ノルウェー王国芸術祭 1997-1998

恒例の「実家に帰って、ノルウェー物を発掘する」シリーズです。
今回はこんな立派なパンフレットを見つけました!

20160327

「ノルウェー王国芸術祭」は1997年~98年開催ということで、私が最初のノルウェー留学(1995-96)から帰ってきた後ですね。
それなのにあまり記憶にないのはフシギです。
今、改めてパンフレットを読み直すと、「お金と気合が入っていたんだ!」と分かる充実の内容です。

冒頭では、故寛仁親王がお言葉を寄稿されていらっしゃいます。
続いて「国と社会」、「ノルウェーの起源と文化」、「ノルウェー文化の3人の偉人たち」(グリーグ、ムンク、イプセン)、「美術」、「音楽」、「文学」、「演劇と舞踏」が丁寧に解説されています。
会期中には、たくさんのコンサートや美術展、お芝居が催されたようですね。

さらに感涙ものは、「スポンサーがついている!」という事実・・・!
スカンジナビア航空(SAS)、ニチレイ、出光といった企業名がクレジットされています。

ウェブの情報もいいですが、こうした紙の情報が残っていると、「しみじみ」感が違いますね。
次に開催されるのはいつになるのでしょうか? 大いにノルウェー王国に期待したいです♪

いろいろな在日ノルウェー人~Stigさんの場合~

たまーに、「日本に住んでいるノルウェー人はどんな仕事をしているんですか?」と聞かれることがあります。
「ノルウェー系など外資系や日本企業に勤めている人、いろいろですよ~」と答えていましたが、Stig(スティーグ)さんの場合は、一貫して「独立独歩」を歩んできた点が特徴でしょうか。

Stigさんと知り合ったきっかけは彼のお嬢さんが、ノルウェー語レッスンに通ってくださったからです。
「なぜノルウェー人と日本人ご夫婦の女の子が、ノルウェー語を習いに来るの?」と不思議だったのですが、聞けば家では全然、ノルウェー語を使っていないとのこと。そして生まれてから20年ぶりくらいにお父さん=Stigさんの故郷を訪れ、ノルウェーに興味を持つようになり、うちへ来て下さるようになった次第です。

夏の暑い日、「父がノルウェー語レッスンに興味があるので連れてきていいですか?」と聞かれ「もちろんですよ!」と答え、それでStigさんと初めてお会いすることになりました。やや恰幅がよくてとても明るいStigさんは、流ちょうな日本語を話し、またおしゃべり上手なことにびっくりしました!
1979年に来日し、在日生活は37年。Stigさんが強調されていたのは、「自分の日本での仕事は他のノルウェー人とはかなり違う」という点でした。
「在日ノルウェー人は大使館や外資系、日本の会社で働くケースがほとんどだけど、自分はそういう道を選ばなかった」と。
そして現在は、高音質オーディオ部品=カートリッジの製造・輸出入・販売業の会社代表だと教えてくれました。

20160316-3

ノルウェーではベルゲンの名門ノルウェー経済大学(NHH)出身とお聞きし、「え?経済畑の人がなぜ高級オーディオの世界に?」とまたもや頭が??状態に。
今でこそ、世界を相手にしたビジネスを展開されてますが、実は翻訳会社やテレビのお仕事に関わったりと紆余曲折の連続だったそうです。

「知り合いのノルウェー人が日本で働きたいと言っているのですが・・・」と私に相談を持ちかけてくる方がいますが、いつも答えに窮します。ノルウェー系企業のポストは少ないですし、日本の会社でツラい思いをされて帰国された例も知ってますので。
その点、Stigさんの働き方は「会社や組織に属さない生き方の可能性」を示してくれると思いました。

プライベートでは日本人女性と結婚され、2人のお子さんの父親でもあるStigさんは、日本でビジネスを経験しながらも「あ~、ノルウェーのお父さんだな」と感じました。子どもの自主性を重んじ、愛情を持って応援している姿はまさしくノルウェー人。

・・・ということで、3/26(土)の「ノルウェーについて学ぶサロン」(なんと74回目!)にStigさんが登壇されます!
たくさんの写真をいただきました~。ホント、たくさんでーす!
Stigさんの業務分野である高級オーディオの写真はもちろん、出身地のベルゲンの美しい写真の数々。
西ノルウェーのHaugesund(ハウゲスン)で育ったそうですが、そこの写真もたくさんいただきました。実は今、Haugesundに2年間暮らしていた生徒さんがいるので、「おお、偶然!」と驚いています。

Haugesund

Haugesund

さらに当日はサロン史上、最も無謀な試みに挑戦します!
Stigさんご自慢のステレオ機器を搬入し、ノルウェーのアナログレコードでグリーグ、ジャズ、民族音楽や美しいボーカリストの曲を流す予定です。
最近「アナログレコードの人気が復活」とよく聞きますが、デジタルとは違ったアナログレコードの音質に触れてみませんか?

20160316-1

そうそう、Stigさんのお嬢さんが「よく家で父がレコードをかけて、これは素晴らしいだろう?と聞いてくるんです」とおっしゃってました。贅沢な環境ですね!

サロンの詳細とお申し込みはこちらになります♪
http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/kouzaannai2016/kouzaannai2016.htm

3/26はもう来週ですよ~。お申し込みをお待ちしています!

P.S. 現在、ノルウェー出張中のStigさんから「もっとたくさん、ノルウェーのレコードを買ったからサロンに持っていくよ」と嬉しいメッセージが届きました!

グリーグとベルゲン

えっと、一応ワタシは「日本グリーグ協会」の会員でございます!
クラシック音楽に疎ーいワタシですが、ちゃっかり会員になっているんですけど・・・・。ただ自慢したいのは、かの作曲家エドヴァルド・グリーグと誕生日が一緒(6/15)なんです!

うっすいつながりですが、もう1つありました!
実は、グリーグの少年時代をつづった絵本を持っているんです。

20151122

購入したのは、ノルウェー語を勉強を始めた1994年!しかもベルゲンの書店で購入しているんです。
グリーグはベルゲン出身。そして、ベルゲンにはグリーグの自邸トロルハウゲンが博物館として残っています。グリーグとベルゲンは切っても切り離せません。

この絵本は中身をお見せできないのが残念なくらい、抒情的かつ美しいタッチでベルゲンの風景と少年時代のグリーグを描いています。
ノルウェー語がわからなくても、引き込まれる1冊です。
あとタイトルが”Edvard fra Strandgaten“に注目!Strandgatenは、Strand=海岸、gaten=通りという意味です。
なので日本語にすると「海岸通り」になりますが、この通りでグリーグは生まれました。

ベルゲンの人は地元愛が強い!と常々感じていますが、ベルゲン、そしてベルゲンが生み出したグリーグへの愛情が詰まった1冊です♪