メモ Nr.1 「フットボールとお酒」 (2003年5月25日)


スポーツ関係で気になる話題について、時々書かせていただくことになりましたりさねんねんです。
ノルウェーのスポーツでいくらかでも詳しいと言えば、フットボールくらいなのですが、スポーツ観戦全般、結構好きですので、その他のスポーツについても取り上げていきたいなと思っております。どうぞよろしくお願いします。

さて、1回目ということで何を書こうかと悩んだのですが、まず今回は「フットボールとお酒」というテーマにしてみました。
昨年私は、欧州選手権ノルウェー対デンマークを観戦しに行ったのですが、デンマークから来たサポーターたちは、試合前日から、ほろ酔い気分で盛り上がっていました。その手には6本パックの缶ビール。
ノルウェーではお酒にかかる税金が高いので、地元デンマークから安いビールを大量に持参してきたようです。
試合当日も、かなりの数のデンマークサポーターが、キックオフ前にもかかわらず、すでにできあがっている状態で、これでデンマークが勝ったらいったいどうなるんだろう? と不安に思ってしまう程でした。

ほとんどのスタジアムには、アルコールの持ち込みはできません
缶・瓶・ペットボトルなどに入った飲料も、持ち込み禁止です。
暴れるのが目的で来ている人はもちろん、酒の勢いで、モノを放り込んだり、ついつい行き過ぎた行為に及んでしまう人が、いるからです。

ノルウェーには宗教上の理由で禁酒主義という人々もいます。
ノルウェーリーグで、11連覇を果たしたローゼンボルグのマネージャーを務めるルネ・ブラツエット氏もその一人。
ローゼンボルグのホームスタジアム、レルケンダールが改装された際、新しくなったVIPラウンジでアルコールを出すかどうかで問題になり、「アルコールを出すくらいなら辞任する」と発言していたほどです(現在も、彼が留任しているということは、結局アルコールを出すという案は、却下になったのかもしれません)。

一方、お酒から切っても切れないというフットボールプレイヤーもいます。
その代表が、《Myggen》ことエリック・ミュクランでしょう。
彼の伝説は数多くあるのですが、1998年フランスW杯の時、夜中に宿舎のホテルを抜け出して、チームメイトとナイトクラブに遊びに行ったのをすっぱ抜かれ、その夜遊びは世界的にも有名になりました。
その後も、代表戦前に勝手にホテルを抜け出して飲みに行ってしまい、監督の不興を買うという事件などもあり、必要以上にマスコミから注目されることに疲れた彼は、遂にノルウェー代表を辞退すると表明しました。

社会的な規範には、必ずしもあてはまらないミュクランですが、173センチとノルウェー人としては、決して恵まれた身体ではないにもかかわらず、その熱いプレーでファンにとても人気があります。
《Myggen》復帰を願う声も、とても根強いのです!
現在は、デンマークのFCコペンハーゲンでプレーしているミュクラン。ノルウェーのマスコミの目にさらされるストレスから、開放されたのかと思いきや、先日も、デンマークリーグの後期日程が再開される3日前に朝帰りしてるところを見つかって、やはりニュースになっていました。

試合の3日前に飲みに行くのって、そんなに悪いことなのかなー? と思うのですが、みなさんはどう考えられますか? 
もちろん、二日酔いでプレーできないなんていうのは論外ですが。
本人のコメントを引用すると、「間違ってるとは言えないよ。要するに、試合の3日前に町へ遊びに行くだけなんだから、何の問題もないね」と、悪びれる様子は全くありません。
それでこそミュッゲン! と喝采を送る人も多いはずです。

時々、飲酒運転で選手が事故を起こしたというニュースを、見ることがあります。
モルデダニエル・ベルク・ヘスタッド除雪車に激突したとか、イングランドのリーズでプレーするアイリク・バッケが、飲酒運転で逮捕されたとか。
だいたいこんなニュースは、何故か冬の間が多いです。
寒さに耐えるには、アルコールの力を借りないとやってられないということなのでしょうか。
でもお酒が好きだとはいえ、「飲んだら乗るな」の原則を忘れてはいけないというのは、当然のこと。
これは、夜中こっそり飲みに行くのとは、また別の次元の話ですから。

結局、欧州選手権予選ノルウェー対デンマークは、リードしていたデンマークにロスタイム直前、カリューのゴールで追いつき、2−2のドローに終わりました。
試合後、オスロの町には、引き分けという結果でどちらも荒れることなく、仲良く同じカフェのテラスで、ビールを飲むノルウェーとデンマーク両サポーターの姿がありました。
その光景は、なんだかほのぼのしていてちょっと嬉しくなりました。
選手もファンもお酒とはうまくつきあって、フットボールを楽しみたいですね。


