短編テレビ番組にみるノルウェー人と酒の関係

ノルウェーの大人気ドラマSKAM
私はノルウェー留学時代に、散々、学生たちのバカ騒ぎ大酒飲みパーティに参加したり、遭遇しました。なのでSKAMのパーティシーンは、違和感なく観ていました。
しかし「飲酒パーティシーンが、SKAMがもっと多くの国で放映権が売れない要因になっている」という記事を読んだ記憶があります。へ~、そうなんだ。
さらにSKAMを観た生徒さんたちから「ノルウェーのパーティってあんな感じなのですか?」と聞かれて、ノルウェー人の常識は日本の非常識?と改めて思い知りました。

残念ながら制作元のNRK(ノルウェー国営放送)は、ライセンス圏外の国へのウェブ配信はやめてしまいました・・・。
代わりに、ノルウェー人が酔っぱらうとどうなるのかがまるで「動物生態番組」のように理解できる3分ほどの短編シリーズが視聴可能です。
タイトルは”På fylla“。fyllaは飲み会、飲酒、酔っ払いを意味します。
しかーし!日本語の飲み会に比べて、fyllaの持つインパクトは異なります。

短編10本をまとめて観ても30分くらいでしょうか。
使われているノルウェー語は、テキストには出てこない下品な言葉、スラングが多いです。
下ネタも多用されていますが・・・国営放送の番組です。受信料で作られていますね~。
全エピソードは甲乙つけがたいですが、印象的なものは・・・
10話目のよっぱらい男性は、アイスの看板を勝手に持ってきちゃってます。
これ!まさに最初の留学時に、ノルウェー人学生たちがやってました~。大人もやっているとは、げに恐ろしい酒の魔力・・・とほほ。

かわいそうなアイスの看板・・・

あと6話目の女性が酔っぱらって元恋人の家へ行くシーン。元恋人には新しい彼女がいて、酔っ払い元カノは歯ブラシで復讐をするシーンなど。

最初は字幕なしで「生態」を観て頂き、お気が進みましたらば、右下にノルウェー語字幕を表示するボタンがあるので、思いっきり「下品な言葉」を満喫していただくのも乙でしょう。

https://tv.nrk.no/serie/paa-fylla

何年か前に、酔っぱらった若い女の子がブラジャーを路上で振り回している姿を見かけましたが、あんなのは序の口。
ノルウェーと飲酒の関係に思いを馳せませんか?

詩とテレビの相性は?~オスロ旅行記4 2016~

帰国前夜の日曜日。たまたまつけたNRK2のテレビ番組に「ん??」と目が釘付けに状態に。
男性が、詩を朗読しています。まさかポエトリー・リーディングをテレビでやってる?

20161102-1

さすが国営放送。日曜のゴールデンタイムに、こういう番組をやっているのね、とおかしくなりました。パッキングしながら、テレビをつけっぱなしにしていましたが、次から次へと詩が朗読されたり、現代や昔の詩人の紹介をしたりと番組は終わる気配はありません。
気になってテレビ欄で確認します。「ひ~~!!」目を疑いました。この番組、18時~23時まで放送・・・5時間も詩の番組をやるんですか??

はい、やってました。”Dikt og Forbannet løgn” (「詩とひどい嘘」イプセンのペール・ギュントにある有名なフレーズ)という番組です。
最初は「ぷぷ、公開ポエトリー・リーディングか~」と笑ってましたが、留学時代に勉強した詩や詩人が紹介されていくにつれ、どんどん番組に惹きこまれています。

5時間も詩の番組ということで、合間合間に工夫が見られました。例えば、ヒップホップグループや男声合唱団に詩を歌わせたり・・・

20161102-4

あと男性2人の司会者が「あなたの詩を番組にメールで送って下さい」と呼びかけたり・・・・いやいや、ノルウェー人は詩を書けるからすごい数が来るよ!と焦ります。
まぁ考えてみれば、日本でもEテレで短歌や俳句番組を放送しますよね。ただ違いは「放送時間帯」と番組の「予算」でしょうか。
ここで見覚えのあるお顔が画面に登場します。メッテ・マーリット(Mette-Marit)ですね。ノルウェーの皇太子妃です。

