ドキュメント!~北欧ぷちとりっぷ vol.6深層に迫る!~

「センセイ、お忙しそうで声かけられませんでした・・・」
北欧ぷちとりっぷに参加された生徒さんのお声です。そうなんです、1/31の当日は「てーへんだ~!!」とばかりに岡っ引き走りをしてました。というのも、会場に向かっている途中の地下鉄で「北欧男子トーク」に参加するノルウェー人のJackから「電車で吐いちゃった。具合が悪い」とメッセージを受け取ったからです。ひ~~~!!
今回のぷちとりは、森百合子さんの新刊『3日でまわる北欧inオスロ』の新刊記念。ようやくノルウェーに陽があたる回なのに、Jack、どうしちゃったの~と悲鳴を上げつつ、会場のお台場・東京カルチャーカルチャーへ。すでに入口前には行列ができています!すご~~~い!!

会場に入ると、たくさんの人気北欧ショップがスタンバイ状態で壮観です。森さんもJackのメッセージは受け取っていたみたいで、「ま、北欧男子トークは後半だから、ゆっくり来てもらえばいいですよね」と話していたのですが、イヤな予感がぬぐえません。と悩んでいると、お客様たちが入場!瞬く前に席は埋まっていき、北欧ショップにも人だかりです!

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森さんの本も販売・サイン会をしていましたが、こちらも列ができていて「オスロ本がこんなに売れるなんて・・・」と、ノルウェー糟糠の妻ならぬ糟糠の伝道師は、そっと涙ぐみます(いつまで「糟糠」なんでしょうね??)

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で、Jackから追加で「駅で倒れた」とメッセージが来て「これはダメだ・・・」と観念しました。
ノルウェー人なしで進めましょうか、と話し合いましたが、諦めきれず。血走った眼で「ノルウェー人はいないか~~??」と会場を見回すと「いた~~~~!!」。
そうなんです、生徒さんが可愛いノルウェー女子カロリーネさんを連れて参加して下さったのです!すぐにカロリーネさんに交渉し、戸惑いながらもOKしていただきました。他にも、参加して下さったスウェーデン人のスティーアンさんを現場で「出ませんか?」と交渉。やはりOKをいただきます!やった~、北欧5カ国揃います!!

12時半すぎに開始!まずは森さん、Fukuyaの三田陽子さん、私が登壇し、それぞれが持ち寄った「北欧変な写真」を見せながら、ぐだぐだトークを展開。この時点で「可愛い北欧要素ゼロ!!」。

ずっとぐだぐだしてたかったのですが、そうもいかず「汚れ役担当」の青木順子のプレゼン開始です!
一応、「ノルウェー語」を生業にしているので、「ノルウェー語」にちなんだプレゼンにしようと思ってました。で、「ノルウェー語から大解剖!あなたもノルウェー人が好きになる」というタイトルのプレゼンです。ノルウェー人が好んで使う表現や単語(Frisk luft「新鮮な空気」、Koselig「居心地がいい」など)から、ノルウェー人を分析する試みだったのですが・・・。
こちらの写真は「Janteloven」にまつわるスライドですね。

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デンマーク出身でノルウェーで活躍した作家サンデモーセの小説に「ヤンテ村の掟10か条」が書かれています。「お前は、他人より賢くない」といったような徹底した自己否定で、日本語では「出る杭は打たれる」が近いでしょうか。
スカンジナビアでは知られた「Janteloven」。これが表されている写真として、スウェーデン・マルメの公園で撮った「埋められた鹿」をお見せしました。

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「きっと目立ち過ぎたので、埋められてしまったのでしょう、まさにJanteloven」と解説したのですが、説得力ゼロ??

常にハイレベルな北欧ヴィンテージのプレゼンを展開するミタさんは、ノルウェーFiggjoのデザイナー、Toriトゥーリさんをメインに解説してくれました。
トゥーリさんは日本でも人気のロッテシリーズなどで知られています。昔のFiggjoは積極的に若手デザイナーの登用を行っていたとのこと。ミタさんがおっしゃってましたが、今見ても古さを感じないデザインです。可愛らしさと遊び心のある作品陣です(今のFiggjoの絵柄ナシの食器はつまらない・・・私見です)。

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休憩をはさんで、いよ!真打の登場。モリさんが新刊の取材中に撮った写真をたくさん見せながら、オスロの見どころを紹介します。
ブログでもご紹介しましたが、モリさんの手にかかるとオスロに行きたくなること、確実です!本には載せられなかった写真を公開してくれるのも、ぷちとりならではの醍醐味ですね~。

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さて「北欧男子トーク」にまた赤信号。フィンランド人のヨウコさんが夜と勘違いして、なかなか来てくれません~。
先に「北欧検定」を実施することにしました。今回はかなりの激戦でした!(その後に恐ろしい事態が起きるとは知る由もなかった・・・)

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もう引き延ばせないので「北欧男子トーク」の時間。ああ、なんと入口に後光を差したヨウコさんが登場!!
今回は、生徒さんがお友達のアイスランド人(日本では絶滅危惧種と言われてますね~)のラグナルさんを連れてきて下さり、北欧5カ国揃いました!

