「食の祭典」Matstreif体験!(後篇)~オスロ旅行記4~

さて、果てしなく続くテントと人・人・人・・・・いつからオスロにはこんなにたくさんの人間が増えたんだ~!!と心の中でシャウトしながら、テントめぐりを続けます。
ノルウェー人でさえ珍しい食材があるのですから、私にとってはすべてが新鮮!写真をたくさん撮りましたので、できる限り載せますね~。

まずは北欧といえばベリー。ベリーのジュースはおいしそう!!

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あ、可愛らしいおばさん二人組のテントを発見。どれどれ、これはBakeri(バーケリー)=パン屋さんのようです。

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おいしそうなパンやケーキが並んでいますが、ノルウェーのお祝いごとに使われる「Kransekake」クランセカーケのミニチュア版を見つけ、コーフンして近寄りました!!

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リング状になっているケーキですが、間に「これでもか!」とノルウェー国旗をあしらっているのが「ノルウェー風」ですよね~。

さらにノルウェーと言えば・・・・ブラウンチーズ!!正確にはGeitost(ヤイトオスト)=ヤギのチーズです。ヤギのくさみがなく、キャラメルのような風合いでワッフルと相性が抜群!そのヤギのチーズのテントを見つけました。

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スーパーで売っている見慣れた製品ではなく、酪農家の「スペシャル感」あふれるチーズです。同行したノルウェー人の友達は試食して「これはとってもおいしい!」と絶賛。私も試食します。正直「塩味がきついかな~」と感じましたが、でもこの「レア感」に感動して小さな塊を購入しました!!

スーパーでは目にしないものは他にもあります。例えばこれは何だかわかりますか?ブツは冷凍庫に入っていますが、紙にKanin kjøtt(カニンシュットゥ)と書いてありますね。

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は~い、うさぎの肉です。試食しましたが、鶏のささみのようにあっさりしていました。おいしかったですよ!

テントで買ったものを食べたり飲んだりしている人がこ~んなにたくさんいました!こういうイベント自体が多くないので、きっとみんなテンションUPしているのかな~と想像します。

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なお「食の祭典」では、イベントも数多く用意されていたようです。
私がいたときもステージ上に審査員ぽい人が座っていました。

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ちゃんと聞いていなかったので何を審査していたのか分からないのですが、真剣な表情で見つめるコックたちの姿も。

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かと思いきや、マイペースでとうもろこしにかぶりつく男の子も。ふ~ん、ノルウェー人はこういう風にとうもろこしを食べるのね。

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ともかくすごい人で、疲れましたが、珍しい食材をたくさん見たり試食したり、また実際に品物を買ったりできて貴重な体験でした!
テントを見ていて気付いたのは「エコロジー」製品が多いこと。確かにわざわざ「食の祭典」に出店するくらいですから、こだわりのある上質なものだろうな~と納得しました。それに関心がある人も増えている・・・ということですね!

さて最後に・・・これは何かわかりますか?

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Soppkontroll(ソッフ・コントロール)=きのこの検査所です!自分が摘んだキノコが食べられるものであるかを判定してくれる場所です。初めて見ました!

今回の旅のメインイベントの一つは大満足に終わりました!来年の9月も開催するみたいなので、また参加したいな~と思ってます♪

「食の祭典」Matstreif体験!(前篇)~オスロ旅行記3~

9月のノルウェーはイベントがたくさん!!と嬉しい悲鳴です。
9/11-13は、オスロの市庁舎前やアーケルブリッゲ地区(「ベイエリア」と表現するのは素敵すぎる?)で、「食の祭典」=Matstrif(マートゥストライフ)が開催されました。
主催は、ノルウェーの商品や技術を紹介するInnovation Norway
全国の農業・酪農・漁業・ビール醸造関係者などがテントで出店し、ご自慢のローカル食や飲み物を展示・販売する嬉しすぎるイベントなんです。何かと外食が高くつくノルウェーで、「この食の祭典で、たくさんの食や飲み物を試食や試飲したい!!」と期待感Maxで臨みました~。

私は9/12(土)のお昼ごろに、ノルウェー人の友達と出かけました。
「おお!これはすごい人出だ~!!」と口もあんぐり。ただ人出のせいでしょうか、無数のテントのせいでしょうか。まるでバーゲン会場に到着したように「早く見ないと!」と焦ります。

広い会場はエリアごとに分かれているようです。
まずは市庁舎広場前の「すてき農家パネル」に惹かれて、各地からやってきた農家テント巡りをスタートしました!

