白夜を求めて
北極圏の旅をしました
(前編)




この旅の一番の目的は白夜といっても正真証明の真夜中の太陽「ミッドナイトサン」です。私は以前はノルウェーならどこでも見られるものかと思っていたのですが、実は北部のいわゆる北極圏まで行かないと駄目なのです。それでも夏の北部に行けばいつでも見られるのかと思っていたのですが、見られるのは夏至を挟んで前後1ヶ月程度。当然ですが地域によってその期間は違っています。しかもお天気が良くないと見られないわけで、実はこれが一番の問題なのです。ノルウェーの海岸線の地域はとにかくしょっちゅう雨が降るからです。そんな理由もあって、今回はたっぷり9日間の行程を組みました。期間は7月中旬から下旬にかけてで、ミッドナイトサンを見るのに滑りこみぎりぎりの時期です。それでも毎日チャンスがあるわけですから、これなら確実。寝不足覚悟の旅となりました。
まず前編でご紹介するのは、オスロから一気に飛行機で飛んだ北緯70度の北の街トロムソ(Tromsø)です。そこから沿岸急行船(HURTIGRUTEN)に乗って更にヨーロッパ大陸の最北端を目指すためホニングスヴォーグ(Honningsvåg)へ向かいます。
沿岸急行船というのはノルウェー沿岸を結ぶフェリーで、ベルゲンからキルケネスの間を11日間かけて往復しています。観光だけでなく地元の人々の足でもあるので毎日運航されています。今回は部分的な区間だけしか乗っていませんが、ノルウェー人にとって、この船の全区間の旅は「一生に1度は行きたい。」憧れの旅だそうです。世界で一番美しい船旅との声もありますが、これが本当かどうかは全部乗ってみないとわかりませんよね。ただ、お天気さえ良ければ最高の風景が楽しめるのは確かなようです。









ストールスタイネン山から見たトロムソの街



いきなりですがこれがトロムソの街です。
この写真は本土側のストールスタイネン山(Storsteinen)にロープウェーで登って撮ったものです。
街は北欧一長いトロムソ橋で結ばれていて、真ん中のトロムソ島の本土側のエリアが中心地として栄えています。
実はこの写真はちょっとした晴れ間をねらってやっと撮りました。それほどトロムソは天候が不安定で雨ばかりの印象が残りました。




















トロムソ大聖堂・外観 トロムソ大聖堂・内観





街の中心に位置するトロムソ大聖堂。
1861年に建設された教会で、木造の教会ではノルウェー最大の大きさを持っているそうです。
祭壇の壁にキリストの絵がありますが、実は我が街ドラメンの教会にあるオリジナル画のコピーだというのにはちょっと驚きました。
私はまだドラメンの教会の内部には入ったことがないので、一度見に行きたいと思います。








街の大通りの様子カフェの看板




















中心地を南北に延びるストール通りの賑わいです。
トロムソには鉄筋コンクリートの近代建築と保存の対象となっている昔ながらの木造建築が混在しています。都市でありながら、おしゃれな雰囲気を併せ持っています。街を歩く若者はオスロで見かけるような流行の格好をして(寒くても夏は肌を出している女性が多い)、一方街角のカフェには写真のような古風でしゃれた看板がかかっていたりもするのです。







ポーラ博物館


港沿いに建つポーラ(北極)博物館。(Polarmuseet)
ノルウェーの探検家アムンセン関連のものや北極、南極についての展示などがあります。建物は1960年代に建てられた木造の保税倉庫が利用されているそうです。
北極圏のあざらし猟など、見ているだけで寒くなるような厳しい自然環境が伝わってくる内容でした。