20161102-5

国民的詩人André Bjerke(アンドレ・ビャルケ)の詩を、南ノルウェーの方言で朗読。薄々は勘づいてましたが、この番組の並々ならぬ「気合」が伝わってきます。
他の企画として、オスロやベルゲン、スタヴァンゲルなどの町で、人々に「どんな言葉の詩を書いてほしいか」かのインタビュー映像が流れました。
tro(信じる)、fred(平和)、rettferdighet(公平)、mørkt(暗闇)などバラバラの単語を、街行く人は挙げていきます。
スタジオにいる若手の詩人たちが、30分くらいの時間内に、それらの言葉を使って詩を創作するという試みでした。
笑点より難しい!生放送だし放送作家いないです。
若手詩人の顔が、栗原類に似ていると思って写真を撮ったのですが・・・

20161102-11

帰国後「髪型しか似ていません」と切って捨てられました・・・。いや、角度によっては似てたんですよ。
正直、完成した詩によって感心したり「もっといい詩ができないのかな?」と生意気にも思っちゃいましたが、詩のライブ感は十分に伝わりました。
外出していたアウドさんも帰宅し、一緒になって視聴。画面には再び、見知った顔が映ります。絵本作家・詩人のグロー・ダーレ(Gro Dahle)さんです!

20161102-6

トレードマークのツインテールに、全くの普段着。さて、彼女に与えられたミッションは「詩の創作教室」でした~。
MCたちが生徒役になり、まずグローさんが「お互いの舌を手で触ってみて」と言います。当惑する生徒たちですが、素直に触りあってました。
「その匂いは?感覚は?何を思い出す?」とグローさんは尋ねて、2人はいろいろな言葉を発していきます。
それを「いいわね!とってもいいわよ!」と彼女は紙に書き取って、どんどん言葉をつなげていきました。

20161102-8

誉め上手、励まし上手のグローさんのリードにより、最後には即興詩が完成~!!MCたちも「まさか詩がこんな風にできるとは」と感動してました。
「詩は自由。詩は自分のもの。ただ書けばいいのよ」とグロー・ダーレさん。
パパと怒り鬼~話してごらん、だれかに~』で仕事をご一緒したので、作品はもちろん彼女からもらったメールまでもが「すごい、詩になっている」と感心したことは何度もありました。

全く予備知識がないまま見始めた番組ですが、まるでベストテンのような趣向が最後に待ってました。
ノルウェーで最高の詩」を選ぶという無謀な(!)企画です。
あらかじめ6つの詩が、審査員により絞り込まれていたようです。詩人と詩を紹介する映像が流れます。
ちなみに6つの詩は以下の通りです。

  • Halldis Moren Vesaas(ハルディス・モーレン・ヴェーソス)作 ”Ord over grind“(1955年)
    女性詩人として唯一のノミネート。夫とともに創作活動に励む。「ノルウェーで最も美しい愛と孤独の詩」と評される。
  • Tarjei Vesaas(タルエイ・ヴェーソス)作 ”Innbying“(1953年)
    Halldisの夫。小説も数多く出版し、北欧文学賞受賞。この詩は美しい愛の詩として知られる。
  • Arnulf Øverland(アルヌルフ・オーヴェルラン)作 ”Du må ikke sove” (1937年)
    早い時期から反ナチス活動を行い、この作品もナチズムの台頭を警告する詩として、広く知られている。
  • Olav H.Hauge(オーラヴ・H・ハウゲ)作 ”Kvardag” (1966年)
    ハルダンゲル地方でリンゴ農家をしながら詩作を行った詩人。幼少から年を重ねる過程の日常についてを、短い言葉で表現。
  • 同上の”Det er den draumen“(1966年)もノミネート。タイトルの”draum”=夢についての短い詩。葬式、結婚式、堅信礼でよく暗唱される。
  • Sigbjørn Obstfelder(シグビョルン・オブストフェルデル)”Jeg ser“(1893年)
    ノルウェー最初のモダニズム詩人と呼ばれる。詩では、孤独、不安、そして”異邦人”のような感覚が表現された。

これらの詩をいろいろな俳優がイメージ映像とともに朗読するのですが、感動的でした!
留学時代の古ーい記憶が甦ってきますが、アウドさんは「全部の詩が暗誦できる」と余裕の表情。やっぱり詩が大事な国なんだな~と納得です。
興味深いのはノミネート作品のうち、ニーノシュクで書かれた詩が4つを占めたんです(ノルウェー語にはブークモールとニーノシュクという公用語があり、ニーノシュクはマイナーな方)。よくニーノシュク擁護派は「ニーノシュクこそ詩的で美しい」と言っていたな~とぼんやり思い出します。

視聴者からの投票を呼び掛けますが、きっと多くのノルウェー人が投票したことでしょう。
いよいよ発表の瞬間・・・緊張が走ります!

