スーパーの鮮魚コーナー

ノルウェー語の表現に、Frisk som en fisk があります。
意訳すれば「魚のようにピチピチで元気」でしょうか。Friskは「新鮮、元気」という意味です。fiskは「魚」ですね。

ノルウェーサーモンはすっかり日本でもおなじみ。水産国ですから「ノルウェーに行けばおいしい魚が食べられる」と思っていました。

サーモン!

1995年、西ノルウェーの田舎のカレッジに留学した際、スーパーの魚コーナーに行きましたが・・・
冷凍の魚ばっかり~~~!!!
しかもサーモンとタラとエビしかないの???
かなり、がっかりした記憶があります。
先生に「どうしてですか?」と聞いたら「港に行けば漁師が直接、魚を売っている日があるわよ」と教えてくれました。
寮から港まではそこそこ距離があったのと、勝手がわからなかったので、漁師さんのところで魚を買うことはしませんでしたね。

今ならばどうして、スーパーの魚コーナーが冷凍ばかりだったのか。仮説としては・・・
1995年、それほど物流が発達していなかった。
通っていたスーパーは、安値がウリの系列だったので鮮魚のニーズがなかった。
当時の(田舎の)ノルウェー人は食意識があまり高くなかった。

全部、外れだったらすみません!
西ノルウェーの留学を終えて、帰国しました。
その後、ノルウェーからアウドさんが来日。日本のスーパーを入った時に「売っている魚はパックばかりで、奇妙に感じる」と言ってました。
え? 冷凍魚ばかりの国の人に言われたくなんだけど・・・
しかーし、オスロへ留学中とその後でオスロのスーパーへ行くと、鮮魚コーナーの充実ぶりに驚きます。
特に大型スーパーや「意識高い系」スーパーの鮮魚コーナーは、見ごたえがありますね~。
水槽があったり・・・

水族館に非ず

生々しいディスプレイがあったり・・・

口の中に棒が入ってます

鮮魚コーナーでは、売り子さんに”Kan jeg få to lakseskiver?“「サーモンの切り身、2つちょうだい」などとオーダーします。
すると、魚を勢いよく切り、はかりで重さを測って、バリバリと紙にくるんで、値札をはってVær så god「どうぞ」と渡されます。

鮮魚コーナーの魚

オスロでも小規模なスーパーは、冷凍魚しか置いてないことがあります。
旅行で行く人はなかなか鮮魚コーナーで魚を買っても、持て余すだけかもしれません。
ですがパックではない、大きな魚や日本では見たことがない魚があって、冷やかしだけでも面白いですよ~。

このカニは日本では見たことがないかも

いつの日か、港にいる漁師から”Er det noe god fisk i dag?“「今日はなにかおいしい魚ある?」なんて、買い物してみたいですね。

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求人広告で気になるノルウェー語

ノルウェー語レッスンでは、ノルウェーで出版されたテキストを使っています。ノルウェーで生活する外国人が対象なので、非常に「実用的」な内容です。
レベルが上がっていくと、jobbannonse=求人広告も登場するのですが、別にノルウェーで就職しなくても「異文化比較」として面白い!
業務内容が書かれて、そして求める人材条件と続くのが求人広告のパターン。
その中で、生徒さんたちが解釈するのにちょっと手間取るのが、このフレーズです~。

arbeide/jobbe selvstendig

arbeidejobbeも「働く」という意味の動詞です。
selvstendigは「独立した、自立した」という意味の単語ですが、直訳すると「自立して働く」になりますね。
「自立して働く」という条件は、あまり日本の求人広告には見かけないような気が・・・。フリーランスではなく、会社組織なのになぜ??と疑問は募ります。
なんですけど、ノルウェーの求人広告では頻出フレーズですね。

jobbannonseの例

このselvstendigという単語は、ノルウェー人の「偏愛ワード」の1つですね。
14世紀からデンマークの統治下に置かて、ようやく1905年に「独立」を果たしたノルウェー。「悲願の独立=自立」です!
そのせいでしょうか、ノルウェー人のselvstendigへのこだわりは強いなぁ~と感じます。
「経済的な自立」から始まり、「自立して働く」時期を経て、高齢になり健康に問題が生じても、サポートを受けながら「自立した暮らし」を望む人が多い印象ですね。

