ノルウェー系移民 in USA ~その1~

最初に留学したVoldaカレッジのノルウェー語クラスには、アメリカ人留学生がいました。もう20年も前の話です。
すごく不思議だったのは、「なぜ英語とノルウェー語は似ているのに、こんなにノルウェー語ができないの??」という疑問でした。
いつまで経っても、たどたどしいノルウェー語を話す彼は、最後のコース修了の試験に落第。
先生に聞いたところ、「今まで、アメリカ人留学生で試験に合格したのはたった1人だけなのよ」と教えてくれました。

アメリカ人は、どこでも英語が通じるから外国語を学ぶのが不得手なの??想像をはりめぐらしました。

しかし私は、その考えを改めることになります。
オスロ大学のインターナショナルサマースクール(ISS)に短期留学した際(1997年、1998年)、アメリカ人の参加者が半数くらい占めました。
初心者レベルの学生もいれば、「この人、ネイティブ??」と思うほどハイレベルの学生と呼ぶには年齢が上の参加者がいて本当に驚きました。
ISS参加者の名簿が配られたのですが、アメリカ人学生たちの所属は「St.Olav College」という大学が目立ちました。
この頃、恥ずかしながら、「St.Olav」が何を意味しているのか分かっていなかったのです。
「St.Olav」またはOlav den helligeは、11世紀初頭、ノルウェーの「オラブ王」でした。彼はそれまでのOdin、Torといった「北欧神話」に基づく神様ではなく、キリスト教の改宗に踏み切ります。
改宗にあたっては国内で激しい反発があり、オラブ王は戦闘中に命を落とし、そして「聖オラブ」=Olav den helligeと呼ばれるようになりました。

・・・ここでちょっとSt.Olav Collegeに話を戻すと、「ミネソタ州にあるノルウェー系アメリカ人が創設」とWikiに紹介されています。
wiki:http://en.wikipedia.org/wiki/St._Olaf_College
大学のHPを見てみると、おお、ノルウェー語学科があるではないですか!
http://wp.stolaf.edu/norwegian/

話は変わりますが、ノルウェー語を勉強するにあたって悩ましいのは辞書選びです。
生徒さんによく「どの辞書がいいですか?」と聞かれますが、「Einar Haugen編著のNorwegian-English Dictionary」をお勧めします。
私が持っているのは、今は出版されていないノルウェーの「大学出版社」で出版されたものですが、今では日本のamazonで「Einar Haugen編著」の辞書が入手可能です。

ノルウェー語辞書

ノル-英語辞書・・・ぼろぼろです

ここで注目してほしいのは、版元はウィスコンシン大学出版だということ。

ミネソタとウィスコンシン。このアメリカのエリアの共通点は??
はい、両方とも19世紀にたくさんのノルウェー人が移住した土地です。
・・・ということで、今ではたくさんの移民が暮らすノルウェーですが、ノルウェー人が移民だった時代にさかのぼってみましょう~。
(つづく)