20161102-9

「ノルウェー最高の詩」は、”Det er den draumen“が受賞しました~。Olav.H.Haugeの未亡人Bodil Cappelen(ボーディル・カッペレン)が舞台に上がります。

20161102-10

彼女について私は何も知りませんでしたが、アウドさんが説明してくれます。
何でも、Bodilさんは画家であり、結婚はしていたけれどもOlav H.Haugeの詩に文字通り「恋をして」、詩人と文通を開始。2人が実際に会うことができたのは、文通をしてから4年もかかったそう。「あの当時はね、そういう時代だったのよ」と感慨深そうにアウドさんは言ってました。夢が叶って、OlavとBodilは一緒に暮らし始めたのです。

Olav H.Haugeは、日本人とも縁があります。彼は漢詩に影響を受けたことが有名ですが、俳句にも興味があったということを後に知りました。
オスロ大学の図書館で、彼のことを調べている時に「昔、オスロ大学に留学した日本人がOlav H. Haugeに俳句を教えた」という文献を見つけたんですよね。いくらノルウェーは小さな国とはいえ、すごいなぁ、同じ留学生でも私とはすごい違いだなぁ、と感嘆した記憶があります。

20161102-12

5時間に亘る詩の番組は、改めて「詩の持つ力とテレビの可能性」を感じましたね。思いもかけない帰国前の思い出になりました~。
帰国後、ノルウェー人の知人と「詩をテーマに、あんなに大作番組を流しちゃうのはすごい!」と盛り上がりました。
以前のブログでも、ノルウェー人と詩の関係を書いていますので、ぜひご参照ください♪
(「詩が身近にある暮らし」、「子どもからのプレゼント♪」

詩心がない私でも、夢中になって最後まで観ちゃいました「詩の大作テレビ番組」。
ますますノルウェー人と詩の距離が縮まりそうです♪

ノルウェー人気ドラマで知る若者言葉

いつ頃からでしょうか。ノルウェーのサイトに、”SKAM“=「恥」という単語をよく見かけるようになったのは・・・。
NRK(ノルウェー国営放送)のドラマのタイトルだとわかりましたが、「私には関係ないもんね」と特に注意を払いませんでした。

しかーし、あまりにも”SKAM SKAM SKAM SKAM・・・・とまるで呪いの言葉のようにネットに溢れている。
NRKのドラマ通の生徒さんに伺ったところ「すごく面白いですよ」と教えてもらい、「じゃあ、ちょっと見てみるか~」とNRKのネット配信で”SKAM”のシーズン1を見始めたのですが・・・。
いい年のおばさんがノルウェーの高校生たちのドラマにハマり、シーズン2もあっという間に見ちゃいました。ノルウェーでも80代のおばあちゃんが楽しみにしているというのも納得です!

見学した高校

見学した高校

ドラマの内容や解説については、またいずれ別の回に。
今回はドラマでかなりショックを受けた「高校生が話すノルウェー語」について書きたいと思います。
実は「なに?この言葉や単語?」と理解できなかったものが幾つかあり、それが気になっちゃったんですよね。

それらは「若者言葉」または「スラング」だったのですが、一番の特徴は「英語から影響を受けた単語」です。
(注:内容上、「癒しのブログ」にふさわしくない単語がピックアップされることをあらかじめご容赦ください!)

NRK SKAM公式サイトより

NRK SKAM公式サイトより

問題でーす。
Føkkという単語は英語の何からできたものでしょう??簡単すぎましたかね~。英語のFuckです。
この単語の頻出具合はハンパなかったです!これの派生形で、føkkboyという単語も聞きました。イケメンのチャラ男を指して使われていました。
この単語と次の単語は、中学生が登場人物のYA小説(ヤングアダルト)にも出てきました。

er keen på ~

英語もノルウェー語も得意な方はすぐにお分かりでしょうか?
「~が好き、~に関心がある」という意味ですね。英語とノルウェー語がミックスされた表現です。
Jeg er keen på deg“は、「君が好きだ」という意味になります。

さらに英語のスラングとしては、”hooking”が挙げられます。これは意味がよくわからなかったので調べたら、ちゃんとノルウェーのサイトで解説してくれるものを発見!
それによると以前はずばり「性行為」を意味したようですが、今では「キスする、いちゃつく」になっているとか・・・。でもこの手の単語は出てきては消え、意味が変わることもあるので分かりませんね。
hookingの変形として、hooker med~がありました。”Hvem hooker du med?”「誰とキスするの?いちゃつくの?」みたいな意味になりますかね。

NRK SKAM 公式サイトより

NRK SKAM 公式サイトより

ここまでは英語からの影響を受けた言葉づかいでしたが、ノルウェー語で発見した点を挙げていきますね!

