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    ウィズ・スタイル マガジン 『北欧 NOW!』

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ウィズ・スタイルマガジン 『北欧 NOW!』 
北欧ノルウェー着 ライフスタイルレポート
【06】


第53回 「ノルウェー語にトライ!」
(2010年4月15日発行 vol.123)


残念ながら、日本ではノルウェー語はマイナーな存在で、「ノルウェー語って
あるんですか?」と聞かれることもしばしばです。
少しでも多くの人に、ノルウェー語について知ってもらいたい、と常々考えて
いました。ヒントになったのが、以前、こちらのエッセイでもご紹介したNRK
(ノルウェー国営放送)が制作した「Typisk Norsk」(典型的なノルウェー語)
という番組です。
「言葉」がテーマと聞くと「難しそう」と思われるかもしれませんが、この番組
では例えば、「ノルウェーで一番ヘンな通りの名前ベスト10」とか、ユーモラ
スにノルウェー語を取り上げている姿勢が印象的でした。
こんな風にユーモアを交えて楽しくノルウェー語を紹介するイベントをノルウェー
大使館でやってみたい・・・と昨秋、企画書を書き、大使館の参事官に提出しました。
そして1ヶ月後、OKを頂き、イベントの実施に向けていよいよ始動!

広報部の担当者の方と相談し、イベントのパートナーを探します。
以前、大使館で研修生を務めていたノルウェー人と日本人のハーフのミカールさんは、
ノルウェー語も日本語も堪能。彼にお願いしたところ、快諾をもらいました。
プレゼンテーションはパワーポイントを使ってやることに決め、大体の原稿は私が
書きました。
小国にも関わらず似たような公用語が2つある特殊な言語事情とノルウェー語の歴史、
といったちょっと硬めの話から、多様な方言の紹介へと話を移します。それから、
参加者の方にも発音して頂くようにアルファベットや簡単な挨拶、よく使うフレーズ、
またノルウェー語の早口言葉、などピックアップします。
ミカールは、パワーポイントのレイアウトが上手で、感心することしきり。
今年に入って、大使館の担当者の方と打ち合わせをします。問題は、参加人数の見込み
でした。大使館では類似のイベントはやったことがありません。
せいぜい30人、多くても40人くらい?と私は数字を挙げました。それから、大使館のHPや
ニューズレター、夢ネットはもちろん、ミカールや生徒さんたち、知人が協力してくれて
mixiやFacebook、twitterに告知を書き込んでもらいました。

そして迎えた当日の3月17日。朝から緊張して、気分がブルーでした。
早目に会場入りした私とミカールは最後のリハーサルをやります。そして開場時間近くに
なって受付担当のサイト管理人さんが、「もう来ている人がいますよ」と教えてくれました。
開場してからどんどん人が入ってきます。受付に行ってみたところ、かなりの行列になって
驚くばかり。用意していたサマリーのコピーも、椅子も足りません。嬉しい悲鳴です!
結局、立ち見の方も出てしまって申し訳なかったのですが、113名の参加者でした。
ミカールのとぼけたボケがかなりウケ、イベントは和やかなうちに終わりました。

あのたくさんの人を思い出すと今でも感動が蘇ります。ありがとうございました!


青木順子 (あおきじゅんこ)

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第52回 「冬季オリンピック〜ノルウェーの赤い壁?〜」
(2010年3月15日発行 vol.121)


バンクーバーオリンピックが終わって人々の記憶から薄れていく中、改めて、
ノルウェーという小国の存在感を噛みしめる今日この頃。
メダルの獲得合計数でも堂々の4位でした。
いざオリンピックが始まり、ノルウェー勢の活躍のおかげで、サイトの掲示板に
オリンピック関係のカキコミが増えました。昔からの知り合いの方が特に熱心に
ノルディックスキー・クロスカントリーのNorthug選手(日本の表記では、
ノールトゥグ)について、書き込んでいらっしゃるので、興味がわいてきました。
ノルウェーの新聞でも、連日、彼の報道が目立ちます。「彼についてもっと知りたい」

と思った矢先、なんと掲示板でお世話になっているその方が、ノールトゥグ選手と
ノルウェー男子カーリング(見事、銀メダル獲得!)の映像を集めたDVDを送って
下さったのです。
「わ〜い!」と喜んだのもつかの間、我が家のAV環境が貧弱で、最新式のDVDが
再生できないことが分かりました。すると、その親切な方は更に、ポータブルの
DVDプレーヤーを送って下さったのです・・・。
もうその熱意に頭が下がり、先ほど届いたプレーヤーで、とうとうDVDを再生しました。