改めてarbeide/jobbe selvstendig「自立して働く」の意味を考えてみましょう。
人からいちいち指示されなくても、自分で判断し自発的に仕事をする、というニュアンスのようです(多分)。
ノルウェーのオフィスは、幹部じゃなくても個室があったり、パーティションで区切られていることがほとんど。
環境的にも「自立して働く」ができないと、キツイかもしれません。

しかーし、求人広告の下にはこのフレーズも見逃せないのです。
gode samarbeidsevner=協力的
「自立して働き」つつ「協力的」な姿勢も大事。
求められる人材は、日本もノルウェーも同じような気がしますが、ただselvstendig「自立」のこだわりの強さを、なーんとなく感じてしまいます。

実際の求人広告を見たければ、Finn.noのサイトがメジャーですね。仕事以外にも不動産、車、さまざまなカテゴリーが揃ってます。以下のURLからは求人広告がチェックできますよ。妄想会話ならぬ妄想就活も楽しいです♪

https://www.finn.no/job/fulltime/search.html?filters=

・・・すみませーん。告知します!
愛読しているLilla Kattenのビョルネンさんの日報に触発され、取りあえず書いてみよう!と思いました。

ノルウェー語レッスン7月期募集中しています。
「初心者クラス」は火曜19時と日曜15時半の枠で集中募集しています。初回体験レッスン(3500円)を受講してから継続を決めることもできます。
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各回参加の「セレクトレッスン」スケジュールです。90分でご自分の興味のあるテーマを学びませんか?

7/ 9 (日)10:30- 「超!ノルウェー語入門」・・・挨拶、自己紹介、アルファベットなど基礎の基礎を学びます。

7/27(木)19:00- 「ビジュアルで学ぶ初めてのノルウェー旅」・・・ノルウェーの写真を見ながら、シーンに合ったフレーズを学びましょう。

8/ 6(日)15:30- 「ネイティブによる発音講座」・・・アーレン先生と一緒に、アルファベットや日本人が特に苦手な発音を集中して学びましょう。

こちらのURLをご参照ください♪
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ドイツ人をうらやむ日本人 in ノルウェー

連休後半からイタリアとフランスへ旅行しました~。

ベニス!

イタリア語もフランス語もできないので、必然的に英語でのやり取りになったのですが、イタリア人とフランス人の英語が思いっきり「イタリア語・フランス語なまり」で面白かったです。って私も「日本語なまりの英語」なのでお互い様なのですが・・・。

ヴィトンが街を支配しつつあるパリ・・・

改めて「母国語と外国語の相関関係」について思いを巡らせました~。

ノルウェーの大学に長期短期4回留学しています。
いつも「クラスで一人だけのアジア人」という立場でした。
特に2回目以降の留学では、自分以外はみんな「欧米圏」からの留学生という環境。
どんなに鈍感でも感じます。「日本人、ノルウェー語マスターに不利じゃない?」と。

特にドイツ人留学生たちは「ノルウェー語の文法は簡単だし、似ている単語も多いよね」と余裕の表情でした。
オスロ大学のサマースクールで、ドイツ人留学生が「このテキストは簡単すぎるから変えて欲しい」と先生に訴えていたことを今でも覚えています。
え~~、こっちは必死で講義についていっているのに~~~。

ドイツ語もノルウェー語も大きな「ゲルマン語族」という言語グループに属しています。
さらに、ノルウェーでは大きな町であるベルゲンは、ドイツの「ハンザ商人」が長い間、独占的な立場にいました。
支配的なドイツ人との交流により、言葉にも変化が生まれます。ノルウェー語以外のスカンジナビアの言葉も、ドイツ語の影響をどんどん受けていきました。

ベルゲンのブリッゲン地区

例えば、kjælighet「愛」のように-hetで終わるノルウェー語の単語は多いのですが、これはドイツ語の接尾辞です。
(余談:ノルウェーのもう一つの公用語nynorskはドイツ語の影響を排除した言葉なので、-hetではなくkjærligleikを使います。スウェーデン語に見えますね~)
これ以外にもドイツ語の影響は多々ありますので、「ドイツ人、ノルウェー語が上手になるのが早っ!ずるい!」と、クラスの片隅でじーっと日本人(←ワタシ)はうらやむ結果となりました。