最初、serrという単語がわかりませんでした。
登場人物たちが頻繁に使っているのですが、もしかしてseriøs「シリアスな」の省略形?と推測したら、当たりだったようです。
日本語に直すと、「マジ?」が近いでしょうか。

他によく出てくる単語でkødderがあるのですが、これもわかりませーん。
でもちゃんと辞書に載っている単語で「冗談を言う」の意味です。
同じ意味ならば、私はtullerという単語を使っています。気になったのでkødderという単語をGoogle検索してみると、2012年のものですが「私がkødderを使うとネガティブな反応の人がいるのはなぜ?」というスレットが立っていました。複数の人が「きれいじゃない」「子どもっぽい」「下品」「元の意味知ってるの?」とカキコミしています。
こちらのサイトをご参照ください⇒http://forum.kvinneguiden.no/topic/645371-hva-er-galt-med-ordet-k%C3%B8ddak%C3%B8dder/sykt

あと”SKAM”ファンの別の生徒さんは、「よくsyktが出てきますよね」と指摘してくれました。これは「病気の」という意味ですが・・・
“sykt”と「心地いい」を意味する” koselig”を組み合わせて”sykt koselig“なんて表現が出てきました。
もうこれは、誇張の表現で「とても」という意味なのね、と納得。
「チョー、いい感じ~」が近いでしょうか?

違和感を覚えた表現は他にもあって、それは”unnskyld”「すみません」です。
Unnskyld”はあくまでも「すみません」程度の意味で私は使っているのですが、ドラマの登場人物たちは、かなり他人を傷つけた時でも”Unnskyld”だけで済ませちゃってます。
ノルウェー語には「ごめんなさい」を意味する”Beklager”という単語があるのに・・・・
なんで~~~???という疑問を40代ノルウェー人の友達(ノル友)に聞いてみたら、「自分も、若い子たちがbeklagerを使うべき場面で、Unnskyldしか言わないことは気づいていた」と教えてくれました。

NRK SKAM公式サイトより

NRK SKAM公式サイトより

実はこのドラマを観終わってから「私の使っているノルウェー語って、とんでもなく古臭いの?」と心配になったのですが、前述のノル友は「こうしたスラングや若者言葉は大人は使わないし、もし使うとしてもかなり親しい間柄でしか許されない」と説明してくれてほっとしました~。
日本語でも、いい年のおばさん・おじさんが無理して若い子の言葉づかいをまねても「イタい」だけ。それと同じなのでしょう。

・・・・とはいえ、せっかく覚えた「新語」。使ってみたいな~という誘惑もあります・・・。あくまでも用法容量に気を付けなくてはいませんけどね。

肝心のドラマですが、こちらのリンクから見ることができます。
左側にsesong 1とsesong 2と選べるようになっています。お試しあれ!

レッスンにノルウェー人ゲストが遊びに来てくれました!

2007年からノルウェー夢ネット主催のノルウェー語レッスンを開講していますが、今まで生徒さん自身のノルウェー人家族や友達、恋人を連れてきてくれました。
来てくれるノルウェー人も「日本でノルウェー語レッスン?」と興味がある様子。
こちらももちろん「Velkommen!」の姿勢です。

先日も、生徒さんのノルウェー人の恋人が遊びに来てくれました~。
現在、トロンハイムにあるNTNU(ノルウェー科学技術大学)の学生Torkel(トルケル)さん。日本の大学に交換留学経験があり、同じキャンパスで生徒さんと仲良しになった次第だそうです。

NTNU

NTNU

午前の早い時間で、ほぼ寝起き状態だったようですが、せっかく来て下さったのでこちらもどんどんレッスンに参加していただきます!(ギャラなし~)

毎回、レッスンの始めはテーマを決めて、ノルウェー語で意見を言い合うのですが、その日のテーマは”engelsk“(英語)。
来日したノルウェー人は「どうして日本人は、英語があんなに苦手なの?」と驚き、質問されることが多いので、聞かれた場合を想定して答えを考えます。
Torkelさんにも「どうして日本人は英語が苦手だと思う?」と振ってみたら、「日本語と英語の違いは大きいからね。ノルウェー語と英語の差はそれに比べれば少ないし。」と的確な答え。やはり留学経験がある人は違います!
さらに「ノルウェーはテレビも吹き替えじゃないし、音楽でもたくさん英語に触れている」と伝えてくれます。