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サッカーネタはイマイチ盛り上がらず。おそらくサッカーに興味があったのは、デンマーク人のイェンス&エスベンさんだけだったかも。フィンランド、スウェーデン、アイスランド男子たちはなーんとなく似た雰囲気(インドア派?)を醸し出していましたね(初めてもらったお給料で買ったものは”パソコン”という答えも一致!)

左から)ヨウコさん、ラグナルさん、スティーアンさん

左から)ヨウコさん、ラグナルさん、スティーアンさん

ラグナルさんはなぜか日本の大学で韓国語専攻ですが、「大雪が降ったら、嬉しくなって家の屋根から飛び降りる」発言でわかせます。ノルウェー女子カロリーネさんは、突然の登壇にも関わらず、場を楽しんでくれたみたいでほっとしました!(ちなみにJackはインフルエンザだったようです。無理して来てもらわなくて良かったです)

そしてぷちとりっぷは無事終了~。やれやれと帰宅してPCを見ると、「ひ~~~~!!!!」と悲鳴をまたもや上げちゃいました。
北欧検定の賞品にノルウェーのCDを寄付したのですが、なんと中身がうちのPCにある、ある、ある~~~~~!!!!
混乱ののち、Twitterを使って「CDを当てた方ご連絡ください」と呼びかけます。三田さん、森さん、その他たくさんの方がRT協力をしてくれて、ご本人から連絡がありました。幸いなことにとても親切な方で、もう涙ものです~。無事にCDの中身を郵送して、長かった北欧ぷちとりっぷは終わりました!

ご来場くださったみなさまには感謝感謝です!
現役生徒さんや、元生徒さん、「1回だけセレクトレッスンを受けました」と声をかけて下さった方がいて嬉しかったです♪
大阪から参戦のはくさんさんにも感謝です!北欧チームにチョコレート、そして私も京土産をたくさんいただきました♪

次はあるのでしょうか?森さん、よろしくお願いしますね~♪(他力本願)

多謝:写真はすべて、ニフティの「だみあん」さんからのご提供です。

ノルウェーサーモン漫画

原油価格が下落している今、やはりノルウェーは水産物により一層のPRに力を入れてみてはどうでしょう? と老婆心で本日のブログを思いつきました。

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これは『築地魚河岸三代目』という人気マンガの「ノルウェー編」を1冊にまとめたものです。
どうして私が持っているのかフシギなのですが・・・。ちなみに本書は、ノルウェー水産物輸出審議会が全面協力しています。

映画化もされた人気マンガですが、この特別編では、は主人公の三代目が、ノルウェーで「サーモンやサバのおいしさ、品質管理の高さ」を体感するといった内容です。
物語のキーとして、「トロール人形」が大活躍。こんなセリフがありました。

「ノルウェーの水産業がすばらしいのはノルウェーの人たちが、このトロールを愛する気持ちと深い関わりがあるんだ。」

三代目の義父の言葉ですが、このセリフの意味が知りたければ、ぜひ本書をご覧くださいね~♪

オスロのユニークな書店~ノルウェーの絵本を訪ねる旅 2~

・・・すっかり間が空いてしまいましたが、続いてます!!

オスロ行の前に、ユニークな絵本に出会える書店を訪ねようと考えました。
まず思い浮かんだのは、Tronsmo(トロンスモ)。チェーン店が多いノルウェーの書店で「独立」を貫き、他店とは違うこだわりの書棚は、お客さんはもちろん、多くの作家からも愛されている書店です。なので、以前に倒産危機に陥った時も、作家たちが中心に「Tronsmoを守る!」運動が盛り上がり、お店は存続できました~。
早速、書店にメールを書き「児童書コーナー担当の人と連絡したい」とお願いしたら、「最近、お店が引っ越したばかりでバタバタだけど、いいわよ」とあっさりOK。より中心地での広い場所に移ったそうです!期待でワクワク!

・・・ということで、ナショナルギャラリー前に引っ越したTronsmo。まだ外観は工事中でしたが、中は「おお~」と感動の広さ、そして美しさ、明るさ!!

