Takk=ありがとうが言いたくて

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ノルウェー留学から帰国して、いろいろ「逆カルチャーショック」はありました。
そのうちの一つが、「店員さんが丁寧すぎる!」そして「客がエラソー」がショックでした。
「いらっしゃいませ」「●●お預かりましす」「(品物を渡しつつ)どうぞ、ありがとうございます」「またお越しくださいませ」
これだけ歓待されているのに、客は終始、無言。
これノルウェーバージョンに直すと、
Hei(ちは), Takk(ありがとう), Ha det!(じゃね!)になっちゃいます。

屋台

今でも最初のレッスンでは、「Takk」=「ありがとう」や「Hei!」=「おはよう、こんにちは、こんばんは」は、お客であっても店員さんに言いましょうね、と強調しています。
これを言わないと、感じの悪い客の烙印を押されますね。

ノルウェーにいる間は、私はすんなり店員さんに「Takk!」と言えるのです。
でも日本に帰ると、モゴモゴしている自分・・・。
「ありがとうございます」と言われて、どう返せばいいのか・・・レストランとかだったら「ごちそうさま」とか言えますが、普通のスーパーやコンビニで悩みます(←壮大な悩み)。

以前、ノルウェーつながりで知り合った長崎の女性は、優雅に「ありがとう」と返していました。彼女の「ありがとう」は、人を使うことに慣れている人の言い方に聞こえました。ごく自然です。
私のように「人から使われているばかり」の人間が「ありがとう」だと、なんか板についていない、というか下手すると、エラソーに聞こえないか?と逡巡しています。
「ありがとうございます」・・・ちょい丁寧すぎ?
「すみません」・・・謝ってるよ~。

こうしたサービス業におけるサービスする側とされる側の意識が、ノルウェーと日本では違うのでしょうね。
以前、ノルウェー人の留学生が「ノルウェーのサービス業は、お客と平等意識が強い」と教えてくれました。

そういえば、オスロの某老舗カフェで、紅茶が珍しくポットに入って出てきたのですが(ノルウェーはティーパックが標準)、それを飲んだノルウェー人の友達が、ウェイトレスに「お湯がぬるいんじゃない?」と声をかけました。でもウェトレスは堂々と「そんなことはない」と反論し、特にお湯を変えることもなく立ち去っていきました。「これは日本ではありえない」と驚いたことを覚えています。

この例は少々、極端かもしれませんが、サービス業の人たちへのお礼「Takk」=「ありがとう」が日本でも素直に言える日は、私に来るのか?
とりあえずの妥協策で、最近、中途半端な「おじぎ」で「謝意」を表現しています・・・果たして気づかれているか疑問ですが・・・。