テキストの音読をしていただいた後は、私を筆頭にみなさんでTorkelさんに質問コーナーが開始しました!
「名詞の性や形容詞の変化を教えると、よく”ノルウェー人はどうやって覚えるんですか?間違えないんですか?”って質問されるんですけど・・」
「名詞の性は間違えると、ヘンな風に聞こえるよね。もちろん文法の規則はあると思うけど知らないし、自然と覚えていったよ。形容詞の変化は、小さかった頃、間違えたりすると、親にその場で直してもらって覚えていったかな。」
そうなんですね~、羨ましい!

「ノルウェー語は前置詞の使い方で間違えることが多いのですけど、ノルウェー人は間違えないの?」
「間違えることはあるけど、でもこれも自然に覚えていくことだね。よく外国人は間違えるから、”外国人ノルウェー語”をマネする時に、わざと間違った前置詞を使うんだよ。」
はは、日本人も「外国人風の日本語のマネ」ってやってますけど、いずこも一緒ですね~。

生徒さんからも質問が出ます。
「rとl、bとvの発音は日本人は区別が苦手だけど、間違えると変だと思いますか?」
「欧米圏の人たちは、rとlの区別ができるから問題は少ないよね。だけど、日本人とか他のアジア圏でもrとlの区別が苦手な人たちが話すノルウェー語で意味がわからなくなることはあるかな~。bとvはそんなに気にしたことないけど。」

他にも「iとy、oとu」など区別が難しい音、さらに恐怖のøの発音についても、にぎやかに話が進んでいきました~。

・・・ここまではノルウェー語に関連した話ですが、どんどん「ノルウェー事情」おもに「恋愛事情」にまで発展させたのは、芸能レポーターのアオキです!

「ノルウェーに住んでいる友達から聞きましたが、学生時代にパートナーを見つけないと、その後で見つけるのは難しいってホントですか??」
「確かに。働き始めるとなかなか恋人を見つける機会がないかも。大学ではたくさんイベントやパーティがあるから、そこで恋人を見つけてそのまま・・・ということが多いね。」
「日本だと、職場結婚みたいなパターンがありますけど。会社だと飲み会もあるし・・・」
「ノルウェーだと職場で見つけるということは、殆どないかな?飲み会もないし。だから社会人になってパートナーがいないと、結構、積極的にパーティやイベントに顔を出している人もいるよ。」とのこと。
はい、ノルウェーの会社の様子が目に浮かびます。就業時間になったらさ~っと帰っていきますもんね。

13410489_731729860302075_820741242_o

他にも、Torkelさんの出身であるBærum(バールム)についても質問してみました。
「Bærumは、ノルウェーでも有数のリッチなエリアだけど、男の子はやたらと体を鍛えるのが好きだって本当?」
「そうそう。男子だけじゃなくて女子も”kroppspresset“(身体に対するプレッシャー)があるエリアなんだ。男子は鍛えた体、女子はスリムであることが大事。」
「他にもBærumは、中高生でもブランド品のバッグとか持っているみたいだね。」
「”正しい”洋服や持ち物があるんだ。他にも、Bærumは”全てが完璧”を求めるエリア。学校の成績やスポーツ、ルックスや恋愛に関してもね。」
成功した親が多い地区なので、子どももそれに倣わなくてはならない・・・。「失敗が許されない土地柄」と言えるでしょうね。
その割に、全然、スノッブな感じがしないTorkelさん!やっぱりそこはノルウェー人と納得です~。

NRK(ノルウェー国営放送)で評判のドラマ”SKAM“では、オスロの高校生のパーティシーンが描写されてますが、「メイクも服も気合入りすぎ!」とおばさん、腰を抜かしそうです。厳しい「生存競争」が実はノルウェーにもあったということでしょうか??

いずれにしても、いつものノルウェー語レッスンとはまた違って、みなさん興味深そうにされていたのが良かったです!
Torkelさん、また遊びに来て下さいね~♪

ノルウェー語会話にトライ!

ノルウェーの人気言語学者Helene Uri(ヘレーネ・ウーリ)の”Godt Språk“(良い言葉)をのろのろと読んでいます。
ひぇ~~、こんなに知らなかった文法のルール、発音のルール、言語史がある・・・ほとんど涙目。ホント、勉強に終わりはないです!