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児童書コーナーは入口右にあり、担当者のMette(メッテ)さんが明るく迎えてくれました~。

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そのコーナーは、大人でもテンションUPになる空間で、子どもだったらどんなに楽しいだろう、と思い写真を何枚も撮りました。やり取りを抜粋しますね。

ーどんな書棚を心がけている?
「ノルウェーの作家をできるだけ多く紹介するようにしています。もちろんアストリッド・リンドグレーンやトーヴェ・ヤンソンなどはノルウェーでも人気ですが、ノルウェーにはとても素晴らしい絵本作家やイラストレーターがいるんですよ。」(具体名を挙げながら説明してくれました)

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ーこのよく分からないオブジェは??
「これ面白いでしょ? 店を新装するにあたって、いろいろな作家やアーティストが協力してくれたんです。このオブジェは子どもたちに大人気だし、あと絵本作家のAnna Fiske(アンナ・フィスケ)もお店のために絵を描いてくれたのよ。」

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Anna Fiskeのイラスト

Anna Fiskeのイラスト

ーネット書店や大型店は脅威ではないですか?
「それほどライバル視はしてないです。というのも、お客さんたちは”Tronsmo”でしか見つけられない本を期待して足を運んでくれるから。」

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他にも、ノルウェー絵本の特徴(育児放棄や離婚した子どものつらさといった先進的なテーマに挑戦しているなど)や店で開催するイベントの話を伺いました。
さらに、この可愛らしい児童書コーナーには、保育園の子どもたちが先生に連れられて遊びに来ることも珍しくないそうです。
その時には、子どもたちが床に座って、Metteさんが絵本の読み聞かせをするそうです!
またTronsmoは、前述した通り、作家からも人気の書店。出版社側からイベント要請が多く、イベントも頻繁に開催されているとのこと。
お店とお客さん・作家やアーティストの距離の近さを実感しました!

とても元気なMetteさん!

とても元気なMetteさん!

2軒目は、Svovel(スヴォーヴェル)というお店です。NORLA(ノルウェー海外文学普及協会)から「ここは面白いみたいよ!」と教えてもらい、アポを取りました。
住宅地の中にあるお店、しかもお店をやっている人たちの本業はグラフィックデザイナー、カメラマンの3人組です。
グラフィックデザイナーのEllen(エレン)さんにお話しを伺いました。Ellenさん自身、大手紙などのグラフィックデザインの仕事を今でも継続中。

笑顔がキュートなEllenさん

笑顔がキュートなEllenさん

Svovelは、とても小さな事務所兼ショップですが、「おお!!」とまたまたテンションUPな空間です。
絵本はもちろん、可愛いおもちゃやオブジェがディスプレイされていて、半日くらい過ごせそう・・・。Ellenさんは、とっても歓待してくれました!

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以下、やりとりを抜粋します。

ーずばりSvovelのモットーは?
「他の大型書店では扱わない小さな出版社の良質な本を置くこと。新人作家に注目することも大事ですね。あとは、お店の棚や雰囲気、おもちゃなどディスプレイで近所の人がふらっと立ち寄ってくれるお店を目指しています。」

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ーお店のスタッフ3人とも他に仕事がありますが・・・
「お店と事務所の両方で働くのはとても楽しいです。ずっとグラフィックデザインの仕事をするのではなく、可愛いものに囲まれたお店でお客さんとお話しをしたり、近所の人と立ち話するのは刺激を受けますよ。」

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他にもいろいろ興味深いお話しを伺いましたが、長くなりすぎるので割愛しますね・・・。
こんなに小さなお店でも、やはり近所の保育園の子どもたちが先生に連れられて、遊びに来るそうです!そしてEllenさんが読み聞かせにもトライするとか。

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なおSvovelは、森百合子さんの『3日でまわる北欧inオスロ』に「地元っ子に聞いた本音のおすすめ」ページで、私が紹介しているお店です。
ただ、今年からお店が移転して、さらに大きくなったと聞いてます。次回、訪ねるのが楽しみなお店です~。
Facebookの方が最新情報が見れますよ!https://www.facebook.com/svovel.fabrikkbutikk

TronsmoとSvovel、規模と歴史は違いますが、大型書店とは違うユニークな書棚を目指している点、根強い固定客がいることは一緒ですね。
また、「ノルウェーには素晴らしい絵本作家やイラストレーターがいる」と強調していたのが印象的でした。
あと気になったのは、子どもと本屋さんの距離の近さです。
両店とも、保育園の子どもたちが訪ねてきています。

週末は、読書と遊びを忘れないで と書かれてます

週末は、読書と遊びを忘れないで と書かれてます

ノルウェーの保育園児たちは森や野原など町の中でもよく見かけますが、書店訪問もしているんですね。
小さな頃から、絵本の愉しみが身につく環境が羨ましいです!

この2つの書店で体験したことは、もっともっと紹介したいですが、ここまでにしまーす。

つづく(であろう)