そして、ノールトゥグ選手の「野性味あふれる」滑りに感動しました!
まずクロスカントリーの中でも最も長距離の50キロクラシカルは、別名、
「鉄人レース」とも言われ、優勝者は「真の王者」と称されるそうです。
最後のゴール近く、トップを走るドイツの選手を振り切って、超人的なスパート。
見事、金メダルです!
赤いユニフォームを着用していることから「ノルウェーの赤い壁」というあだ名が
つけられていることもテレビ解説で知りました。う〜ん、微妙なあだ名ですね。

次に見たのは、男子団体10キロ×4人のリレー競技です。
最終滑走のノールトゥグは6位で滑り出します。が、どんどん順位を上げて、
4位につけます。途中からゴーグルを外して、赤いユニフォームと真っ赤な顔で全身、

ゆでだこ状態で、激しく追い上げていきます。
正直、これまでクロスカントリーの醍醐味ってよく分かっていなかったのですが、
駆け引きの妙、また選手の息づかいが聞えてくるような緊迫感で、見ている方も、
気張って力が入ってきますね。ゴールに近づいて、彼のスピードは更にアップし、
なんと2位に躍り出てゴール!ただただ感動です。

最後の映像は男子団体スプリント決勝。やはり最終滑走者のノールトゥグは3位で
滑り出します。野獣のような積極的な攻めの走りで、見事、トップのドイツを抜き去り、

優勝!お〜、金メダルだ〜!会場のノルウェー人応援団も大喜び。
来たかいがありましたね。

閉会式、50キロの表彰式が行われ、彼の素顔をまじまじ見ることができました。
まだ25歳。茶目っ気のある表情は、何となくイギリスの俳優ジュード・ローを
想起したのですが、そんな感想は私だけでしょうか?
これからも注目したい選手です。


青木順子 (あおきじゅんこ)

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第51回 「体温UPの秘策?」
(2010年2月15日発行 vol.119)


もう15年も前のことです。初めてノルウェーに留学する前、様々なアドバイスを
もらいました。
その中に、「ノルウェー人の平均体温は37度だから、37度の熱が出ても”熱がある“
って認めてもらえませんよ」というお言葉がありました。私の平均体温は36度程度。
37度は立派な発熱です。え?と釈然としないまま、私はノルウェーへ旅立っていきました。

ノルウェーに到着後、みんなに平均体温を聞いてまわることはしなかったのですが、
学生寮に住んで驚いたことがあります。ノルウェー人学生、どうも窓を開けたまま
寝ているようなのです。もちろん外は寒いのですが、「息がつまる」という理由から、
窓を開けているみたいで、私のように「でも誰かが入ってきたら、怖いじゃない?」
という反論は、分かってもらえませんでした。
しかも、みんなかなりの薄着で寝ているようで、男子学生の中には下着1枚だけの人も
いたようです(ノルウェーの学生寮は男女一緒です)。
これはやはり体温が高い故にできる技?ナゾは深まります。
普段着も、根本的に違っていました。外はマイナス。私は分厚いウールのパンツ。
一方、ノルウェー人たちはジーンズ。毛が入っていません・・・。
室内ではすぐにTシャツになるし、体感温度の違いを見せつけられました。
さて、本格的に冬になって、さらに驚いたことがありました。外は雪景色。
それでも赤ちゃんたちはベビーカーに乗って、お散歩に連れて行ってもらっている姿を
よく見かけました。もちろん、ブランケットにくるまれていますが、小さなお顔は、
むき出しです。保育園児も、かなりの悪天候でも外で元気に遊んでいるし、
そうやって小さな頃から体の耐寒性を養っているのかな?と、思いをはせました。

さて、昨今、日本を覆う「低体温ブーム」。本屋さんに行けば、「体温を上げよ!」
「生姜力!」みたいな本がたくさん積まれています。ちょっと中身を覗いてみれば、
日本人の体温は低い人が多く、本来は36.5度〜37.1度くらいが理想の体温、と定義され、
低体温の害悪がたくさん列挙されています。
見事に当てはまる私は、本格的にノルウェー人の体温調査(!)に乗り出しました。
出会ったノルウェー人女性に「体温は普通、何度くらい?」と聞いたところ、ちょっと
「私は低いのよ」と口ごもってます。お〜、そんな人もいるのか、と答えを待つと
「37度」って全然、低くありません!「私の夫は37.5度よ」って、それ、立派な発熱では
ないですか!そしてインターネットで様々なノルウェーのサイトを調べたところ、
「38度あれば、熱があります。」と書いてあるものがほとんどでした。1度は違いますね。
ノルウェー人のように、小さい頃から寒さの耐性を作り、運動量を増やし、厚着では
なく薄着を心がければ、低体温が避けられるでしょうか。
あと、低体温には「ストレス」も影響しているようですので、なるべくストレスフリーに
行きたいですね。


青木順子 (あおきじゅんこ)

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