか?」

 :私の答えは、「寿命は3年縮めてくださって結構なので、”お金と時間の両方
   をください“」です。
   私はノルウェー語の場合でしかお話できませんが、ちょっとこのお題について
   考えてみましょう。

   ノルウェー語を勉強するにあたり、全く「お金」を使わない、というのはまず不可能でしょう。
   参考書を買う、ノルウェー語講座に通う、留学するなど学習に必要なことは、
   金銭を支払って初めて可能になります。
   私もここに至るまでずいぶんとお金を使いました。
   まずノルウェー語の参考書は、日本語のもの、ノルウェー語のもの、両方ともたくさん
   買いました。会話集、文法書、発音辞書、辞書は最低限必要です。
   日本で語学学校に通っている間も買いましたし、ノルウェー留学中は、大学の
   カリキュラムで、かなりの本が必要になり購入しました。
   これらの本は当然ですが、役に立ちました。文法書は「なんか退屈そう」というイメージ
   かもしれませんが、「え~とこれどうだったっけ?」と辞書的な感覚で私を助けてくれます。
   ノルウェー語の語学書を自分が執筆する立場になった時も、ずいぶんと参考になり、
   これらの出費を「無駄だった」と思ったことは一度もありません。

   あとノルウェー語講座への参加や留学は、ノルウェー語の力をつける上で、本当に
   「やってよかった!」としみじみしています。
   独学でかなりの実力につける方も当然いらっしゃるかと思いますが、私のような
   怠け者には、たえず「先生」が必要でした。正しい発音、単語の意味、文の解釈、
   文法のややこしい説明、そして自然なフレーズ会得、ライティングなど
   「先生」の助力なしには、私には学習は無理でした。
   留学中、あれだけの量のテキストを短期間で読めたのは、ひとえに
   「追い詰められたから」でしょう。独学では無理だと思います(少なくとも私には)。

   さて「時間」。
   時間もずいぶん使いましたね~。94年からノルウェー語の語学教室に通い始め、
   現在に至るまで「日々、勉強」のつもりでいます。
   「あっという間にできる人」、ってうらやましい限りですが、時間をかけた学習も乙なもの
   ですよ。例えば、その時、その時で旬な単語やトピックスを蓄積できます。
   今は教える立場ですが、テキストを読みながら、「昔、こんなことがありました」なんて、
   まさに「亀の甲より年の功」を地で行っています。
   文法も一通りは読んだつもりですが、新しくテキストを読んで、「はて?」と立ち止まる
   こともしょっちゅう。
   また新聞はネットで毎日チェックし、紙の新聞は週1回購読していますが、
   「この単語、何だっけ?」もしょっちゅうです。
   また新たな気分で、文法書なり、辞書を読み直すのも、新鮮な気持ちで発見がありますね。
   ある程度のレベルになった方の悩みとして、「ボキャブラリーが増えない」があるかと
   思いますが、これはひたすら、テキストを読む、ヒアリングをするなど地道な作業が必要
   でしょう。
   近道はありません。地道な作業の積み重ねです。

   時間がない、という方は通勤時間にネットラジオを聴く、1日10分はネットで新聞の
   ヘッドラインを読む、など小さなことからを始めてみてはいかがでしょう?
   ですがやはり、時間をかけていない勉強は、かけているそれよりは効果が少ないのは、
   自明の理ですね。

   お金と時間。
   これはノルウェー語学習の両方に欠かせません。
   みなさんの学習動機や「切羽つまり度」によって、それぞれの「投資額」は変わってくると
   思いますが、かけた分だけ実力はついていくと思います。

   画期的なダイエット法がないのと同じように、画期的な学習法もありません。
   でも、確実にお金と時間をかけた分は、実力となっていくことでしょう。

(更新日:2012年7月27日)

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名詞の性、珍妙なルール


 :(コホン)先月は、回答者さんの独断で話が逸れてしまいましたね。
   前々回に振られた疑問を今回こそ、教えていただきます。
 :これだけ間が空いちゃうと、話を忘れちゃいそう・・・
   って、はい、ちゃんとお答えします!どうぞ。

 :「ノルウェー語の名詞の性に関するルールには、他の言語にはあまり例がない
   ”奇妙な法則”がある」とはどういうことですか?

 :前々回の本欄で、ノルウェー語の名詞には「男性、女性、中性」があると書きましたね。
   ですが、「女性名詞」に何とも悩ましいルールがあるのです。
   つまり、「ノルウェー語の女性名詞は、男性名詞として扱っても間違えではない」
   というルールなんです。

   例を挙げてみましょう。

例) ei bok (本)→女性名詞
   en bok     →男性名詞

   これ両方とも、ノルウェー語の文法では合っているんです。

  ・・・というお話をレッスンですると、例えばフランス語をやっていた生徒さんは
   「信じられないルール!」と驚かれます。
   そうですよね、他の言語なら名詞の性は、きちんと決まっています。

 :それなら女性名詞はもうなしにして、男性と中性名詞だけに出来ないのですか?
   その方がシンプルですよね!?

 :そう考える生徒さんもよくいらっしゃいます。もっともな指摘です。

   確かに西ノルウェーのベルゲンの方言では、女性名詞は存在しません。
   男性と中性のみです。
   ですが現代のノルウェーにおいて、女性名詞を全く使わないのは
   不自然な印象がありますね。
   言えることは、女性名詞はより「話し言葉」で、男性名詞はより「書き言葉」で
   見聞きすることができるということです。

   結論としては、女性・男性名詞のどちらを選択するかは、あなたの自由です。
   ノルウェー語は、複雑な言語事情を抱えているので、妥協として、数々の「選択の自由」
   が存在します。
   きっちり決めると、「それに反対!」という声があってそれが無視できないんですよね~。
   ノルウェー語はとても「人間的」な「愛すべき」言葉だと思うのは、そうした点からです。
   もっとも、ノルウェー語を学ぶ外国人にすれば、「もっときっちりルールを決めてよ!」
   と愚痴りたくなりますが・・・。

   女性名詞を選ぶか、男性名詞を選ぶか、
   その人の住んでいる環境や親や先生の影響など様々な要因が関係してきます。
   だからノルウェー人からメールをもらうと面白いですよ。
   「あ、この人はここで男性名詞or女性名詞を使うんだ~」って人によって違いますから。
   同じ作家の作品でも、若いころは女性名詞を多用し、年を取ってから男性名詞に
   シフトという現象も見られます。

 :なんか複雑!
 :まあ、そう決めつけずに、面白がってみませんか?

(更新日:2012年8月29日)

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