今年の大学人気志願先は?

ノルウェーの新学期は8月中旬ころから始まります。
そしてこの時期、多くのノルウェー人が長~い夏休みを満喫していますが、忙しくしている人もいます。
はい、大学入学志願者を志望先に入学できるかどうかを決定する機関ですね~。

日本では個々の大学ごとに入試が行われますが、ノルウェーの大学(総合大学、カレッジともに)は主に高校卒業試験の結果を提出し、自分の行きたい大学名と専攻学科をリストに挙げていきます。

先週の金曜日(7/18)にその第1回目のいわば「どこの大学・学部の志願者が多いか」が発表されました。以下、Aftenpostenの記事から引用します(2014年7月18日)。

まず全体の志願者数は、かつてなく多く119900人。ここ4年ほど毎年、増加傾向になるそうです。
学費が無料で、かつ求人もより高学歴を求めることの結果でしょうか?

で、定員と志願者数の割合で、「一番入るのが難しい大学と学部の組み合わせ」はこのようになっていま~す。

1.オスロ大学   医学部(8月スタート期)
2.オスロ大学   医学部(2015年1月スタート期)
3.ノルウェー工科大学(NTNU) 医学部
4.ベルゲン大学  医学部
5.トロムソ大学  医学部
6.オスロ大学   心理学(8月スタート期)
7.オスロ大学   歯学部
8.トロムソ大学  歯学部
9。オスロ大学   心理学(2015年1月スタート期)
10. ベルゲン大学  歯学部

大学

オスロ大学

ということで、医学部がほぼ独占状態でしょうか??歯学部もやはり「狭き門」です。
定員数が少ないので、こういう結果になったと思いますね。
有名な話ですが、ノルウェーの大学では医学部に入れなくて、東欧(ポーランドなど)の大学の医学部に留学するノルウェー人は多いです。

全体的に志願者が増えているのは、理科系(エンジニア、情報工学)だそうです。就職で圧倒的に有利なことなどが要因でしょうか?
ノルウェーはエンジニア不足で、外国からの人材もそうした分野ならば就職しやすいと聞いています。

90年代、2000年代初め頃まで人気だった学部で今は人気をなくしてしまったのは・・・・。
「メディア」「ジャーナリスト」系でしょうか。
その当時は、こうしたリストに必ずメディア・ジャーナリズムが入っていたのを覚えています。
ですがインターネットの普及により、紙の新聞を買う人は減り、かつては100万部の売り上げを誇ったタブロイド紙なども今では「スタッフ大量解雇」とか「つぶれるのでは?」というちょっと悲しい状況です。
就職口がない→志願する学生は減る、ということで「メディア学」志願者は8パーセント減になっているそうです。

前述の「医学部人気」に際して、AftenpostenのFacebookで「成績さえ良ければ、志願先に入学できるというシステムはいかがなもの?」という問いかけを行っていました。
「ワシにも言わせろ!」「アタシの意見、聴きなさい!」とばかりにコメントがごっちゃりついてました。
いかにもノルウェー人らしいなぁと思ったコメントは・・・
「将来、医師になる学生は成績よりも”人間性”が大事」
「私がかかっているセラピストはコミュニケーション能力に欠けている。成績だけで決めるのは反対」
・・・と成績が良ければいいという訳ではない、というのが「物申す」人々の主張の大半を占めてました。

今は第1回目の結果発表ですが、そのうち「この大学のこの学部なら入れる」といった類の記事がこれからどんどん出てきます。
ノルウェー夏の風物詩の一つですね。