天気予報革命!

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日本人男性がこよなく愛でる「女子アナ」や「お天気おねえさん」。
日本のテレビに慣れると、ノルウェーのテレビで驚くかもしれません・・・「え?こんなおばさんが司会?」「え?何、この色気のない服装?」
しかし、ノルウェーの天気予報に「革命」をもたらした女性がいます。彼女の名はSiri(シーリ)。

そもそもノルウェーはず~~とNRK(ノルウェー国営放送)の寡占状態が続いていました。
ようやくTV2という民放ができたのは、1992年!
それまでノルウェー人は「CMのないテレビ」しか知りませんでした。
私が最初にノルウェー語を習ったネイティブの先生は、「小さい時、コマーシャルが見たいから映画館に行ってたよ。映画を上映する前にコマーシャルを流すから」という話を聞いたとき、「共産圏みた~い」と、日本の商業主義にどっぷりハマった私は驚いたものです。

で、肝心のSiri。
彼女は新しくできたTV2の「お天気おねえさん」だったのです。
若い美人がブロンドの髪をなびかせ、方言丸出しで天気予報をしていたのですが、その姿は、当時のノルウェー人に衝撃をあたえたようです。
というのも、NRKはずっと冴えないおっさんが、かっちりスーツで気象予報をしていたのに慣れっこだったから。

私が最初にノルウェーへ留学した1995年。
Siriは人気者でした。彼女は、よくミニスカートを履いていたのですが、それだけでタブロイド紙は「Siriのスカートが●センチ短くなった!」と騒ぎ立て、「やれやれ」と日本人の私は苦笑。
「な~んてノルウェー人って可愛くて単純なの!」と。
同じ天気予報をを見ていた男子学生いわく「方言なのも可愛い」と・・・。すみません、私には聞き取りにくいだけなのですが・・・。
Siriはテレビだけではなく、ノルウェーで一番大手のタブロイド紙VGとも契約し、天気予報のページには毎日、彼女がいろいろな洋服を着てポージングを決めていたのです。

ただ、このSiriは単なる可愛いだけの「お天気おねえさん」ではありませんでした。
彼女は気象について大学で専門教育を受けた「気象予報士」でした。お飾りではありません。
かつビジネスセンスにも長け、自ら「気象予報会社」を立ち上げます。そこで彼女のように美人でかつ優秀な気象予報士を雇い、テレビ局などに派遣したのです。
彼女は、自らの「女性性」を生かしつつ、冷静かつ果敢にビジネスを展開し、成功しました。

今回のブログを書くにあたり、改めて「Siri」のことを調べました。検索ワードは「vær Siri」(天気 Siri)。彼女はそう呼ばれていたのです。
本名はSiri Kalvig(シーリ・カルヴィーグ)。
現在、彼女は大学に戻って「オフショア・テクノロジー」の博士課程の研究をしているとか。
ちなみにSiriのルックスはこのサイトから見られます。

ベルリンの壁が崩壊したように、ノルウェーの天気予報に革命をもたらした女性と言えるでしょう!