ポーラリア博物館・外観

殺伐とした海辺に建ち斬新なデザインで目を引く建物は、昨年オープンしたばかりのポーラリア博物館(Polaria)です。
ここは日本から持参したガイドブックにも載っていなかったので馬鹿にしてたら、なかなかよく出来た博物館でした。時間に余裕を持って出かけると楽しめるところです。
新しいだけあって、ノルウェーの博物館に対する意識の持ち方が伝わってくる内容で、北極圏の自然環境や生物、大気汚染からオゾン層の破壊まで楽しく学べるようになっています。博物館全体にストーリー性があります。
とにかくここは私のおすすめスポットです。


















ポーラリア博物館・内部の様子




なんとここには水族館も。
かわいいあざらしと遊べます!
自然を体験できる仕組みも多く取り入れられています。

環境問題のコーナーではノルウェー人たちが立ち止まって熱心に説明文を読んでいる姿が印象的でした。


























トロムソ博物館・外観


トロムソ博物館(TromsøMuseum)はトロムソ島の中心からはちょっと離れた西部にあります。トロムソ大学所有の博物館のせいか北極圏の地形、自然、歴史、生態系、サーメ人(北極圏の遊牧民族)の生活などなど、あらゆる分野にわたった見ごたえのある展示内容となっています。













トロムソ博物館・内部




博物館の内部の様子です。住宅を建てる様子の実物大の展示物があったり、こどもたちの学習コーナーがあったり、車椅子専用のエレベーターがあったり、どれもノルウェーらしさが感じられます。館内はそれほど広いわけでもないのですがじっくり見ていくとかなり疲れます。







オーロラプラネタリウム

オーロラプラネタリウム(Nordlysplanetariet)の外観です。
ここでは北極圏の自然やオーロラがプラネタリウム形式で天井いっぱいの映像で楽しめます。でもやっぱり本物を見ないことには・・・・・。









トロムソ大学












先ほどのオーロラプラネタリウムはトロムソ大学の敷地内にあります。
そしてこれが大学の施設です。
こんな素敵な環境で学べたら豊かな発想も沸きそうですよね。
ただ、冬の寒さがどれほどかはわかりませんが・・・・・


















芸術美術館・外観歴史のあるレストランとその横のファーストフード店



















トロムソにはさまざまな様式の建物をみることが出来ます。黄色の大きな建物は芸術美術館(Kunstmuseum)です。この地方の芸術家の作品もあるので美術に興味のある人にはおもしろいかもしれません。
赤茶色の古い木造のレストランは歴史あるノルウェー料理のお店です。(Peppermøllen)
その隣の水色の建物はケバブ(トルコ料理)やピッツァのファーストフード店。気のせいかノルウェーではケバブ料理が流行っているのではないかと思えてなりません。ドラメンにも安くて美味しいケバブのファーストフード店があるのですが、いつも若者達で賑わっています。
ついでに食べ物の話を書きましょう。ノルウェーで食べられる珍しいものの代表は、トナカイの肉です。これは私もけっこう食べる機会がありましたが特別に美味しいものにはまだ出会っていません。次に鹿の肉。これも似たりよったりです。それから鯨。何しろノルウェーは捕鯨国ですからこれを食べてみないわけにはいきません。といっても私は日本料理店でしか食べていません。スーパーにも売ってはいるのですけど、調理方法に自信がないので・・・・。ザリガニもこちらでは美味しく食べられます。(日本のものとは種類が違います。)それからここで特に書いておきたいのは北極圏ならではの名物です。今回、Rypeいうロフォテン諸島産の野鳥を食べたのですが、後で調べたら「らいちょう」のことでした。日本では絶対に食べることはありません。他にはあざらしの肉を扱っているところがあるそうですが、私は遠慮させていただきたいです。








トンネル駐車場







これがなんだかおわかりになるでしょうか。
トロムソのお化け屋敷?
実はここはトンネルになった地下駐車場なのです。
なんだ駐車場かと馬鹿にしてはいけません。
街の中心にある岩山をくりぬいて1987年に造られた巨大な駐車場です。山の下をすべて駐車場にしてしまったのではないかと思えるほど長い通路状の空間がいくつもあって、掘りっぱなしのむき出しの岩肌が妙に不気味な雰囲気を作り出しています。(そう感じるのは私だけでしょうか・・・)
それにしても薄暗くて、寒くて、駐車場も空きだらけで、おまけに右側の写真の場所にはテニスコートがあったらしいのですが、誰も利用しないのかすっかり荒れ果てた真っ暗な広場に変わっていました。確かにここでテニスは気分が悪くなりそうです。
はっきりは言えませんが、これってトロムソの失敗事業ではないのでしょうか・・・?