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さすが「食の祭典」に出店しているだけはあります。スーパーで売っている野菜とは違う・・・ノルウェーの食に精通していない私でも感じます。
色とりどりのにんじんは、どんな味でしょう?想像するだけで楽しい♪

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ノルウェーらしいな、北欧らしいな、と感じる紫キャベツ。とっても硬そうで「凶器」にもなり得そうです・・・。

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「砲丸投げ」にも使えそうかも・・・くだらないことばかり考えてしまいます。
同行している友達は何度も「ここに並んでいる野菜は、特別なものばかり!」を繰り返しています。中でも感心していたのはこちらの・・・・

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ディルです!!
おお~。ノルウェーでディルは珍しいものではないですが、このディルはホントに見事!ウチで育てているディルと比べるのは・・・むなしいのでやめました~。

さて色鮮やかで立派な野菜に見とれながら、こうした「大きな市場」で楽しいのは売り子さんの顔が近くに見えることです。
テントには「●●農家」などと書かれていますが、いかにも「家族・親戚でやってきました~」的な光景が繰り広げれています。この店番の男の子はやる気があるのかな~?

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たくさんのテントはまだまだ続きます・・・!
そして旅日記はいつ終わるのでしょう?(つづく)

悲劇をどう”展示”するのか「7/22センター」訪問~ノルウェー旅行記2~

「ノルウェーでは、何でも議論になるのよ」
自嘲気味に、ノルウェー人の友達は言います。「オペラ座」をどこに建設するかでは、10年くらい議論してましたっけ?

2011年7月22日。戦後ノルウェー史で最も大きな事件が起きました。
ブレイヴィークというノルウェー人が、オスロ行政府の爆破テロと労働党青年部(AUF)のウトヤ島でのキャンプ場を襲撃し、77名が死亡。
未曽有の連続大量テロ事件を受けて、「7/22センター」(22.juli-senteret)の展示が計画されましたが、当然、その展示について「議論」は起きました。
行政とNTNU(ノルウェー科学技術大学)が展示を企画しましたが、今年の7/22にセンターはオープンします。
私自身、関連ノンフィクションを何冊か読み、2回ほどプレゼンテーションをした関係で、今回の旅では「絶対に行きたいところ」と決めてました。

そして日曜日に現地へ。爆破された行政府の一角にセンターはあります。破壊された省庁ビルは、再生に向けて建設中です。

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入場は無料ですが、入り口で親切な係員から、「最初の部屋は、遺族に配慮して撮影は禁止です」と教えてもらいました。

その最初の部屋には、一連のテロで殺害された被害者たちの顔写真と名前、年齢が書かれています。
まず気づくのは、圧倒的に若い人が多いこと。AUFのメンバーが被害者の大半でしたから、17歳、18歳といった年齢を見ると、陳腐な表現ですが「前途ある若い人の命がこんなにも奪われたのだ」と感じます。
そして笑顔の写真が目立ちます。その後の運命を知らずにあどけない笑顔を見ていると、無言の圧力に襲われる気分になりました。

ノンフィクション本の1冊”En av oss”『私たちの一人』(Åsne Seierstad著)に、印象的なクルド難民の少女が登場します。彼女の写真もありました。「こんな顔の少女だったのか・・・」としげしげと見つめました。人生に前向きで、ノルウェーで「平等大臣になりたい」と願った少女。知り合いではないのに、不思議な感覚です。
覚悟はしていましたが、このセンターにいることは、重い過去と悲劇と向き合うことになるのです。

その後はもっと広い展示室があります。真ん中には、骨組みだけになった廃物がありました。ブレイヴィークが爆破テロで使用した車です。
壁には時系列に、7/22のテロ当日の出来事とその後の裁判などが、ノルウェー語と英語で書かれています。写真も多数、展示されています。

テロ当日、絶望した表情のストルテンバルグ首相(当時)

テロ当日、絶望した表情のストルテンバルグ首相(当時)

ウトヤ島で襲撃されたAUFのメンバーは、なかなか来ない警察や救助に苛立ちながら、必死でSNSを使ってテロが起きていることを発生しました。
Tweetがそのまま展示されていて、緊迫した当時の様子が伝わってきます。

「こんなに怖い思いは初めて。一体、ウトヤ島の若者たちに何が起きてしまっているの?」というTweet

「こんなに怖い思いは初めて。一体、ウトヤ島で何が起きているの?」というTweet

当初は、ブレイヴィークがテロに使用したニセ警官の制服や装備なども展示する計画だったそうですが、多くの反対があり見送ったそうです。
犠牲者たちが持っていた携帯電話が展示されていました。家族や友達にSMSを送ったり、SNSを使ったりしたと思われるものです。

犠牲者の携帯電話など

犠牲者の携帯電話など

センターには、親に連れられてきた小さな子どもの姿もありました。
親は子どもにどのように事件を説明するのでしょうか?