20160308-1

さて。
一応、ノルウェー語を教える身の私ですが、「会話がそもそもできない」「どう語彙を増やせばいいか分からない」という悩みは切実に理解できます。
ということで、「会話」の学習法に絞って、ちょいエラそうにつづってみますね~。

最初の留学先Voldaカレッジのノルウェー語コースでは、先生は厳しくて復習・予習を怠ると・・・・地獄でした~。
中でも辛かった授業法は、テキストを読み、ある単語を指して、“Kan du si det på en annen måte?”「これを別の方法で言い換えられる?」と尋ねるのです。
今でも忘れられません。まだ留学初期、Fjellという単語に対してこの質問がされたんですよ。で、私が「マウンテン!」と答えちゃったんですよね(英語も下手だからカタカナ表記にしました~)。
先生に「ノルウェー語で答えなさい!」とたたみこまれて、無言になってしまいました。「山」という単語をどうノルウェー語で説明すればいいのか??単語知らないし、そもそも。

あの時、あんなに辛かった授業法は、今ではすごーく役立ったなぁと感謝です!
特にノルウェー人を会話している時に実感しますね。
ノルウェー語の語彙が足りない時、不得意な分野の話題になった時に、「別の方法」で言い換えるテクニックは必須です。
例えば「少子高齢化」の話題になったとしたら?
日本語のまんま「少子高齢化」とノルウェー語で言おうとすると、「??」となりますよね~。
だけど、「子どもが減って、お年寄りが増える」という風に言い換えてみたら、ハードルが低くなりませんか?

レッスン中に感じるのは、生徒さんたちの「日本語をノルウェー語に直訳しようとする」傾向です。
これだと相当な語彙と文法力がないと難しいですし、そもそも日本語とノルウェー語の構造は違うので無理なんです。
なので、文章を一度かみ砕いて(翻訳作業に通じるかもしれません)、主語は、動詞は・・・という風に選んでいきます。

自分の語彙力を「冷蔵庫にある食材」とも喩えられます。
それらが今夜の夕食に使えないか=会話で使えないかを吟味してみましょう。
会話で無言になってしまうと、自信を失い、話すのが怖くなる・・・悪循環です。
なので、「何にでも使える食材=単語」をストックしておけば、最低限のおかず=文は作れます。

この「最低限の文」をマスターしたら、羞恥心を捨てて披露してみましょう!自分の言いたいことが通じた時の喜びがモチベーションになりますよ~。
今年からノルウェー語レッスンで「ノルウェー人との妄想会話」をシミュレーションし、実践しています。
初対面のノルウェー人から聞かれることは、ほぼ決まっています。なので「テンプレ会話集」をまずはがっちり押さえちゃいます。

20160127-6

次のステップとして、冷蔵庫の食材を増やす=単語を増やす必要性が出てきます。
今はネットがあるので、ホント、勉強方法には事欠かないです! 
ノルウェーの映画、テレビなどを観ることだってできますよ(youtubeやNRK TVを活用している生徒さんがいます)。
テキストを読んでみたり、ネットで新聞の見出しだけでも読んでみる(新聞のURLは、夢ネットサイトのリンク集をご参照ください!)
ネットラジオもオススメです♪

ただ独学にはやはり限界があります。
そんな時は、私が講師を務めるノルウェー夢ネット主催のノルウェー語レッスン受講がオススメの受講をオススメします!

20160308-3

少人数のクラスで定期的にノルウェー語に触れ、会話力をUPさせるために、テキスト以外の単語や表現を学ぶことによって「自分はこれが表現したい」という気持ちをサポートします♪ 定期的に通えない方向けプライベート、遠隔地の方のためにスカイプレッスンもありますよ♪ また「いきなり10回のレッスンを申し込むのはちょっと・・・」とためらわれる方は体験レッスン(1回3500円)を受講されてから、見極めることもオススメです♪
(募集ページをご参照ください!:http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norskkurs/norskkursannai.htm

しかーし。振り返ると、私のノルウェー語冷蔵庫はかなり偏りがあります。
理系の語彙が少ない、軍事関係も少ない、経済も弱い、スラングや方言も少ない。あ、賞味期限切れの単語がいつまでも眠っている・・・!
定期的に冷蔵庫のチェックが必要なので、読みかけの本でさらにノルウェー語力を高めたいなぁ、と。
終わりのない勉強も乙なものです。