P.S.  ミュッゲンについて語り下ろされた「Myggen」というタイトルの本があります。セクシーショットも満載ですよね?りさねんねんさん!by 編集人

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メモNr.2 「ノルウェーカップの光と影」 (2003年8月3日)


またもやフットボールの話で恐縮ですが、今年もこの季節がやってきたので、見過ごすわけにはいきません。

そう、「ノルウェーカップ」開幕です。

子供のためのフットボールの大会としては、世界最大といわれるこの大会ですが、残念なことに、日本ではほとんど知名度がありません。
今年は世界の40カ国から1300ものチームが参加するというのに、日本のチームは出場しないのです。

今年31回目を迎えるノルウェーカップが初めて開催されたのは、1972年。その際の参加国は7カ国、126チームという小規模なものでした。
昨年は30周年の記念大会ということで、地元ノルウェーのヴォレレンガマンチェスターユナイテッドの記念試合も行われて盛り上がったようです。

参加するのは地元ノルウェーはもちろん、周辺ヨーロッパ諸国、北・南米、そして毎年途上国のチームが招待されます。1995年には、敵対しているイスラエルとパレスチナのチームが招待され、友好的に試合が行われました。
参加資格があるのは、10歳から19歳の少年少女。男子チームだけでなく女子チームも数多く参加するのが、女子サッカーの強いノルウェーらしいところかも。

この大会、オスロに住む私の友人は「1日に1000試合も行われる」という話を聞き、「嘘でしょう?」と思い新聞に載っている結果で、その試合数を数えました。すると、本当に1000試合ほどあって驚いたそうです。
それもそのはず、7月27日から8月1日までの大会期間中に行われる試合の数は、なんと3300!! 
それがEkebergと、その周辺で朝8時から夜8時半までの間に一気に行われるということで、一帯は朝から晩まで、フットボール漬けになることは容易に想像できそうです。
私もHP上で試合数を数えようとチャレンジしましたが、あまりの多さに挫折・・・。

子供たちは大会の間、基本的に学校で寝泊りし(ホテルにも泊まれるようですが)、大会用の巨大テントで一緒に食事をとることになっています。
会場内にはアウトドア施設があったり、映画の上映会があったり、ディスコ(?)があったり、周囲の博物館へも無料で入場できる、なんていう特典もついているようです。
試合を通してはもちろん、そういう場所でも違う国の子たちと交流したり、文化に触れる機会が設けられているということですね。

さて、このノルウェーカップ、今年で31年目を迎えるだけあって、現在ノルウェー代表や、プロのフットボールプレイヤーとして活躍するスタープレイヤーたちの中にも、子供の頃出場した経験があるという選手が数多くいます。 
オーレ・グンナル・ソールシャー、ステファン・イヴェルセン、エリック・ミュクランチェティル・レクダル、ヘニング・ベルグなどが、かつて参加した選手たちです。
彼らの多くが昔を振り返って、ノルウェーカップは思い出を作った素晴らしい大会だとコメントしています。
そのうちにまた、彼らに続く代表選手がこの大会経験者から出てくるのではないかなと期待しています。
現在のナショナルチームの監督Semb氏もこの大会の経験者らしいですよ。

とはいえこの大会の目的は、試合に勝つということではないのです。
いろんな場所から来た、いろんな人たちとフットボールを通じて触れ合うという経験をすることが大事だ、と考えられています。
子供のことですから、優勝することだけを考えて、今はそんなことに頭が回らないという子もいるでしょうが、何年か経って振り返った時には、いい財産になっているのではないかな、と思います。

さて、ここでノルウェーカップを生観戦されたこともあるfroskさんからの情報ですが、拡大を続けながら歴史を重ねてきたこの大会にも影の部分があるようです。

なにぶん短期間に大勢の子供たちが、狭い地域に集まるわけですから、その施設も充分とはいえません。更衣室なども満足になく、子供たち(少女だけでなく少年までも)の着替えシーンを盗撮しようなどという不逞の輩も出没するとのことで、警官が警戒をするという事態に陥っている現実があります。
公式サイトがハッキングされてポルノサイトに書き換えられてしまった、なんて事件もあったそうで。
一部の大人の心無い行動で、子供たちの夢を壊すなんて最低ですし、絶対にやめてもらいたいです。

強さを競う大会ならたくさんありますが、フットボールを楽しみ、いろんな人と触れ合うことができるこんな大会が、多くのボランティアの人々に支えられて、毎年大規模に開催されているのは素晴らしいことだと思います。
そしてこういう大会が開催されることで、フットボール人口の底上げにつながってくる気がします。

遠方なので金銭的にも難しいかもしれませんが、なんとなく内弁慶の感がある日本のチームも是非参加して、いろいろな経験をして欲しいです。

私もいつか見に行って、一日で何試合観戦できるかチャレンジしてみたいです!!
(でも相当体力必要ですよね?)