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平日にセンターの前を通った際は、学校の子どもたちがグループで訪問している姿を見ました。センターのサイトを見ると、学校からの訪問を受け付けているのが分かります。

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ノルウェーは、刑罰に置いても「いかに再犯をなくすか」に力点を置いています。
「7/22センター」は遺族によっては「絶対に行きたくない」という声もある中、起きてしまった「おぞましいテロ」をいかに展示するか、いかに語り継いでいくかに取り組む展示だと感じました。
「7/22センター」は、新しい行政区が完成するまでの展示です。あと5年くらいで終了しますので、行かれる機会は限られていますのでご注意くださいね。

テロ後の追悼行進

テロ後の追悼行進

7/22センター公式サイト:http://www.22julisenteret.no/

「かわいい」の比較~ノルウェー旅行記1~

ノルウェー人の「可愛い」(søt)と日本人の「可愛い」には、なにか差があるというのは分かっていました。
ノルウェーの子ども向け番組のキャラクターの写真を見て、「うわ、キモ!」と思ったことは何度も経験しています。
オスロのカール・ヨハン通りで、ある着ぐるみ人形を見かけましたが、これ日本でウケるかというと微妙でしょう・・・。

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ノルウェーの絵本を見ても、いわゆる日本人のツボにはまる「可愛い」イラストというものに出会うことは、非常に稀。
あちらで大ヒットの絵本であっても、日本人の目で見てしまうと「可愛くない・・・」と感じたことは数知れず。
逆に、日本人の「可愛い」キャラクターは、ノルウェーの中で見ると「なにか違う・・・」と違和感を感じます。

9月のノルウェー旅行で、この「可愛い」の違いはどこから生じるのか?が漠然と分かる気がしてきました。
オスロのおもちゃ屋さんの前で、友達と待ち合わせをしていました。
そこのショーウィンドウにディスプレイされている人形を見て「ユリイカ!」じゃなくて「これだ!」と直感しました。

例えば

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他にも

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さらに

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妙に「リアル」な人形ですよね~。
ノルウェー人は、文学でも映画でも「リアリズム」大好きな人たちですが、まさか幼少期から「リアル」を培っていたとは・・・。
こうしたお人形で遊んでいれば、「可愛い」の基準が日本人と差が出るのも当たり前だと感じます。

こんなのもありました。

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この人形は「リアル+α」ですが、吊るされ方がコワイです・・・。

あと「可愛い」=søtという単語ですが。。。散々、みなさんが指摘している通り、日本人女性は大人になっても、かなり頻繁に使っていますよね~。
ノルウェー人は、søtという単語を大人も使いますが、かなり限定的。
「可愛さ」を求め、愛でる心は、大人にはそれほどないと感じます。
どちらがいいとは思いません。そういう文化の違いだけでしょう。

そんなノルウェーでも、日本の「ハローキティ」は人気です。小学生向けのイベントで、ハローキティーを見かけました。

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やっぱり吊るされてました・・・。

ショッピング♪~オスロで見つけた気になるもの~

グローバル社会、といっても、「そこでしか買えないもの」ってノルウェーにはありすぎます!
これだけ北欧ブームなのに、ノルウェーものと限定すると、「え?こんだけ~??」とため息・・・。北欧展でがっかりされた「同士」も多いかと思います。

・・・なので、ノルウェーへ旅行すると、「ここでしか買えない!!」と鼻息荒く、ついショッピングに精を出してしまいます。
毎年訪れているオスロの気になるもの、をピックアップしたいと思いまーす。

誰ですか???「ノルウェーには可愛いものがない」と言っているのは??(←ワタシだったかも?)
「か、可愛い~」と思っているショップの写真をちょっと並べてみますね。

Photo by Nest

Photo by Nest

Photo by Nest

Photo by Nest

トロール人形がなくても、こんな可愛くて明るいスタイリングができるんですね~♪

サイト、ブログやトークショーで紹介しているデザイナーのハンドメイドのお店も、まさに「ここでしか買えない!」ので、今まで一体いくら使ったかな・・・。
例えば、アップ●ウォッチの対極にある「機能性非重視」の時計がこちらです♪

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↑でご紹介したものは、「オシャレ系」ですが、ノルウェーと言えばやはり「素朴系」も外せません。ぬくもりを感じるMade in Norwayのものがあふれているショップにも毎回、足を運びます。
例えば、こちらの写真。民族衣装=ブーナッドに合わせるスカーフですが、色はきれいだし、透かし模様が素敵なので母へのお土産で買いました~。

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オスロの素晴らしいところは、これらのショップが全て「徒歩で移動できる」こと!
こじんまりとした首都なので、東京のように移動時間はかかりませ~ん。
なので限られた滞在時間でも、「よし!ショッピングする!」と決めて、楽しみつつ、つい「買い過ぎ」ちゃいます。
でも日本では手に入らないものばかりなので、たとえ、カードの明細書を見て落ち込んでも・・・長い目で見れば「買ってよかった!」と思えるものばかりですね~。

9/9出発 「ノルウェー案内人 青木順子さんと行く 食の祭典と雑貨&カフェめぐり・オスロ6日間」 (主催:フィンツアー)
絶賛、募集中です!
オスロで可愛い、そしてユニークで味のある雑貨探しをしてみませんか? お店のご案内もしますが、フリータイムもありますよ!
ご応募をお待ちしています♪

ツアーチラシ⇒ http://norwayyumenet.noor.jp/hp/info/norwaytour/norwaytour2015.pdf

フィンツアーHPツアーページ⇒http://www.nordic.co.jp/tour/fp0300/