港の風景






港の風景です。
ちょっとベルゲンを思わせるような三角屋根の建物が並んでいます。













霧の教会と恋人







たちまち霧がかかったかと思うと、トロムソの港はロマンチックな恋人たちのための場所に・・・・・

向こうに見えているのがトロムソ橋で、橋を渡りきったところに三角形の白い教会(北極教会)があります。













トロムソ橋から見た中心街





トロムソ橋を歩いて渡ってみました。
街の中心街が霧に包まれて幻想的です。

















北極教会

北極教会(Ishavskatedralen)
ここは教会としてよりも芸術作品としての価値が高いようです。この変わった建物はコンクリートとガラスで出来ていて、1965年12月に完成されました。中に入ると微妙な光線が美しく計算されているのが感じられます。
祭壇部分のステンドグラスは1972年に出来たもので、あまりに大きいために通常の工法では出来なかったようで、鉄とコンクリートで補強がされています。キリストの復活をモチーフにデザインされたその鮮やかな色合いが斬新的です。
この教会は他の教会に比べると、少々厳格さに欠ける気がします。観光スポットとしてはすばらしいものだと思いますが・・・。
また、そばまで行くと建物の老朽化も目に付いたりして、幻想的な教会のイメージが崩れたことも否めません。















沿岸急行船(ハラール・ヤール号)



いよいよ更なる北を目指して沿岸急行船に乗船です。
今回乗ったのはハラール・ヤール号(Harald Jarl)で偶然にも11隻ある船の中で1960年製と最も古く格式高い船でした。ノルウェー人に言わせるとこの船は最高だそうです。ただしちょっと「おもむき」がありすぎて旧式ゆえの難点もありましたが。
ただ、私が乗ったのはたった1泊。結局トロムソでは見られなかったミッドナイトサンを船上で見ようと意気込んでの乗船です。
船に乗っていた人々の平均年齢はとても高く見うけられ、いわゆるフルムーン旅行を楽しんでいる人が多かったように思われます。












船から見た風景。
氷河あり、滝あり、すれ違いの船あり・・・・・
気温は摂氏10度。船上での体感温度は真冬並みの寒さでしたが、それ以上の感動がありました。
言葉はいりませんね・・・・。


船上からの風景






曇っていたので諦めかけていたところ、なんとちょうど真夜中の12時だけ晴れたではありませんか。
とうとう、正真証明のミッドナイトサンを拝むことが出来ました。


船上からのミッドナイトサン





そしてまだまだ旅は続きます。
船はホニングスヴォーグへ向かって進んで行きます・・・・・















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♪・・夏のドラメンを散歩しました。

♪・・オスロ観光ガイド(その1)〜ガーデモン空港〜

♪・・オスロ観光ガイド(その2)〜ビィグドイ地区〜

♪・・オスロ観光ガイド(その3)〜中心街〜

♪・・オスロ観光ガイド(その4)〜ちょっと郊外へ〜

♪・・フィヨルドを求めてベルゲン鉄道の旅をしました。(前編)

♪・・フィヨルドを求めてベルゲン鉄道の旅をしました。(後編)

♪・・ノルウェー人のサマーハウスに招待していただきました。

→♪・・白夜を求めて北極圏の旅をしました。(後編)


♪・・夏の終わりに氷河を目指してドライブしました。





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