さて。日本語を勉強しているノルウェー人は、こう言います。「中国人や韓国人は日本語が上達するのが早い。自分は落ちこぼれだ」と。
そういう時には「わが同志、Min kamerat!」と互いに握手したい気持ちになりますよね~。
そして「あなたのノルウェー語は上手!」「あなたの日本語こそ上手!」と褒め合います。ああ~、日ノル友好♪

私も年を重ね、ドイツ人を羨ましいという気持ちはほぼなくなりました。それ以上に「母国語が学習言語に及ぼす影響」に興味がありますね~。
rの音がキツイよアメリカ人。
イントネーションが平坦になっているチェコ人。
フランス語っぽいよねフランス人。
sの音がドイツ語なまりになってるドイツ人。そして、
unnskyld「すみません」を多用する日本人・・・。

・・・とたまにはノルウェーや北欧以外の旅をすることによって、「ことば」について考えるのは楽しいです。

あなたのノルウェー語が通じない理由は?

いつになく「ビジネス書」チックなタイトルに酔いしれています・・・。「超ニッチな分野でしぶとく生息する!」みたいなビジネス書の依頼、来ませんかね??

もとい、本題にいきましょう~。
ノルウェー語が通じない理由の原因に「声が小さいこと」と以前のブログに書きましたが、他に考えると、これがありました。

母音の長さが間違ってる!

うう~~ん、非学習者には全く響かない指摘。
幾つか例を挙げてみましょう。以下のノルウェー人の名前はどう発音しますか?

Ola
Kari
Nora

Gro

映画の字幕や、英語などの他言語から重訳されたテキストだとしばしば

Ola=オラ
Kari=カリ
Nora=ノラ
Gro=グロ

と表記されますが、「伸ばせ―!!!!」と叫びたくなる学習者。
オーラ、カーリ、ノーラ、グローの方が原音に近い発音です。Ola、Kari、Nora、Groといった母音を伸ばして発音しますね。

ノルウェー語の母音ですが切れててすみません

すごーく昔、日本語学習中のノルウェー人留学生に「”しゅじん”と”しゅじん”では意味が全く変わります」と言われ、絶妙な例に笑ってしまいました。
そうなんです、やっぱり伸ばすか伸ばさないかで意味が全く変わってしまうのは、日本語も一緒。
しかし、日本語は「あー」と表記したり、または「しゅじん」と””などを入れて「ここは伸ばします」と分かりやすいですね。

翻ってノルウェー語。
Kaféなどのéは、ごく一部の外来語にしか使いません。ちなみに「カフェー」と伸ばしますね。
他には「この音は伸ばしますよ」と明らかにわかる記号はありません。ではどうやって、Kaariと発音するのを見分けるのか。その答えは、拙著『ニューエクスプレスノルウェー語』に書いておりますので、お買い求めくださいね~。

・・・で終わっちゃいけないんですよね、きっと。
答えは「アクセントのある母音のあとの子音の数」です!(響かなーい!!)

いつも同じ例で恐縮ですが・・・aが母音です。

Ta  ター    母音で終わっている→長母音
Tak  ターク      母音+子音1つ→長母音
Takk タック        母音+子音2つ→短母音

似ている3つの単語ですが、このようなルールに基づいて、母音を伸ばしたり短く発音します(例外はあります!)。

短く発音する母音も要注意です。
「親切な」を意味するsnillという単語。留学初期の頃、通じないことが多くてどうしてかな~と思ってました。
きっと「スニール」とiの母音を伸ばしていたのかな~と推測。snillでは、iのあとに子音のlが2つ続くので、短く発音しないとダメです。

ということで、「伸ばすか、伸ばさないか」を正確にすると、通じる確率はUPします!お試しあれ~♪

ノルウェー人の授業参観

日本とノルウェー。関わっている人が少ないので、その分、楽しい経験があります。

日本に留学していた頃に、ノルウェーについて学ぶサロンでゲスト講師を務めてくれたSynnøve Nyheim(シノーベ・ニーハイム)さん。「3月末から4月上旬に来日するので、ノルウェー夢ネットのレッスン風景を取材したい」と連絡があり、「おお~」とびっくりしました。サロンのレポートはこちらからどうぞ!
シノーベさんはノルウェー帰国後、私も勉強したノルウェーのHøgskulen i Volda=ヴォルダカレッジでジャーナリズムを専攻。その時に知り合ったパートナーのSondre(ソンドレ)さんと共に来日したのです。