P.S.  ノルウェーカップの公式サイトは、http://www.norway-cup.no/t2.asp (英語サイトあり)
by 編集人


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メモNr.3 「三つ子の魂百まで?!〜ノルウェー自転車事情」
                                 (2003年10月4日)
 

9月中旬のある晴れた日曜日。私たちは地下鉄1番線で、Frognerseterenへ向かおうとしていた。

だが駅に2両連結の電車が到着し、ドアが開いてびっくり。
通勤時のラッシュかと思うほど狭い車内は、混みあって、身体をもぐりこませるスペースを探すのが難しいくらいの状態だった。
ただ、日本のラッシュと大きく違うのは、車内の多くのスペースを占めていたのが、人間だけではなく、自転車だということ。

ノルウェーの地下鉄にはを連れたり、自転車を持って乗っている人が多い。
犬はちゃんとしつけられているため、車内でもおとなしく飼い主に従っているので、一緒に乗ることに何の問題もない。
ただ大型犬が多いので、スペースはかなり必要ではあるが。
そして自転車。ノルウェー人が乗っているのは、日本のようなママチャリではなく。ほとんどがマウンテンバイク
それが何台も、同じ車内に積まれている。1番線は他の路線とは座席の並び方が違うので、車体を柱に立てかけて停めていると、通路は当然、一層狭くなる。
おまけに山道でがたがた揺れるのだ
いつもこの路線に乗るたびに、どうして地下を走らず、山に登るというのに《地下鉄!?》と疑問に思うのだが、この日はいつにも増して、「謎の登山電車」というべき妙な光景だった。

自転車をお供に従えた人たちのほとんどは、終点のFrognerseterenまで乗車。
ドアが開くと思い思いに愛車にまたがり、山を駆け下りたり、駆け上ってゆく。
その姿は老若男女問わず。筋骨隆々の男性もいれば、女性のみのグループも元気に走ってゆく。
その中で一番目に付いたのは、家族連れ。特に子供が結構多いということだった。
子供でも5〜6歳くらいになれば、一人前に自分の自転車。
まだ、幼い子供は、お母さんの自転車につけた専用の背もたれが高いチャイルドシートに乗せられている。
いくらクッションが効いているであろうとはいえ、舗装なんてされていないガタガタの山道を勢いよく下れば、相当の衝撃は避けられないのではと思うのだが、慣れているのかそんなことは気にもとめていない様子だった。

私自身、普段通勤には自転車(ママチャリだけど)を利用しているので、かなり自転車には慣れているほうだと思うが、それでもあの坂道を自転車で下れと言われれば、しり込みする。できれば下りたくも登りたくもない。

それなのに、みんな楽しそうに走り去っていく姿には圧倒された。一体どこまで行くつもりなのか、もしかしたら自転車で山を下ってしまうつもりなのか? 疑問に思ったが、もちろん追いかけてゆく勇気も体力もなく、ただ見つめるだけだった。
後ろにサポートするためのポールがついている自転車に乗るまだ小さな子供を押して、坂を登らせようとするお父さん。公道じゃちょっとお目にかかることもないような、前に子供用のハンドルとぺダルがついているタンデム(2人乗り)の自転車にまたがる母子・・・。

日本でこんな光景をみかけることはまずない
街からほんの20〜30分くらいで山があって、自然に囲まれて遊べるノルウェーならではの休日の過ごし方なのだろう。
例年なら9月中旬ともなれば肌寒く、なかなか家族でアウトドアを楽しむのは難しいらしいが、珍しくこの日は好天の上に、ちょっと動けば汗ばむほどの陽気だった。
迫り来る暗く長い冬を前にたくさん太陽を浴びて、外で遊ぶ。
物心つく前からそれが当然として育っていけば、自分が家族を持つようになった時も、やはりマウンテンバイクに幼子を乗せて山を駆け下りる親になるのだろうか? と思った。これだけ幼い頃から慣れていれば、恐怖心も育たないに違いない

恐るべきノルウェー人。

そしてこれからも天気のいい暖かな日は、自転車にまたがったノルウェー人で山がにぎわうことは間違いなさそうだ。


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メモNr.4 「4500年の伝統」 (2004年2月21日) 