シノーベ&ソンドレ

互いに日程調整をして、初めて開講する”Språkkafe”「ノルウェー語カフェ」のレッスン見学となりました。
ノルウェー語レッスン受講者の方々を対象にした各回参加スタイルのレッスンです。
会話、コミュニケーションに特化」が特徴で、初回のテーマは「旅で使えるノルウェー語」に決定~。
さてどんな内容にしよう・・・と猫に邪魔されながらの毎日、うーむと考えてました。

3/30の夜。約束通り、シノーベとソンドレさんが来てくれて、まずは”Takk for sist!“「この前はありがとね~」と挨拶。
レッスン前に、私が45分くらいのインタビューを受けました。
最初にノルウェーに行ったのいつ頃?どうしてノルウェーに興味をもったのか?
などなど質問された後は、ノルウェー語で「我、如何にしてノルウェー伝道師となったか」を語りました。
自分が話しすぎたせいか、あまりシノーベから質問はなかったのですが、「学生寮に住んでたの?」と聞かれましたね。
待ってました、とばかりに学生寮で体験したstudentfest(学生パーティ)がいかにクレージーだったかを力説しました。
帰国後、ノルウェー語の仕事と会社生活を兼業していた時期がありました。とうとう体調を崩して会社を辞めたエピソードには「でしょうね~」と納得するノルウェーチーム。

そろそろレッスンが始まる19時ちかくとなり、レッスンに申し込んでくださった3名がやって来ます。
「もしかしたらノルウェー人が来るかも」程度にしかお伝えしていなかったので、実際にノルウェー人2名を前にして生徒さんたちはやや緊張しながらも、大事なワードである・・・

Hyggelig!

「お会いできて嬉しいです」が言えたので、拍手~~。

Hyggelig!

慣れないインタビューだけでもいっぱいいっぱいだったのですが、さらに初めての”Språkkafe”「ノルウェー語カフェ」が続き、猫たちは隙あらば玄関ドアの外に出ようとしているので、平常心を保つのが大変でした・・・。

ちょこんと座っている猫ちゃん

テキストを使わないレッスンを目指したので、思いついたのが「タブレットPCの活用」です。
毎年、ノルウェーに行っては、たーくさんの写真を撮ってます。
旅行で想定されるシーン(ホテルのレセプション、コンビニ、スーパー、ショップ、公共交通機関)などの写真を見せながら、

「レセプションではまずなんと挨拶?どう切り出すか?」
「コンビニで店員に頼まないと買えない物は、どう伝えるか?」
「洋服の試着はどう切り出す?」
「このトラムが自分の目的地に行くかどうかは、どう確認する?」

などなど質問をして、皆さんがノルウェー語のセンテンスを考えていきます。
足りない部分や大事な単語、表現はホワイトボードに書き、覚えるように練習しました。さらに現地情報もちょこちょこ織り交ぜます。

そうそう!せっかく部屋にはノルウェー人がいるから、二人にも質問しました。例えば、SNUSと書かれた文字の写真の場面で、「SNUSってなに?」と聞き、ノルウェー語で答えてくれました。生徒さんたちはヒアリングに挑戦します!SNUSは、日本ではまず見かけないので、説明が難しい・・・。

途中、猫たちは部屋の中をぐるぐる歩いたり、走ったり、そしてノルウェーチームは写真を撮ったり・・・でもレッスンに集中!
そして「困った時のノルウェーワッフル」♪

ノルウェーワッフルを焼き始めたら、シノーベがとっても大きなbrunost(ブラウンチーズ)をお土産よ、とくれました~~~!!!
生徒さんたちにも、ノルウェーを代表するチョコレートKvikk Lunsjをくれて、みんなで声をそろえて

Tusen takk!

お互いに記念撮影などしながら、カオスなままインタビューとレッスンは終わりました~。

受講者の皆さんは「楽しかった」とおっしゃって下さり、安堵~。
最後の試練は・・・玄関ドアに出たがる猫をいかに室内に留めるか・・・ネコ先輩生徒さんが上手くあしらってくれてホッとします。

みんなが家を出た後、ボーゼンとしてしまいました。多分、目は虚ろだったと思います。
これからも、Språkkafeを少しずつでも続けていきたいですね~。
またノルウェーからの取材もVelkomenn!です。