現在、ウインタースポーツシーズンの真っ最中ですね。

私はスキーもスケートも、やる方は全くダメですが、ウインタースポーツを見るのは大好きです。
そして、最近何だか気になるのが、ノルウェー語で"langrenn"、つまりノルディックのクロスカントリーです。
まあ、簡単に言ってしまえば、スキーを履いて山道をとにかく走るという競技ですが、斜面を滑り降りるのなら分かるものの、斜面をスキーを履いたまま登って行ったりもするわけです。
その力強さは、滑ることすらままならない私にとって感動モノです。

クロスカントリー競技には、大きく分けて2つの走法があります。
板を前後に動かして走るクラシカルと、スケーティングというスキーを滑らせる方法を使うフリースタイルです。

ノルウェーではリレハンメル、長野とオリンピックで8個のメダルを獲得したビヨルン・ダーリが圧倒的な強さを誇っていましたが、彼の引退後は、これといってずば抜けて強い選手は出てきていません。
それでも「ノルディック」と言うくらいですから、北欧発祥のスポーツ。
4000〜4500年も前の岩絵に、スキーを履いた人と思われる姿が残っているというお国柄、競技人口は多く、シーズンともなれば、一般の人もクロスカントリーを楽しんでいるようです。

当然、選手層も厚いため、そこそこのレベルで、それなりの順位を残せる選手はたくさんいます。
昨年の世界選手権では、女子ではBente Skariが強さを見せ、男子ではThomas Alsgaardが、ごつい肉体を生かした力強い走りと、一度見たら忘れないあの濃い〜顔でなかなかのインパクトを残してくれました(でも2人とも、昨シーズン限りで引退してしまったらしく、残念です)。
その他にも、Aukland、 Estil、Svartedal、Hjelmeset、Skjeldal、Hetlandなどが活躍しています。

ジャンプや複合などと比べ、クロスカントリーはただ、雪の中を何十キロも走ってタイムを競うだけの単調な競技だと思われがちですが、最近は一斉スタートし、順位争いの駆け引きが面白いパシュート、短距離で4人の選手が争い、ノックアウト方式で順位が決まるスプリントなども行われるようになり、観客を楽しませる要素も増えました。
短距離、長距離、フリー、クラシカル、それぞれ得意、不得意もあり、いろいろな種目でノルウェー人選手たちの活躍を見ることができます。

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メモNr.5 「世界で戦う力」 (2004年2月21日) 


またフットボールの話になってしまいますが、今年1月、男子ナショナルチームの監督に元ローゼンボルグ監督Aage Hareide氏が就任いたしました。

早速香港、シンガポールでトレーニングマッチを行って、3戦全勝と好スタートを切っています。そんなHareide氏が、代表チームを強くするために考えた秘策(?)が、「世界のトップクラスのノルウェー人アスリートたちに学ぶ」ということだという記事が、VG紙のサイトに掲載されていました。

たとえば、ラリーのPetter SolbergアルペンのKjetil Andre Aamodt、そして、ソルトレークオリンピックで、抜きん出た強さを見せたバイアスロンのOle Einar Bjørndalenなどです。
彼らは、それぞれの競技で優勝を争うような、ハイレベルの戦いを続けています。
Solbergは、昨年の世界ラリー選手権で優勝、AamodtもW杯や五輪で多くのメダルを獲得しています。
そしてバイアスロン(ノルウェー語ではSkiskyting)のBjørndalen。
バイアスロンは、クロスカントリースキーと射撃を組み合わせた競技で、体力と集中力が必要とされる過酷なスポーツです。
日本ではあまり馴染みがありませんが、某フットボールプレイヤーのプロフィールで、「趣味: Skiskyting」というのを見たことがあるので(しかも同じチームで2人も)、結構ノルウェーではメジャーなスポーツのようです。(日本ではなかなか趣味で手軽にできるスポーツではなさそうですが・・・

さて、話は逸れてしまいましたが、そんなバイアスロンの世界で頂点に立ち、2002年のソルトレークオリンピックでは、金メダル4個という圧倒的な強さを見せたのがBjørndalenです。
それぞれの競技でトップに立ち、集中力や勝利とそのプロセスに向けてポジティブな思考を保つことのできる彼らから、いい影響を受けたいというのがHareide監督の考えのようです。

具体的な時期や内容は、まだ全く決まっていないみたいですが、既にフットボールプレイヤーと親交のあるSolbergはこの話に乗り気のようですし、Bjørndalenも「自分が貢献できるのであればやりたい」と前向きな発言。
近いうちにモータースポーツやスキーとフットボールのコラボレーションから、新しいものが生まれるかもしれません。
 お互いに、いい影響を与え合ってくれるのなら大歓迎です!!

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